更新日:2023.05.29 不動産売却の基礎講座, 不動産売却のノウハウ 不動産売却の入門書!売却の全体像から今後の市場動向まで網羅的に解説 不動産の売却は、古着や車の売却のように簡単ではありません。 不動産会社に一任すれば、何も考えなくても売却を進めることができますが、売却価格などで後悔を残さないためにも売主自身がポイントを押さえておくことは重要です。 まだ売却を決めきれていない方は、この記事で売却のタイミングを考え、後悔しないための必要な基礎とコツを学んでいきましょう。 「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格”を見つけましょう 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート この記事の監修者 井口 梓美 宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー。大学卒業後、東証一部上場大手保険代理店へ入社。顧客に寄り添ったプランニングで新人賞を受賞。その後、大手不動産ポータルサイト運営会社へ入社。ITベンチャー企業での経験を経て株式会社AZWAYを創業。自らも宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーの資格を有し、幸せおうち計画をはじめとした「住まい」と「ライフスタイル」に特化したWEBサービスを手掛けている。 Contents1.2023年は不動産を売却すべき?市場から読み取る売り時1-1.2023年は前年程上昇しない1-2.金利が上昇すれば下降局面に2.売る理由で異なる売却方針やポイントを考えてみよう2-1.『住み替え』が理由の不動産売却2-2.『相続』が理由の不動産売却2-3.『離婚』が理由の不動産売却2-4.『金銭的問題』が理由の不動産売却2-5.『転勤』が理由の不動産売却3.不動産売却の全体がわかる基礎知識まとめ3-1.不動産売却の基本点な流れと期間3-2.不動産売却の2つの方法3-3.売却に向けた準備3-4.不動産会社への査定依頼3-5.不動産売却時に必要な書類3-6.不動産売却にかかる費用と税金4.売却の命運を握る不動産会社の選び方4-1.売却実績や得意分野を確認する4-2.査定の根拠を確認する4-3.大手と中小を比較して選ぶ4-4.複数の不動産会社に査定を依頼する5.不動産売却でのトラブルや後悔を回避するコツ5-1.信頼できる不動産会社を見極める5-2.媒介契約の種類に気をつける5-3.不動産会社とこまめに連絡をとる5-4.内覧は丁寧に対応する5-5.不動産の瑕疵(欠陥)を隠さないまとめこの記事のポイント 1.2023年は不動産を売却すべき?市場から読み取る売り時 結論として、2023年は2022年ほどの価格上昇が見込めないばかりか、不動産価格下落のリスクもあるため1年を通して売り時とは言えません。 ただし、2023年の前半は比較的安定した相場になるのではないかと考えられます。 昨年までの不動産価格を確認したうえで、2023年の不動産市場動向を解説いたします。 下の図は、各不動産の価値がどのように水位しているのかを表したグラフです。 2020年からすべての住宅用不動産が価値を上げているのが分かります。 (2010年の不動産価格を基準に作られた価格指数) 引用:不動産価格指数(令和4年8月・第2四半期分)|国土交通省 1-1.2023年は前年程上昇しない 2020年から2022年にかけた不動産価格上昇の理由の一つに、購入需要の増加があります。 コロナ禍で家にいる時間が増えた方は多く、より快適な住まいを購入したいといった考えが増えていきました。 この時点では、住み替えの需要は多くはなかったため、売り物件よりも購入希望者が多く、売り手が強い市場となったのです。 しかし、2022年ごろから徐々に売却需要も増していき、2023年には買い手売り手のバランスが逆転する見込みです。 その場合、買い手が強い市場となり、高い物件を安く買われる流れが生まれ、市場価格も下落する可能性があるのです。 少なくとも、「2023年は、2022年ほどの上昇はない」という考える方が多いでしょう。 1-2.金利が上昇すれば下降局面に これまで不動産価格が上昇してきた最大の理由は、低金利政策によるものと考えられます。 言い返せば、低金利の状態が続くまでは、急激な購入需要の減少は考えにくいため、不動産価格の暴落も考えられません。 しかし2023年の4月には、日銀の黒田総裁が任期を迎え、新たな体制による先導が始まります。 新総裁就任のタイミングで、金利引き上げが起これば、住宅ローンを借りにくくなり、購入需要は激減します。 低金利政策の今後を予測はできませんが、政策に舵を切りやすいタイミングでは、最悪の事態が起こることを心得ておきましょう。 2.売る理由で異なる売却方針やポイントを考えてみよう 過去には「一生に一度の買い物」と言われた不動産ですが、現在では中古不動産も活発に取引されています。 住み替えをはじめとした様々な理由で売却されるようになり、売却理由ごとにある売買の特徴が見えてきました。 この章では、売却方針を決めていくうえで重要な、売却理由ごとに異なる特徴や注意点について解説します。 下のアンケート実施結果に基づいて、最も多い売却理由から順に解説いたします。 ※集計期間:2021/9/1~2022/2/28 当社調べ『一戸建て住宅の売却理由』 2-1.『住み替え』が理由の不動産売却 住み替えを行う場合、売却と同時に購入も考えていく必要があります。 その際、以下のように順序を考えることが重要です。 先に売却し、後に購入する(売り先行) 先に購入し、後に売却する(買い先行) 売却と購入を同時に完了させる(売り買い同時進行) この中で最も金銭的負担を抑えられるのが『売り買い同時進行』の方法です。 売り先行では、余裕をもって購入先を見つけられる一方、新居の契約までは仮住まいが必要となります。 買い先行では、売却期間に余裕をもてるため売り急ぎがなくなり、場合によっては高く売却できますが、住宅ローン等の固定費が2重にかかるリスクがあります。 売り買い同時進行では、旧居の引き渡しと同時に、新居への引っ越しを行うよう計画的に進めていくため、前述の方法に比べて金銭的な負担なく住み替えができます。 ただし、仲介による売却ではいつ売れるか分からないため、スケジュールの設定が難しくなります。 購入とのタイミングを無理に合わせるあまり、売り急ぎ売却価格を落としてしまう方も少なくありません。 売り買い同時進行の最もの利点は仮住まいを必要としないことですから、仮住まいにかかる費用(初期費用や引っ越し代)以上の値下げが必要な場合は、購入を後回しにすることも検討しましょう。 2-2.『相続』が理由の不動産売却 相続した不動産を売却する際は、不動産の名義に注意が必要です。 相続後、不動産の名義変更手続き(相続登記)を行っていないケースや、複数の相続人で共有不動産としているケースでは、売却に影響を与えるためです。 相続登記をしていない場合は、登記上の名義人が被相続人のままのため、名義を変更しない限り売却ができません。 不動産の所有権を共有する共有不動産となっている場合は、共有者全員が売却に応じてもらう必要があります。 厳密には、自身が保有する持分だけであれば自由に売却できますが、トラブルリスクが多く、使い勝手の悪い一部の持分売却では買い手が付きにくい傾向にあります。 相続で取得した不動産を売却する際は、まず名義人の確認から行い、名義の変更・整理から始めましょう。 2-3.『離婚』が理由の不動産売却 離婚時に不動産を売却する場合、「不動産が財産分与の対象であるか」「事前に協議を済ませているか(分割方法決めているか)」が重要です。 まず、財産分与の対象となる不動産は、婚姻後に二人で築いた財産であるものに限ります。 例えば、夫側が単身時に購入していた不動産であれば対象となりません。 不動産の売却は名義人でれば独断で行えますが、財産分与の対象である場合は、事前に協議し分与割合を決定した上で売却を行うことが重要です。分与割合は原則的に、夫婦で半分ずつですが、どちらか一方が著しく給与が高い(財産を築く上での貢献度が高い)場合はその限りではありません。 ただ、財産分与はお互いが合意さえすれば基本自由に行えます。 円滑に売却、分与を進めるためにも二人の話し合い(協議)にはしっかりと向き合うことが重要です。 2-4.『金銭的問題』が理由の不動産売却 住宅ローンは多くの場合で、最も家計を圧迫する支出と言えます。 住宅ローンを滞納し続けると、一括返済を求められ、それに応じないと最終的に競売に出されます。 競売は相場価格の6~7割と低い金額で取引されるため、競売が起こる前に仲介にて売却できるのが理想的です。 金銭的問題から売却を考える際、まず確認すべきが売却後に住宅ローンを完済できるかどうかです。 原則的に、売却金額を合わせて住宅ローンを完済できないと売却できないためです。 万が一、売却しても住宅ローンを支払いきれないが、すでに住宅ローンを滞納している場合は、金融機関と相談の上売却を行います。これを任意売却といいます。 また、売却に費やせる時間を正しく把握しておくことも必要です。 現金化を急ぐあまり、早く売ろと不要な値下げを行ってしまう方がよくいるためです。 早く現金化する手段として買取もありますが、仲介での売却に比べると売却金額は低くなります。 「売却に手間をかけたくない」「どうしても早く売却しなければいけない」といったケース以外では、基本的に仲介での売却をおすすめしています。 明確に売却のタイムリミットを設けて、計画的な売却を進めていくことが重要です。 2-5.『転勤』が理由の不動産売却 転勤が理由の場合、引っ越しのタイミングによって売却に十分な時間が設けられない場合もあります。 早く売却しようとばかり考えていると安売りしてしまう可能性があるため、タイムリミットを明確に決めて売却スケジュールを組んでいきましょう。 転勤後の地から遠隔で売却を進めることもできるので、安売りしてしまう可能性がある場合は、転勤後も売却を継続することも検討しましょう。ただし、「時間さえあれば値下げをせずに高く売れる」という保証はないので、地域の実情を理解した不動産会社と相談をしながら売却方針を決めてくことが重要です。 転勤のため一時的に引っ越すが、数年後に家に現在の住まいに戻る場合は、賃貸も検討できます。 賃貸とする場合、住宅ローンの継続ができず、比較的金利の高い賃貸用のローンに借り換える必要があります。 転勤時の賃貸も考えている方は、転勤になったら家は貸す売る?おすすめの選択肢をご覧ください 3.不動産売却の全体がわかる基礎知識まとめ 不動産売却をしようと思い立っても「何から」「何まで」学んでおけばいいか分からないのではないでしょうか? この章では、不動産売却をする上で絶対に知っておくべき基礎知識をまとめました。 「何から」「何まで」を学べばいいかが明確に分かるかと思います。 初めての人にもわかりやすい簡単な解説の後には、それぞれ詳しく知りたい人に向けた別記事へのリンクも掲載しております。 以下の通り解説していきます。 不動産売却の基本的な流れと期間 不動産売却の2つの方法 売却に向けた準備 不動産会社への査定依頼 不動産売却時に必要な書類 不動産売却かかる費用と税金 3-1.不動産売却の基本点な流れと期間 まずは、不動産売却がどんな行程を経て、どのくらいの期間がかかるのか見ていきましょう。 不動産売却の基本的な流れは、以下の通りです。 上記の流れに沿って、それぞれのステップでかかる期間も確認していきましょう。 段階 流れ 所要期間の目安 売り出し前 1.相場を調べる ~1か月 2.不動産査定の依頼 3.媒介契約の締結 売り出し中 4.販売活動の開始 1~3か月 5.売買契約の締結 売買契約後 6.決済・物件の引き渡し 1か月 7.確定申告 売却の翌年 全体で見ると、目安として6か月ほどの期間を要します。 不動産会社と結ぶ媒介契約まで済めば、以降の売却活動は主に不動産会社主導で行われます。 不動産会社はチラシを配ったり、売買物件情報サイトに広告を掲載したりと、様々なアプローチで集客を行ってくれます。 それぞれの行程について、より詳しくは『不動産売却の流れ』をご覧ください。 3-2.不動産売却の2つの方法 前章では、不動産売却の流れと期間を解説しましたが、これは『仲介』という売却方法をとった場合の説明になります。 仲介は一般的な売却方法ですが、他に『買取』という売却方法があることを知っておきましょう。 仲介は、不動産会社に売却の仲立ちを頼み、第三者の買主を募集し売却する方法です。 一方の買取は、不動産会社に直接売却をする方法です。 仲介は買主の募集が必要なため約6か月の期間を要しますが、買取は業者に直接売却するため、最短1週間程で売却できます。 ただし、買取は不動産会社にとっての仕入れの場ですので、仲介で売却する場合に比べ2~3割低い価格で取引されます。 この記事では、より一般的な仲介での売却について詳しく解説していきます。 買取について詳しく知りたい方は『不動産買取業者の正しい選び方│買取・仲介の違いと利用すべきシーン』をご覧ください。 また、不動産会社を通さず個人で売却を進めたい方は『不動産の個人売買の流れと注意点について』をご覧ください。 3-3.売却に向けた準備 不動産の売却は、売り出した価格で購入希望者を募ります。 買手が見つからなければ、場合によって値下げ等の売り方の工夫が必要になります。 そのため、事前に売却を計画をたてられているかが重要です。 細かい売却計画は不動産会社と一緒に立てていけますが、依頼する前に以下3つの点は考えておきましょう。 いくらで売却したいのか いつまでに売却したいのか 売りたい物件のおよその売却相場 住宅ローンが残っている方、住み替えの資金を必要としている方などは特に「いくらで売れるか」が重要になるかと思います。 売却期間は値段設定をする上で大事な指標になるので、「いつまでに」「最低でもいくらで売れてほしい」のかを決めておきましょう。 また、売主自身が事前に、物件の売却相場を大まかに把握しておくことも重要です。 不動産会社の査定額を比較する際や、売り出し価格、値引額を決める際に役立ちます。 売却相場の調べ方については『不動産相場を自分でしらべる方法』をご覧ください。 3-4.不動産会社への査定依頼 不動産会社が行う査定では、その物件が「売れるであろう価格」を調査します。 売主は、査定価格を参考に売り出し価格や売却方針を決めていくのです。 査定価格は、その通りに売れることを保障するものではなく、査定を行う不動産会社や担当者によって異なる点には注意しましょう。 査定には以下2つの方法があり、売主はどちらの方法で依頼するのかを決めておく必要があります。 簡易査定 訪問査定 簡易査定は、物件の築年数や土地の面積、エリアなどの情報から簡易的に査定額を算出する方法です。対して訪問査定は、簡易査定をもとに、担当者が実際に現地を確認して査定額を算出する方法です。 訪問査定のほうが現地調査を実施する分、精度の高い査定結果を得られます。 売却の意思が固まっている方は、訪問査定を依頼しましょう。 査定について詳しくは『【完全ガイド】不動産査定とは?』をご覧ください。 また、契約する不動産会社を選ぶためのイベントでもあります。 査定を依頼し、信用できる不動産会社が見つかったら媒介契約を結びます。 媒介契約には一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3つの契約方法があります。 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約 複数社との契約 可能 不可(1社のみ) 不可(1社のみ) 買主を自分で見つけること 可能 不可 不可 売主への報告頻度 報告の義務なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上 レインズへの登録義務 報告の義務なし 7日以内に登録 5日以内に登録 不動産仲介会社と媒介契約を結ばないと、販売活動の開始や買主との契約ができません。 不動産会社の多くは専任媒介契約や専属媒介契約を勧める傾向にあります。査定依頼前にどの媒介契約にすべきか決めておきましょう。 媒介契約について詳しくは『媒介契約は3種類メリットとデメリットと有利な契約について解説』をご覧ください。 カンタン1分入力 あなたの 不動産 いくらで売れる? STEP1 都道府県 東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 群馬県 栃木県 茨城県 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 新潟県 山梨県 長野県 富山県 石川県 福井県 愛知県 静岡県 岐阜県 三重県 大阪府 兵庫県 滋賀県 京都府 奈良県 和歌山県 岡山県 広島県 鳥取県 島根県 山口県 香川県 愛媛県 高知県 徳島県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 STEP2 市区町村 都道府県が選択されていません。 市区町村が選択されていません。 ご指定いただいたエリアへのお問合せは、現在取り扱っておりません。 完全無料一括査定スタート 3-5.不動産売却時に必要な書類 不動産の売却には、以下に紹介するような様々な書類が必要になります。 こうした必要書類は、不動産会社が適宜教えてくれるため、すべてを自分で調べ用意しておく必要はありません。 ただし、よりスムーズに売却を勧めたい方は、できる範囲で書類を用意しておくといいでしょう。 ▼不動産会社に売却を依頼するために必要な書類 チェック 書類の名称 マンション 一戸建て 土地 登記簿謄本または登記事項証明書 〇 〇 〇 売買契約書 〇 〇 〇 物件購入時の重要事項説明書 〇 〇 〇 登記済権利書または登記識別情報 〇 〇 〇 土地測量図・境界確認書 〇 〇 〇 公図 〇 〇 〇 固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書 〇 〇 〇 物件の図面 〇 〇 設備の仕様書 〇 〇 建築確認済証および検査済証 〇 建築設計図書・工事記録書 △ △ マンションの管理規約または使用細則 〇 マンション維持費関連書類 〇 耐震診断報告書 △ △ アスベスト使用調査報告書 △ △ ▼不動産の引き渡しに必要な書類 チェック 書類の名称 マンション 一戸建て 土地 本人確認書類 〇 〇 〇 実印 〇 〇 〇 印鑑証明書 〇 〇 〇 住民票 〇 〇 〇 銀行口座の通帳(銀行振り込み先情報) △ △ △ ローン残高証明書またはローン返済予定表 △ △ △ 物件のパンフレット △ △ △ 各書類の説明や取得方法については『不動産売却の必要書類はこれでバッチリ!すべての書類を一挙紹介』をご覧ください。 マンション売却、一戸建て売却、土地売却。物件種別が違えば、書類だけでなく売却のポイントも変わりますので、売りたい物件に応じた情報を収集することが大切です。 3-6.不動産売却にかかる費用と税金 不動産売却では、目安として売却金額の5~7%程度の費用がかかります。 例えば、3,000万円売却した場合は、150~180万円が支払い相場となります。 以下では、具体的にどのような費用と税金が発生するのかを表で紹介します。 ▼売却する上でかかる費用 項目 費用の目安 仲介手数料 取引額×3%+6万円(+消費税) ※取引額が400万円超えの場合 印紙税 2万円(軽減税額では1万円) ※1,000万円超〜5,000万円以下の場合 抵当権抹消費用 ・司法書士への報酬:15,000円〜20,000円 ・登録免許税:不動産1個に対して、1,000円 譲渡所得税 長期譲渡所得:譲渡所得に対して20.315%(所得税と復興特別所得税で15.315%+住民税5%) 短期譲渡所得:譲渡所得に対して39.63%(所得税と復興特別所得税で30.63%+住民税9%) ローンの一括返済にかかる費用 およそ1万〜5万円 その他の諸費用 項目により異なる この中で、最も大きな費用となりやすいのが仲介手数料です。仲介手数料は、不動産会社が売買契約を成立させた際に成功報酬的に支払う費用です。 上の表にある他の費用に関しても、売買契約成立時や引き渡し時、売却の翌年に発生するものです。 そのため、売却を始めたタイミングですぐに費用や税金は発生しません。 また、譲渡所得税は売却益に対してかかる税金なので、必ずしも発生するわけではありません。 売却益が出た場合は、自ら確定申告をして納税することも覚えておきしょう。 費用や税金について詳しくは『不動産売却のときにかかる諸費用は?』をご覧ください。 なお、人によっては以下のような諸費用がかかる場合もあります。 ▼人によってかかる諸費用 項目 費用の目安 ハウスクリーニング費用 約10万円 引っ越し費用 エリアや時期によって変動するので、引っ越し業者に要確認 測量費 現況測量費が、35万〜45万円 確定測量費が、60万〜80万円 解体費 家の規模や構造、エリア、周辺環境によって、変動 木造で、3万〜5万円/坪 鉄筋コンクリートで、6万〜8万円/坪 不動産売却の基礎は以上です。これらを大まかにでも理解したうえで売却に臨むと、安心してスムーズに売却を進めていけるでしょう。 ただし、売る人の事情によっては上述の基礎知識を知っていても解決できないこともあります。 その際は、税理士や司法書士、弁護士などの専門家への相談も検討してみましょう。 それぞれの悩みに応じた相談先については『売却の相談はどこにすべき?9つの相談先を解説』をご覧ください。 4.売却の命運を握る不動産会社の選び方 最終的に売却を進めるには、不動産仲介業者に依頼する必要があります。ここでは、不動産会社選びのポイントを4つ紹介します。 不動産売却では、パートナーとなる不動産会社選びが、売却の命運を握るとも言えます。 不動産会社も営利事業ですから、いつでも売主にとって最善の行動をとってくれるとは限りません。 中には、自社の利益のために売主に嘘をつく不動産会社、あるいは担当者もいるので注意しましょう。 以下では、売却を成功させる不動産会社の選び方について、4つの項目に分けて解説いたします。 4-1.売却実績や得意分野を確認する まずは、不動産会社の過去の売却実績や得意分野を確認しましょう。戸建てが得意な会社もあれば、マンション売却が得意な会社もあります。 例えば、築古や駅から距離のある戸建でも、地域情報の収集に長けた地元の不動産会社であれば、エリアの魅力と併せて物件を紹介することで売却が進む可能性があります。また、マンションの取り扱いをメインで行っている不動産会社であれば、豊富な顧客データを基にしたスムーズな売却が期待できるでしょう。 ホームページや店頭で、過去の売却実績や得意分野を確認しましょう。特に実績を掲げていない場合は、査定の際に問い合わせのタイミングで確認することをおすすめします。 4-2.査定の根拠を確認する 不動産の査定額は、どこの会社が行っても同じ金額になるわけではなく、担当者によって金額が異なります。そのため、提示された金額が何を根拠にして、算出されたのかを確認してみましょう。「宅地建物取引業法第三十四条の二」により、不動産会社は査定の根拠を示す必要があります。 複数社の査定額を比較すると、高額な査定額を出してくれる不動産会社も見つかりますが査定額が高ければいいというわけではありません。 中には、媒介契約が欲しい為に現実的ではない高い査定額を提示する不動産会社もいるためです。 査定額=売却額ではありませんし、相場と比べて高すぎる金額で売り出して、何ヵ月も何年も売れ残ってしまうと意味がありません。 担当者からの答えを参考にしながら、信頼できる不動産会社を選ぶのがおすすめです。 4-3.大手と中小を比較して選ぶ 不動産会社は、誰でも名前を知っている大手の会社から、地元で経営されている会社まで無数にあります。 その中から、不動産会社を選ぶことは骨の折れる作業ですが、それぞれの特徴を理解して自分の所有する不動産に合った会社を選ぶことが大切です。大手の不動産会社の方が、顧客をたくさん抱えていて、すぐに高く売れそうと感じる方もいますが、一概に大手の方がいいとはいえません。 顧客数や認知度であれば、大手の不動産会社の方が多いですが、逆に中小の不動産会社は地域の特性を理解していて、コミュニケーションも積極的にとってくれます。人気エリアでの不動産売却をする際には、大手に依頼することで、より高く売れる可能性があります。 しかし、地方や立地のあまり良くない場所であれば、地元の不動産会社に依頼することがおすすめです。不動産会社の人脈を頼りに、地元で買主を探したほうが早く買主が見つかる可能性が高まります。 「不動産売却 HOME4U」では、全国の不動産会社の情報を手軽に調べることが可能です。 北海道 北海道 東北 青森県 | 岩手県 | 宮城県 | 秋田県 | 山形県 | 福島県 関東 東京都 | 神奈川県| 埼玉県 | 千葉県 | 茨城県 | 栃木県 | 群馬県 甲信越 新潟県 | 山梨県 | 長野県 東海 愛知県 | 岐阜県 | 静岡県 | 三重県 北陸 富山県 | 石川県 | 福井県 関西 大阪府 | 兵庫県 | 京都府 | 滋賀県 | 奈良県 | 和歌山県 中国 鳥取県 | 島根県 | 岡山県 | 広島県 | 山口県 四国 徳島県 | 香川県 | 愛媛県 | 高知県 九州・沖縄 福岡県 | 佐賀県 | 長崎県 | 熊本県 | 大分県 | 宮崎県 | 鹿児島県| 沖縄県 ご自身が所有している不動産に合わせて、最適な不動産会社を選びましょう。 4-4.複数の不動産会社に査定を依頼する 家の売却は、必ず複数の不動産会社に査定依頼をしましょう。 複数の不動産会社に査定依頼することで、売却価格への納得感が増しますし、信頼できる不動産会社を見つけられます。 家は、一軒一軒条件が異なります。土地の形、周辺環境、担当者の知識によっても査定額が異なるため、自分の物件にふさわしい査定額が知りたい場合は、複数社に依頼してください。 とはいえ、複数社に依頼して回るのは大変な方も多いと思います。忙しい方は、インターネットを使った不動産一括査定サービスを利用してみましょう。 一括査定サービスとは、売却を希望している不動産の簡易的な情報を入力するだけで、複数の不動産会社から査定額を提示してもらえるサービスです。 さまざまな一括査定サービスがありますが、実績や安全性を重視してサービスを選んでください。一括査定サービスのおすすめは「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」です。 お住いの住居のタイプや住所、部屋の広さなど、資料がなくてもわかる情報を入れるだけのかんたん入力で、最大6社までの査定を取り寄せ可能です。日本初の一括査定サイトとして、20年以上の運用実績と累計45万件以上の売却査定の経験があるので、安心して利用できます。 査定自体はもちろん無料でできるので、不動産を売却したい方はぜひ「不動産売却 HOME4U」を利用してみてください。 この章では、不動産会社選びのコツを詳しく解説しました。 不動産売却全体を通した、高く売るコツに関しては『【不動産売却】高額査定のコツは?』をご覧ください。 5.不動産売却でのトラブルや後悔を回避するコツ ここでは、不動産売却で失敗しないためのポイントを紹介します。 5-1.信頼できる不動産会社を見極める 信頼できる不動産会社を見つけることで、納得のいく査定額で媒介契約を結ぶことができ、不動産売却のトラブルなく売却活動を進めることができます。 信頼できる企業を選べば、不動産売却のタイミングの見極めから販売活動、引き渡し後のトラブル回避まで幅広いサポートが期待できます。信頼できる不動産会社選びのポイントとしては、「複数社に話を聞く」ということです。 1社に絞ってしまうと、その会社のいうことが正しいのか間違っているのかさえ分かりません。ですので、必ず複数の不動産会社から話を聞いて、信頼できる不動産会社を見極めていきましょう。 不動産会社の比較・検討は、まとめて不動産会社に依頼できる「不動産売却 HOME4U」などの一括査定サービスがおすすめです。まとめて複数社に同じ質問ができるため、回答によって担当者の姿勢や提供される情報などが簡単に比較できます。 「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ 「不動産を売りたいけど、どうしたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」なら複数社に査定依頼でき”最高価格”が見つかります 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート 5-2.媒介契約の種類に気をつける 5章で解説した通り、媒介契約は3種類あります。 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約 どの媒介契約を選ぶかによって、自分で買主を見つけた際に取引が可能かどうか、販売活動の報告頻度などが違います。それぞれの特徴を踏まえて、媒介契約を選ばないと後悔する可能性があります。 どれが1番正解ということはありませんが、自分でも買主を見つけながら、不動産会社にしっかり売却活動を行ってもらいたい場合は、「専任媒介契約」をおすすめします。 その理由は以下の通りです。 自分で買主を見つけて取引することが可能 売却活動の報告を不動産会社から受けられる 5-3.不動産会社とこまめに連絡をとる 媒介契約を結び、販売活動が開始した後も、不動産会社と定期的にコンタクトをとりましょう。不動産会社の担当者はたくさんの担当物件を抱えています。そのため、報告が途切れがちな担当者もいるかもしれません。 しかし、なかなか売却に結びつかない場合は広告の反響を確認し、都度対策を立てること売却を目指すこととなります。そのためにも、状況把握のためのやり取りは大切です。 なお、専任媒介契約は2週間に1回以上、専属選任媒介契約は1週間に1回以上、それぞれ報告義務があるので、連絡をとりやすいでしょう。 また、媒介契約の期間は一般的に3ヵ月が目安です。まずは一般媒介契約で複数社の動きを比較してから選任媒介契約を結ぶ不動産会社を見極めることもできます。 5-4.内覧は丁寧に対応する 内覧では、丁寧に対応するようにしましょう。内覧時の対応は、内覧者の購入意思に影響します。内覧をするということは、立地面や家の外観やエリア、土地に関しては、気に入っている可能性が高く、家の中をみて最終的に購入するかを決める人が多いので、内覧時の対応が購入するかの大きな判断軸になります。 また、内覧の際に丁寧に対応すると、内覧者は売主に対して信頼感を持ちます。信頼感があれば、内覧者は前向きに家の購入を考えてくれるでしょう。 丁寧な対応の具体例は、以下の通りです。 部屋を掃除してキレイにしておく 質問には嘘偽りなく答える 値下げ交渉などの要望も、後ほど答えるにして、むげにしない 内覧希望者は、物件を目当てで内覧にきますが、不動産売買は売主と買主の信頼があってはじめて成立することなので、誠実に対応するようにしましょう。 5-5.不動産の瑕疵(欠陥)を隠さない 雨漏りやひび割れなど、住宅の瑕疵(欠陥)を隠したまま売却すると、「契約不適合責任」として欠陥部分の補修や損害賠償、契約解除などに及んでしまう可能性があるため、必ず不動産会社に報告しましょう。 住宅の欠陥は、査定額に影響するのでなかなか言い出しにくいポイントではあります。しかし、不動産会社に相談することで、契約不適合責任を負わない(免責)として販売する、最低限のリフォームを施すなど、適切なアドバイスを受けることができます。 後々、売主と大きなトラブルにならないためにも、気になる点は必ず報告するようにしましょう。 【不動産売却】高額査定のコツは?ネット査定の方法や成功する進め方がわかる! 住み替えや転勤、親との同居などライフステージにおけるさまざまな理由で、 まとめ 不動産売却を成功させるためには、不動産会社に任せきりにするのではなく、自分で調査し、価格や全体の流れを把握しておくなどといった取り組みも大事です。売りたい物件の相場を理解しておくことは、適正な価格で売り出すための指標になるだけでなく、売却の成功にも大きく影響します。 納得いく形で売却活動を進めるためにも、ご自身でも基本的な知識を身につけながら、信頼できる不動産会社を探して相談していきましょう。 不動産会社を探すなら「HOME4U」が便利です。NTTデータグループによる20年の運営実績があり、全国の厳選された不動産会社が参画しています。査定は無料なので、不動産売却がお決まりの方はぜひご利用ください。 【無料】一括査定依頼をしてみる この記事のポイント 不動産売却の基本的な流れとは? 不動産売却の基本的な流れは以下の7ステップです。 相場を調べる 不動産査定の依頼 媒介契約の締結 販売活動の開始 売買契約の締結 決済・物件の引き渡し 確定申告 詳しくは、「3-1.不動産売却の基本点な流れと期間」をご覧ください。 不動産売却にかかる費用と税金とは? 不動産売却にかかる費用と税金は、以下の6つです。 仲介手数料 印紙税 抵当権抹消費用 譲渡所得税 ローンの一括返済にかかる費用 その他の諸費用 詳しくは、「3-6.不動産売却にかかる費用と税金」をご覧ください。 不動産売却でトラブルを回避するためのポイントとは? 不動産売却でトラブルを避けるためのポイントは以下の5つです。 媒介契約の種類に気をつける 内覧は丁寧に対応する 信頼できる不動産会社を見極める 不動産会社とこまめに連絡をとる 不動産の瑕疵(欠陥)を隠さない 詳しくは、「5.不動産売却でトラブルを回避するためのポイント」をご覧ください。 この記事の編集者 「不動産売却塾」編集部 不動産の売却に特化した情報を発信する「不動産売却塾」編集部です。不動産の売却をスムーズに進めるポイントや、売却時に発生する税金、費用などをわかりやすく解説。掲載記事は不動産鑑定士・宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修を行っています。 運営会社情報(NTTデータスマートソーシング) Facebook twitter feedly