マンション売却に適した時期を徹底解説

マンション売却に適した時期を徹底解説

この記事はマンションの売却の時期について解説しています。

今は売りどきですが、今後もこの状況が続くのか、何に注意すれば売りどきを逃さないかについてもご紹介します。

マンションの売却を基礎から詳しく知りたい方は『マンション売却の流れを9ステップで詳しく解説!』もご覧ください。

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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1. マンションはタイミング見て売却すべきもの

戸建てであれば、古くなったら取り壊して再建築をすることが可能ですが、マンションは建て替えが非現実的なため、売却しないと朽ち果てるまで持つということになります。

マンションのような建物は、「建物の区分所有等に関する法律」によって権利関係が規定されています。マンションの建て替えは、原則として区分所有者と議決権の5分の4以上の賛成が必要となります。

老朽化マンションでは、居住者に高齢者が多くなっており、建て替えに伴う引っ越し代等の費用捻出が困難であることから、5分の4以上の賛成を取ることは極めて難しいのが現状です。

建て替えができないとなると、マンションは老朽化し続けます。設備は時代遅れなのに、修繕積立金は増え続け、だんだんと快適性は失われていくのです。

マンションは戸建てのように相続で何代も引き継げる資産にはなりにくいという特徴をもっています。そのため、マンションはタイミングを見て売却をしていくことをおススメします。

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2.マンション売却のタイミングを判断するポイント

マンション売却のタイミングを判断する際、ポイントは4つあります。それぞれのポイントをしっかり把握し、ベストなタイミングで売却を進めましょう。

2-1. 築年数

マンションの売却額は、築年数により大きく変わります。築年数の浅いマンションほど高く売却できます。逆にいうと、築年数が経過するほど、資産価値は低下していきます。

マンションの売却相場は、築5年未満、築10年未満と概ね5年ごとに下がると言われています。築年数が浅ければ、それだけ新築に近く修繕費もかさまないイメージがあるからです。築15年あたりから大規模修繕が必要な時期になるため、一旦買い手はつきにくくなります。しかし、大規模修繕を終えたあとは景観も美しく設備も新しくなり、買い手が見つかる可能性が高くなります。その後はまた相場は下がり続けます。

以上を踏まえ、いつ売却するかは築年数を念頭に、タイミングを逃さないように計画を立てることが重要です。

2-2. 時期

マンション売却には、適した時期があります。最も需要が増える時期は、新生活がスタートする直前の2月~3月頃です。

反対に、1月と8月はマンションがなかなか売れない時期と言われていますので、売り急ぐ事情がないのであれば、売れない時期を避けて、次の需要の時期を待つのもひとつの方法です。

2-3. 経済動向

マンション売却を進める時は、経済動向に目を向けることも必要です。
経済は、住宅ローンの金利のほかにも、新型コロナウイルスやオリンピックにも影響されます。経済に変化があると、地価はもちろん、建材や人件費も変化します。こういった要因がすべて絡み合って売却価格の相場は変動しています。

常にニュースに耳を傾け、経済がどのように動いているのか日々注視してタイミングを逃さないようにしましょう。

2-4. ライフイベントなど

マンション売却を考える際、全く別の視点からライフイベントを軸に進めることも重要です。ライフイベントとは、子供の入学や独立、定年退職や相続が発生した等、人生の岐路を指します。

高く早く売れるばかりがポイントとは限りませんので、ご自身にとってもベストなタイミングに合わせて売却に踏み切るためにも、早めから想定して計画立てることが大切です。

マンションの売却のタイミングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

マンション住み替えはいつする?手順やタイミング、ローン、税金を解説

3. マンション売却の適した時期

公益財団法人東日本不動産流通機構によると、5年ごとの築年数別における首都圏のマンション価格の推移は以下の通りです。

公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏のマンション価格の推移」築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2017年)

マンションは、基本的に価格がズルズルと下がり続ける傾向にありますので、「築〇〇年目までだったら高く売れる」という法則はありません。そのため、マンション売却に適した時期は築年数以外のところに答えがあります。

そこでこの章ではマンション売却に適した時期として、「新築マンションの価格上昇時期」、「引っ越しシーズンの前」、「大規模修繕の後の時期」の3つについてご紹介します。

3-1. 新築マンションの価格上昇時期

マンションは、新築マンションの価格が上昇している時期に売却するのが適切です。

中古マンションは築年数の経過とともに価格が下がりますが、中古マンションの取引が活発な時期に限っては、中古でも価格は上がります。

中古マンション価格が上昇する原因の一つに、新築マンション価格の上昇があります。

新築マンションの価格が上昇すると、新築マンションが高過ぎて買えない人たちが中古マンションを購入するようになります。すると、中古マンションの取引が活発になるため、価格が上がっていきます。

以下のグラフは過去10年間における首都圏の新築マンション※1と中古マンション※2の価格の推移を表したものです。

首都圏マンション平均価格の推移
※1 出典:株式会社不動産経済研究所
※2 出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構

グラフを見ると、中古マンションの価格は新築マンションの価格とほぼ連動して動いていることが分かります。

2009年頃はリーマンショック、2011年および2012年は東日本大震災の影響を受け、新築マンションと中古マンションの価格が下がった時期がありました。

その後、2013年以降は景気が持ち直し、新築マンションも中古マンションも価格の上昇が続いています。2018年10月時点では、価格の上昇が続いており、今は売りどきと判断できます。

新築マンションの価格が上昇しているときは、マンションの売却時期として適切といえます。

3-2. 11月に動き出すのがベスト

マンションは、3月の引っ越しシーズン前の時期に売却するのが適切です。

以下に参考として、総務省統計による全国の月別市区町村間の住民基本台帳人口移動者数(外国人含む)を示します。この移動者の数は賃貸物件への引っ越しも含みます。

住民基本台帳人口移動者数

住民基本台帳人口移動は、住民票移動となります。住民票移動者数は3月がダントツに多いです。4月も数としては多いですが、ここには3月に引っ越しを終えた人が、4月に入ってから住民票を移動している人も相当数含まれているものと思われます。

引っ越し前は、賃貸だけでなく、売買も活発に行われます。以下に、2017年の首都圏における中古マンションの月別の取引件数を示します。

首都圏における中古マンションの月別取引件数公益財団法人東日本不動産流通機構

中古マンションは2月と3月に取引件数が多く、4月になると急に件数が減ることが分かります。つまり、3月は良く売れるということになります。

マンションの売却では、売却活動期間に平均で3ヶ月程度かかります。また、売買契約から引き渡しは約1ヶ月です。そのため、11月には査定を受け、12月あたりから売却活動を開始すると、ピークの3月の引き渡しにちょうど上手くハマります。

マンションの売却は、3月の引っ越しピークに合わせるため、11月には動き出すようにしましょう。

信頼できる不動産会社を探すのには時間がかかることもあるので、時間があるうちに査定依頼を済ましておきましょう。
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3-3. 大規模修繕の後の時期

マンションは、大規模修繕の後も比較的、売却しやすくなります。

新築マンション上昇期や引っ越し前というのは、世の中全体の動きですが、個別のマンションとなると、大規模修繕の後が良いタイミングです。大規模修繕には、外壁塗装や屋上防水、エレベーターの入れ替え等、様々なものがあります。

マンションの売却チラシでは、「2018年大規模修繕済み」などと書かれているチラシをよく見かけます。大規模修繕が終わっているという事実は、買主への大きなアピール材料となります。特に外壁塗装の後は、見た目が随分と改善されるため、売却時期としては良いタイミングです。

全国宅地建物取引業協会連合会では、不動産情報の検索等に関する意識調査(2011年3月)というものを行っています。その中では、インターネットや携帯サイトの不動産物件情報のなかで、写真で見たい情報についてもアンケートを取っています。

不動産情報の検索等に関する意識調査

アンケートの結果によると、検索ユーザーが写真情報の中で一番見たいものは、「建物の外観・デザイン」となっています。「建物の外観・デザイン」は、購入希望者にとって非常に関心が高い項目です。

外壁塗装後は、建物の外観の写真映りも良くなるため、売却のチャンスです。数年以内に外壁塗装が完了している状態であれば、売却を検討してみても良いでしょう。

4. 売りどきを逃さないための注意点

現在、マンションは売りどきですが、この売りどきはいつまでも続くわけではありません。

そこで、この章では売りどきを逃さないためにも今後どのような点に注意していけば良いのかについて解説します。

4-1. 金利上昇には要注意

住宅ローンの金利が上昇すると、住宅取得意欲が減退するため、中古マンションおよび新築マンションともに売却しにくくなります。

2018年の9月時点では、日銀による超低金利政策が続いています。日銀が超低金利政策を取っている限り、住宅ローン金利が安いため、住宅を買いやすくなります。

ここ数年は、住宅ローンが借りやすい状況が続いていたことから、買いどきの状況も続いていました。しかしながら、住宅ローン的には買いどきであるものの、住宅価格は高くなっているため、買いにくさが目立ち始めてきています。

そのため、住宅ローンの金利が上がれば、買いにくさに一気に拍車がかかり、マンションの取引件数が減少することが懸念されます。マンションの取引件数が下がっていけば、売りにくくなっていくため、必然的に価格も今よりも下がります。

日銀の金利政策は、不透明な状況にあり、今後、いつ利上げが実行されてもおかしくありません。住宅ローンの金利は日銀の金利政策と連動していますので、日銀の動向には注目する必要があります。

マンションを高く売却するのであれば、利上げが行われる前に、売却するのが賢明です。

4-2. 土地価格の下落には要注意

土地価格が下落したときも要注意になります。ここ数年、中古マンション価格が値上がりしていますが、その原因は土地価格が上昇しているためです。

マンション価格は建物と土地の価格で構成されていますが、建物に関しては築年数が古くなると価格が下がります。それにもかかわらず、中古マンション価格が上昇しているのは、建物価格が下落している以上に土地価格が上がっているためです。

土地価格も、金利の上昇に連動します。金利が上がれば、住宅取得意欲が減退するため、マンションディベロッパーが土地を高く購入できなくなっていきます。マンションディベロッパーが購入する土地価格が安くなれば、新築マンションの価格が下がります。

新築マンションの価格が下がれば、新築マンションを諦める人が少なくなり、中古マンションの購入希望者が減っていきます。購入希望者が減れば、中古マンション価格は下がるのです。

よって、土地価格が下がると中古マンション価格は下がり、売りどきを逸することになります。

4-3. 消費税増税には要注意

2019年10月に消費税が増税となりましたが、増税後は、新築マンション価格が下がり、それに連動して中古マンション価格も下がる可能性があります。

新築マンションは、売主が消費税の納税義務がある課税事業者であるため、建物価格に対して消費税が発生します。そのため、10%増税後は、新築マンションの税込み価格が高くなります。

消費税増税時は、毎回、直前に駆け込み需要があり、増税直後は消費が減退する傾向にあります。

そのため、新築マンションは、増税直後は売りにくくなり、価格が下がる可能性があります。新築マンション価格が下がれば、中古マンション価格も下がります。

ただし、今回は東京オリンピック直前の増税であるため、景気に与える影響は限定的になることも予想されます。消費税増税直後の下落は、一つの予想に過ぎませんが、注視すべき要因のひとつといえます。

4-4. オリンピック後には要注意

オリンピック後も中古マンションは売りにくくなる可能性はあります。ただし、オリンピック後に開催国の景気が弱まるというのは、経験則的な話であり、明確な根拠はありません。

景気というのは、「気」という言葉が入っている通り、人々の投資マインドが大きな役割を果たします。積極的にどんどん投資しようとする人が増えれば景気は上向きますし、投資を控える人が増えれば景気は下向きます。

オリンピックは、国のお祭りのようなものですので、人々の気持ちを高揚させる効果があります。オリンピックまでは投資に前向きな気持ちの人が多く、株や不動産などの投資商品の価格が上がるといわれています。

一方で、オリンピック後に投資マインドが縮小すれば、株や不動産などの投資商品の価格が下がり、結果的に土地価格も下がることが予想されます。

土地価格が下がれば中古マンション価格は下がるため、オリンピック後は売りどきを逸する可能性があるのです。

5. 相続したマンションは今すぐ売るべき

親のマンションを相続し、そのマンションに住まない場合には、時期に関わらず迷わず売ることをおススメします。

マンションは、建て替えが困難であるため、何代にも渡って利用できる資産ではありません。不要なマンションは、古くなる一方ですので、売却して手離れする方が賢明です。

古いマンションは、他にも相続が発生している部屋が多く、登記変更が行われないと、管理組合が所有者を辿れないケースがあります。管理組合が所有者を把握できないケースでは、管理費や修繕積立金を徴収することができません。

マンションの中に、所有者不明の部屋が増えてしまうと、やがて管理費不足からマンション全体の価値が落ち、また一戸当たりの修繕積立金が増額されるという問題が発生します。

このように相続の多発によって所有者不明の部屋が増えているというマンションは、全国的に散見され始めています。

古いマンションでは、他の部屋が所有者不明となっていることもあり、さらに価値を落とす原因となります。そのため、相続人が自分で住まないのであれば、これ以上古くならないうちに売ってしまった方が良いです。

近年は、戸建てだけでなく、マンションも相続する人が増えてきました。戸建てでは、建て替えという復活の選択肢がありますが、マンションでは復活の選択肢があまりありません。

相続したマンションを売却するときの税金特例については、こちらの記事で詳しく解説しています。

マンション売却時にかかる税金ってどれくらい?知らないと損する節税の仕方を紹介

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なぜ複数の会社に依頼する必要があるのかというと、不動産会社は、マンション売却を得意としている会社もあれば、賃貸経営に特化している会社もあります。

また査定額は会社によって違うため、一社だけを選んで依頼すると、その不動産会社がマンション売却を得意としていない会社だった場合、市場価格より安く売れてしまう可能性があるからです。

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まとめ

いかがでしたか?マンション売却の時期について見てきました。

マンションは建て替えが難しいため、タイミングを見て売却することをおススメします。

マンション売却に適した時期とは、

  • 新築マンションの価格上昇時
  • 3月の引っ越しシーズン前の11月
  • 大規模修繕の後

の時期です。

売りどきを流さないようにするには、金利上昇や土地価格、消費税増税、オリンピックなどの変化にも注意を払っておくことが重要です。

また、相続したマンションは、これ以上古くならないうちに早めに売却するようにして下さい。

売りやすい時期は永遠に続くものではありません。マンション売却を成功させるためにも、タイミングを逃さないようにしましょう。

(2019/10/2追記:本記事の掲載内容は、公開日時点での情報です。消費税増税に伴い、一部の表記を修正いたしました。)

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この記事のポイント

マンション売却のタイミングを判断するポイントは?

マンション売却のタイミングを判断するポイントは以下の4つです。

  1. 築年数
  2. 時期
  3. 経済動向
  4. ライフイベントなど

詳しくは「2.マンション売却のタイミングを判断するポイント」をご覧ください。

マンション売却の適した時期とは?

マンション売却の適した時期は、以下の3つです。

  1. 新築マンションの価格上昇時期
  2. 11月に動き出す
  3. 大規模修繕の後の時期

詳しくは「3.マンション売却の適した時期」をご覧ください。

売りどきを逃さないための注意点は?

売りどきを逃さないための注意点は以下の4つあります。

  1. 金利上昇後の住宅取得意欲
  2. 土地価格が下落したときのマンション価格
  3. 消費税増税後の値動き
  4. オリンピック後の景気変動

詳しくは「4.売りどきを逃さないための注意点」をご覧ください。