固定資産税の支払方法6選!お得な支払方法や注意点を解説

固定資産税 支払い方法や注意点を解説

固定資産税の納付では、自身の都合に合った支払方法を選択できます。ただし、納税期間は市町村によって異なるため、住んでいる市町村(東京23区は東京都)の情報を確認しましょう。

本記事では、固定資産税の支払期間やお得な支払方法、支払時の注意点のほか、固定資産税の支払いができないときの対処法などを紹介します。

この記事を読むと分かること
  • 固定資産税の支払期間や支払期限
  • 固定資産税の支払方法
  • 固定資産税をお得に支払う方法や支払時の注意点
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1.そもそも固定資産税とは?

一軒家

固定資産税とは、毎年1月1日時点で、土地や建物などの不動産のほか、事業用の機械や車両(自動車を除く)などを所有する方に課せられる地方税のことです。

固定資産税の支払先は固定資産のある市町村ですが、東京23区においては、都税として東京都に納めます。

参考:“固定資産税・都市計画税(土地・家屋)”. 東京都主税局

固定資産を所有する課税対象者には、自治体から毎年4月~6月に納税通知書が送付されます。

70-1

上の図のように、年間費用を第一期~第四期に分けて4分割で支払うケースが多いですが、支払い方法や支払期間、支払期限などは、市町村によって異なります。

したがって、詳細は自宅に届く納税通知書か、所有する固定資産のある市町村(東京23区においては東京都)のホームページを確認するようにしましょう。

1-1.支払回数は年4回の分割が基本

固定資産税納付書

固定資産税は、分割納付または一括納付が可能で、一般的には年4回の分割払いを選択する方が多いです。

納税通知書には、一括納付用の用紙1枚と分割納付用の用紙4枚の計5枚が同封されているため、支払時はどちらかを使用しましょう。

なお、一括納付に割引などはなく、一括納付と分割納付で合計の支払金額が変わることはありません。

1-2.支払期間や支払期限は市町村により異なる

固定資産税は、各市町村(東京23区においては東京都)で支払期間や納付期限が定められています。

一括納付の場合は毎年4月30日まで、分割納付の場合は1期~4期の各納付期限までに所定の方法で固定資産税を支払いましょう。

一例として、2023年度(令和5年度)の東京23区と神奈川県横浜市の固定資産税の納付時期・納付期限を紹介します。

東京都(6月・9月・12月・2月)
納付時期 納付期限
第1期 2023年6月1日~6月30日 2023年6月30日
第2期 2023年9月1日~10月2日 2023年10月2日
第3期 2023年12月1日~12月27日 2023年12月27日
第4期 2024年2月1日~2月29日 2024年2月29日

出典:“固定資産税・都市計画税(土地・家屋)”. 東京都主税局. (参照2024-03-29)

神奈川県横浜市(4月・7月・12月・2月)
納付時期 納付期限
第1期 納付時期の定めなし 2023年5月1日
第2期 2023年7月31日
第3期 2024年1月4日
第4期 2024年2月29日

出典:“令和5年度 市税納期カレンダー”. 横浜市. (参照2024-03-29)

2.固定資産税の支払方法6選

家と万札

固定資産税の支払方法には、大きく分けて次の6つがあります。

  • 現金払い
  • 口座振替
  • ペイジー(Pay-easy)
  • クレジットカード
  • スマートフォン決済アプリ(スマホ決済)
  • 電子マネー

本章では、各支払方法の特徴を紹介します。

2-1.現金払い

現金払いは、自治体から送付された納付書を使い、以下の窓口で支払う方法です。

  • 市区町村役場
  • 銀行
  • 郵便局
  • コンビニエンスストア

現金払いなら、その場で領収書を受け取れるため、領収書が必要な場合は現金払いを選ぶのがおすすめです。

なお、納付書にバーコードがない場合はコンビニエンスストアでの現金払いはできません。バーコードのない納付書で現金払いしたい場合、市区町村役場や金融機関の窓口が営業している平日に足を運ぶ必要があります。

また、支払いを受け付けているコンビニエンスストアや金融機関は各自治体によって異なるため、納付書に記載されている支払い可能な店舗を確認しましょう。

ポイント付与 決済手数料 領収書 注意点
なし なし あり
  • バーコードのない納付書はコンビニエンスストアで現金払いできない
  • 支払可能な窓口は自治体により異なる

なお、コンビニエンスストアなどで納税通知書を使って納付する場合、クレジットカードでの支払いはできないので注意が必要です。

2-2.口座振替

口座振替は、希望の口座で固定資産税の振替設定を行ない、支払時期に自動で引落してもらう方法です。

引落し時期に自動で支払いされるため、固定資産税の払い忘れを防げます。

口座残高不足による再振替は行なわれないため、引落しされなかったときは後日郵送される納付書を使って前述の各窓口で支払いしましょう。

固定資産税を口座振替で支払いたい場合、納税通知書に同封の「口座振替依頼書」を市区町村役場、または金融機関に提出することで設定できます。

なお、口座振替では領収書が発行されないため、領収書が必要になる可能性があれば現金払いを選ぶようにしましょう。

ポイント付与 決済手数料 領収書 注意点
なし なし なし
  • 口座振替で支払うには事前の申込みが必要
  • 残高不足により引落しされなかった場合は後日納付書での支払いとなる

2-3.ペイジー(Pay-easy)

ペイジーとは、インターネットや携帯電話、ATMなどを活用する電子支払いサービスのことです。

ペイジーマークのある納付書なら、以下の方法で固定資産税のペイジー払いが可能です。

  • インターネットバンキング経由で支払う
  • モバイルバンキング経由で支払う
  • ペイジー対応の金融機関ATMで支払う

インターネットバンキングやモバイルバンキングでのペイジー払いの場合、自宅にいながら固定資産税の支払いが可能です。

ATMでのペイジー払いの場合、コンビニエンスストアに設置されているATMなど、一部のATMはペイジーに対応していない点に注意が必要です。

参考:“利用できる金融機関”. いつでも、どこでも、ペイジー。

なお、ペイジーによる支払いでは領収書は発行されません。

ポイント付与 決済手数料 領収書 注意点
なし なし なし
  • ペイジー払いができるのはペイジーマークのある納付書のみ
  • ATMによってはペイジー払いができない

2-4.クレジットカード

自治体によっては、クレジットカードで固定資産税を支払えます。

クレジットカードでの支払いは基本的にオンラインで行ないます。支払方法は自治体によって異なりますが、専用のWebページや外部企業が運営する支払いサイトやアプリからの手続きとなるのが一般的です。

コンビニエンスストアや金融機関など、前述の各窓口ではクレジットカードで支払いできない点に注意しましょう。

また、過去には「Yahoo!公金支払い」で固定資産税のクレジットカード払いが可能でしたが、2022年(令和4年)3月31日のサービス終了にともない、支払い不可となりました(水道料金の継続払いのみ可能)。

参考:“一部サービス終了のお知らせ”. Yahoo!公金支払い

クレジットカードで固定資産税を支払うと、クレジットカード会社のポイントが貯まりますが、領収書が発行されない、決済手数料が発生するなどの点に注意が必要です。

ポイント付与 決済手数料 領収書 注意点
あり あり なし
  • クレジットカードでの支払いの可否は自治体により異なる
  • 決済手数料が発生する

2-5.スマートフォン決済アプリ(スマホ決済)

バーコードやQRコードがある納付書なら、決済アプリを経由してスマートフォンでの支払いが可能です。

固定資産税の支払いができる主な決済アプリには、以下のようなものがあります。

  • PayPay
  • LINE Pay
  • 楽天ペイ
  • au PAY
  • ファミペイ など

参考:“スマートフォン決済アプリ一覧”. 地方税お支払サイト

スマートフォン決済アプリで固定資産税を支払う場合、決済手数料はかからず、関連サービスのポイントが付与されます。

領収書は発行されないため、領収書が必要になる可能性があれば現金払いを選びましょう。

ポイント付与 決済手数料 領収書 注意点
あり なし なし
  • スマートフォン決済アプリで支払えるのはバーコードやQRコードがある納付書のみ
  • 領収書が発行されないため、領収書が必要な場合は不向き

2-6.電子マネー

電子マネーカードや電子マネーアプリに必要な金額をチャージし、電子マネー対応の窓口で支払う方法です。固定資産税の電子マネー払いに対応している主な窓口は、コンビニエンスストアです。

固定資産税を支払える代表的な電子マネーには、以下のようなものがあります。

  • nanaco
  • WAON
  • QUICPay
  • iD
  • Suica
  • PASMO など

電子マネーで固定資産税を支払う場合は事前のチャージが必要です。その際にクレジットカードでチャージすることでクレジットカード会社のポイントを貯められます。

手数料がかからず、領収書も発行されるため、固定資産税をお得に支払って領収書ももらいたい場合には、電子マネーによる支払いを選ぶとよいでしょう。

ただし、電子マネーの多くはチャージの上限金額が5万円であるため、一度の納税額が5万円を超える場合は電子マネーで支払いできない点に注意が必要です。

ポイント付与 決済手数料 領収書 注意点
あり
(クレジットカードによるチャージで)
なし あり
  • 電子マネー払いに対応している窓口で支払う必要がある
  • ポイント付与はチャージに対してのみで、支払いそのものにポイントは付かない

3.固定資産税が最もお得になる支払方法は?

QRコード決済

固定資産税が最もお得になる支払方法は、ポイント付与があり、決済手数料のかからない方法といえます。

各支払方法のうち、上記に該当する支払方法は以下の2つです。

サービス独自のキャンペーンの活用や、ポイント還元率の高いクレジットカードによるチャージと電子マネーを組み合わせることで、獲得ポイントを増やせるでしょう。

ただし、お得な支払方法を選んでも、付与されたポイントを使用せずに失効させてしまっては意味がありません。固定資産税をお得に支払うためにスマートフォンの決済アプリや電子マネーを活用する場合には、貯めたポイントを日常生活の中で有効活用できるサービスを選ぶようにしましょう。

4.固定資産税を支払う際の注意点

固定資産税関連書類とお金

固定資産税の支払いには、いくつかの注意点があります。

4-1.納税証明書の発行に時間がかかる場合がある

固定資産税が納税済みであることを証明するには、領収書もしくは納税証明書が必要です。納税証明書は、住み替えや不動産売却などを検討している場合に必須の書類です。

固定資産税の納税証明書は、東京23区は主に都税事務所、都税支所、支庁で、それ以外の地域では不動産を管轄する市区町村役場で取得できます。

ただし、発行には数日の時間がかかる点に注意しましょう。

例えば、スマートフォン決済アプリで支払った固定資産税の納税証明書を発行するには、八王子市では約2週間、横浜市では最大9開庁日の時間を要します。

参考:
“固定資産税・都市計画税納税証明書”. 八王子市公式ホームページ
“納税証明書”. 横浜市

4-2.支払いが遅れると延滞金が発生する

固定資産税を納付期限までに支払えなかった場合、最大で年14.6%の延滞金が発生します。

滞納期間が長引くほど延滞金の税率が上がるため、支払い忘れていた場合はできるだけ早く支払いを済ませることが大切です。

固定資産税の納付期限を過ぎたあとの支払方法は、基本的に窓口での現金払いとなります。

5.固定資産税の支払いができない場合の対処方法

なんらかの事情で固定資産税の支払いができない場合は、自治体に相談し、どのような手続きを行なえばいいのか確認しましょう。

5-1.納付書を紛失した場合

固定資産税の納付書は自動で再発行・再送付されないため、紛失した場合は管轄の税務署で再発行の申請を行なう必要があります。

再発行されても納付期間・納付期限に変更はないため、速やかに支払いを済ませることが大切です。

5-2.支払いが遅れる場合

納付期限までの支払いが難しい場合は、市区町村役場へ相談しましょう。

固定資産税を支払わずに滞納すると督促状や催告書が届き、さらに滞納を続けると所有する財産が差し押さえの対象となる可能性があるため注意が必要です。

金銭的な理由から固定資産税の支払いが困難なときは、市区町村役場の窓口で以下の申請を行なうことで差し押さえを回避できます。

5-2-1.減額または免除申請を行なう

一定の条件に当てはまる場合、申請を行なうことで固定資産税の減額や免除が適用されます。

固定資産税の減額や免除を受ける際の適用条件は、以下のとおりです。

  • 生活扶助などを受けている方
  • 当該固定資産を公益のために直接専用している方
  • 災害により大きな損害(全壊、床上浸水など)を受けた方
  • 上記以外の特別な事由が認められた方

5-2-2.徴収猶予の申請を行なう

減額や免除が適用外となる場合、支払期間に猶予を設けてもらう申請が可能です。

支払期間の猶予申請を行なう際は、支払いができない明確な理由や、支払可能な時期を伝える必要があります。

市区町村役場の担当者と相談しながら、無理なく完納できる計画を立てましょう。

まとめ

固定資産税の支払方法は大きく分けて6種類あり、このうち領収書が発行されるのは「現金払い」「電子マネー」のみです。

最もお得に固定資産税を支払うなら、決済手数料がかからずポイント付与を受けられるスマートフォン決済アプリや電子マネーの活用がおすすめです。

ただし、納税済みであることの証明には領収書、または納税証明書が必要です。納税証明書の発行には時間がかかることがあるため、不動産売買を控えている方は領収書を受け取れる支払方法を選んでおくとよいでしょう。

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