更新日:2023.05.26 マンション売却ガイド, 税金・諸費用 マンション売却時の税金はいくらか計算!リアルなシミュレーションで詳しく解説 マンションの売却には以下のような税金がかかります。 課税対象 税率・金額 納付時期 譲渡所得税 売却益(譲渡所得) 20.315%~39.63% 売却の翌年(確定申告にて) 印紙税 課税文書(売買契約書) 契約書記載の金額によって200円~48万円 売買契約書作成時 登録免許税 不動産の登記(抵当権抹消登記) 不動産一件につき1,000円 引き渡し時 消費税 事業目的での不動産売却 10% 売却の翌年(確定申告にて) (本記事5章で行ったシミュレーションでは、3,800万円のマンション売却に合計46万9,000円の税金がかかりました。) これらは、誰にでも必ず発生するわけでありません。 例えば、売却益がなければ譲渡所得税はかかりませんし、自宅マンションの売却など投資目的でなければ消費税はかかりません。 この記事では、それぞれの税金がどういった状況で、どのくらい発生するのかを解説します。 自分がどの税金をいくら払うのかを把握して、準備できるようにしましょう。 また、節税ができる特例についても紹介しますので、適宜申請を行い、税金を抑えられるようになりましょう。 カンタン1分入力 あなたの マンション いくらで売れる? STEP1 都道府県 東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 群馬県 栃木県 茨城県 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 新潟県 山梨県 長野県 富山県 石川県 福井県 愛知県 静岡県 岐阜県 三重県 大阪府 兵庫県 滋賀県 京都府 奈良県 和歌山県 岡山県 広島県 鳥取県 島根県 山口県 香川県 愛媛県 高知県 徳島県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 STEP2 市区町村 都道府県が選択されていません。 市区町村が選択されていません。 ご指定いただいたエリアへのお問合せは、現在取り扱っておりません。 完全無料一括査定スタート この記事の執筆者 竹内 英二 不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。 (株)グロープロフィット Contents1.マンションの売却益にかかる『譲渡所得税』1-1.所得税1-2.復興特別所得税1-3.住民税2.売買契約書の作成にかかる『印紙税』3.抵当権抹消登記にかかる『登録免許税』4.事業目的の売却にかかる『消費税』5.マンション売却にかかる税金のシミュレーション6.譲渡所得税に関する譲渡価額・取得費・譲渡費用の計算方法6-1.譲渡価額6-2.取得費6-3.譲渡費用7.マンション売却で節税するための特例7-1.3,000万円特別控除7-2.10年越え所有軽減税率の特例7-3.相続後に売却する際の取得費加算特例7-4.損益通算及び繰越控除の特例まとめこの記事のポイント 1.マンションの売却益にかかる『譲渡所得税』 譲渡所得税とは、マンションの売却益(譲渡所得)にかかる税金の通称です。 所得税(2037年までは復興特別所得税を含む)と住民税のことを指し、売却の翌年に確定申告をして納税します。 譲渡所得税の税率はマンションの所有期間によって異なります。 高い税率に設定されていますが、売却益がなければそもそも課税されません。 所有期間 所得税率 住民税率 合計 所有期間5年以内 30.63% 9% 39.63 所有期間5年越え 15.315% 5% 20.315% なお、売却益は売却金額と等しくはありません。 売却金額から、取得費(売ったマンションの購入にかかった費用)と譲渡費用(売却にかかった費用)を差し引いた金額が売却益になります。 譲渡所得 = 売却金額-取得費-譲渡費用 以下は所得税と復興特別所得税、住民税の計算方法です。 1-1.所得税 所得税は、売却したマンションの所有年数によって税率が変わります。 長期(所有期間5年超)→15% 短期(所有期間5年以下)→30% マンションを売る場合、5年以上所持してから売ると低い税率で所得税を納められますので、マンション売却のタイミングを判断するポイントになります。 1-2.復興特別所得税 復興特別所得税は、東日本大震災における復興のための施策です。個人の所得税に対して、2.1%かかります。 計算例) 5年超所有したマンションを売却した場合 15%(所得税率)×0.021→=0.315%(復興特別所得税) 15%++0.315%==15.315%(所得税率の合計) 5年以下の短期所有のマンションを売却した場合 30%(所得税率)×0.021→=0.63%(復興特別所得税) 30%++0.63%==30.63%(所得税率の合計) 国税庁:個人の方に係る復興特別所得税のあらまし 1-3.住民税 住民税は、マンション所有期間に応じて以下の比率がかかります。 長期(所有期間5年超)→5% 短期(所有期間5年以下)→9% 住民税の納付のタイミングは、マンション売却の翌年6月から翌翌年の5月まで給与天引きで納めます。 会社員の方であれば、特に注意せずとも納付できますが、自営業の方は自分で納めることになるので納付忘れがないよう注意してください。 【不動産売買の税金】買った時よりマンションが高く売れたら税金がかかる? 税金と聞くと、何だか難しい話のように思えてしまいますね。不動産を売却 2.売買契約書の作成にかかる『印紙税』 印紙税とは、売買契約書に印紙を貼付して納税する税金で、軽減税率が適用されます。 マンション譲渡に関する印紙税の軽減措置の対象となる契約書 記載金額が10万円を超えるもの 平成26年(2014年)4月1日~令和6年(2024年)3月31日に作成されたもの 印紙税の金額は取引額(消費税抜き)に応じて以下のように定められています。 契約書に記載する売買金額 本則 軽減税率※ 100万円超500万円以下 2,000円 1,000円 500万円超1,000万円以下 10,000円 5,000円 1,000万円超5,000万円以下 20,000円 10,000円 5,000万円超1億円以下 60,000円 30,000円 1億円超5億円以下 100,000円 60,000円 5億円超10億円以下 200,000円 160,000円 10億円超50億円以下 400,000円 320,000円 50億円超 600,000円 480,000円 金額の記載のないもの 200円 200円 ※2014年4月1日~2020年3月31日まで 参考:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置(国税庁) 3.抵当権抹消登記にかかる『登録免許税』 住宅ローンが残っているマンションを売却するときは、売却時に抵当権抹消の登録免許税が生じます。 抵当権とは、住宅ローンを借りる際、銀行がマンションに付けた担保権のことです。 抵当権の内容は、登記簿謄本に記載されており、登記簿謄本から抵当権の記載を消すことを抵当権の抹消と呼びます。 登録免許税は、仰々しく納めなければいけない税金ではなく、法務局に支払う手数料のようなイメージの税金です。 抹消登記の手続きをする司法書士が代理で法務局に支払いますので、司法書士に渡せば終わりです。 抵当権抹消の登録免許税は、「不動産の個数あたり1,000円」です。 抵当権は、マンションの場合、土地と建物の双方に設定されています。 不動産が土地1つ、建物1つの場合の登録免許税は、2,000円です。 抵当権抹消登記の費用はいくら?自分でできる?相場や手順を解説 抵当権抹消登記に要する費用は、登録免許税が「不動産1個につき1千円」、司 4.事業目的の売却にかかる『消費税』 マンションを事業目的で売却する場合は、消費税が課税される場合があります。 マイホームの売却には消費税が発生しませんが、投資としての売却や、事業用の店舗などを売却する際は、消費税の課税対象となります。 消費税は建物の売却にかかります。土地は課税の対象ではありません。 なお、支払い義務があるのは課税事業者のみになります。 事業を行っていない方は、事業目的の売却でも免税事業者にあたるため、消費税の支払いはありません。 マンション売却で消費税は発生する?課されるケースと課されないケースを解説 消費税は身近な税金であるものの、実は仕組みがかなり難しく、中でも特に不 「不動産売却 HOME4U」では不動産会社に行かずともネットで複数社に査定依頼を無料で申し込むことが可能です。 「不動産売却 HOME4U」はNTTデータグループ運営で、2,100社の登録企業は厳しい審査を通過しています。だから安心して自分に合った不動産会社が見つけられます。 カンタン1分入力 あなたの マンション いくらで売れる? STEP1 都道府県 東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 群馬県 栃木県 茨城県 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 新潟県 山梨県 長野県 富山県 石川県 福井県 愛知県 静岡県 岐阜県 三重県 大阪府 兵庫県 滋賀県 京都府 奈良県 和歌山県 岡山県 広島県 鳥取県 島根県 山口県 香川県 愛媛県 高知県 徳島県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 STEP2 市区町村 都道府県が選択されていません。 市区町村が選択されていません。 ご指定いただいたエリアへのお問合せは、現在取り扱っておりません。 完全無料一括査定スタート 5.マンション売却にかかる税金のシミュレーション マンション売却の税金はいくらかかるのでしょうか。 マンション売却の税金をシミュレーションして、税額の相場感を身につけましょう。 シミュレーションに当たって、取得費や減価償却など難しい言葉も出てきますが、それらは次章以降で詳しく解説します。 購入時4,000万円だったマンションを、3,800万円で売却したケースのマンション売却税金シミュレーションは以下の通りです。 シミュレーション条件 前提:自宅マンションの売却 売却価格:3,800万円 固定資産税清算金:5万円 購入価格:4,000万円(土地価格:2,000万円、建物価格2,000万円) 譲渡費用:120万円 経過年数:20年 構造:鉄筋コンクリート造 上記の条件より、所有期間は5年超ですので長期譲渡所得の税率(所得税率15%、住民税率5%)を用いて税金を計算します。 譲渡所得税 譲渡価額 = 売却価格+固定資産税精算金 = 3,800万円+5万円 = 3,805万円 減価償却費 = 建物購入価額×0.9×償却率×経過年数 = 2,000万円×0.9×0.015×20年 = 540万円 取得費 = 土地購入価額+(建物購入価額-減価償却費) = 2,000万円+(2,000万円-540万円) = 3,460万円 譲渡所得 = 譲渡価額-取得費-譲渡費用 = 3,805万円-3,460万円-120万円 = 225万円 所得税 = 譲渡所得×税率 = 225万円×15% = 33.75万円 復興特別所得税 = 所得税×2.1% ≒ 0.7万円 住民税 = 譲渡所得×5% = 225万円×5% = 11.25万円 税金 = 所得税+住民税+復興特別所得税 = 33.75万円+11.25万円+0.7万円 = 45.7万円 なお、7章で解説する3,000万円特別控除が適用できれば譲渡所得0円となるので、税金もかかりません。 印紙税 売却金額『1千万円を超え5千万円以下のもの』は1万円(軽減税率) 登録免許税 土地と建物それぞれの登記に1,000円ずつで2,000円 ※司法書士報酬は税金ではないので計算に含めていません。 消費税 自宅売却のため、納税すべき消費税はありません。 ※仲介手数料や司法書士報酬など、売却のために利ようしたサービスには消費税が含まれています。 税金は合計46万9,000円となりました。 結果(内訳) 譲渡所得税:45万7,000 印紙税:1万円 登録免許税:2,000円 消費税:0円 マンション売却の手取りはいくら?計算方法と増やす方法を伝授 住み替えを検討している場合など、「マンション売却の手取りがいくらになる 不動産売却の豆知識 不動産会社によっては同じ物件でも査定額が数百万円変わることがあります。複数社に査定依頼をすることで、査定額を比較し本当の物件価値を知ることができます。 実際に不動産売却した人は平均3社以上の不動産会社に査定依頼を出しています。不動産売却 HOME4U(NTTデータグループ運営)では厳選された不動産会社から最大6社をご紹介させていただきます。 【完全無料】一括査定依頼をスタート 6.譲渡所得税に関する譲渡価額・取得費・譲渡費用の計算方法 マイホーム等の非事業用不動産のマンションに関する税金の計算するときは、譲渡所得を明確にします。 譲渡所得を求めることで、マンション売却にかかる税金を求めることが可能です。譲渡価格を計算するために必要な、譲渡価額・取得費・譲渡費用について解説します。 6-1.譲渡価額 譲渡価額とは、基本的には売却価格のことです。 ただし、譲渡価額は「価額」と表記されており、厳密には売却「価格」のことではありません。 価額とは値段のことではなく、品物の値打ちに相当する金額を表す言葉です。 それに対して価格とは値段のことを指します。 具体的には、マンション売却で固定資産税の精算を行った場合には、売却価格に固定資産税精算金を加えたものが譲渡価額となります。 【譲渡価額の求め方】 譲渡価額 = 売却価格+固定資産税精算金 固定資産税精算金とは、引渡日以降の固定資産税及び都市計画税相当額を、売主が買主から受領するお金のことです。 固定資産税等は、1月1日時点の所有者が1年分の納税義務者です。 1年の間に何人も所有者が変わったとしても、納税義務者は1月1日時点の所有者のままとなります。 本来は、所有権移転後であっても、固定資産税は1月1日時点の所有者が負担すべきものであり、買主が負担するものではありません。 つまり、売主は買主が負担すべき固定資産税を立て替えているわけではなく、単純に追加でお金をもらっていることになり、単なる「値上げ」とみなされます。 よって、固定資産税清算金は譲渡価額に加算すべき金額なのです。 一方で、マンションの売却では管理費及び修繕積立金(以下、「管理費等」と略)の精算を行うことがありますが、管理費等の精算金については譲渡価額に含みません。 理由としては、本来、所有権移転後の管理費等は買主が負担すべきものであるため、売主が前払いした管理費等は「立て替え」に該当するからです。 6-2.取得費 取得費は、土地については購入額、建物については購入額から減価償却費を控除した価額です。 取得費を式で表すと以下のようになります。 取得費 = 土地購入価額+(建物購入価額-減価償却費) 取得費を計算するには、まず購入額を土地と建物に分け、建物に関しては減価償却計算を行うことが必要です。 売却予定のマンションが、マイホーム等の非事業用不動産であれば、建物の取得費を求めるための減価償却の方法は以下のようになります。 減価償却費(合計) = 建物購入価額×0.9×償却率×経過年数 経過年数は築年数ではなく、購入の引渡から売却の引渡までの所有期間を表します。 6ヶ月以上の端数が出た場合は1年と計算し、6ヶ月未満の端数が出た場合は切捨てで計算します。 (償却期間の計算例) 1996年3月~2019年6月・・・23年3ヶ月は「23年」として計算 2001年2月~2019年10月・・・18年8ヶ月は「19年」として計算 償却率については建物の構造によって数値が定められています。 典型的なマンション構造である「鉄筋コンクリート造」と「鉄骨鉄筋コンクリート造」の償却率は以下の通りです。 建物構造 償却率 鉄筋コンクリート造 0.015 鉄骨鉄筋コンクリート造 0.015 詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。 参考:国税庁「建物の取得費の計算」 6-2-1.購入時新築だったマンションを売却する場合の取得費 新築マンションを購入した場合の取得費の計算方法について解説します。 (与条件) マンション購入価額:5,000万円 内訳 土地購入価額:3,000万円 建物購入価額:2,000万円 経過年数:20年 計算方法は以下の通りです。 最初に減価償却費を求めます。 減価償却費 = 建物購入価額×0.9×償却率×経過年数 = 2,000万円×0.9×0.015×20年 = 540万円 よって取得費は以下のように求められます。 取得費 = 土地購入価額+(建物購入価額-減価償却費) = 3,000万円+(2,000万円-540万円) = 3,000万円+1,460万円 = 4,460万円 6-2-2.中古マンションを購入した場合の取得費 次に中古マンションを購入した場合の取得費の計算方法について解説します。 中古マンションでは、個人の売主から購入している場合、「土地と建物の内訳価格」が分からないことが多いです。 ここでは中古マンションの取得費を求める方法として、「建物の標準的な建築価額表」を利用して求める方法を紹介します。 建物の標準的な建築価額は、当時の新築工事費の相場の単価です。 取得費を求める手順は、以下の3ステップです。 【建物の標準的な建築価額を使った取得費の求め方の手順】 建物の標準的な建築価額表により「新築時」の建物価格を求める。 新築時の建物価格を購入時まで減価償却を行い、「購入時」の建物価格を求める。 購入時の建物価格を売却時まで減価償却を行い、「売却時」の建物取得費を求める。 ここで、以下の与条件の中古マンションを例に計算方法を示します。 (条件) 構造:鉄筋コンクリート造 新築年:1985年(昭和60年) 購入年:2000年(平成12年) …… 経過年数15年の中古マンションとして購入 売却年:2019年(令和元年) …… 購入から売却の経過年数は19年 床面積:72平米 …… 登記簿謄本に記載された専有面積 購入価額:3,500万円 …… 中古マンションとして購入した価額 購入時は、購入総額しか分かっておらず、土地と建物の内訳価格が分からない状態です。 マンションの新築年月日は、登記簿謄本に記載してありますので、そこから判別します。 具体的な計算方法は以下の通りです。(便宜上、小数点第2位を四捨五入しています。) 【ステップ1】 建物の標準的な建築価額表により「新築時」の建物価格を求める 最初に、建物の標準的な建築価額表より1985年の鉄筋コンクリート造の建築費を求めます。 1985年の鉄筋コンクリート造の建築費単価は、「144.5千円/平米」です。 よって、新築当初の建物価格は以下のようになります。 新築当時の建物価格 = 標準建築費×床面積 = 144.5千円/平米×72平米 = 1,040.4万円 【ステップ2】 新築時の建物価格を購入時まで減価償却を行い、「購入時」の建物価格を求める 新築から購入当時までの経過年数は「15年」でした。 よって購入時の建物価格を求めるために、新築から購入時の建物価格を求めます。 減価償却費 = 新築建物価格×0.9×償却率×新築から購入までの経過年数 = 1,040.4万円×0.9×0.015×15年 = 2,106,810円 購入時の建物価格は、新築建物価格から減価償却費を控除したものですので、以下のようになります。 購入時の建物価格 = 新築建物価格-減価償却費 = 1,040.4万円-210.7万円 = 8,297,190円 【ステップ3】 購入時の建物価格を売却時まで減価償却を行い、「売却時」の建物取得費を求める 購入時の建物価格が分かりましたので、マンション購入価額から購入時の土地価格を求めます。 購入時の土地価格 = マンション購入価額-購入時の建物価格 = 3,500万円-8,297,190万円 = 26,702,810円 次に、購入時の建物価格を売却時まで減価償却します。 購入から売却までの経過年数は「19年」でした。 減価償却費 = 購入時の建物価格×0.9×償却率×購入から売却までの経過年数 = 829.7万円×0.9×0.015×19年 = 2,128,229,235円 よって取得費は以下のように求められます。 取得費 = 購入時の土地価格+(購入時の建物価格-減価償却費) = 2,670.2万円+(829.7万円-212.8万円) = 3,287.1万円 6-2-3.購入額が分からない場合の取得費 購入価額が不明の場合には、「概算取得費」を用いるのが一般的です。 概算取得費とは、「譲渡価額の5%」となります。 概算取得費は計算が簡便というメリットはありますが、譲渡所得が大きく計算されてしまうため、税金の負担が重くなるという点がデメリットです。 国税庁としては、取得費が不明な場合には、「概算取得費を用いても構わない」というスタンスですので、他に合理的に取得費を証明できる方法があれば、それを用いても構わないとしています。 マンションの場合には、以下のような方法で購入額を証明する方法もあります。 マンションディベロッパーや個人売主から購入当時の売買契約書の写しをもらう 当時仲介してくれた不動産会社から購入当時の売買契約書の写しをもらう 通帳の出金履歴から購入額を推測する 住宅ローンの金銭消費貸借契約書から購入額を推測する 抵当権設定額から購入額を推測する 「1」と「2」の方法は、購入から年数があまり経っていない場合には相手方や不動産会社が契約書を残している可能性があるので、トライしてみる価値があります。 「3」「4」「5」の方法については、資料が残っている場合には個別に税務署に相談してみてください。 6-3.譲渡費用 譲渡費用には、以下のものが含まれます。 売却の際の仲介手数料 売却に伴う広告費 売却時の売買契約書に貼付けした印紙税 売却に伴い支払った立退料 仲介手数料や広告費など、売却時の書類で明らかになっている項目を合算して、譲渡費用を求めます。 なお、譲渡費用にはマンション売却時に発生する「抵当権抹消登録免許税」や「司法書士手数料」、「家財処分費用」、「引越費用」といった費用は譲渡費用に含めることはできません。 不動産売却時にかかる税金と計算方法|税金対策の方法も解説 不動産を売却したときに気になるのは税金です。不動産は購入した際、保有し 7.マンション売却で節税するための特例 不動産の売却には、譲渡所得税を抑える様々な特例が用意されています。 特例は、各種要件を満たした上で、確定申告時に申請を行うことで適用されます。 売却損が出た場合は通常、確定申告の義務がありませんが、特例を適用できる場合は自主的に確定申告を行うことをおすすめします。 以下に5つの特例を紹介します。 3,000万円特別控除 10年越え所有軽減税率の特例 相続後に売却する際の取得費加算特例 損益通算及び繰越控除の特例 7-1.3,000万円特別控除 3,000万円特別控除は、マイホームを売却する際、譲渡所得を最大3,000万円まで控除できる特例です。 例えば、譲渡所得2,000万円であれば、特例適用で譲渡所得0円以下になるため、譲渡所得税も0円になります。 様々な適用要件がありますが、最も重要な点は、マイホーム(居住用財産)の売却であることです。 例えば賃貸マンションやアパートなどの売却では適用できません。 また、他の特例と併用できない点に注意が必要です。 住宅ローン控除とも併用ができないため、買い替えを検討している方は、特にどの特例を使うかよく考えましょう。 参考:国税庁『No.3302 マイホームを売ったときの特例』 7-2.10年越え所有軽減税率の特例 所有期間が10年を超えたマイホームを売却する場合は、譲渡所得税の軽減税率を適用できます。 通常、所有期間が5年を超えるマンションの売却では、税率20.315%の譲渡所得税がかかります。 軽減税率が適用できると、税率が14.21%となります。 譲渡所得金額※ 所得税 住民税 6,000万円以下の部分 10% 4% 6,000万円超の部分 15% 5% 10年越え所有の軽減税率は、3,000万円特別控除と併用できる特例です。 参考:国税庁『No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例』 7-3.相続後に売却する際の取得費加算特例 取得費加算の特例は、相続した不動産を売却する際に、相続税の一部を譲渡所得の計算に扱う取得費に加算できる特例です。 取得費が増えれば、譲渡所得が少なくなり、かかる税金も安くなります。 取得費に加算できる金額は、以下の計算で求められます。 その者の相続税額 × その者の相続税の課税価格の計算の基礎とされたその譲渡した財産の価額 その者の相続税の課税価格+その者の債務控除額 参考:国税庁『No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例』 【マンション相続】分割方法・相続税・売却のコツまで徹底解説! マンションを相続したら、いったい何から始めればよいのか困ってしまう方は 7-4.損益通算及び繰越控除の特例 損益通算の特例は、譲渡損失(売却損)が出た場合に、損失分を他の所得から差し引ける特例です。 例えば、売却損300万円を、給与所得600万円から差し引き、給与所得を300万円にできます。 繰越控除の特例は、損益通算で解消しきれなかった譲渡損失を3年にわたって繰越せる特例です。 例えば、売却損800万円を給与所得600万円と損益通算する場合、通算できない200万円を翌年の損失として繰越せます。 損益通算と繰越控除の特例は、以下2つのパターンで利用することができます。 マイホームの買い替え時 オーバーローンのマイホーム売却時 マイホームを買い替時に生じた譲渡損失は損益通算と繰越控除の特例の対象となります。 ただし、売却物件と購入物件が特例の要件を満たす必要があります。 参考:国税庁『No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)』 オーバーローンのマイホーム売却時に生じた譲渡損失も損益通算と繰越控除の特例の対象です。 オーバーローンとは、住宅ローン残高が売却金額よりも大きい状態を表します。前述の買い替え時の特例とは違い、通算できる金額が以下のように決められています。 繰越控除限度額 = 住宅ローンの残高-譲渡価額 参考:国税庁『No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)』 「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」について詳しく知りたい方は「マイホーム売却で使える5つの特例とは?損をしないための節税テクを伝授」の7章をご覧ください。 まとめ いかがでしたか。 マンション売却の税金について解説してきました。 マンション売却では譲渡益が発生すると税金が生じます。 税金の発生の有無を確認するには、譲渡所得を計算することがポイントです。 取得費の求め方は、新築と中古では若干異なります。 中古マンションは購入時の土地と建物の内訳価格が分からないことが多いので、その場合は、建物の標準的な建築価額を使って計算を行います。 居住用財産の特例には節税系の特例と税金還付を受けられる特例があります。 特例を利用する際は、要件を十分に確認した上で、利用するようにしてください。 また、マンション売却をご検討の方で、不動産会社をお探しの方は「不動産売却 HOME4U」の一括査定が便利です。NTTデータグループが運営するサイトで、一度の入力で複数の不動産会社を探せます。ぜひご利用ください。 記事を読んで、「売却をしてみようかな」と感じたら、まずは下のボタンから売却したい地域を選択して一括査定依頼をしてみましょう。 カンタン1分入力 あなたの マンション いくらで売れる? STEP1 都道府県 東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 群馬県 栃木県 茨城県 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 新潟県 山梨県 長野県 富山県 石川県 福井県 愛知県 静岡県 岐阜県 三重県 大阪府 兵庫県 滋賀県 京都府 奈良県 和歌山県 岡山県 広島県 鳥取県 島根県 山口県 香川県 愛媛県 高知県 徳島県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 STEP2 市区町村 都道府県が選択されていません。 市区町村が選択されていません。 ご指定いただいたエリアへのお問合せは、現在取り扱っておりません。 完全無料一括査定スタート この記事のポイント マンションの売却にかかる税金は? マンション売却にかかる税金は以下の通りです。 譲渡所得税(所得税、住民税、復興特別所得税) 印紙税 登録免許税 消費税 詳細は「1.マンションの売却でかかる税金の種類」をご覧ください。 マンション売却にかかる税金の目安と計算にかかわる要素は? 一例ですが、購入時4,000万円だったマンションを、3,800万円で売却したケースでは、45.7万円の税金がかかります。マンション売却における税金が高くなる要素は以下の通りです。 売却価格が高い 資産価値(固定資産税が高い) 物件の所有年数が5年未満 マンションを高く売れば、税金も高くなる仕組みです。 計算の内訳については「2.マンション売却にかかる税金の目安と計算方法」をご覧ください。 マンション売却で節税するための税金特例は? マンション売却で節税するための特例は以下の3つです。 3000万円特別控除 所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例 特定の居住用財産の買換え特例 住宅ローン控除とは併用できないので、買い替えの際は気を付けてください。 詳細は「4.マンション売却で節税するための税金特例」をご一読ください。 この記事の編集者 「不動産売却塾」編集部 不動産の売却に特化した情報を発信する「不動産売却塾」編集部です。不動産の売却をスムーズに進めるポイントや、売却時に発生する税金、費用などをわかりやすく解説。掲載記事は不動産鑑定士・宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修を行っています。 運営会社情報(NTTデータスマートソーシング) Facebook twitter feedly