マンション売却時にかかる税金ってどれくらい?知らないと損する節税の仕方を紹介

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不動産の中でも自宅マンションを売却したときの税金ルールは特に複雑です。
その理由は、あまり税金がかからないようにするために、さまざまな特例が用意されているからです。

マンション売却では、節税や税金還付ができる税制特例も設けられており、仕組みを知らないと損をすることもあります。

そこでこの記事では「マンション売却の税金」について詳しく解説いたします。

この記事をお読みいただくと、税金の基本的な計算方法や、節税や税金還付ができる税制特例についてわかるようになります。
ぜひ最後までご覧ください。

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1. マンションの売却で税金がかかる場合とかからない場合の違い

個人の所得の区分には、給与所得の他、譲渡所得、不動産所得、事業所得、山林所得、退職所得、利子所得、配当所得、一時所得、雑所得の10種類があります。

このうち、不動産を売却したときに発生するのが「譲渡所得」です。

譲渡所得とは、以下の計算式で表されるものになります。

譲渡所得 = 譲渡価額※1-取得費※2-譲渡費用※3

※1 譲渡価額とは売却価額です。
※2 取得費とは、土地については購入額、建物については購入額から減価償却費を控除した価額になります。
※3 譲渡費用は、仲介手数料や印紙税、測量費など、売却に要した費用のことを指します。

計算の結果、譲渡所得がプラスのときは「譲渡益」、譲渡所得がマイナスのときは「譲渡損失」と呼ぶことにします。

マンション売却では譲渡益が発生したときは税金が生じ、譲渡損失が発生したときは税金が生じないというのが基本ルールです。

譲渡益や譲渡損失が発生しているパターンをイメージ図で表すと以下のようになります。

譲渡所得は、「譲渡価額」と「取得費および譲渡費用」を比較します。
取得費は建物に関して減価償却という計算を行いますので、年々、減少していきます。

減価償却とは、建物の取得価格を毎年一定の金額を減価させていく会計上の手続きです。
会計上、建物は年々価値が下がるものと考えられているため、このような手続きを行います。

よって、マンション売却の税金を計算する上では、譲渡所得を計算することが第一歩です。
譲渡益が発生していれば「節税」の特例が使えないか検討し、譲渡損失が発生していれば「税金還付」の特例が使えないか検討することが流れとなります。

2. マンションの売却でかかる税金の種類

この章では税金の種類について解説します。
税金の種類と納付時期、税率等については、以下の通りです。

税金の種類 納付時期 税率等
所得税 確定申告時 長期:15%
短期:30%
住民税 給与天引きなら翌年6月~翌々年5月 長期:5%
短期:9%
復興特別所得税 確定申告時 所得税に対して2.1%
印紙税 売買契約時 売買金額によって異なる
登録免許税
(抵当権抹消)
引渡時 不動産1個につき1,000円
消費税 各種サービス料の支払時期 料金の10%

譲渡益が発生するタイミング別にそれぞれの税金についてご説明いたします。

2-1. 譲渡益が生じたときに発生する税金

譲渡益が生じたときに発生する税金は、「所得税」、「住民税」、「復興特別所得税」です。

不動産購入時に発生する「不動産取得税」のような特別な税金ではなく、売却時の税金は普段から我々が納税している所得税等と同じ税金になります。

イメージとしては、売却した翌年だけ「所得税」や「住民税」、「復興特別所得税」が増える感じです。

税金は、譲渡所得に対して税率を乗じて求めます。

税金 = 譲渡所得×税率

税率は、所有期間によって異なります。
1月1日時点において所有期間が5年超の場合は長期譲渡所得、1月1日時点において所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得と分類されます。

それぞれの税率は以下の通りです。

所得の種類 所有期間 所得税率 住民税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9%
長期譲渡所得 5年超 15% 5%

上記の税率でそれぞれ計算し、さらに2037年までは「所得税」に対して一律2.1%をかけた金額が「復興特別所得税」として納税額にプラスされます。

所有期間が長い方が税率は低いのは、バブル時代に流行った土地転がしのような投機的取引を防ぐことが目的です。

2-2. 売却の手続きで発生する税金

この節では売却の手続きを進めていく中で発生する税金について解説します。

(1) 印紙税

印紙税とは、売買契約書に印紙を貼付して納税する税金です。
印紙税の金額は取引額(消費税抜き)に応じて以下のように定められています。

契約書に記載する売買金額 本則 軽減税率※
1万円未満 200円 非課税
1万円以上10万円以下 200円 200円
10万円超50万円以下 400円 200円
50万円超100万円以下 1,000円 500円
100万円超500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円 30,000円
1億円超5億円以下 100,000円 60,000円
5億円超10億円以下 200,000円 160,000円
10億円超50億円以下 400,000円 320,000円
50億円超 600,000円 480,000円
金額の記載のないもの 200円 200円

※2014年4月1日~2020年3月31日まで

(2) 抵当権抹消の登録免許税

住宅ローンが残っているマンションを売却するときは、売却時に抵当権抹消の登録免許税が生じます。
抵当権とは、住宅ローンを借りる際、銀行がマンションに付けた担保権のことです。

抵当権の内容は、登記簿謄本に記載されており、登記簿謄本から抵当権の記載を消すことを抵当権の抹消と呼びます。

登録免許税は、仰々しく納めなければいけない税金ではなく、法務局に支払う手数料のようなイメージの税金です。

抹消登記の手続きをする司法書士が代理で法務局に支払いますので、司法書士に渡せば終わりです。

抵当権抹消の登録免許税は、「不動産の個数あたり1,000円」です。

抵当権は、マンションの場合、土地と建物の双方に設定されています。
不動産が土地1つ、建物1つの場合の登録免許税は、2,000円です。

(3) 仲介手数料等に係る消費税

仲介手数料やハウスクリーニング、司法書士手数料等、サービスの提供を受ける場合には、そのサービスに対し消費税が生じます。
印紙税や登録免許税等の税金以外の支払い対象に関しては、基本的に消費税が生じます。

尚、個人の方がマイホーム等の非事業用不動産を売却する場合には、売却するマンションに対して消費税は生じません。

3. 譲渡所得の求め方

この章では、マイホーム等の非事業用不動産のマンションに関する譲渡所得の求め方について解説します。

3-1. 譲渡価額

譲渡価額とは、基本的には売却価格のことです。
ただし、譲渡価額は「価額」と表記されており、厳密には売却「価格」のことではありません。

価額とは値段のことではなく、品物の値打ちに相当する金額を表す言葉です。
それに対して価格とは値段のことを指します。

具体的には、マンション売却で固定資産税の精算を行った場合には、売却価格に固定資産税精算金を加えたものが譲渡価額となります。

【譲渡価額の求め方】

譲渡価額 = 売却価格+固定資産税精算金

固定資産税精算金とは、引渡日以降の固定資産税及び都市計画税相当額を、売主が買主から受領するお金のことです。

固定資産税等は、1月1日時点の所有者が1年分の納税義務者です。
1年の間に何人も所有者が変わったとしても、納税義務者は1月1日時点の所有者のままとなります。

本来は、所有権移転後であっても、固定資産税は1月1日時点の所有者が負担すべきものであり、買主が負担するものではありません。

つまり、売主は買主が負担すべき固定資産税を立て替えているわけではなく、単純に追加でお金をもらっていることになり、単なる「値上げ」とみなされます。

よって、固定資産税清算金は譲渡価額に加算すべき金額なのです。

一方で、マンションの売却では管理費及び修繕積立金(以下、「管理費等」と略)の精算を行うことがありますが、管理費等の精算金については譲渡価額に含みません。

理由としては、本来、所有権移転後の管理費等は買主が負担すべきものであるため、売主が前払いした管理費等は「立て替え」に該当するからです。

3-2. 取得費

取得費は、土地については購入額、建物については購入額から減価償却費を控除した価額です。

取得費を式で表すと以下のようになります。

取得費 = 土地購入価額+(建物購入価額-減価償却費)

取得費を計算するには、まず購入額を土地と建物に分け、建物に関しては減価償却計算を行うことが必要です。

売却予定のマンションが、マイホーム等の非事業用不動産であれば、建物の取得費を求めるための減価償却の方法は以下のようになります。

減価償却費(合計) = 建物購入価額×0.9×償却率×経過年数

経過年数は築年数ではなく、購入の引渡から売却の引渡までの所有期間を表します。
6ヶ月以上の端数が出た場合は1年と計算し、6ヶ月未満の端数が出た場合は切捨てで計算します。

(償却期間の計算例)

1996年3月~2019年6月・・・23年3ヶ月は「23年」として計算
2001年2月~2019年10月・・・18年8ヶ月は「19年」として計算

償却率については建物の構造によって数値が定められています。
典型的なマンション構造である「鉄筋コンクリート造」と「鉄骨鉄筋コンクリート造」の償却率は以下の通りです。

建物構造 償却率
鉄筋コンクリート造 0.015
鉄骨鉄筋コンクリート造 0.015

詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。

参考:国税庁「建物の取得費の計算

(1) 購入時新築だったマンションを売却する場合の取得費

新築マンションを購入した場合の取得費の計算方法について解説します。

(与条件)
マンション購入価額:5,000万円
内訳 土地購入価額:3,000万円
   建物購入価額:2,000万円
経過年数:20年

計算方法は以下の通りです。
最初に減価償却費を求めます。

減価償却費 = 建物購入価額×0.9×償却率×経過年数
      = 2,000万円×0.9×0.015×20年
      = 540万円

よって取得費は以下のように求められます。

取得費 = 土地購入価額+(建物購入価額-減価償却費)
    = 3,000万円+(2,000万円-540万円)
    = 3,000万円+1,460万円
    = 4,460万円

(2) 中古マンションを購入した場合の取得費

次に中古マンションを購入した場合の取得費の計算方法について解説します。

中古マンションでは、個人の売主から購入している場合、「土地と建物の内訳価格」が分からないことが多いです。

ここでは中古マンションの取得費を求める方法として、「建物の標準的な建築価額表」を利用して求める方法を紹介します。

建物の標準的な建築価額は、当時の新築工事費の相場の単価です。

取得費を求める手順は、以下の3ステップです。

【建物の標準的な建築価額を使った取得費の求め方の手順】

  1. 建物の標準的な建築価額表により「新築時」の建物価格を求める。
  2. 新築時の建物価格を購入時まで減価償却を行い、「購入時」の建物価格を求める。
  3. 購入時の建物価格を売却時まで減価償却を行い、「売却時」の建物取得費を求める。

ここで、以下の与条件の中古マンションを例に計算方法を示します。

(条件)
構造:鉄筋コンクリート造
新築年:1985年(昭和60年)
購入年:2000年(平成12年) …… 経過年数15年の中古マンションとして購入
売却年:2019年(令和元年) …… 購入から売却の経過年数は19年
床面積:72平米 …… 登記簿謄本に記載された専有面積
購入価額:3,500万円 …… 中古マンションとして購入した価額

購入時は、購入総額しか分かっておらず、土地と建物の内訳価格が分からない状態です。
マンションの新築年月日は、登記簿謄本に記載してありますので、そこから判別します。

具体的な計算方法は以下の通りです。(便宜上、小数点第2位を四捨五入しています。)

【ステップ1】 建物の標準的な建築価額表により「新築時」の建物価格を求める

最初に、建物の標準的な建築価額表より1985年の鉄筋コンクリート造の建築費を求めます。
1985年の鉄筋コンクリート造の建築費単価は、「144.5千円/平米」です。

よって、新築当初の建物価格は以下のようになります。

新築当時の建物価格 = 標準建築費×床面積
          = 144.5千円/平米×72平米
          = 1,040.4万円

【ステップ2】 新築時の建物価格を購入時まで減価償却を行い、「購入時」の建物価格を求める

新築から購入当時までの経過年数は「15年」でした。
よって購入時の建物価格を求めるために、新築から購入時の建物価格を求めます。

減価償却費 = 新築建物価格×0.9×償却率×新築から購入までの経過年数
      = 1,040.4万円×0.9×0.015×15年
      = 2,106,810円

購入時の建物価格は、新築建物価格から減価償却費を控除したものですので、以下のようになります。

購入時の建物価格 = 新築建物価格-減価償却費
         = 1,040.4万円-210.7万円
         = 8,297,190円

【ステップ3】 購入時の建物価格を売却時まで減価償却を行い、「売却時」の建物取得費を求める

購入時の建物価格が分かりましたので、マンション購入価額から購入時の土地価格を求めます。

購入時の土地価格 = マンション購入価額-購入時の建物価格
         = 3,500万円-8,297,190万円
         = 26,702,810円

次に、購入時の建物価格を売却時まで減価償却します。
購入から売却までの経過年数は「19年」でした。

減価償却費 = 購入時の建物価格×0.9×償却率×購入から売却までの経過年数
      = 829.7万円×0.9×0.015×19年
      = 2,128,229,235円

よって取得費は以下のように求められます。

取得費 = 購入時の土地価格+(購入時の建物価格-減価償却費)
    = 2,670.2万円+(829.7万円-212.8万円)
    = 3,287.1万円

(3) 購入額が分からない場合の取得費

購入価額が不明の場合には、「概算取得費」を用いるのが一般的です。
概算取得費とは、「譲渡価額の5%」となります。

概算取得費は計算が簡便というメリットはありますが、譲渡所得が大きく計算されてしまうため、税金の負担が重くなるという点がデメリットです。

国税庁としては、取得費が不明な場合には、「概算取得費を用いても構わない」というスタンスですので、他に合理的に取得費を証明できる方法があれば、それを用いても構わないとしています。

マンションの場合には、以下のような方法で購入額を証明する方法もあります。

  1. マンションディベロッパーや個人売主から購入当時の売買契約書の写しをもらう
  2. 当時仲介してくれた不動産会社から購入当時の売買契約書の写しをもらう
  3. 通帳の出金履歴から購入額を推測する
  4. 住宅ローンの金銭消費貸借契約書から購入額を推測する
  5. 抵当権設定額から購入額を推測する

「1」と「2」の方法は、購入から年数があまり経っていない場合には相手方や不動産会社が契約書を残している可能性があるので、トライしてみる価値があります。

「3」「4」「5」の方法については、資料が残っている場合には個別に税務署に相談してみてください。

3-3. 譲渡費用

譲渡費用には、以下のものが含まれます。

  • 売却の際の仲介手数料
  • 売却に伴う広告費
  • 売却時の売買契約書に貼付けした印紙税
  • 売却に伴い支払った立退料

尚、譲渡費用にはマンション売却時に発生する「抵当権抹消登録免許税」や「司法書士手数料」、「家財処分費用」、「引越費用」といった費用は譲渡費用に含めることはできません

3-4. 税金の計算方法

ここでは、以下の例で税金の具体的な計算方法について紹介します。

(条件)
売却価格:3,800万円
固定資産税清算金:5万円
購入価格:4,000万円(土地価格:2,000万円、建物価格2,000万円)
譲渡費用:120万円
経過年数:20年
構造:鉄筋コンクリート造

上記の条件より、所有期間は5年超ですので長期譲渡所得の税率(所得税率15%、住民税率5%)を用いて税金を計算します。

譲渡価額 = 売却価格+固定資産税精算金
     = 3,800万円+5万円
     = 3,805万円

減価償却費 = 建物購入価額×0.9×償却率×経過年数
      = 2,000万円×0.9×0.015×20年
      = 540万円

取得費 = 土地購入価額+(建物購入価額-減価償却費)
    = 2,000万円+(2,000万円-540万円)
    = 3,460万円

譲渡所得 = 譲渡価額-取得費-譲渡費用
     = 3,805万円-3,460万円-120万円
     = 225万円

所得税 = 譲渡所得×税率
    = 225万円×15%
    = 33.75万円

復興特別所得税 = 所得税×2.1%
        ≒ 0.7万円

住民税 = 譲渡所得×5%
    = 225万円×5%
    = 11.25万円

税金 = 所得税+住民税+復興特別所得税
   = 33.75万円+11.25万円+0.7万円
   = 45.7万円

4. マイホーム売却で節税するための税金特例

この章ではマイホームを売却したときの節税するための税金特例について解説します。

4-1. 「3000万円特別控除」

マンションが居住用財産に該当すると、3,000万円特別控除の利用が可能です。

3,000万円特別控除を利用すると、譲渡所得が以下ように計算されます。

譲渡所得 = 譲渡価額-取得費-譲渡費用-3,000万円

特例の適用の結果、譲渡所得がマイナスになるようであれば、譲渡所得はゼロとして扱われ税金は発生しないことになります。

居住用財産は、簡単にいうと自宅(マイホーム)です。
賃貸のワンルームマンションやアパート等、自宅ではない収益物件は居住用財産に該当しません。

マンションの場合、以下のいずれかの要件に当てはまれば居住用財産となります。

【居住用財産の定義】

  1. 現に居住している家屋やその家屋と共に譲渡する敷地の譲渡の場合
  2. 転居してから3年後の12月31日までに、居住していた家屋やその家屋と共に譲渡するする敷地の譲渡の場合(この間に貸付や事業用に供していても適用となる)
  3. 災害などにより居住していた家屋が滅失した時は、災害のあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、その敷地だけ譲渡する場合

空き家であっても、転居してから3年後の12月31日までに売却すれば居住用財産とすることが可能です。
また、この間に売却すれば、例外的に他人に賃貸していても居住用財産になります。

4-2. 所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例

3,000万円特別控除の特例を適用しても、譲渡所得がプラスとなる場合は、「所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例(以下、「軽減税率の特例」と略)」を検討します。

軽減税率の特例とは、長期譲渡所得からさらに税率を小さくしてくれる特例です。
適用要件は、「居住用財産で所有期間が10年超となるもの」であり、3000万円特別控除との併用ができます。

特例を適用した場合の、税率は以下の通りです。

譲渡所得金額※ 所得税 住民税
6,000万円以下の部分 10% 4%
6,000万円超の部分 15% 5%

※譲渡所得は、3,000万円の特別控除の適用後の譲渡所得が対象です。

さらに2037年までは「所得税」に対して一律2.1%をかけた金額が「復興特別所得税」として納税額にプラスされます。

4-3. 特定の居住用財産の買換え特例

特定の居住用財産の買換え特例は、買換えで、今の家を売却した金額(譲渡価額)よりも、新しく購入した家の方が金額(取得価額)の方が高い場合、課税されない(繰延される)という特例です。

買換え資産の関係 買換え時の課税の有無
譲渡価額>取得価額 一部課税される
譲渡価額≦取得価額 課税されない

特定の居住用財産の買換え特例を利用するには、以下の要件を満たす必要があります。

【売却する居住用財産の要件】

次に掲げる居住用財産で、その譲渡した年の1月1日における所有期間が10年を超えているもので、譲渡にかかる対価が1億円以下のもの

  1. 現に自分が住んでいる住宅で、居住期間が10年以上のもの
  2. 以前に自分が住んでいた「1」の住宅で、自分が住まなくなった日から3年後の12月31日までに譲渡されるもの
  3. 「1」や「2」の住宅及びその敷地
  4. 災害によって「1.」の住宅が滅失した場合において、その住宅を引き続き所有していたとしたならば、その年の1月1日における所有期間が10年を超えるその住宅の敷地

【購入する居住用財産の要件】

  1. 譲渡資産を譲渡した年の前年の1月1日から譲渡した年の12月31日までの間に居住用の住宅やその敷地を取得すること
  2. 譲渡資産を譲渡した年の翌年12月31日までの間に、取得した住宅を居住の用に供すること、または供する見込みであること
  3. 取得する住宅は、床面積が50平米以上であること
  4. 買換え資産が中古の耐火建築物である場合には、その中古耐火建築物が新築後25年以内であるか、または新耐震基準に適合することが証明されたものであるか、もしくは既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入していること
    買換え資産が非耐火建築物である場合には、新築後25年以内であるか、または地震に対する安全基準を満たすものであること
  5. 取得する敷地は、その面積が500平米以下であること

特定の居住用財産の買換え特例は、3,000万円特別控除でほとんどの場合によって税額がゼロとなるため、あまり利用されません。

特定の居住用財産の買換え特例は、買い替えた時点の課税は行わず、将来、買い替えた資産を売却した際に遡って課税される(課税の繰り延べ)というタイプの特例です。

3,000万円特別控除は繰り延べではなく完全に節税ですので、優先して利用するべき特例は3,000万円特別控除になります。

4-4. 住宅ローン控除とは併用できない

マンションを買い替え予定で、売却物件では税金が発生し、購入物件では住宅ローン控除を利用したいケースもあります。

住宅ローン控除とは返済期間が10年以上のローンを組んで住宅を購入した際、自分が住むことになった年から一定の期間に渡り、所定の額が所得税から控除される税金特例です。

「3,000万円特別控除」や「軽減税率の特例」、「特定の居住用財産の買換え特例」といった節税系の3つの特例は全て住宅ローン控除と同時に併用することはできません

売却物件で譲渡益が出てしまった場合には、売却物件で節税系の特例を使うか、購入物件で住宅ローン控除を使うかの二者択一となります。

条件にもよりますが、節税効果は往々にして住宅ローン控除の方が多いです。
そのため、売却物件での節税系の特例の利用は捨て、住宅ローン控除の利用をする方が典型的なパターンとなります。

売却物件での節税系の特例を捨てる場合、せっかくなので「ふるさと納税」を利用する方が多いです。

ふるさと納税は節税ではありませんが、所得が増えることでふるさと納税の控除限度額が増えますので、高額な返戻金を取得できるまたとないチャンスとなります。

買い替えで節税系の特例が使えない方は、ふるさと納税の利用も含めて一番良い節税策を検討しましょう。

5. 相続したマンションを売却するときの取得費加算の特例

相続したマンションは、売却する相続人(引き継ぐ人)の自宅となっていない限り、居住用財産には該当しないことになります。

例えば、元親の自宅で現在は空き家になっているようなマンションは、売却する人の自宅ではないことから、居住用財産ではありません。

ただし、相続したマンションを売却する場合でも、「相続税を払った人だけ」は取得費加算の特例が認められています

相続税を納税した人に普通に課税してしまうと、税負担が非常に大きくなることから、相続税を払う人のみ取得費加算の特例の利用が認められているのです。

取得費加算の特例を適用するには、以下の要件が必要となります。

  1. 相続や遺贈により財産を取得した者であること。
  2. その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
  3. その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。

取得費加算の特例を適用したときの譲渡所得の計算方法は以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価額-取得費-取得費に加算する相続税額-譲渡費用

取得費に加算する相続税額とは、以下の計算式で求められるものになります。

その者の相続税額 × その者の相続税の課税価格の計算の基礎とされたその譲渡した財産の価額
その者の相続税の課税価格+その者の債務控除額

尚、相続したマンションを売却する場合には、所有期間は被相続人(他界した人)の所有期間を引き継ぎます
例えば、親の所有期間が5年超であれば、相続後、すぐに売却しても長期譲渡所得として扱われることになります。

6. マイホームを売却したときの税金還付を受けるための税金特例

この章では譲渡損失が発生したときの税金還付の特例について解説します。
本来、譲渡損失が生じたときは税金が発生しないため、確定申告は不要ですが、本章で紹介する特例を利用する場合には確定申告が必要です。

6-1. 居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(以下、「譲渡損失の買換え特例」と略)は売却物件に譲渡損失が発生したときに利用する特例です。

譲渡損失の買換え特例は、譲渡した年に発生した譲渡損失を翌年以後3年間にわたり、他の給与所得等と「損益通算」することができる特例になります。

損益通算とはプラスの給与所得にマイナスの譲渡所得を合算し、全体の所得を下げる手続きです。

損益通算によって、所得が小さくなれば会社が給与所得を前提に天引きしていた所得税が払い過ぎだったということになり、払い過ぎの税金を取り戻せるという特例になります。

譲渡損失の買換え特例では、売却資産と購入資産(買換え資産)に以下の要件を満たすことが必要です。

【売却する資産の定義】

2019年12月31日までの間に譲渡される自己の居住の用に供する家屋またはその敷地で、その譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるもののうち、次の「1」から「4」のいずれかに該当するものであること

  1. 現に自分が住んでいる住宅
  2. 以前に自分が住んでいた住宅で、自分が住まなくなった日から3年後の12月31日までの間に譲渡されるもの
  3. 「1」や「2」の住宅及びその敷地
  4. 災害によって滅失した「1」の住宅の敷地で、その住宅が滅失しなかったならば、その年の1月1日における所有期間が5年を超えている住宅の敷地
    ただし、その災害があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されるものに限る。

【購入する資産の定義】

  1. 譲渡資産の譲渡した年の前年の1月1日から翌年12月31日までの間に取得される自己の居住用に供する家屋またはその敷地
  2. その家屋の居住部分の床面積が50平米以上であること
  3. その取得の日から取得した年の翌年の12月31日までの間に自己の居住の用に供すること、または供する見込みであること
  4. 繰越控除を受けようとする年の12月31日において、買換え資産に係る住宅借入金等(返済期間10年以上のローン契約等によるもの)の金額を有していること

購入物件で「10年以上のローンが必要」という要件を見落としてしまう人が多いので、要件は十分に確認するようにしてください。

6-2. 居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

買い替えはせず、単純売却の場合は、「居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例 (以下、「譲渡損失の売却特例」と略)」を利用できるケースがあります。

この特例も、損益通算により払い過ぎていた源泉徴収税を取り戻すことができる特例です。

ただし、譲渡損失の売却特例は、オーバーローンで売却した場合、オーバーローン部分が繰越控除限度額となるという点が譲渡損失の買換え特例とは異なります。

繰越控除限度額 = 住宅ローンの残高-譲渡価額

オーバーローンとは、住宅ローン残債が売却額を上回る状態のことを指します。
つまり、譲渡損失の売却特例はオーバーローン時でないと利用できないということです。

要件については、売却物件は前節の「譲渡損失の買換え特例」における売却する資産の定義と同じです。

さらに売買において、以下の3つの要件が必要となります。

【売買に必要な要件】

  1. その個人がその譲渡にかかる契約を締結した日の前日においてその譲渡資産に係る一定の住宅借入金等の金額を有すること
  2. 繰越控除する各年分の合計所得金額が3,000万円以下であること
  3. 譲渡先が、その個人の配偶者その他特別の関係がある者ではないこと

まとめ

いかがでしたか。
マンション売却の税金について解説してきました。

マンション売却では譲渡益が発生すると税金が生じます。
税金の発生の有無を確認するには、譲渡所得を計算することがポイントです。

取得費の求め方は、新築と中古では若干異なります。
中古マンションは購入時の土地と建物の内訳価格が分からないことが多いので、その場合は、建物の標準的な建築価額を使って計算を行います。

居住用財産の特例には節税系の特例と税金還付を受けられる特例があります。
特例を利用する際は、要件を十分に確認した上で、利用するようにしてください。

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