更新日:2024.02.22 不動産売却の基礎講座, 不動産売却のノウハウ 【図解】一般媒介契約のメリット・デメリットとおすすめの人 一般媒介契約は、複数の不動産会社に売却の仲介依頼ができる契約方法です。 媒介契約は、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。 不動産売却を成功に導くためには、3種類を比較して、一般媒介契約のメリット・デメリットを事前におさえておくことが重要です。 この記事では、「一般媒介契約」の特徴とメリット・デメリットを詳しくお伝えした上で、どんな人におすすめなのかまで解説します。 この記事を読むとわかること 一般媒介契約の特徴とメリット・デメリット 媒介契約3種類の違い 一般媒介契約がおすすめの人 これを読めば、失敗しない媒介契約選びの知識が身につくでしょう。 「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格”を見つけましょう 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート Contents1.一般媒介契約の7つの特徴1-1. 複数の不動産会社と契約できる1-2. 自分で見つけた買主との取引が可能1-3. 「レインズ」への登録義務がない1-4. 契約期間の定めが法令上ない1-5. 不動産会社による活動報告の義務がない1-6. 「明示型」と「非明示型」の2種類がある1-7. 途中解除が可能2.一般媒介契約のメリット・デメリット2-1.【メリット】買い手の幅が広がる2-2.【メリット】「囲い込み」のリスクが少ない2-3.【メリット】売却物件が公にならない2-4.【デメリット】不動産会社がどのように販売活動しているかわかりづらい2-5.【デメリット】積極的な販売活動をしない可能性がある3. 一般媒介契約がおすすめの人「人気エリア」「秘密の売却」なら一般媒介契約売却活動に時間・手間がかけたくないなら「専属専任」「専任媒介契約」4. 媒介契約3種類を徹底比較5.媒介契約に関するQ&A5-1. 媒介契約書とはどんなもの?5-2. 媒介契約書には何が書かれているの?5-3. 媒介契約の手数料はいつ支払う?5-4. 一般媒介から他の媒介契約に変更は可能?まとめこの記事のポイント まとめ 1.一般媒介契約の7つの特徴 媒介契約は、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。 3種類を比較したときの一般媒介契約の際立った特徴は、「2社以上の不動産会社と契約可能」「自分で見つけた買主との取引可能」の2つです。 3種類の媒介契約の違い 種類 2社以上の不動産会社と契約 自分で見つけた買主との取引 一般媒介 ◯ ◯ 専任媒介 × ◯ 専属専任媒介 × × それでは、「一般媒介契約」の特徴を詳しくご紹介します。 【一般媒介契約の7つの特徴】 複数の不動産会社と契約できる 自分で見つけた買主との取引が可能 「レインズ」への登録義務がない 契約期間の定めが法令上ない 不動産会社による活動報告の義務がない 「明示型」と「非明示型」の2種類がある 途中解除が可能 ひとつずつ詳しく見ていきましょう。 1-1. 複数の不動産会社と契約できる 一般媒介契約は2社以上の不動産会社と同時に契約できます。 専属専任、専任媒介は1社としか契約できません。 複数社との契約ができるので、一般媒介契約は不動産会社間で競争が起こります。 そのため、結果的に早期売却が目指せるのです。 1-2. 自分で見つけた買主との取引が可能 一般媒介では、売主が自分で見つけた購入希望者と直接取引することができます。 専任媒介でも直接取引が可能ですが、専属専任媒介では売主が自分で見つけた購入希望者と直接取引できません。 不動産会社を通して契約することが義務付けられています。 1-3. 「レインズ」への登録義務がない 一般媒介は、「レインズ」への登録義務がありません。 「レインズ」とは、不動産流通機構が運営している不動産情報交換のためのネットワークシステムです。 全国を4つのエリア(東日本、中部、近畿、西日本)に分けて運営されています。 レインズに登録すると、売却したい物件が広く公開されるようになりますが、不特定多数の人に売却活動をしていることを知られてしまいます。 一般媒介では登録義務がないので、知人や近隣の人に知られずに不動産売却ができるのです。 1-4. 契約期間の定めが法令上ない 一般媒介では法令上の契約期間の定めはありません。 ただ、行政指導では3か月以内とされています。 一般媒介契約の有効期間は、3ヶ月を超えない範囲で、甲乙協議の上、定めます 国土交通省 宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款 そのため、法令上の定めはないものの、実質的には3ヶ月が期限と考えられます。 なお、専属専任、専任媒介契約の媒介契約の有効期間は、ともに3か月以内です。 1-5. 不動産会社による活動報告の義務がない 一般媒介は、不動産会社による活動報告が義務付けられていません。 宅地建物取引業法34条によって、専任媒介は2週間に1回以上、専属専任媒介は1週間に1回以上の報告が義務付けられています。 参考:宅地建物取引業法 一般媒介で不動産会社へ仲介を依頼した場合は、放っておくと連絡がこないおそれがあるので、定期的に売主から連絡し、こまめに状況をうかがう必要があります。 1-6. 「明示型」と「非明示型」の2種類がある 一般媒介には、依頼する他の不動産会社名を明らかにする「明示型」と、明らかにしなくても良い「非明示型」の2種類があります。 2種類のうち、メリットが大きいのは「明示型」です。 「明示型」では競合他社の存在が把握されるため、不動産会社間の競争原理が働きます。 そのため、不動産会社が販売活動を怠ることを抑止できるのです。 ただし、「明示型」の場合、他に依頼する不動産会社名を明らかにしないと契約違反となるため、注意しましょう。 1-7. 途中解除が可能 一般媒介は、契約期間内の途中解除が可能です。 ただし、一般媒介でも「明示型」を選択した場合、他に依頼する不動産会社名を明らかにせずに他社へ仲介を依頼した場合は、契約違反に当たり、費用を請求されるおそれがあります。 この場合に請求される可能性のある費用とは、具体的には以下の通りです。 現地調査費用:交通費、写真代 権利関係調査費用:交通費、謄本代 販売活動費用:新聞・雑誌の広告費、通信費、現地案内交通費 契約交渉費用:交通費 一般媒介契約で仲介を依頼すると決めて、売却を早く進めたい方は、不動産会社へ査定依頼をしましょう。 早く・高く売りたいなら、複数社に査定を依頼するのをおすすめします。 複数社に査定を依頼する際に便利なのが、NTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」です。 「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」はカンタンな情報を入力するだけで、全国の優良な不動産会社2,300社のなかから、最大6社を選んでまとめて査定依頼ができます。 信頼できる優良な不動産会社を探すなら、「不動産売却 HOME4U」をぜひご活用ください。 【無料】一括査定依頼スタート 2.一般媒介契約のメリット・デメリット 前章では、一般媒介契約の特徴をご紹介しました。 この章では、一般媒介契約にどのようなメリット・デメリットがあるかを見ていきましょう。 【一般媒介契約のメリットとデメリット】 メリット 買い手の幅が広がる 「囲い込み」のリスクが少ない 売却物件が公にならない デメリット 不動産会社がどのように販売活動しているかわかりづらい 積極的な販売活動をしない可能性がある それぞれ詳しく見ていきましょう。 2-1.【メリット】買い手の幅が広がる 一般媒介は、複数の会社に仲介を依頼できるので、買い手の幅が広がります。 1社だけでは買い手を探す範囲が狭くなりがちです。 しかし複数社とつながれば、広範囲から購入希望者を募れるでしょう。 特に、人気エリアの物件であれば、購入希望者が多ければ多いほど早期売却の可能性が高まります。 そのため、買い手の幅を広げたい場合は、複数社による売却活動を進められる一般媒介がおすすめです。 2-2.【メリット】「囲い込み」のリスクが少ない 「囲い込み」されにくい点が一般媒介のメリットのひとつです。 「囲い込み」とは、売主から売却の仲介依頼をされた物件をほかの不動産会社経由で契約できなくする行為を指します。 囲い込みが起こる要因は、仲介手数料にあります。 不動産会社は、買主を自社で見つけた場合、売買成立時に売主・買主の双方から仲介手数料を得られるのです。 売主・買主の双方から不動産会社1社が仲介手数料を得ることを「両手仲介」と言います。 専任媒介や専属専任媒介は、「両手仲介」を狙って囲い込みを行う不動産会社と契約してしまうリスクがあるのです。 一般媒介契約を選べば、特定の1社で物件の情報を独占できないため、囲い込みのリスクは少なくなります。 2-3.【メリット】売却物件が公にならない 一般媒介では、不特定多数の人に物件情報を公開せずに売却活動ができます。 一般媒介は、不動産情報ネットワークシステム「レインズ」への登録義務がありません。 したがって、売却活動をしていることを近隣の人や知人に知られたくない場合は、一般媒介を選んでレインズに登録せずに売る方法を取るといいでしょう。 2-4.【デメリット】不動産会社がどのように販売活動しているかわかりづらい 一般媒介は、不動産会社がどのように販売活動をしているかわかりづらい傾向にあります。 売主への報告義務がないため、定期的な活動報告が期待できません。 そのため、放っておくと、買い手を見つけるために何をしているのか把握できなくなってしまうのです。 このような事態を回避するためには、売主から定期的に連絡をし、販売状況を伺う必要があります。 2-5.【デメリット】積極的な販売活動をしない可能性がある 一般媒介では、不動産会社が販売活動を怠る懸念があります。 一般媒介契約を結んだ不動産会社は、必ずしも仲介手数料が受け取れるわけではありません。 一般媒介は、契約に至った不動産会社だけに売主・買主から仲介手数料が支払われる仕組みになっています。 結果的に、売却できれば必ず仲介手数料が受け取れる専任媒介や専属専任媒介に比べると、積極的な販売活動をしてくれないおそれがあるのです。 3. 一般媒介契約がおすすめの人 ここまで、一般媒介契約の特徴とメリット・デメリットを見てきました。 この章では、それらを踏まえ、どのような人に一般媒介契約がおすすめなのかをご紹介します。 「人気エリア」「秘密の売却」なら一般媒介契約 一般媒介契約は、以下のいずれかに該当する人におすすめします。 人気のエリアの物件を持っている 近所に売ることを知られたくない 人気の物件は、購入希望者が多く集まるため、一般媒介を選ぶとスムーズに売却できる可能性があります。 また、隣近所に売却を知られたくないなら、レインズ登録が義務付けられていない一般媒介を選ぶといいでしょう。 ただし、依頼する不動産会社の見極めを誤ると、売却活動が滞るおそれがあるため注意が必要です。 信頼できる不動産会社を探すなら、NTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」をおすすめします。 「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」はカンタンな情報を入力するだけで、全国の優良な不動産会社2,300社のなかから、最大6社を選んでまとめて査定依頼ができます。 信頼できる優良な不動産会社を探すなら、「不動産売却 HOME4U」をぜひご活用ください。 【無料】一括査定依頼スタート 売却活動に時間・手間がかけたくないなら「専属専任」「専任媒介契約」 売却活動に時間と手間がかけられない方には、「専属専任」「専任媒介契約」のいずれかがおすすめです。 一般媒介は、複数社と契約するため、やりとりに手間と時間がかかります。 その点、「専属専任」「専任媒介契約」は、1社以外とやりとりをする必要がありません。 忙しいときでも、売却活動が進めやすいでしょう。 「専属専任媒介」は1週間に1回以上、「専任媒介」は2週間に1回以上の報告が義務付けられています。 そのため、売主から不動産会社に連絡をして販売状況を伺う必要がないのです。 また、「専属専任」や「専任媒介契約」は、一定期間売却できない場合に備えた買取保証を付けることも可能です。 買い換えなどの理由で家の売却を急いでいる場合は、買取保証がある不動産会社を選ぶと安心できるでしょう。 4. 媒介契約3種類を徹底比較 どの媒介契約を選ぶべきか悩んだときは、それぞれにどんなメリット・デメリットがあるのかを比較してみましょう。 3種類の媒介契約の違いを一覧表にまとめました。 3つの媒介契約の違い比較表 専属専任媒介 専任媒介 一般媒介 2社以上の不動産会社と契約できるか × できない × できない ◯ できる 自分で買主を探して直接取引できるか × できない ◯ できる ◯ できる 不動産会社から受ける活動報告の頻度 1週間に1回以上 2週間に1回以上 法令上の定めなし 不動産会社のレインズ※への登録義務 媒介契約から5日以内 媒介契約から7日以内 法令上の定めなし 契約期間 3ヶ月以内 3ヶ月以内 法令上の定めはないが、行政指導では3ヶ月以内 3つの特徴をじっくり吟味し、どれを選ぶか検討してみてください。 5.媒介契約に関するQ&A ここでは、媒介契約に関する疑問に回答します。 媒介契約書とはどんなもの? 媒介契約書には何が書かれているの? 媒介契約の手数料はいつ支払う? 一般媒介から他の媒介契約に変更は可能? 詳しく見ていきましょう。 5-1. 媒介契約書とはどんなもの? 媒介契約書とは、不動産会社に売却を依頼する場合の契約の種類やサービス内容、報酬額となる仲介手数料などが明確に記載した書面。 国土交通省が定めた「標準媒介契約約款」に基づいて作成されるのが一般的です。 【媒介契約書の基礎知識】締結前にチェックすべき8つのポイント 不動産を売却するときは、最初に不動産会社と媒介契約を締結します。 ただ 5-2. 媒介契約書には何が書かれているの? 媒介契約書には次のような内容が記載されています。 媒介契約の種類 物件の詳細 不動産会社の業務と義務 契約の有効期間 レインズへの登録の有無 手数料 一般媒介契約を締結した場合は、媒介契約書で契約形態が「明示型」か「非明示型」かを確認しましょう。 5-3. 媒介契約の手数料はいつ支払う? 仲介手数料は、売買契約成立時に50%、引渡時に50%を支払うのが一般的 です。 ただし、あくまでも商習慣であるため、絶対的なルールではありません。 売買契約成立時に100%請求されることもあり得ます。 また、売買契約時から引渡までの間にローン特約によって売買契約が解除された場合、支払った仲介手数料は返金されます。 ローン特約とは、買主が住宅ローンを利用して購入する場合、買主が銀行の融資審査を通らなかったときに契約解除できることを定めた条項です。 買主は、住宅ローンの本審査を売買契約後から引渡までの間に行います。 そのため、買主が銀行の融資審査に通らないと、支払い済みの仲介手数料が戻ってくるのです。 5-4. 一般媒介から他の媒介契約に変更は可能? 一般媒介から「専属専任」や「専任媒介契約」への切り替えは可能です。 ただし、一般媒介でも「明示型」を選択した場合、他に依頼する不動産会社名を明らかにせずに他社へ仲介を依頼した場合は、契約違反に当たり、費用を請求されるおそれがあります。 契約書に期間が記されている場合は、期間満了を待ってから変更するといいでしょう。 不動産売却の流れ7ステップを図解~売ると決めてから引き渡しまで 家族構成やライフスタイルの変化、相続など、不動産を売却する理由はさま マンション売却の流れを9ステップで詳しく解説! 初めてマンションを売却する方にとっては、マンション売却の基本的な流れや 【完全版】マンション売却の注意点!流れや費用、失敗例、税金特例を紹介 マンション売却を進めるとき、流れや注意点、失敗例を知ることで、スムーズ まとめ 一般媒介契約について、メリットやデメリット、選び方を中心にご紹介しました。 不動産売却をする時は、売却にかける期間や、「人気エリアの物件である」などの不動産の特徴、「近所の人に知られずに売却を行いたい」など自分の条件を踏まえて媒介契約を選んでください。 とはいえ、どの不動産会社に依頼するかは悩んでしまいますよね。 的確な判断をするには、いくつかの不動産会社に一度相談してみるのもひとつの方法といえます。 「HOME4U(ホームフォーユー)」は、複数の不動産会社にまとめて無料相談できるので、査定額や不動産会社の知識を比較することができます。 最適なパートナー探しが、売却成功の第一歩。「HOME4U(ホームフォーユー)」は、完全無料なのでぜひ一度お試しください! 【無料】一括査定依頼をしてみる この記事のポイント まとめ 一般媒介契約の特徴は? 一般媒介契約の特徴は次の7つです。 複数の不動産会社と契約できる 自分で見つけた買主との取引が可能 「レインズ」への登録義務がない 契約期間の定めが法令上ない 不動産会社による活動報告の義務がない 「明示型」と「非明示型」の2種類がある 途中解除が可能 詳細は「1. 一般媒介契約の7つの特徴」をご確認ください。 一般媒介契約のメリット・デメリットは? 一般媒介契約のメリット・デメリットは以下の通りです。 【メリット】買い手の幅が広がる 【メリット】「囲い込み」のリスクが少ない 【メリット】売却物件が公にならない 【デメリット】不動産会社がどのように販売活動しているかわかりづらい 【デメリット】積極的な販売活動をしない可能性がある 詳細は「2.一般媒介契約のメリット・デメリット」をご確認ください。 一般媒介契約がおすすめの人は? 一般媒介契約は、以下のいずれかに該当する人におすすめします。 人気のエリアの物件を持っている 近所に売ることを知られたくない 詳細は「3. 一般媒介契約がおすすめの人」をご確認ください。 Facebook twitter feedly