【2022年】不動産価格の推移はどうなる?気になる今後の動向は?

今後の不動産の動向は、過去の長期的な推移を読み解くことで見えてきます。
日本の不動産価格は1991年のバブル崩壊時点でピークに達し、その後、小さな波を繰り返して現在に至っています。

過去50年や30年といった長期スパンの中で、不動産価格はどのように推移してきたのでしょうか?

また、2022年は今後の不動産市況を動かす気になるニュースが出始めました。
最新の動向も探ることで、今後の不動産市況が見えてきます。

そこでこの記事では、過去の傾向も紐解きながら、最新の不動産価格の推移に関する動向を専門家の視点で解説していきます。
ぜひ最後までおつきあいいただき、不動産トレンドの把握にお役立てください。

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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.不動産の価格の長期推移

初めに、不動産の価格の長期推移について、以下の3点を解説します。

  1. 土地価格
  2. 首都圏マンション価格30年推移
  3. 首都圏戸建て価格30年推移

それではひとつずつ見ていきましょう。

1-1.土地価格

土地価格について解説します。

1-1-1.全国における全用途平均の約50年推移

全国における全用途の地価公示平均価格の推移を見てみます。
国土交通省が開示している1975年からの47年間(約50年)の土地価格推移は下図の通りです。

全国における全用途平均の約50年推移

出典:国土交通省「地価公示

日本の土地は1991年にピークを迎え、2006年までの15年間下落し続けます。
その後、一瞬価格が上昇しますが2008年にはリーマンショックが発生し、再び下落に転じました。

リーマンショック後は、全国の土地の平均価格は2015年より再び上昇に転じています。
これは、主に2013年頃から日銀が開始した異次元金融緩和政策が主たる要因です。

異次元金融緩和政策によって住宅ローンの金利が非常に安くなり、住宅取得意欲が向上したことから住宅需要が増え、不動産価格が上がっていきました。
2021年は新型コロナウィルスの影響もあり、2020年よりも若干価格が下がった状況です。

1-1-2.首都圏及び東京都の住宅地の30年推移

首都圏及び東京都の地価公示の住宅地平均価格の30年推移を示します。

首都圏及び東京都の住宅地の30年推移

出典:国土交通省「地価公示

東京都の土地は景気に敏感で上昇しやすく、2013年より上昇に転じています。
首都圏となると全国平均と同じで2015年より上昇しており、東京都の動きより少し遅れる形となっています。

1-2.首都圏マンション価格30年推移

首都圏の中古マンション価格の30年推移は下図の通りです。

首都圏マンション価格30年推移

※2020年までは年度統計、2021年は暦年統計を使用しています。

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2002年度)
首都圏不動産流通市場の動向(2012年度)
首都圏不動産流通市場の動向(2020年度)
首都圏不動産流通市場の動向(2021年度)

過去30年を見ると、価格は2001年が底値となっており、その後は概ね上昇傾向が続いています。
中古マンション価格はバブル期に匹敵する価格水準です。

1-3.首都圏戸建て価格30年推移

首都圏の中古戸建て価格の30年推移は下図の通りです。

首都圏戸建て価格30年推移

※2020年までは年度統計、2021年は暦年統計を使用しています。
※1999年までは新築戸建ても統計に含まれます。
※建込単価とは総額を建物の延床面積で割った単価です。

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2002年度)
首都圏不動産流通市場の動向(2012年度)
首都圏不動産流通市場の動向(2020年度)
首都圏不動産流通市場の動向(2021年)

30年前は今よりも戸建て人気が高く、マンションとは異なり戸建ての中古価格はバブル期にはまったく追い付いていない状況です。
過去30年では2013年が底値となっており、マンションのような回復力は見られません。

2.「2022年のニュース」から読み解く今後の動向

本章では、2022年のニュースから、今後の動向に関与するものを「グッドニュース」と「バッドニュース」に分けて見ていきます。

2-1.グッドニュース

それでは、不動産価格の高値が維持できる要因となる「グッドニュース」について解説します。

2-1-1.テレワークの普及で戸建てや郊外の物件の需要は高まる

テレワークが普及したことから、当面は引き続き戸建てや郊外の物件の需要は高まることが予想されます。

テレワークによって自宅で仕事部屋を確保したいというニーズが増えたことから、2021年はマンションよりも部屋数を確保しやすい戸建ての需要が増えました。

2021年における首都圏の中古マンションと中古戸建ての価格上昇率を示すと下表の通りです。

都道府県 マンション 戸建て
価格 上昇率 価格 上昇率
東京都 4,879万円 8.1% 4,845万円 7.1%
埼玉県 2,444万円 8.5% 2,343万円 13.3%
神奈川県 3,209万円 6.9% 3,568万円 9.3%
千葉県 2,369万円 10.9% 2,191万円 14.4%

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)

特に、埼玉県や千葉県といった首都圏郊外では中古戸建ての価格上昇率が顕著に上がっていることが読み取れます。
また、首都圏における2021年の人口移動の状況を示すと下表の通りです。

単位(人)

都道府県 2021年 2020年 対前年増減数
東京都 5,433 31,125 -25,692
埼玉県 27,807 24,271 3,536
神奈川県 31,844 29,574 2,270
千葉県 16,615 14,273 2,342

出典:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告(2021年結果)

人口移動に関しては、最も大きな変化が生じたのが東京都です。
東京都は、2020年は31,125人の社会増がありましたが、2021年は5,433人の社会増に留まっており、対前年増減数は▲25,692人と大きく減っています。

それに対して、埼玉県や神奈川県、千葉県といった首都圏郊外の人口はいずれも2020年よりも社会増が増えている状況です。

東京都から首都圏郊外に移り住む人が増え、これらの人は部屋数を確保しやすい戸建てを購入しているという動向が窺えます。
その結果、中古戸建ての価格上昇率は、特に埼玉県と千葉県が顕著に上昇しました。

このような市場の動きは当面続くものと予想され、埼玉県や神奈川県、千葉県で戸建を持っている人は売却しやすいといえます。

また、マンションであっても千葉県や埼玉県で部屋数が多く、割安感のある物件は売りやすいと予想できます。

特に千葉県では中古マンション価格が2021年は10.9%も上昇しており、郊外ではマンションも十分に売却チャンスがあるでしょう。

2-1-2.東京都の新築マンション供給は抑えられる

2022年は東京都区部の新築マンション供給は抑えられるという点も、価格維持に働くグッドニュースです。

まず、中古マンションの価格は新築マンションの価格が上昇すると連動して上がるという傾向があります。

理由としては、新築マンションが高過ぎて購入できない人が中古マンション市場に流れ込んでくるからです。
以下に、首都圏における新築マンションと中古マンションの価格の推移を示します。

首都圏における新築マンションと中古マンションの価格の推移

出典:新築マンション:株式会社不動産経済研究所「全国新築分譲マンション市場動向2021年
中古マンション:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)

新築マンションと中古マンションの価格は軌を一にしており、新築マンション価格が高い時期においては、中古マンションを高く売ることができます。

ここで、新築マンション価格で最も重要となるのが東京都区部の新築マンション価格です。
東京都区部の新築マンション価格は全国で一番高いことから、東京都区部の新築マンション価格が高ければ、他の地域のマンション価格も高く維持できます。

東京都区部の新築マンション価格がどうなるかについては、新築マンションの供給量から推測することができます。

東京都区部の新築マンションの供給量と価格の推移を示すと以下の通りです。

東京都区部の新築マンションの供給量と価格の推移

出典:株式会社不動産経済研究所「不動産経済マンションデータ・ニュース(2021年12月21日)

新築マンションは、供給量が減ると希少性が高まることから価格が上昇する傾向があります。

2022年における東京都区部の新築マンションの供給量は14,000戸と予想されており、2021年と比べて▲1.4%です。

供給量が増えて値崩れするような状況にないことから、引き続き東京都区部のマンション価格は高止まりすると思料されます。

東京都区部のマンション価格が高止まりすれば、首都圏郊外の新築マンション価格も値崩れしにくく、中古マンションも高く売れることが予想されるのです。

2-1-3.築20年超・25年超の中古物件が売りやすくなる

2022年以降は、住宅ローン控除の制度が大きく変わることから、築20年超の木造戸建てや25年超のマンションが売りやすくなります

住宅ローン控除とは、年末の住宅ローン残高に一定率を乗じた額を所得税から控除できる制度のことです。

2022年より前は、築20年超の木造戸建てや25年超のマンションは、原則として買主が住宅ローン控除を利用できませんでした。

また、住宅ローン控除だけでなく、築20年超の木造戸建てや25年超のマンションでは、原則として買主が購入時の登録免許税の軽減措置も受けられないというルールがありました。

築20年超の木造戸建てや25年超のマンションは、買主にとって不利な物件となっていたため、木造戸建てで築20年超、またはマンションで25年超となると、途端に売却しにくくなるという状況だったのです。

このルールは中古住宅市場の活性化を阻害する「変なルール」だったのですが、ようやく撤廃されました。

2022年以降からは、「登記簿上の建築日付が1982年(昭和 57 年)1月1日以降の家屋」であれば築20年超の木造戸建てや25年超のマンションでも買主が住宅ローン控除等を利用できるように変わっています。

2022年時点では、1982年築は築40年です。
そのため、築40年以内の物件であれば、そのまま売っても買主が住宅ローン控除等の税制優遇制度を利用することができます。

尚、「登記簿上の建築日付が1982年(昭和 57 年)1月1日より前の家屋」については、例外的に新耐震基準に適合することを証明できれば買主が住宅ローン控除等を利用することができます。
新耐震基準とは、1981年6月1日以降における建築基準法の耐震基準のことです。

「登記簿上の建築日付が1982年(昭和 57 年)1月1日より前の家屋」は引き続き売却しにくくなりますが、それ以外の築古物件であればかなり売りやすくなったといえます。

2-2.バッドニュース

続いて、不動産価格を引き下げる可能性があるバッドニュースについて解説します。

2-2-1.住宅ローンの金利が上昇しつつある

2022年に入って以降、少し気になるニュースが出始めました。
それは、一部の住宅ローンの金利が上昇しつつあるというニュースです。
具体的には「10年型の固定金利」がじわじわと上がり始めています。

昨今の不動産価格は、日銀の異次元金融緩和政策による超低金利の住宅ローンが起爆剤となって価格を押し上がってきました。

10年型の固定金利の上昇は、低金利を原動力としてきた価格上昇に逆行する要因となるため、住宅需要の減退を招きかねません。

10年型の固定金利が上昇している理由は、金利決定の指標となる「10年物国債の利回り」が上昇し始めているからです。

アメリカの金利が上昇している影響を受け、日本の10年物国債の利回りも引きずられる形で上昇しています。

固定金利は上昇しつつありますが、今のところ変動金利が低水準の状況にあるため、目立った影響は出ていない状況です。

ウクライナ情勢も不確定要因として浮上してきており、金利動向については引き続き注視すべき要因となっています。

2-2-2.住宅ローン控除の控除率が下がった

2022年以降、住宅ローン控除の控除率が1%から0.7%に下がったこともバッドニュースです。

控除率が下がることで、買主の節税効果が減り、住宅需要が減退しかねない要因となっています。

住宅ローンの控除率は、2012年に1.2%から1%に下がった時期がありました。
当時は控除率が下がっても2013年頃から低金利政策が始まったため、全く影響がなく、むしろ住宅価格は上昇していきました。
そのため、住宅ローン控除の控除率が下がる影響は大きくなく、限定的なのかもしれません。

ただし、今回の場合は、住宅ローンの10年型の固定金利の上昇と住宅ローン控除の控除率の低下が同タイミングで発生しています。

悪い要件が重なって起きているため、住宅ローン控除の控除率の低下も足を引っ張る要因になる可能性はあります。

2-2-3.ウッドショックや給湯器不足の終息が不透明

2021年は、新型コロナウィルスの影響を受け、ウッドショックや給湯器不足といった問題が生じました。

ウッドショックとは、住宅の原材料となる輸入木材価格の上昇のこと指します。
給湯器不足とは、日本国内で給湯器が急激に不足しているという問題のことです。
いずれも住宅のコスト増につながる要因であり、住宅需要を減退しかねない要因となっています。

ウッドショックは、新型コロナウィルスで米国でもテレワークが普及し郊外の戸建て建築が増え、また中国もいち早く景気回復したことから木材の国際価格がつり上がったことが原因です。

給湯器不足は、主にベトナムの工場が新型コロナウィルスによって閉鎖されたことで、ハーネスと呼ばれる給湯器の部品の調達が困難となったことが原因となっています。

いずれも新型コロナウィルスに端を発していますが、終息する状況がまだ見えていません。
コストアップが長引けば住宅需要が減退し、そのうち不動産価格が下落し始める可能性はあります。

3.中古住宅を売るなら2022年がチャンス!

2022年は気になるバッドニュースもあるものの、日本の不動産市況は急激には悪化せず、まだ「売りどき」の状況が続くと見込まれます。

特に、住宅ローン控除の築20年超・築25年超のルールが撤廃されたことは大きいです。
築古物件は、以前よりも格段に売却しやすくなったといえます。

2022年は、首都圏郊外で部屋数の多い割安感のある物件等は、引き続き売却しやすいと予想できます

例えば、郊外の築20年超の戸建て住宅の物件は、部屋数も多く割安感もあり、しかも住宅ローン控除等も利用できるようになったため、売りどきです。

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不動産トレンドが売却に追い風となっている状況を活かしながら、スムーズに高く売れるよう、早めに売却活動を開始してみると良いかもしれません。

まとめ

いかがでしたか。
「不動産価格の推移」について解説してきました。

不動産価格の推移は1991年のバブル崩壊時にピークに達し、2013年頃から始まった日銀の異次元をきっかけに上昇して現在に至っています。

2022年におけるグッドニュースは「テレワークの普及で戸建てや郊外の物件の需要は高まる」や「築20年超・25年超の中古物件が売りやすくなる」等です。

それに対してバッドニュースは「住宅ローンの金利が上昇しつつある」や「ウッドショックや給湯器不足の終息が不透明」等が挙げられます。

いずれにしても2022年は特に中古物件または築古物件を売るにはチャンスです。
不動産の売却を予定している方は、「不動産売却 HOME4U」を上手に活用しながら、早めに高く売ってくれそうな不動産会社を見つけ、売却活動に入っていただくことをおススメします。

この情報が、皆さんの不動産取引に際してお役に立つことを願っています。