【2025年】不動産価格の推移から見る今と今後!売買するのはいつがいい?

今後の不動産の動向は、過去の長期的な推移を読み解くことで見えてきます。
日本の不動産価格は1991年のバブル崩壊時点でピークに達し、その後、小さな波を繰り返して現在に至っています。

過去50年や30年といった長期スパンの中で、不動産価格はどのように推移してきたのでしょうか?

また、2025年は今後の不動産市況を動かす気になるニュースが出始めました。
最新の動向も探ることで、今後の不動産市況が見えてきます。

そこでこの記事では、過去の傾向も紐解きながら、最新の不動産価格の推移に関する動向を専門家の視点で解説していきます。
不動産売却、購入を考える方いずれも、ぜひ最後までおつきあいいただき、不動産トレンドの把握にお役立てください。

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1.不動産の価格の長期推移

全国的にみると不動産価格は上昇傾向にあります。
国土交通省の不動産価格指数では、2010年の不動産価格を100とした場合の、相対的な価格変化が簡単に確認できます。

2025年3月1日発表の不動産価格指数

出典:国土交通省.”不動産価格指数”.2025-03-31.(参照2025-03-31)

マンション価格はひときわ高騰しており、住宅地や戸建ては、上昇中ではあるものの、若干の間延び感が否めない状況となっています。

この章では、以下の3つの観点から、現在の価格状況について詳しく解説します。

  1. 土地価格
  2. 首都圏マンション価格30年推移
  3. 首都圏戸建て価格30年推移

それではひとつずつ見ていきましょう。

1-1.土地価格

土地価格について解説します。

1-1-1.全国における全用途平均の50年推移

全国における全用途の地価公示平均価格の推移を見てみます。
国土交通省が開示している1975年からの49年(約50年)間の土地価格推移は下図の通りです。

全国全用途の地価公示平均の推移

出典:地価公示|国土交通省をもとにHOME4Uで独自作成(参照2025-1-17)

日本の土地は1991年にピークを迎え、2006年までの15年間下落し続けます。
その後、一瞬価格が上昇しますが2008年にはリーマンショックが発生し、再び下落に転じました。

リーマンショック後は、全国の土地の平均価格は2015年より再び上昇に転じています。
これは、主に2013年頃から日銀が開始した異次元金融緩和政策が主たる要因です。

異次元金融緩和政策によって住宅ローンの金利が非常に安くなり、住宅取得意欲が向上したことから住宅需要が増え、不動産価格が上がっていきました。
2020年から2021年にかけては、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて価格が下がりましたが、翌2022年からは再び上昇に転じています。

1-1-2.首都圏及び東京都の住宅地の30年推移

首都圏及び東京都の地価公示の住宅地平均価格の30年推移を示します。

首都圏及び東京都の地価公示(住宅地)平均

出典:地価公示|国土交通省をもとにHOME4Uで独自作成(参照2025-1-17)

東京都の土地は景気に敏感で上昇しやすく、2013年より上昇に転じています。
首都圏となると全国平均と同じで2015年より上昇しており、東京都の動きより少し遅れる形となっています。

1-2.首都圏マンション価格30年推移

首都圏の中古マンション価格の30年推移は下図の通りです。

首都圏中古マンション30年推移

出典:「首都圏不動産流通市場の動向(2002年度)|公益財団法人東日本不動産流通機構首都圏不動産流通市場の動向(2012年度)|公益財団法人東日本不動産流通機構首都圏不動産流通市場の動向(2023年度)|公益財団法人東日本不動産流通機構」をもとにHOME4Uが独自作成(参照2025-1-17)

過去30年を見ると、価格は2002年が底値となっており、その後は概ね上昇傾向が続いています。
中古マンション価格はバブル期に匹敵する価格水準です。

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1-3.首都圏戸建て価格30年推移

首都圏の中古戸建て価格の30年推移は下図の通りです。

首都圏中古戸建て30年推移
※1999年までは新築戸建ても統計に含まれます。

出典:「首都圏不動産流通市場の動向(2002年度)|公益財団法人東日本不動産流通機構首都圏不動産流通市場の動向(2012年度)|公益財団法人東日本不動産流通機構首都圏不動産流通市場の動向(2023年度)|公益財団法人東日本不動産流通機構」をもとにHOME4Uが独自作成(参照2025-1-17)

30年前は今よりも戸建て人気が高く、マンションとは異なり戸建ての中古価格はバブル期にはまったく追い付いていない状況です。
過去30年では2012年が底値となっており、マンションのような回復力は見られません。

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2.「2025年のニュース」から読み解く今後の動向

本章では、2025年のニュースから、今後の動向に関与するものを「グッドニュース」と「バッドニュース」に分けて見ていきます。

2-1.グッドニュース

それでは、不動産価格の高値が維持できる要因となる「グッドニュース」について解説します。

2-1-1.東京都の新築マンション供給は抑えられる

価格維持に働くグッドニュースは、2025年は東京都区部の新築マンション供給が抑えられることです。

まず、中古マンションの価格は新築マンションの価格が上昇すると連動して上がるという傾向があります。

理由としては、新築マンションが高過ぎて購入できない人が中古マンション市場に流れ込んでくるからです。
以下に、首都圏における新築マンションと中古マンションの価格の推移を示します。

首都圏の新築と中古のマンション価格推移

出典:「マンション市場動向|株式会社不動産経済研究所」「レインズデータライブラリー|公益財団法人東日本不動産流通機構」をもとにHOME4Uが独自作成(参照2025-1-17)

新築マンションと中古マンションの価格は軌を一にしており、新築マンション価格が高い時期においては、中古マンションを高く売ることができます。

ここで、新築マンション価格で最も重要となるのが東京都区部の新築マンション価格です。
東京都区部の新築マンション価格は全国で一番高いことから、東京都区部の新築マンション価格が高ければ、他の地域のマンション価格も高く維持できます。

東京都区部の新築マンション価格がどうなるかについては、新築マンションの供給量から推測することができます。

東京都区部の新築マンションの供給量と価格の推移を示すと以下の通りです。

東京都区部新築マンション供給戸数と価格

出典:「全国 新築分譲マンション市場動向 2023年|株式会社不動産経済研究所」をもとにHOME4Uが独自作成(参照2025-1-17)

新築マンションは、供給量が減ると希少性が高まることから価格が上昇する傾向があります。

2023年における東京都区部の新築マンションの供給量は11,909戸と、前年と比べて10.8%減ったことがわかります。

供給量が増えて値崩れするような状況にないことから、引き続き東京都区部のマンション価格は高止まりすると考えられます。

東京都区部のマンション価格が高止まりすれば、首都圏郊外の新築マンション価格も値崩れしにくく、中古マンションも高く売れることが予想されるのです。

2-1-2.築20年超・25年超の中古物件が売りやすくなる

2025年以降は、住宅ローン控除の制度が大きく変わることから、築20年超の木造戸建てや25年超のマンションが売りやすくなります

住宅ローン控除とは、年末の住宅ローン残高に一定率を乗じた額を所得税から控除できる制度のことです。

2022年より前は、築20年超の木造戸建てや25年超のマンションは、原則として買主が住宅ローン控除を利用できませんでした。

また、住宅ローン控除だけでなく、築20年超の木造戸建てや25年超のマンションでは、原則として買主が購入時の登録免許税の軽減措置も受けられないというルールがありました。

築20年超の木造戸建てや25年超のマンションは、買主にとって不利な物件となっていたため、木造戸建てで築20年超、またはマンションで25年超となると、途端に売却しにくくなるという状況だったのです。

このルールは中古住宅市場の活性化を阻害する「変なルール」だったのですが、ようやく撤廃されました。

2022年以降からは、「登記簿上の建築日付が1982年(昭和57年)1月1日以降の家屋」であれば築20年超の木造戸建てや25年超のマンションでも買主が住宅ローン控除等を利用できるように変わっています。

2022年時点では、1982年築は築40年です。
そのため、築40年以内の物件であれば、そのまま売っても買主が住宅ローン控除等の税制優遇制度を利用することができます。

尚、「登記簿上の建築日付が1982年(昭和 57 年)1月1日より前の家屋」については、例外的に新耐震基準に適合することを証明できれば買主が住宅ローン控除等を利用することができます。
新耐震基準とは、1981年6月1日以降における建築基準法の耐震基準のことです。

「登記簿上の建築日付が1982年(昭和 57 年)1月1日より前の家屋」は引き続き売却しにくくなりますが、それ以外の築古物件であればかなり売りやすくなったといえます。

築古物件を売却するなら、NTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」をおすすめします。

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2-2.バッドニュース

続いて、不動産価格を引き下げる可能性があるバッドニュースについて解説します。

2-2-1.住宅ローンの金利が上昇しつつある

2024年以降、少し気になるニュースが出始めました。

2024年3月19日、日銀がマイナス金利政策の解除を決定。
現時点ではまだ大きな変化が見られませんが、今後は利上げによって住宅ローンの変動金利はゆるやかに上昇へ向かうでしょう。

アメリカの新政権発足や、中東、ウクライナなどの国際情勢も不確定要因として浮上してきており、金利動向については引き続き注視すべき要因となっています。

2-2-2.住宅ローン控除の控除率が下がった

2022年以降、住宅ローン控除の控除率が1%から0.7%に下がったこともバッドニュースです。

控除率が下がることで、買主の節税効果が減り、住宅需要が減退しかねない要因となっています。

住宅ローンの控除率は、2012年に1.2%から1%に下がった時期がありました。
当時は控除率が下がっても2013年頃から低金利政策が始まったため、全く影響がなく、むしろ住宅価格は上昇していきました。
そのため、住宅ローン控除の控除率が下がる影響は大きくなく、限定的なのかもしれません。

ただし、今回の場合は、住宅ローンの10年型の固定金利の上昇と住宅ローン控除の控除率の低下が同タイミングで発生しています。

悪い要件が重なって起きているため、住宅ローン控除の控除率の低下も足を引っ張る要因になる可能性はあります。

2-2-3.ウッドショックや給湯器不足の終息が依然として不透明

2021年には、新型コロナウィルスの影響を受け、ウッドショックや給湯器不足といった問題が生じました。

ウッドショックとは、住宅の原材料となる輸入木材価格の上昇のことを指します。
給湯器不足とは、日本国内で給湯器が急激に不足しているという問題のことです。
いずれも住宅のコスト増につながる要因であり、住宅需要を減退しかねない要因となっています。

ウッドショックは、新型コロナウィルスで米国でもテレワークが普及し郊外の戸建て建築が増え、また中国もいち早く景気回復したことから木材の国際価格がつり上がったことが原因です。

給湯器不足は、主にベトナムの工場が新型コロナウィルスによって閉鎖されたことで、ハーネスと呼ばれる給湯器の部品の調達が困難となったことが原因となっています。

こうした問題は、2023年には新型コロナウィルスとの共存も進み収束に向かうと予想されていました。 しかし、ウクライナ情勢の影響などもあり、いまだ収束する状況が見えていません。
コストアップが長引けば住宅需要が減退し、そのうち不動産価格が下落し始める可能性があります。

3.不動産売買は2025年がチャンス?

2025年に向けた不動産市場を見渡すと、売買それぞれに明確なメリットとリスクが存在することがわかります。
市場環境や金利の動向、さらには国際的な視点からの評価を踏まえると、売り手と買い手で取るべきアプローチが大きく異なってきます。

3-1. 購入:不動産価格上昇と金利上昇が重なり買いにくい

現状、日本の不動産は過去の上昇トレンドを背景に、依然として高価格帯に位置しています。
日本では、一般的な所得水準に対して物件価格が非常に高く、実際の収入が上がっていない中での価格上昇は、購入の大きなハードルとなっています。

また、コストプッシュ型のインフレが進む中、原材料や建築費用の上昇が不動産価格に転嫁されることで、価格高騰の傾向が続いています。

さらに、住宅ローンの金利は段階的に上昇しており、将来的な返済負担が増大するリスクも指摘されています。
これらの要因が重なることで、購入を検討する際には慎重な判断と長期的な視点が求められる状況です。

3-2. 売却:不動産価格下落の可能性もあるため今売り時

一方、売却を検討する場合、現状はまだ大幅な価格下落が見られない点が注目されます。
各社の住宅ローン金利が完全に上昇しきる前のタイミングであるため、比較的買手がつきやすい状況と考えられます。

さらに、国内で高騰したマンション価格は、海外から見るとまだ割安と見られることが多く、投資効果の高い都心部では海外投資家の購入需要が多くあります。

ただし、今後金利がさらに上昇すれば、市場全体の取引が鈍化し、売却が難しくなる可能性もあります。

東京3区、5区といったエリアでは、インフレも重なり、今後も価格上昇が続くでしょう。
その他郊外、地方のエリアは、下落に転じていく可能性が高いと考えられます。
団塊世代がいずれ相続を迎え、不動産の供給過多となることが予想されるためです。

もし中古住宅を売却する予定があるなら、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」を上手に活用することで、より高く売れるチャンスが広がるかもしれません。

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お持ちの物件の所在地や築年数などを入力するだけで、そのエリアで売却実績の高い不動産会社を瞬時に見つけることができます。
また、複数の不動産会社から査定額の提示を受けることで、どの会社が一番高く売ってくれそうかを客観的に比べることが可能です。

不動産トレンドが売却に追い風となっている状況を活かしながら、スムーズに高く売れるよう、早めに売却活動を開始してみると良いかもしれません。

まとめ

いかがでしたか。
「不動産価格の推移」について解説してきました。

不動産価格の推移は1991年のバブル崩壊時にピークに達し、2013年頃から始まった日銀の異次元をきっかけに上昇して現在に至っています。

2025年におけるグッドニュースは「東京都の新築マンション供給は抑えられる」や「築20年超・25年超の中古物件が売りやすくなる」などです。

それに対してバッドニュースは「住宅ローンの金利が上昇しつつある」や「ウッドショックや給湯器不足による資材不足の終息が不透明」等が挙げられます。

こうした情勢から2025年は、購入はおすすめしにくい一方で、売却はまだチャンスが続いています。

購入においてはライフプランが最重要ですので、子供の成長などで必要と思ったタイミングには購入し、購入を急ぐ必要がないのであれば様子を見てみるのもいいでしょう。

不動産の売却を予定している方は、「不動産売却 HOME4U」を上手に活用しながら、早めに高く売ってくれそうな不動産会社を見つけ、売却活動に入っていただくことをおすすめします。

この情報が、皆さんの不動産取引に際してお役に立つことを願っています。

不動産売却全体の流れが知りたい場合は、「不動産売却の流れ~売ることを決めてから引き渡しまで」をご覧ください。

この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット