不動産売却のチラシは信用できるか?安全な査定依頼方法とは?

不動産売却 チラシ

家にポスティングされている不動産のチラシで、「当地区で物件を探されているお客様がいます!お売りください!」等の文言を見たことがある人もいらっしゃると思います。

いわゆる売主向けの売り物件の募集広告ですが、これらのチラシ内容は信用に値するのでしょうか。

この記事では、「不動産売却に関するチラシ」について、「信用していいのか」、「利用する際のメリット・デメリット」、「注意点」などを解説します。

ぜひ最後までおつきあいいただき、不動産売却を安全に進めるための一助としてください。

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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.不動産売却のチラシは怪しい?

不動産のチラシには、買主向けの広告部分と売主向けの募集部分の2種類があります。
最初に不動産の広告規制について、以下の2点を解説します。

  1. 買主向けの広告部分は厳しい規制アリ
  2. 売主向けの募集部分は規制ナシ

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

1-1.買主向けの広告部分は厳しい規制アリ

不動産のチラシには、買主向けの広告部分については厳しい規制があります。
買主は不動産という高額な商品を購入する消費者であり、広告に騙されないようにするために、記載内容に細かな制限が設けられています。

広告の規制を定めている法律は、宅地建物取引業法と景品表示法(不要景品類及び不当表示法)の2つです。

宅地建物取引業法では、買主を守るために「誇大広告等の禁止」が定められています。
また、景品表示法を遵守するために、不動産会社は「不動産の表示に関する公正競争規約」に従うことも必要です。

買主向けの広告は、記載方法が決まっており、また誇張表現もできなくなっていることから、基本的に信頼に値するといえます

1-2.売主向けの募集部分は規制ナシ

一方で、売主向けの募集部分は法律上の規制がありません。
売主向けの募集広告とは、「当地区限定でマンションを探しているお客様がいます!」、「急募!ご売却物件大募集中!」、「高額査定可能!」といった売却物件を募集するチラシのことです。

記載内容は全くの嘘とは言い切れませんし、タイミングによっては事実に合致していたり、していなかったりすることはあり得ます。
売主向けの募集広告は、記載内容に事実かどうかが証明しにくい内容が多い点が特徴です。

売主向け募集広告は、どちらかというと広告を掲出している不動産会社の企業広告に該当します。

企業広告のように物件の販売に直接つながらないものであって、消費者の利益を特に損なわないと認められるものは、規制の対象にはなっていない点がポイントです。

規制の対象外であることを考慮すれば、売主向けの募集広告は買主向けの物件広告と比較すると信憑性が低い可能性はあります

2.頻繁にチラシが入ってくる不動産会社の特徴

不動産会社はたくさんあるのに、特定の会社からよくチラシが入ってくるケースがあります。
本章では、頻繁にチラシを投函してくる不動産会社の特徴について、以下の2点を解説します。

  1. 地域に根ざしており地元のことに詳しい
  2. 「両手仲介」を狙っている

それではひとつずつ見ていきましょう。

2-1.地域に根ざしており地元のことに詳しい

よくポスティングをしてくる不動産会社は、地域に根ざしており地元のことに詳しいという特徴があります。

チラシ営業は打率が悪いため、エリアを絞って集中的にチラシを撒くのがセオリーです。

一般的に不動産会社がチラシを撒く範囲は、特に売却実績も豊富で相場にも精通している得意エリアに限定しています

また、よくポスティングをしてくる不動産会社は近所の不動産会社であることも多く、買主から購入の相談を受けていることも多いです。

「当地区限定でマンションを探しているお客様がいます!」といった謳い文句は、事実かどうかの確証はありませんが、実際に相談を受けていることはよくあります。

2-2.「両手仲介」を狙っている

よくポスティングをしてくる不動産会社は、「両手仲介」を狙っているケースが多いです。
不動産の仲介には、売却を依頼した不動産会社が買主も見つけてくる「両手仲介」と、売却を依頼した会社とは異なる不動産会社が買主を見つけてくる「片手仲介」の2種類があります。

両手仲介と片手仲介

両手仲介の場合、不動産会社は売主からも買主からも仲介手数料を受領することが可能です。

それに対して、片手仲介の場合、不動産会社は売主または買主の一方からしか仲介手数料を受領できないことになります。

両手仲介を行えば、不動産会社の売上は2倍になることから、不動産会社は両手仲介をしたがることが多いです

両手仲介が一概に悪いわけではありませんが、両手仲介は不動産会社が利害に対立する売主と買主の間に入ることから、不動産会社の立場は理論的に矛盾していきます。

例えば、売主が依頼した不動産会社が見つけてきた買主が、「あと少し値引きしてくれたら買います」と言い出すとします。

このケースでは、売主が値引きに応じてくれたら両手仲介をすることが可能です。
すると、不動産会社は売主に対して買主と一緒に「値引きしませんか?」と言い出すようになります。

本来、売主側に付いた不動産会社は依頼者の利益を最大化するのであれば、値引きの提案などはしないはずです。

しかしながら、両手仲介では不動産会社が売主と買主の両方の立場に立つことから、矛盾した立場となり、結果的に不動産会社が売主に値引きを打診するようなケースが多くなってしまいます。

両手仲介でも売主の希望通りに売れることも多いですが、悪質なケースでは買主ではなく売主が損をしてしまうことが多いです。

3.チラシの不動産会社に売却査定を依頼するメリット

チラシの不動産会社に売却査定を依頼するメリットについて、以下の2点を解説します。

  1. 物件の状況や相場をよく把握している
  2. 本当に見込客がいれば早く売れる

それではひとつずつ見ていきましょう。

3-1.物件の状況や相場をよく把握している

チラシをよく投函してくる不動産会社は、物件の状況や相場をよく把握しているという点に利用価値があります。

その地域に特化して営業していますので、マンションの修繕履歴等も把握しています。
マンションなどは同じマンション内の物件を何回も取引しているため、こちらからアピールしなくても大規模修繕履歴をチラシに書いてくれることもあります。

また、相場も良く把握していることから、安過ぎず、高過ぎない価格で査定もしてくれます。
損をせず、確実に売却できる確率は高いです

3-2.本当に見込み客がいれば早く売れる

チラシの不動産会社に依頼するメリットは、本当に見込み客がいれば早く売れるという点です。

見込み客とは、「このエリアで売り物件があったら教えてほしい」と予め不動産会社に依頼をしている顧客のことですが、もともと購入意欲が高いので、こういった顧客と出会えればスムーズに高く売れる可能性があります

「当地区限定でマンションを探しているお客様がいます!」という謳い文句は、その会社のチラシの定型文である可能性もありますが、実際にそういった顧客を抱えているケースもあります。

特に、地元で古くから営業しているような近所の不動産会社であれば、実際に見込み客を抱えている可能性があるので、タイミングが合致すればすぐに売ることができます。

4.チラシの不動産会社に売却査定を依頼するデメリット

一方でデメリットは何でしょうか?
本章ではデメリットについて、以下の2点を解説します。

  1. 良い物件が安く売却される可能性がある
  2. 買取に誘導される可能性がある

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

4-1.良い物件が安く売却される可能性がある

チラシの不動産会社が本当に見込み客を抱えている場合、良い物件が安く売却されてしまうこともあります。

見込み客は、「あのマンションの南向きの物件が欲しい」というように条件を付けていることが多いです。

南向きのような条件の良い物件が滅多に出てこないケースでは、チラシの不動産会社に南向きの物件の査定を依頼すると、ほとんど販売活動を行わずに秘密裏に見込み客へ売ってしまうことがあります。

条件の良い物件は、大々的に販売活動を行えばもっと高く売れるかもしれません。
他の購入希望者に全く見せないような売り方で売却されると、良い物件ほど安く売られてしまう可能性があるので、ご自分の不動産の条件が良い場合には、チラシの不動産会社だけでなく、複数社の査定を受けてみた方が良いでしょう

4-2.買取に誘導される可能性がある

チラシの不動産会社の中には、買取を行っている不動産会社もあります。
買取とは転売を目的とした不動産会社への下取り価格による売却のことです。

不動産会社は仲介よりも買取の方が儲かるため、1対1で話していると買取に誘導されてしまうこともあります。

言いくるめられないようにするには、査定は他の不動産会社にも依頼し、条件を比較できるような状態にしておくことがポイントです。

5.売却査定は複数社に依頼する方が安全

前章で紹介した通り、チラシの不動産会社に査定を依頼することは一定のデメリットもあるため、1社だけにしか査定を依頼しないのはリスクが高いと言えます。

よって、不動産の売却査定は「複数の不動産会社に依頼すること」が失敗しないセオリーです。
不動産売却の査定は無料ですので、査定価格に納得がいかなければ断っていただいても大丈夫です。

ただ、どの不動産会社に依頼したら良いのか、一般の方にはわかりにくいですよね?
そんな時に便利なのが、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」です。
不動産の所在地や広さなどを入力するだけで、最大6社の不動産会社に無料で査定を依頼できるサービスとなっています。

あなたの不動産、今の価値いくら?

売却が得意な不動産会社が厳選されて登録されているので、初めて不動産を売る方でも手間なく的確な不動産会社を見つけることができるので、ぜひ上手に「不動産売却 HOME4U」を活用して、複数の会社の査定額をしっかり比べて、できるだけ高く売ってくれそうな会社に売却を依頼するようにしてください。

6.買主向けのチラシの規制の内容

本章では、買主向けのチラシの規制の内容について、以下の2点を解説します。

  1. 物件内容の表示基準
  2. 特定用語の使用基準

それではひとつずつ見ていきましょう。

6-1.物件内容の表示基準

買主向けのチラシでは、物件の内容の一部について記載をする際、表示方法を統一する表示基準が設けられています。

表示基準が設けられている内容は、以下の13類型です。

累計 表示方法
取引態様 売主、貸主、代理、媒介(仲介)の別を表示します。原則として物件ごとに表示を行うものとされています。
物件の所在地 原則として地番を表示します。住居表示とは異なります。
交通の利便性 例えば徒歩による所要時間は80mを1分で表示し、端数は切り上げ処理となります。
各種施設までの所要時間 起点と着点を明示して表示します。例えば「物件(起点)から小学校(着点)まで100m」というような表現です。
物件の面積 メートル法で表示します。1平米未満は切り捨てです。
私道負担の面積 私道も取引対象となっている場合は、明確に分離して表示します。
畳数で表示する部屋の広さ 畳1枚あたりの広さは1.62平米以上です。
物件の形質 採光が採れず居室と認められない部屋は「納戸」と表示します。例えば「2LDK+S(Sは納戸の意)」というような表示です。
写真・絵図 原則として取引するものの写真を用います。他の写真を用いる場合は、写真に接する位置に異なる旨を表示することが必要です。
設備・施設 上下水道・ガス等の表示です。例えばガスは都市ガスやLPガスを区別して表示する必要があります。
生活関連施設 スーパーや学校、病院等は、原則として、現に利用できるものを表示します。
価格・賃料 原則として1区画または1戸あたりの価格を表示します。新築分譲マンションのように全ての住戸の価格を表示することが困難な場合は、最低価格と最高価格、最多価格帯の表示とすることもできます。
管理費等 管理費や修繕積立金は1戸当たりの月額を表示します。

6-2.特定用語の使用基準

買主向けのチラシでは、表示内容を裏付ける合理的な根拠を有している場合を除き、以下のような用語の使用を禁止しています。

使用が禁止されている用語例 言葉の意味
「絶対」、「万全」、「完全」、「完ぺき」等 全く手落ちがない、または全く欠けるところがないことを意味する言葉
「当社だけ」、「他に類を見ない」、「抜群」、「日本一」、「日本初」、「業界一」、「超」等 他の不動産会社よりも優位に立つこと、または他の不動産会社の共有するものを意味する言葉
「厳選」、「特選」等 一定の基準により選別されたことを意味する言葉
「極」、「特級」、「最高」、「最高級」等 価格その他の取引条件または物件の形質その他の内容について最上級を意味する言葉
「破格」、「特安」、「激安」、「バーゲンセール」、「安値」、「買得」、「掘出」、「土地値」、「格安」、「投売り」等 価格または賃料が著しく安いという印象を与える言葉
「完売」等 売れ行きがよい、または著しく人気が高いという印象を与える言葉

まとめ

いかがでしたか。

不動産売却のチラシについては、買主向けの広告部分は厳しい規制がありますが、売主向けの募集部分の規制はないことがポイントです。

よくチラシを投函してくる不動産会社には、「地域に根ざしており地元のことに詳しい」、「両手仲介を狙っている」といった特徴がありますが、本記事で紹介した通り、売却する際の査定を一社だけしか依頼しないのは高く売るチャンスを逃すリスクが高くなるため、査定は複数の不動産会社に依頼する方が間違いありません。

手間なく的確な不動産会社と出会うために、ぜひ上手に「不動産売却 HOME4U」を活用し、売却成功への足掛かりとしてください。

皆さんの不動産売却がスムーズに進むことを願っています。

不動産売却の流れや詳しい手続きは、以下の記事でご確認ください。