贈与とは?売買、相続との違いや、メリット・デメリット、贈与税の基礎知識などを徹底解説

贈与制度・徹底解説 制度の内容と節税方法

不動産を親族に引き渡すために、「生前贈与」を検討している方は少なくないでしょう。売買・相続との違いを理解して、最適な選択をしたいところです。

そこで本記事では、不動産を贈与するメリット・デメリット、関連する税金のほか、2024年(令和6年)からの制度変更の内容、節税が見込めるケースなどについて、詳しく解説します。

この記事を読むと分かること
  • 贈与の基本情報
  • 2024年からの贈与制度変更の内容
  • 不動産贈与における有効な節税方法
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この記事の監修者
FP1級技能士・宅建士・行政書士
柴田 充輝

1.贈与とは?売買・相続との違いを解説

家のミニチュアと札束

「贈与」とは、「贈与者(財産を渡す側)」が、自身の財産を「受贈者(財産を受け取る側)」に無償で与える契約のことです。この契約は、贈与者が財産を引き渡す意思表示をし、互いに同意することで成立します。

一方、不動産を親族に引き渡す方法としては、「売買」や「相続」を思い浮かべる方もいるでしょう。そこでまずは、贈与と売買、相続の違いを解説します。

1-1.贈与と売買の違い

贈与と売買の基本的な違いは、金銭の授受があるかどうかです。贈与が財産を無償で与える行為である一方、売買では代金の支払いが必ず発生します。

また、贈与の際には贈与税がかかるのに対し、売買では譲渡所得税がかかる点も異なります。通常、親族間の売買で利益を得ようとする方はほとんどいないでしょう。そのため、贈与税が発生する贈与よりも、税金の面では売買のほうが得になるケースもあります。

贈与と売買の違い

ただし、「親族だから安く譲ろう」と考え、適正価格よりも極端に低い価格で売却すると、贈与したものとみなされて贈与税を課される場合があります。つまり、売買は贈与の代わりにはならないということです。

親族間売買で「みなし贈与」と判定されるかどうかの基準は、「時価」との乖離の程度です。(最終的には個別事情も勘案)
親族間で不動産を売買する場合は、不動産鑑定士による鑑定評価書や、複数の不動産会社の査定書を取得し、客観的な根拠を残しておくことをおすすめします。
税務調査の際に「価格の合理性」を説明できるかどうかが分かれ目になります。

FP1級技能士・宅建士・行政書士 柴田 充輝

不動産の個人売買に関しては、「不動産の個人売買は可能か?個人売買の流れと注意点について」をご覧ください。

親族間売買では住宅ローンの審査が通りにくい傾向がありますので、資金調達の面も含めて事前に金融機関へ相談しておくとスムーズです。

FP1級技能士・宅建士・行政書士 柴田 充輝

1-2.贈与と相続の違い

親族間のやり取りに限定すれば、贈与と相続は目的が似ています。しかし、相続は財産を所有する方が亡くなってから行なうものであるため、タイミングを選べません。

また、相続の際には相続税がかかります。贈与税と相続税を単純に比較することはできませんが、引き渡す財産の金額が同じであれば、贈与税のほうが高くなるのが一般的です。

贈与と相続の違い

当事者の意思によってタイミングを選べるのが、贈与の特徴といえるでしょう。存命のうちに財産を親族に分け与えることを、「生前贈与」といいます。計画的に生前贈与を行なえば、トータルの税額を抑えられる可能性があります。

なお、不動産を贈与あるいは相続する際の注意点については、「家族に遺産として不動産を遺す際に気をつけたいことを相続や贈与の観点からご紹介」で詳しく解説しています。

2.不動産を贈与するメリット

贈与契約書

不動産を親族に贈与する主なメリットは、以下のとおりです。

  • 親族間のトラブルを避けて財産を継承できる
  • 親族が資産を有効活用できる
  • 将来的な税額の上昇を回避できる

2-1.親族間のトラブルを避けて財産を継承できる

相続の際に親族間でトラブルが起こるというのは、よく聞く話です。特に、財産に不動産が含まれていると、争いが生じやすくなる傾向にあります。

これは、不動産が分割しにくい財産だからです。また、長年住んだ思い入れのある土地や家などを手放したくないと考える方も少なくありません。

このようなトラブルは、あらかじめ不動産の贈与をしておくことで、避けられる可能性があります。贈与者が生きているうちに、財産を引き受けて欲しい受贈者に確実に譲れる点も贈与のメリットです。

2-2.親族が資産を有効活用できる

賃貸マンションや、店舗・事務所として貸している物件などは、収益性のある資産だといえます。このような不動産を持っている場合は、早期に贈与することを検討しましょう。

収益性のある資産の贈与には、主に2つのメリットがあります。第1に、相続の対象となる財産を減らせるため、将来的に親族が負担する相続税の軽減が可能です。第2に、贈与後の賃料は受贈者(財産を受け取る側)の収入となるため、親族が資産を有効活用できるようになります。

なお、贈与を行なわない場合は、相続の対象となる財産を減らすことはできません。さらに、物件から得られる収益も相続財産として加算されるため、相続税が増える可能性があります。

2-3.将来的な税額の上昇を回避できる

日本の税法は、実は毎年のように改正されています。贈与税と相続税についても、今後改正があるかもしれません。

改正によって税額が増えるのか減るのかについてはなんともいえませんが、贈与によって早期に財産を減らしておけば、このような不確実性による損失を最小限に抑えることができます。

また、不動産の相場は常に変動します。したがって、所有している物件の評価額が高くなり、将来の相続税が増えるケースも考えられます。

相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たせば3,000万円の特別控除が適用できる制度があります。不動産の贈与を考える場合は、タイミングによって使える特別控除が変わるため、複数の選択肢を比較検討することをおすすめします。

FP1級技能士・宅建士・行政書士 柴田 充輝

3.不動産を贈与するデメリット

不動産の贈与には、以下のようなデメリットもあります。

  • 不動産として課税対象になる
  • 相続時点から3年以内の贈与は無効になる

3-1.不動産として課税対象になる

不動産を贈与する際には、贈与税以外の税金もかかります。詳しくは後述しますが、「不動産取得税」や「登録免許税」のような、不動産に関係する税金を納める必要があります。

贈与を早期に行なえば、贈与税と相続税の両方の軽減効果が期待できます。しかし、トータルで節税を成功させるためには、上記のような税金についても考慮しておく必要があるでしょう。

3-2.相続時点から一定期間内の贈与は相続財産に加算される

生前贈与には、「相続の時点から一定期間の贈与は相続財産として持ち戻しとなる」というルールがあります。つまり、贈与者(財産を渡す側)が亡くなった日からさかのぼって一定期間以内に贈与された財産は、相続税の課税対象になってしまうのです。(2024年1月1日以前の3年以内から2031年まで段階的に7年まで延長)

納付済みの贈与税については相続税と相殺されるため、二重に課税されることはありません。しかし、不動産取得税と登録免許税については、贈与しなかった場合よりも多く負担することになります。

したがって、贈与は贈与者が若いうちから、計画的に進めることが大切です。

4.不動産贈与の際にかかる税金

税金と貯金箱

不動産を贈与する際には、以下のような税金がかかります。

  • 贈与税
  • 不動産取得税
  • 登録免許税

4-1.贈与税

贈与税は、贈与した財産の価格に応じてかかる税金です。贈与があった年ごとに受贈者(財産を受け取る側)が申告し、納税しなければなりません。

贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2種類があります。暦年課税が通常の方法ですが、状況によっては相続時精算課税を選択することも可能です。

4-1-1.暦年課税

暦年課税は、贈与税の税額を1年ごとに計算して納税する方法です。

暦年課税の税額は、次のように計算します。

  1. 1年間に受けた贈与の金額を合計する
  2. その合計額から基礎控除額(110万円)を引く
  3. その残りの金額に税率をかけ、さらに控除額を引く

出典:“No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)”. 国税庁

贈与した金額の合計が基礎控除額の範囲内であれば、その年の贈与税はかかりません。

暦年課税とは

そこで、財産を小さな単位に分けて、早めに贈与を開始することで、節税効果が見込めます。毎年110万円以内の財産を少しずつ贈与すれば、贈与税の納付は不要になるということです。

4-1-2.相続時精算課税

相続時精算課税は、60歳以上の親、祖父母から18歳以上の子・孫などへの贈与に対して選択できる課税方法です。相続が発生した際には、すでに贈与した財産が相続財産に加算され、贈与税・相続税が精算されます。

相続時精算課税を選択した場合、贈与された金額の累計が特別控除額(2,500万円)を超えるまで、贈与税はかかりません。つまり、生涯を通じて2,500万円までの贈与については、贈与税が非課税になるということです。

相続時精算課税

ただし、一度でも相続時精算課税を適用すると、あとから暦年課税に戻すことはできません。相続時精算課税を選択するかどうかは、慎重に判断する必要があるでしょう。

相続時精算課税にも年間110万円の基礎控除が新設されたことで、「暦年課税一択」という従来の常識は変わりつつあります。
特に、将来値上がりが見込まれる不動産を贈与するケースでは、相続時精算課税のほうが有利になる場合があります。相続時精算課税では贈与時の評価額で相続税が計算されるため、その後に値上がりした分には課税されません。

FP1級技能士・宅建士・行政書士 柴田 充輝

相続時精算課税は一度選択すると撤回できない制度であるため、贈与者の年齢・健康状態・資産全体の構成に加えて、相続予定の不動産価値の将来性を踏まえたうえで、税理士に相談して慎重に判断することが重要です。

FP1級技能士・宅建士・行政書士 柴田 充輝

4-2.不動産取得税

不動産取得税は、不動産(土地や家屋)を取得した際にかかる税金です。取得した不動産がある都道府県に対して、受贈者(財産を受け取る側)が納税しなければなりません。

不動産取得税の税額は、原則として次のように計算されます。

不動産取得税の税額=不動産の評価額×税率

例えば、東京都で2027年(令和9年)3月31日までに住宅用の土地と家屋を取得した場合の税額は、固定資産評価額の3%(低減税率適用)です。贈与された不動産に自分で住むのであれば、一定の要件により特例が適用され、実質的に非課税になるケースもあります。

参考:“不動産取得税”. 東京都主税局

なお、不動産取得税は贈与だけでなく、売買の際にも発生します。ただし、相続については課税の対象にはなりません。

4-3.登録免許税

登録免許税は、不動産の登記を含むさまざまな登録・特許・免許などに必要な税金です。不動産を贈与する際には、所有権移転登記(名義変更)のために、固定資産評価額の2%がかかります。

例えば、評価額が1,000万円の不動産を贈与した場合、登録免許税は20万円です。

なお、登録免許税は相続の際にもかかり、税額は固定資産評価額の0.4%となっています。物件は同じでも、登録免許税は相続より贈与のほうが高いことがわかります。

5.不動産贈与の前に知っておきたい2024年の制度変更

2024年(令和6年)から、贈与に関する税制の一部が変更となりました。本章では、2024年(令和6年)の制度変更のポイントについて解説します。

5-1.生前贈与加算が3年から7年に延長

前述のとおり、相続の時点からさかのぼって3年以内の贈与は無効となり、その分の財産は相続税の対象に加えられるというのが従来のルールでした。

この「3年」という期間が、2024年(令和6年)から徐々に引き上げられ、2031年(令和13年)には「7年」まで延長されます。なお、延長された4年間(相続開始前3年超7年以内)に行われた贈与については、合計100万円まで相続財産に加算されないという緩和措置が設けられています。
暦年課税の基礎控除110万円の範囲内で毎年コツコツと贈与を進めてきた方にとっては、節税の効果が薄くなる変更だといえます。

受贈者の税負担を減らすためにも、早めに贈与に着手したほうが有利である点は今後も変わりません。しかし、自身が7年後まで健康でいられるかどうか、見通すのは困難でしょう。つまり、いつ財産の引き継ぎを始めるのが良いかを判断することは、これまで以上に難しくなったといえます。

生前贈与加算の対象は「相続または遺贈により財産を取得した人」に限られます。つまり、法定相続人ではない孫(代襲相続人でなく、遺贈も受けない孫)への贈与は、そもそも加算の対象外です。
7年への延長を受けて、「相続人以外の親族への贈与」を組み合わせた対策を検討する価値は高まっています。ただし、孫が遺言で財産を受け取る場合は加算対象となり、場合によっては2割加算の対象になるため、遺言書の内容と贈与計画の整合性を事前に確認しておきましょう。

FP1級技能士・宅建士・行政書士 柴田 充輝

5-2.相続時精算課税に基礎控除枠を新設

2024年(令和6年)からは、相続時精算課税にも新たに110万円の基礎控除が設けられました。これにより、暦年課税と同様に、相続時精算課税でも年間110万円までの贈与には贈与税がかからなくなります。また、相続の時点で相続財産に加算されるのも、年間110万円を超えた分だけです。

相続時精算課税に基礎控除枠を新設

これまでの贈与では暦年課税が通常の方法であり、一度でも適用すると元には戻れない相続時精算課税は慎重に選ぶべきものでした。

しかし、これからの相続時精算課税では「生涯で2,500万円まで」の特別控除に加え、「年間で110万円まで」の基礎控除を活用することが可能です。今後はこれら2つの条件のもとで、計画的に贈与を進める方が増えると予想されます。

6.不動産を贈与すると節税が見込めるケース

祖母と孫

贈与税と相続税に加え、不動産取得税や登録免許税もあることを考えると、不動産の贈与が節税につながるケースは限られてきます。では、どのような場合であれば税額を減らせるのでしょうか。

ここでは、不動産の贈与により節税が見込める、以下の3つのケースについて説明します。

  • 健康なうちに贈与に着手する場合
  • 贈与の対象となる親族が多い場合
  • 収益性のある物件を贈与する場合

6-1.健康なうちに贈与に着手する場合

納めるべき贈与税を減らして、少しでも多くの財産が親族の手に渡るようにしたいと考える方は多いでしょう。

そのためには、年間の贈与額を抑えて、基礎控除を活用するのが効果的です。しかし、少しずつ贈与するとなると、引き継ぎたい財産が多いほど年数がかかります。

生前贈与加算の期間が7年に延長される予定になっていることもふまえると、贈与は年齢が若いうちから始めたほうが有利でしょう。贈与者(財産を渡す側)の健康状態が良好なうちに贈与の進め方について計画を立てると、税額の面で得をする可能性が高まります。

贈与の証拠を確実に残すことも節税と同じくらい重要です。毎年の贈与では、①贈与契約書を都度作成し、②贈与者の口座から受贈者の口座へ振り込みで送金し、③受贈者が実際にその財産を管理・運用している実態を確保してください。
特に不動産の贈与では、登記名義の変更と固定資産税の負担者が受贈者に移っているかも確認されるポイントです。加えて、贈与契約書には確定日付を取得しておくと、贈与の時期を客観的に証明できるため、後日の税務トラブルを防ぐうえで有効です。

FP1級技能士・宅建士・行政書士 柴田 充輝

6-2.贈与の対象となる親族が多い場合

贈与税は累進課税であり、贈与する総額が大きいほど税率も上がります。18歳以上の子・孫などへの贈与の税率は、課税価格200万円までは10%ですが、4,500万円を超えると55%にもなります。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円まで 10% なし
400万円まで 15% 10万円
600万円まで 20% 30万円
1,000万円まで 30% 90万円
1,500万円まで 40% 190万円
3,000万円まで 45% 265万円
4,500万円まで 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

出典:“No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)”. 国税庁. (参照2024-03-29)をもとに、HOME4Uが独自に作成

このとき、税額は受贈者(財産を受け取る側)ごとに計算されます。親族のなかに贈与したい相手が複数いるのであれば、財産を分割してそれぞれに引き受けてもらえば税率を下げられるということです。

また、基礎控除も受贈者ごとに適用されるため、年間で1人あたり110万円分の贈与を非課税にできる効果があります。

6-3.収益性のある物件を贈与する場合

前述のとおり、賃貸マンションのような収益性のある物件は、早期に贈与するほど得をする可能性が高いです。贈与したあとで得られる家賃収入は、そのまま受贈者の財産になるからです。

また、将来的な値上がりが見込める不動産についても、早期の贈与を検討するとよいでしょう。相続税は不動産の評価額から計算されるため、値上がりしてから相続するよりも、早いタイミングで贈与を済ませておいたほうが税額を減らせる可能性があるのです。

7.不動産贈与が難しい場合の2つの対処法

売物件

不動産の贈与には、メリットとデメリットの両面があり、すべての方におすすめの方法はありません。贈与にあまりメリットを感じられない場合には、売却についても検討してみるとよいでしょう。

ここでは、不動産贈与が難しい場合の選択肢として、2つの対処法を紹介します。

  • 不動産を売却して分けやすくする
  • 不動産の売却代金を親族の生活費に充てる

7-1.不動産を売却して分けやすくする

土地や家屋は「分けにくい」財産ではありますが、売却してお金に変えれば「分けやすい」形になります。これにより、相続の際のトラブルも未然に防げる可能性が出てきます。

ただし、不動産の売却では、利益に応じて譲渡所得税がかかることを想定しておく必要があるでしょう。譲渡所得税は、あくまで譲渡による所得にかかる税金であるため、購入時の価格よりも安く売った場合には、譲渡所得税はかかりません。

土地の相続問題に関して詳しくは、「土地を子どもに譲渡するか、売却するか、どっちがいい?」もご一読ください。

相続前に不動産を売却する場合、マイホーム(居住用財産)であれば「3,000万円の特別控除」を利用できる可能性があります。
この特例が使えれば、売却益が3,000万円以下なら譲渡所得税は実質ゼロです。一方、相続後に売却する場合は「相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例」が使えるケースもあります。売却のタイミングによって使える特例が異なるため、「相続前に売るか・相続後に売るか」は税額シミュレーションをしたうえで判断しましょう。

FP1級技能士・宅建士・行政書士 柴田 充輝

7-2.不動産の売却代金を親族の生活費に充てる

不動産の売却で得た代金は、贈与税を納める必要のない範囲で親族の支援に充てることもできます。子や孫などの生活を支援する目的で財産を渡すことは、贈与税の対象になりません。

例えば、子に仕送りをしたり孫に文具を買ったりしても、贈与税はかからないのです。日常生活のための家賃や食費のほか、医療費、教育費などを必要となるたびに支援するのであれば問題ありません。

この方法により、将来的に相続の対象となる財産を計画的に減らしていくことが可能です。不動産の贈与に代わる方法として、売却と併せて検討してみるとよいでしょう。

8.不動産を高く売却するには

土地や家屋を贈与すべきか売却すべきか考える際には、「いくらで売れるのか」を把握することから始めるのがよいでしょう。しかし、不動産の売値は、どの不動産会社に相談するかによって数百万円もの差が出ることがあります。

そこで、不動産一括査定サイトの「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」をお役立てください。NTTデータ・ウィズが運営する不動産売却 HOME4Uは、23年の実績を誇る老舗の不動産査定サイトで、全国約2,500社の優良不動産会社のなかから、最大6社の査定価格をまとめて取り寄せできます。

まとめ

贈与には、財産を引き受けて欲しい相手に確実に譲れる、資産を親族に有効活用してもらえるなどのメリットがあります。計画的に贈与を行なえば、節税の効果も期待できるでしょう。

2024年の税制改正により、暦年課税の生前贈与加算が最大7年に延長される一方で、相続時精算課税に年間110万円の基礎控除が新設されました。
これにより、贈与の最適な進め方は「暦年課税と相続時精算課税のどちらが有利か」を資産全体で比較検討する時代に入っています。不動産は金額が大きく分割もしにくい財産であるため、贈与・売却・相続のどの方法が最も有利かは、物件の評価額、収益性、家族構成、贈与者の年齢・健康状態などによって大きく変わります。

FP1級技能士・宅建士・行政書士 柴田 充輝

不動産の贈与については、贈与税のほかにも税金がかかります。トータルで税負担を抑えるためには、制度の仕組みや税金の種類などをよく理解しておくことが大切です。

贈与が難しい不動産については、売却を検討しましょう。財産として分割しやすくなるだけでなく、売却代金を親族の生活費に充てることもできます。

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不動産は「路線価」「固定資産税評価額」「時価(実勢価格)」など複数の評価基準があり、どの基準が適用されるかによって税額が大きく異なる点も見落としがちです。本記事の情報を参考にしつつ、具体的な判断にあたっては、不動産と税務の両方に精通した専門家(税理士・不動産鑑定士など)に早めに相談されることをおすすめします。

FP1級技能士・宅建士・行政書士 柴田 充輝
この記事の監修者
柴田 充輝
FP1級技能士、社会保険労務士、行政書士、宅建士。
厚生労働省や保険業界、不動産業界での勤務を通じ、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に1,000記事以上を執筆。