更新日:2026.04.16 不動産売却の基礎講座, 不動産売却のノウハウ 贈与税とは?2つの課税方法や計算式、贈与のための不動産売却の注意点を解説 不動産などの財産を贈与すると、受贈者(贈与された方)に贈与税を納める義務が生じます。本記事では贈与税の2つの課税方法や贈与税額の計算式や節税が見込めるケース、贈与時の注意点などを解説します。 また、不動産の贈与時に売却が適しているケースや売却時の注意点も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 この記事を読むと分かること 贈与税の2つの課税方法 贈与税額の計算方法 不動産の贈与時に売却が適しているケースと売却時の注意点 「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格(※)”を見つけましょう※依頼する6社の中での最高価格 「NTTデータ・ウィズ」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート Contents1.贈与税とは?2.不動産を贈与するメリット3.贈与税の2つの課税方法4.暦年課税の贈与税5.相続時精算課税の贈与税6.贈与のために不動産を売却する際の注意点7.不動産の売却が適しているケース8.不動産を高く売るには?まとめ 1.贈与税とは? 財産を無償で与える個人間のやりとりを「贈与」といいます。そして「贈与税」とは、贈与の際に発生する税金のことです。 はじめに、不動産を贈与した場合に発生する贈与税について解説します。 1-1.贈与税は、受贈者(財産を受け取る方)に課税される 贈与において、財産を渡す側の個人を「贈与者」、受ける側を「受贈者」と呼びます。贈与の際に贈与税が課税されるのは、受贈者です。 また、贈与税の対象となる財産は、土地や家屋などの不動産だけではありません。車や貴金属などのほか、金銭(現金)が受け渡された場合にも贈与税は発生します。 一方、不動産を贈与すると、贈与税のほかにも以下の税金がかかる場合があります。 不動産取得税:不動産を取得したときにかかる税金 登録免許税:不動産の名義変更などに必要な税金 贈与は財産を相手に無償で与える行為ではありますが、不動産の贈与に関しては、受贈者にかかる金銭的な負担が大きくなるケースが多いことを覚えておくとよいでしょう。 不動産の贈与では、贈与税に加えて不動産取得税や登録免許税が受贈者に課されるため、多額の納税が必要になるケースがあります。 贈与税の納税資金を準備できるか、確認しておきましょう。なお、不動産取得税の税率は原則4%ですが、2027年3月31日までは土地と住宅に対して3%の軽減税率が適用されます。贈与のタイミングによっては軽減措置の期限が関わるため、実行時期にも注意が必要です。 1-2.贈与税は、贈与の翌年に申告して納める 贈与を受けた方には、手続きの面でも負担が生じます。受贈者は、贈与があった年の翌年2月1日から3月15日までの期間中に所轄税務署へ申告を行なったうえで、納税しなければなりません。 ただし、1年間に受けた贈与の合計額が基礎控除の額(110万円)以下であれば、非課税となり申告は不要です。 不動産の贈与では、贈与税が高額になるケースも少なくありません。そういった場合には、延納(分割して納税すること)を選択することも可能です。 贈与税の延納ができる条件は、以下のとおりです。 納付税額が10万円を超えている 一括での納税が難しい理由がある 担保を提供できる(延納税額が100万円以下、延納期間が3年以下の場合は不要) 参考:“No.4429 贈与税の申告と納税”. 国税庁 1-3.贈与税の税額は、不動産の評価額に応じて変動する 不動産を贈与した際の贈与税額は、対象となる土地や家屋の評価額に基づいて決まります。 土地部分の評価額は、基本的には路線価格に基づいて算出されます。路線価格とは、路線(道路)に面した土地1平米当たりの価格のことです。 ただし、路線価格はすべての土地に定められているわけではありません。路線価格のない土地については、固定資産税評価額をもとに評価額を求めます。 家屋部分の評価額については、固定資産税評価額に係数「1.0」を乗じた額と定められています。つまり、固定資産税評価額と同じです。 参考:“No.4602 土地家屋の評価”. 国税庁 なお、固定資産税評価額とは、固定資産税額の基準となる価格のことです。地価の変動などを考慮して各自治体(市町村、東京23区は東京都)が定めるものであり、原則3年ごとに更新されます。 路線価格とは?基本情報や調べ方、計算方法を全解説 路線価格(路線価)とは、道路に面する標準的な宅地の1平米当たりの価額の 固定資産税評価額とその調べ方を教えて! マネ子先生の回答 固定資産税評価額とは、固定資産税を算出する際の基準 2.不動産を贈与するメリット 不動産の贈与は、親子など親族間で行なわれることが多く、いずれ相続の対象となる土地や家屋を早期に引き継ぐために行なわれるのが一般的ですが、贈与税をはじめとする税金がかかることなども考慮すると、誰にでもおすすめできる方法ではありません。 一方で、不動産の贈与には、以下のようなメリットがあります。 相続を前倒しして親族の負担を減らせる 相続財産を減らす効果がある 親族が物件を活用しやすくなる 有利な特例を活用できる場合がある それぞれ順番に解説します。 2-1.相続を前倒しして親族の負担を減らせる 相続では、財産を受け取る側に負担がかかることが少なくありません。特に、不動産は複数人での分割が物理的に難しく、親族間の争いも生じやすくなります。 その点、生前贈与を行なえば、不動産の相続によって起こるトラブルは避けられる可能性があります。生前贈与は、被相続人(相続をする人)が存命のうちに前倒しで相続を実行するようなもので、争いを避けて財産を分割しやすいのです。 また、生前贈与には、財産を受け取ってほしい相手に確実に財産を継承できるメリットもあります。 家族に遺産として不動産を遺す際に気をつけたいことを相続や贈与の観点からご紹介 高齢になると、家族にどのようにして財産を遺そうかと考える方も多いでし 2-2.相続財産を減らす効果がある 相続は、被相続人が亡くなった際に発生するものです。したがって、相続税を納めるタイミングを自分で選ぶことはできません。 一方の贈与は、当事者が望んだタイミングで行なうことが可能です。また、いずれ相続する予定の財産をあらかじめ減らす効果もあります。 相続税は受け取る財産が多いほど高くなるため、相続財産を減らしておけば納税額を抑えられます。つまり、計画的な贈与によって、相続が発生した際に親族にかかる金銭的な負担を軽減できるのです。 2-3.親族が物件を活用しやすくなる 不動産のなかには、収益性のある物件もあります。例えば、住宅や店舗、事務所などとして貸し出すことで賃料を得ている物件です。 収益物件が相続の対象となっているケースでは、物件から得られる収益(現金)も相続財産に含まれます。つまり、収益物件で利益が上がれば上がるほど、最終的な相続税が高額になる可能性があるのです。 一方、物件を早い段階で贈与すれば、それ以降に得られる収益は受贈者の財産となります。収益を得ても相続財産を増やさずに済むため、より積極的に物件を活用できるようになるでしょう。 2-4.有利な特例を活用できる場合がある 夫婦間で不動産を贈与する場合は、条件により2,000万円までの「配偶者控除」を適用できる特例があります。 配偶者控除を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。 婚姻期間が20年以上である 居住用の不動産か、居住用の不動産を取得するための費用を贈与する 贈与を受けた年の翌年の3月15日以降も贈与された不動産に引き続き住む見込みがある 参考:“No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除”. 国税庁 また、直系尊属(父母や祖父母など)からの贈与では、贈与税の算出時に通常よりも低い「特例税率」を適用できる可能性があります。 特例税率が適用される条件は、以下のとおりです。 直系尊属(父母や祖父母など)からの贈与である 贈与を受けた年の1月1日時点で受贈者が18歳以上である 参考:“No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)”. 国税庁 3.贈与税の2つの課税方法 贈与税には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つの課税方法があります。一定の要件を満たすと相続時精算課税を選択できますが、贈与税額や相続発生時に課税対象となる財産、節税が見込めるケースが異なる点に注意が必要です。 ここでは、暦年課税と相続時精算課税の概要について解説します。 3-1.暦年課税 暦年課税は、相続時精算課税を「選ばなかったとき」に適用される通常の課税方法です。 暦年課税では、受贈者が1年間に受け取った贈与財産の合計額から基礎控除額110万円を差し引いた金額に対して贈与税が課されます。 暦年課税により贈与した財産は相続の対象から外れるため、基本的に相続税がかかりません。 暦年課税についての詳細は、「暦年贈与とは? 定期贈与・連年贈与との違いや7つの注意点を徹底解説」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 3-2.相続時精算課税 相続時精算課税は、受贈者が「選んだとき」に適用される課税方法です。ただし、相続時精算課税を選択できるのは、60歳以上の父母や祖父母などから18歳以上の直系卑属(子や孫)などへ贈与した場合のみです。 相続時精算課税では、贈与税に一定の非課税枠が設けられている一方で、贈与した財産は相続税の対象になります。つまり、相続時精算課税は、贈与と相続を一体にして課税する制度といえるでしょう。 相続時精算課税制度でも適用されるようになった「年110万円の基礎控除」は、暦年課税の基礎控除とは別枠で機能し、しかもこの基礎控除内の贈与額は相続財産へ加算されません。これは暦年課税にはない大きなメリットです。 一方、暦年課税では生前贈与加算の期間が最長7年に延長されたため、相続直前の贈与がより広く課税対象に取り込まれるようになりました。両制度の特徴をよく比較し、ご自身の資産状況や家族構成に合ったほうを選択しましょう。 相続時精算課税について、より詳しく知りたい場合は、「相続時精算課税制度とは?税制改正による変更点や節税効果が高いケースを解説」もご覧ください。 親子間で贈与税が必要な8つのケースとは?知っておきたい非課税制度も併せて紹介 親から子や孫に財産を引き継ぐ方法としては、親が亡くなってから行なう「相 4.暦年課税の贈与税 ここでは、暦年課税を選んだ(相続時精算課税を選択しなかった)場合の贈与税について説明します。 4-1.暦年課税における税額の計算方法 暦年課税には、年間110万円の基礎控除があります。基礎控除額の範囲内で行なった贈与には、贈与税がかかりません。 暦年課税における贈与税額は、以下のとおり計算できます。 1年間に受けた贈与額を合計する 合計額から基礎控除額(110万円)を引く 控除後の金額に税率をかけ、さらに課税価格に応じて定められている控除額を引く なお、暦年課税は累進課税で、課税価格に応じて税率が変わります。 基礎控除後の課税価格 一般税率 控除額 200万円以下 10% なし 300万円以下 15% 10万円 400万円以下 20% 25万円 600万円以下 30% 65万円 1,000万円以下 40% 125万円 1,500万円以下 45% 175万円 3,000万円以下 50% 250万円 3,000万円超 55% 400万円 特例税率を適用できるケース(親から子への贈与など)では、通常の場合(一般税率)よりも低い税率が設定されています。 基礎控除後の課税価格 特例税率 控除額 200万円以下 10% なし 400万円以下 15% 10万円 600万円以下 20% 30万円 1,000万円以下 30% 90万円 1,500万円以下 40% 190万円 3,000万円以下 45% 265万円 4,500万円以下 50% 415万円 4,500万円超 55% 640万円 参考:“No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)”. 国税庁. (参照2024-03-18)をもとに、HOME4Uが独自に作成 4-2.暦年課税で申告が必要となるケース 暦年課税の申告は、贈与税が発生したときに行ないます。 具体的には、1月1日から12月31日までに受けた贈与財産の額を合計して納税額を計算し、翌年の申告期間中に申告・納税します。ただし、申告・納税が必要となるのは基礎控除額の110万円を超える贈与があった場合のみです。年間の贈与財産の合計額が110万円以下の場合には、贈与税は発生しないため、申告も不要です。 4-3.暦年課税により節税が見込めるケース 贈与したい財産が110万円以内であれば、基礎控除の適用で贈与税は非課税になります。 一方、贈与財産の合計額が基礎控除額を超える場合でも、贈与税が非課税となる範囲内で生前贈与を行なうことは可能です。財産を110万円以内の金額に分割し、1年ごとに贈与していけばよいのです。 ただし、非課税の範囲内の生前贈与ですべての財産の贈与を終えるには、相当の年数を要するケースも少なくありません。特に不動産は分割が難しく、評価額も大きくなりやすいため、あまりおすすめできる方法とはいえません。 4-4.暦年課税は生前贈与加算に注意 暦年課税で贈与した財産には、基本的に相続税がかからない点はすでに説明したとおりです。しかし、暦年課税には相続の発生から一定年数以内の贈与を無効とする「生前贈与加算」と呼ばれるルールが存在します。 「一定の年数」については、従来は3年と定められていました。つまり、贈与者が亡くなった時点からさかのぼって3年以内に贈与された財産は相続税の対象となるということです。 さらに2024年(令和6年)1月1日以降の生前贈与に関しては、さかのぼる年数が徐々に引き上げられ、2031年(令和13年)からは「7年」にまで延長されることが決定しています。ただし、2026年12月以前に相続が開始した場合には加算期間は従来どおり3年のままです。2027年1月以降に発生した相続から段階的に延長が始まり、2031年1月以降の相続で完全に7年へ移行します。また、延長された4年間(相続開始前3年超~7年以内)に受けた贈与については、合計100万円まで相続財産に加算されない措置が設けられています。 暦年課税による贈与が無効にならないようにするためには、「自身がいつまで健康でいられるか」という予測が困難な要素も考慮しながら、贈与を進める必要があるといえるでしょう。 生前贈与加算の対象となるのは、原則として「相続や遺贈で財産を取得した法定相続人」への贈与です。つまり、相続人ではない孫への贈与は、遺言による遺贈や生命保険の受取りがない限り、原則として加算対象外となります。 加算期間が7年に延長された今、「誰に贈与するか」の選択も節税戦略上ますます重要になっています。 5.相続時精算課税の贈与税 次に、相続時精算課税を選択した場合の贈与税について説明します。 贈与者が健在の時(財産1億円のうち、3千万円を贈与) 課税対象額=3,000万円-2,500万円=500万円 贈与税額=500万円×20%=100万円 贈与者が亡くなられた時(残りの財産7千万円を相続) 贈与された3千万円を相続税課税財産に加算のうえ、相続税を算出し、 支払済みの贈与税100万円を控除する。 5-1.相続時精算課税における税額の計算方法 相続時精算課税には、110万円の基礎控除に加えて2,500万円の特別控除があります。 税額の計算方法は次のとおりです。 1年間に受けた贈与額を合計する 合計額から基礎控除額(110万円)を引く 控除後の金額から特別控除額(2,500万円)を引く その金額に税率(一律20%)をかける 参考:“No.4409 贈与税の計算(相続時精算課税の選択をした場合)”. 国税庁 毎年の贈与の累計額に対して特別控除が適用される点が、相続時精算課税の特徴です。つまり、贈与税がかかるのは贈与の合計額が2,500万円を超えたあとであり、それまでは非課税となります。 また、税率が一律20%と決められていることも暦年課税とは異なる点です。暦年課税の税率は基礎控除後の課税価格に応じて10~55%と幅があります。 なお、2024年(令和6年)1月1日以降、相続時精算課税の年110万円の基礎控除内で行った贈与分は、相続発生時に相続財産への加算対象にもなりません。つまり、相続時精算課税を選択しても、年間110万円以内の贈与を続ければ、その分は贈与税も相続税もかからないことになります。これは暦年課税の生前贈与加算とは異なる大きなメリットです。 贈与額がある程度大きい場合には、相続時精算課税を選択すると納税額を抑えられるでしょう。 5-2.相続時精算課税で申告が必要となるケース 相続時精算課税を選択するには、受贈者による手続きが必要です。具体的には、贈与を受けた年の翌年の申告期間(2月1日~3月15日)中に、「相続時精算課税選択届出書」を申告書に添付のうえ、納税地の税務署長に提出します。 そのあとも、累計2,500万円までの特別控除の適用を受けるには、財産を贈与されるたびに翌年の申告を行なわなければなりません。ただし、贈与額が110万円の基礎控除以下だった年については、申告は不要です。 5-3.相続時精算課税により節税が見込めるケース 相続時精算課税でも、財産を基礎控除額(110万円)以内の金額に分割して贈与することで、贈与税を非課税にできる点は、暦年課税の場合と同様です。しかし、不動産を分割するのは現実的ではない場合が多いでしょう。 そこで、不動産の贈与には、相続時精算課税の特別控除を利用する方法が考えられます。贈与額の累計が2,500万円までは非課税となるため、贈与税を減らせる可能性があるのです。 ただし、相続時精算課税を選択して贈与を行なっても、相続税がなくなるわけではありません。そのため、節税の観点からは贈与税と相続税をトータルで考える必要があります。 例えば、相続時精算課税を利用した贈与で不動産を早期に継承し、そこから賃料などの収益を得られる場合などには、大きな節税が見込める可能性があります。 5-4.相続時精算課税は撤回できない点に注意 相続時精算課税の選択は、今後受け取る贈与の額を累計していき、相続が発生した際に精算することを意味します。 ひとたび相続時精算課税の手続きを行なうと、あとからの撤回は認められません。つまり、課税方法を相続時精算課税から暦年課税に戻すことはできないのです。 すでに説明したように、暦年課税と相続時精算課税とでは、税率や節税が見込めるケースに違いがあります。相続時精算課税を選ぶかどうかは、慎重に検討する必要があるといえるでしょう。 6.贈与のために不動産を売却する際の注意点 不動産は簡単には分割できませんが、売却して「お金」に換えれば基礎控除の範囲内で少しずつ贈与できるようになります。ただし、不動産売却時には以下の点に注意が必要です。 名義預金をしても贈与とはみなされない 定期贈与は課税される 不動産を安く譲ると「みなし贈与」になる それぞれ詳しく見ていきましょう。 6-1.名義預金は贈与とはみなされない 財産を少しずつ贈与していく方法といえば、祖父や祖母が孫の名義で銀行口座を作って預貯金をする、といったケースがよく見られます。 しかし、口座の名義を変えるだけでは贈与されたものとは扱われず、実質的な管理者である祖父・祖母の財産とみなされてしまいます。つまり、いずれは相続財産となって相続税がかかってしまう点に注意が必要です。 なお、孫が預金を使用すると、口座の管理者が祖父・祖母から孫に変わったと判断されて贈与が確定します。 不動産の売却金額を毎年110万円の基礎控除の範囲内で贈与したいなら、子や孫が実際に使っている口座へ振り込むことをおすすめします。新しく口座を開く場合は、管理を自身では行なわず、子や孫に任せるとよいでしょう。 6-2.定期贈与は課税される 名義預金を避け、実際に財産を受け渡すかたちをとっていれば、基本的には問題なく贈与とみなされます。年数をかけて財産を継承する方法を「連年贈与」と呼びます。 前述のとおり、年間110万円の基礎控除の範囲内での贈与であれば、贈与税はかかりません。 ただし、財産の受け渡しがあまりにも計画的すぎると「定期贈与」であるとみなされて課税されることもあるので注意が必要です。 例えば、不動産の売却金額1,000万円を100万円ずつに分け、10年かけて贈与する計画を立てて実行に移したとしましょう。この場合、「10年かけて1,000万円を受け取る権利を贈与した」とみなされる恐れがあります。その結果、110万円の基礎控除は1年分しか適用されず、残りの890万円に課税されることになりかねません。 定期贈与とみなされるのを避けるには、毎年贈与する金額や時期を少しずつ変えるなどして、方法を見直すとよいでしょう。 定期贈与とみなされるリスクを避けるためには、毎年の贈与契約書をその都度作成し、贈与の日付・金額・当事者の署名を記録しておくことが実務上非常に重要です。 口頭での合意だけでは税務調査の際に「最初から計画的な一括贈与だった」と指摘されるリスクがあります。加えて、贈与する金額や時期を毎年少しずつ変えたり、贈与を行わない年を設けたりすることも有効な対策です。 暦年贈与とは? 定期贈与・連年贈与との違いや7つの注意点を徹底解説 「節税対策で少しでも多くの財産を次世代に譲りたい」と考える方は少なくな 6-3.不動産を安く譲ると「みなし贈与」になる 不動産を贈与すると贈与税がかかるのであれば、「個人間で直接売買してしまおう」と考える方もいるかもしれません。また、親族が取引相手であれば、「不動産を相場よりも安く譲っても構わない」と考えるのは、自然なことでしょう。 しかし、不動産を適正価格よりも低い価格で取引する行為は、贈与税の課税対象となる可能性が高いです。このような「みなし贈与」を防ぐには、不動産会社に査定を依頼するなどして、適正価格を把握したうえで取引を行なうことが重要です。 参考:“No.4423 個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき”. 国税庁 7.不動産の売却が適しているケース 子や孫に引き継ぎたい財産が不動産なら、贈与より売却を選択するほうが良いケースもあります。 そこで本章では、贈与より売却が適している以下の3つのケースについて解説します。 相続のトラブルを未然に防ぎたいとき 今後の生活資金を確保したいとき 物件を管理しきれていないとき 7-1.相続のトラブルを未然に防ぎたいとき 前述のとおり、不動産を生前贈与することで相続時に親族にかかる負担を減らせる可能性があります。しかし、親族にとって思い入れがある不動産を贈与する行為が、かえって争いの原因になってしまうことも考えられます。 そのような場合は、不動産をそのまま贈与するのではなく、売却して金銭に換えるのも一つの方法です。不動産を現金化すれば、相続人の間で公平に分割しやすくなり、相続時のトラブルを未然に防げる可能性があります。 不動産の相続について相談先を探したい方は、『不動産の相続相談はどこへすべき?ケース別の6つの相談先を解説』をご覧ください。 7-2.今後の生活資金を確保したいとき 不動産を売却した代金は、もちろん売った当人の財産となります。もしローンが残っていれば完済し、残った金額を今後の生活資金に充てることも可能です。 資金に余裕があるのなら、一部を親族に生前贈与してもよいでしょう。相続財産を減らすことで、結果的に相続税の軽減につながるからです。 また、不動産の売却金額を親族の食費や教育費、家賃などに充てる方法もあります。財産を無償で親族に与える行為に該当するものの、日常生活のための支援を都度行なうのであれば、贈与税の対象にはなりません。 扶養義務者から必要時に「都度」支払われる生活費や教育費には贈与税がかからないのが原則ですが、「都度」であることがポイントになります。長期間分をまとめて一括で渡すと贈与税の課税対象になる可能性があり注意が必要です。 なお、まとまった教育資金を非課税で一括贈与したい場合には、「教育資金の一括贈与の非課税措置」(受贈者1人あたり最大1,500万円、2026年3月31日まで)の活用も検討してみてください。同様に、結婚・子育て資金についても最大1,000万円までの非課税措置があり、こちらは2027年3月31日までが対象です。 老後に家を売るメリット・デメリット・注意点を徹底解説 かつては、「一度マイホームを購入したら、生涯にわたって住み続ける」とい 7-3.物件を管理しきれていないとき 不動産を管理しきれていないなら、売却を検討するとよいでしょう。例えば、遠方にあって手入れが難しい土地や、空き家のまま放置してしまっている住居などが該当します。 不動産はまったく活用できていなくても、所有しているだけで固定資産税を納めなければなりません。不動産を贈与すると、贈与税以外にも不動産取得税や登録免許税といった税金が発生することは説明したとおりです。 何らかの目的があって不動産を所有しているわけではないのなら、売却してしまったほうが税金面ではメリットが大きいといえます。 親から遠方の土地贈与を受けたけど利用予定がない場合、そのまま持っていていい? 親から遠方の土地を譲り受けた場合は、生前贈与ということになります。贈 空き家問題とは?3つの要因や将来予測、国の空き家対策を全解説 近年、いわゆる「空き家問題」が全国的に深刻化しています。空き家には、倒 8.不動産を高く売るには? 贈与や相続を踏まえて不動産を売却するのであれば、少しでも高く売りたいと考える方も多いでしょう。 しかし不動産会社の数は大変多く、依頼先を決めるのは簡単ではありません。また各社がそれぞれ得意ジャンルを持っているため、どの不動産会社に相談するかによって、査定結果に数百万円もの違いが出ることもあります。 不動産を少しでも高値で売却したいなら、複数の不動産会社に査定を依頼し、結果を比較するのがおすすめです。 簡単な入力ですぐに査定をスタートできる不動産一括査定サイト「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」をぜひご活用ください。 家の無料査定はどこに頼む?注意点と成功させるための攻略ポイント 家を売るための初めの一歩は、不動産会社の無料査定を受けることです。 家 家の査定にはコツがある!種類から注意点、依頼前の準備までプロが解説 家を売るためには査定が必要です。 ただ、初めての家売却を検討される方の 【無料】一括査定依頼スタート まとめ 不動産の贈与にはさまざまなメリットがある一方で、贈与を受けた側には贈与税をはじめとする税金の負担がのしかかります。状況に応じて、「暦年課税」または「相続時精算課税」を選び、節税を心がけるとよいでしょう。 2024年の税制改正で、暦年課税では生前贈与加算の期間が最長7年に延長された一方、相続時精算課税には年110万円の基礎控除が新設され、制度選択の判断基準が大きく変わりました。 どちらが有利かは、資産規模・家族構成・贈与のタイミングによって異なるため、安易に判断せず税理士等の専門家に相談されることをおすすめします。 また、不動産の贈与や相続に関するトラブルは、売却して金銭に換えることで解決できる場合もあります。生活資金の確保や管理しきれていない不動産の処分にも適した方法です。 自宅の売却をご検討している場合には、23年の実績を誇る老舗の不動産査定サイト「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」をぜひご活用ください。「不動産売却 HOME4U」なら、全国約2,500社の優良不動産会社のなかから、最大6社を選んで一括で査定を依頼することができます。 NTTデータグループによる運営で、安心・安全のセキュリティ対策、サービス品質をお約束しますので、ぜひお気軽にご利用ください。 不動産の贈与は、相続対策として有効な手段ですが、贈与税・不動産取得税・登録免許税など複数の税負担が受贈者に発生するため、事前のシミュレーションが欠かせません。特に不動産は分割が難しく評価額も高額になりやすいため、「贈与」か「売却」かも含め、総合的な視点で検討してください。 この記事の監修者 柴田 充輝 FP1級技能士、社会保険労務士、行政書士、宅建士。 厚生労働省や保険業界、不動産業界での勤務を通じ、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に1,000記事以上を執筆。 あなたの 不動産 いくらで売れる? STEP1 都道府県 東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 群馬県 栃木県 茨城県 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 新潟県 山梨県 長野県 富山県 石川県 福井県 愛知県 静岡県 岐阜県 三重県 大阪府 兵庫県 滋賀県 京都府 奈良県 和歌山県 岡山県 広島県 鳥取県 島根県 山口県 香川県 愛媛県 高知県 徳島県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 STEP2 市区町村 都道府県が選択されていません。 市区町村が選択されていません。 ご指定いただいたエリアへのお問合せは、現在取り扱っておりません。 無料一括査定スタート 人気の記事 1 【初めての家の売却】基本の流れ7ステップ|相場の下調べから確定申告まで 2 住宅ローン控除を受けるには?住宅購入時の確定申告のやり方 3 土地売却時の税金はいつ払う?納税スケジュールと節税方法を解説 4 接道義務とは?知っておくべき道路と敷地のルールと売買時の注意点 5 不動産の減価償却の計算方法は?事業用と居住用での違いを解説 6 借地権とは?種類や特徴、メリット・デメリットをわかりやすく紹介 7 自宅の売却で使える「3,000万円控除」とは?必要書類や要件を解説 8 家を売る完全ガイド!不動産売却の注意点と初めにやるべき準備 【簡単60秒入力】不動産一括査定依頼 【まずはLINEで】売却プラン無料診断