【完全ガイド】不動産査定とは?選び方・査定額の計算・相場の調べ方

不動産を売ろうと考えたとき、まず気になるのは「いくらで不動産が売れるのか」ということではないでしょうか。いくらで売却できるかを知るためには、不動産の価値を査定する必要があります。

不動産査定にはいくつもの種類があり、適切な査定額を知るために注意しなければならないポイントがあります。

そこで、本コラムでは

  • そもそも不動産査定とは何か
  • 不動産査定の流れ・かかる期間
  • 自分で相場を調べる方法

など、不動産査定に必要な知識を網羅的にご紹介していきます。

不動産査定が初めての方も、すでに実施している方も、ぜひ最後までお読みいただき、スムーズな不動産売却に繋げてください。

不動産会社選びで、査定は数百万円「売値」が変わります。
査定価格は不動産会社によって違うので、高く・早く売るなら、複数の不動産会社の査定価格を比較することが大切です。
かんたん一括査定で複数の査定価格を取り寄せましょう。

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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

Contents

1.不動産査定とは?

不動産査定とは、マンションや戸建て、土地など不動産の売却をする際に、いくらで売却できるか見込み額を算出することです。

査定額は、類似物件の取引価格、政府が公表する「公示地価」や「路線価」、物件の基本情報(間取り、築年数、面積など)や周辺環境、市場の動向など、さまざまなデータをもとに算出されます。

ただし、査定する上で、国が規定する明確なルールはありません。そのため、複数の不動産会社の査定を受けると、同じ不動産でも、以下の図のように数百万円単位で評価に差が出ることがあります

査定価格の表

もし、一社だけの査定で売却を進めたら、大きく損をする可能性もあります。そのため、複数の不動産会社の査定を受けて、査定額などをじっくり比較してから、売却依頼する会社を選ぶことが大切です。

不動産売却 HOME4U」なら全国から厳選した不動産会社の中から、物件にマッチした最大6社に査定を依頼することができます。これから不動産査定を行う人は、ぜひ「不動産売却 HOME4U」を活用し、納得できる金額で売却につなげてください。

2.不動産査定の種類

不動産査定の種類不動産査定の種類は、主に以下の3種類があります。それぞれ、メリット・デメリットがあるので、段階に応じて、使い分けましょう。

2-1. AI査定(匿名査定)

AI査定(匿名査定)は、インターネット上のフォーマットに必要情報を入力すると、画面で即時に査定額が表示されるサービスです。

入力する情報は

  • 物件の住所
  • 広さ、築年数
  • 売却目的

などです。

AI査定は、名前やメールアドレスなどの個人情報不要で、スピーディーに査定結果がわかることが最大のメリットです。ただし、メールアドレス等の入力を必須とするサイトもあります。どのような不動産会社が運営しているか、よく吟味して入力しましょう

また、査定額は実際の取引実績をもとに算出されることが多いため、データに偏りがでる、最新情報に更新されない等で、実際の売り出し価格とかい離する可能性が高いことがデメリットです。あくまで目安の金額と考えましょう。

不動産売却における査定依頼のポイントを紹介します

2-2. 机上査定(簡易査定)

机上査定(簡易査定)は、不動産会社に直接依頼して行う査定です。依頼を受けた不動産会社は、物件情報・取引実績・市場動向などをもとに、物件の査定額を算出します。

査定額の根拠とするデータや情報は不動産会社によって異なるため、査定額にも差がでます。A社では3,000万円だったのがB社では3,500万円と査定されることも珍しくありません。

そのため、机上査定を行う際には、複数社に査定依頼をして比較・検討することが大切です。ただし、一件ずつ問い合わせるのは大きな負担です。

インターネットの「一括査定」サービスを利用すれば、一度にまとめて複数の不動産会社に机上査定の依頼をすることができます。

一括査定サービス

数ある一括査定サービス中でも、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」は、国内有数の大手不動産会社をはじめ、全国の地域密着型の有力な不動産会社が併せて約1,800社登録されています。

また、一括査定は、査定額を知れるだけでなく、複数の不動産会社とコンタクトがとれるため、不動産会社を比較・検討する手段としても大変有効です

スムーズな不動産売却には、信頼できる不動産会社のサポートが欠かせません。一括査定を有効活用し、納得できる売却にお役立てください。

2-3. 訪問査定

訪問査定は、実際に物件に訪れて調査する査定方法です。不動産会社の担当者は物件の状態を直接目視してチェックするだけでなく、近隣との境界や付帯設備、周辺環境や立地条件も含めて詳細に物件を調べます。そのため、AI査定や机上査定と、査定額が大きく変わることもあります

訪問査定も、机上査定と同様に、不動産査定の料金は一切かかりません。似た言葉に「鑑定」がありますが、こちらは料金が必要になるので、注意が必要です。

「査定」は、あくまで不動産会社の営業活動の一環です。不動産会社への支払いが発生するのは、不動産売買の仲介が成約したときのみになります

なお、不動産会社が訪問査定で物件のどんな点をチェックするかは、「7.不動産査定(訪問査定)でチェックされるポイント」で詳しく解説します。併せてご確認ください。

不動産査定の方法と費用、査定価格アップのポイントを徹底解説!
不動産査定をネットで依頼するなら押さえておくべきポイントを解説

3.不動産査定の流れ

不動産査定の種類によって、得られる情報の精度は異なります。そのため、どれをいつ依頼するべきか知っておくことが大切です。

以下では、3種類の査定(AI査定・机上査定・訪問査定)を受ける適切な順番と、最終的に媒介契約を結ぶまでの不動産査定の流れを解説します。

不動産査定の流れ

注意点は、AI査定・机上査定は不動産売却で必須ではないことです。売却を急ぐ場合は訪問査定から依頼することをおすすめします

なお、「売却の流れ」を押さえておくことも、不動産売買においてとても重要です。不動産査定のマニュアルを読み、初めての不動産売買でもスムーズに売却できるよう備えておきましょう。

3-1.AI査定(匿名査定)で目安の価格を把握

「まだ売却の希望日が決まっていない」、「いくらで売れるのか、ざっくりとした目安の金額だけを知りたい」といった段階では、AI査定の利用がおすすめです。

なお、「2-1. AI査定(匿名査定)」の解説の通り、 AI査定は正確性にかける可能性があるため、あくまで目安として捉えましょう。また、必須の査定ではないため、売却を急ぐ場合は、訪問査定から依頼しましょう。

3-2.机上査定(簡易査定)を依頼

「売却したいスケジュールが決まった」、「良い不動産会社を見つけたい」など、具体的に不動産売却を進めたいと思ったら、早めに机上査定を依頼しましょう。査定から売却まで半年以上かかることも少なくありません。

また、机上査定は、「HOME4U」などのインターネットの一括査定で複数社にまとめて査定依頼をし、効率的に有望な不動産会社を選ぶ方法がおすすめです

ただし、売却を急ぐ場合、机上査定もAI査定同様、必ずしも行う必要はありません。ご自身の売却スケジュールに併せて、適宜必要な査定方法を選びましょう。

3-3.訪問査定を依頼・訪問日の決定

机上査定をしたら、不動産会社を絞り込み、訪問査定を依頼しましょう。訪問査定は、在宅で行う必要があるため、日程に余裕をもって進めます。

不動産会社は少なくとも2社以上に依頼し、査定表を比較することをおすすめします。 なお、訪問査定は無料ですが、詳細な調査が行われますし書類の準備も必要なため、売却の意思がある程度固まった段階で依頼するとよいでしょう。

3-4.現地調査

現地調査では、実際に不動産会社の担当が物件や周辺環境などを詳細に調べます。このとき、物件のアピールポイントはもちろん、設備の欠陥やローンの残債、ご近所との関係などもヒアリングされるでしょう。

欠陥などは、なかなか言いにくい話ではありますが、売却後のトラブル防止や欠陥をカバーする手段の提案につながることもあるので、隠さずに相談することが大切です

3-5.査定書が完成

訪問査定後、不動産会社から査定書が届きます。各社の査定額やコメントを比較して、媒介契約を結ぶ不動産会社を決めましょう。なお、査定書の見方とチェックポイントは「11.査定書の概要と見方」で解説します。

4.不動産査定にかかる時間

不動産査定にかかる時間

AI査定(匿名査定)はインターネットのフォーマットに必要情報を入力すると、即時、インターネット上に結果が表示されます。家の築年数や平米数など、基本的な情報がわかっていれば、数分で完了するでしょう。

机上査定(簡易査定)も、依頼はインターネット上で数分あれば完了しますが、回答は各不動産会社から個別にくるため即日~数日はかかるとみておきましょう。

訪問査定は、不動産会社が直接現地を調査するため、在宅で対応することになります。調査時間は1時間程度で終わることが多いでしょう。ただし築古の物件や、特殊な条件がある場合はさらに時間がかかるため、当日は余裕をもって対応することをおすすめします

査定結果は1週間後に送付される見込みですが、完成時期は不動産会社によって異なるため、必要に応じて確認しておくとよいでしょう。

なお、定休日を水曜としている不動産会社が多くなります。不動産会社とのやりとりの際には留意しておきましょう

5.不動産査定をする目的│適正価格と資金計画の把握 

不動産の価格査定は以下の2つの理由から行う必要があります。

  • 適正な価格で売却するため
  • 資金計画を立てるため(おもに買い替えの場合)

以下、確認していきましょう。

5-1.適正価格を把握する

1つ目として、価格査定は適正な価格で売却するために必要です。
査定価格は売り出し価格を決めるにあたっての根拠となります。

売り出し価格が低過ぎれば損をしますし、高過ぎればなかなか売れません。
損をせず、確実に不動産を売却するには、適正な価格で売ることが必要となります。

中古物件は新築物件と異なり、価格がいくらと決まっているわけではありません。
新築物件なら、建築費や土地の仕入額が新築価格の根拠になりますが、新築時から時間が経過した中古物件は、当時の価格根拠には影響されないため再査定が必要となります。

不動産は土地価格と建物価格で構成されます。
土地は景気によって価格が変動しますし、建物は築年数が経過すると価格が下落していきます。

また、建物は途中でリフォームや修繕を行っていることもあります。
新築時から時間のたった中古物件は、個別性が強くなっているため価格の査定が必要なのです。

一括査定サービス「不動産売却 HOME4U」なら、日本全国の優良不動産会社と提携しているため、遠方の不動産でもネットで簡単に査定が依頼できます。

以下のサイトでは東京都のマンション、戸建て、土地の最新不動産売却動向もご紹介しています。ぜひ併せてチェックしてみましょう。

東京都の不動産売却査定・相場情報

5-2.資金計画の根拠にする

2つ目に価格査定は資金計画を立てるために必要です。
売却では、住宅ローンの返済や次の購入物件のための頭金の確保等、売却価格を予想することで可能となる資金計画があります。

売却価格が分からないと、住宅ローンの返済ができるのか、または次の購入物件はいくらくらいの物件が購入できるのか等が分かりません。

資金計画が不十分だと、急遽、多額の貯金を取り崩したり、親からお金を借りたり等の不測の事態が生じます。

資金計画に大きな狂いを生じさせないためにも、適正な査定価格によって資金計画を立てることが必要不可欠になります。

不動産査定を受けたほうがいい具体的なケースや不動産査定を受ける目的は下記のサイトでも紹介しています。気になった方は併せてご参考ください。

売却成功のために知っておくべき不動産査定の基礎知識!

6.査定価格の計算方法

不動産会社の価格査定査定価格は、不動産会社が価格査定によって求める価格であり、助言価格・意見価格等とも呼ばれます。
価格水準としては、実際に売れる成約価格を見据えています。

査定価格は、3ヶ月以内に売却可能と判断される価格です。
1~2週間程度で売却できてしまうようであれば査定価格は安過ぎることになり、また半年以上経っても売却できないような場合は査定価格が高過ぎることになります。

尚、査定価格の出し方には、「取引事例比較法」、「原価法」、「収益還元法」の3つがあります。

6-1.取引事例比較法

取引事例比較法とは、周辺類似の物件の取引事例から、価格を査定する方法で、主にマンション土地の査定で行われます。

簡単に言うと、「近くの似た土地が坪50万円で売れたから、この土地も坪50万円程度だろう」という査定方法です。

似たような不動産の最近の売却事例から査定する方法であり、最もわかりやすく、かつ、説得力がある査定方法といえます。

取引事例比較法のポイントは、できるだけ直近の取引で、かつ、類似した規範性の高い事例を用いると査定の精度が高くなります。

取引事例は、売却物件のあるエリアで実績が豊富な不動産会社ほど、多くの取引事例を持っています。インターネットの不動産査定では、申込者の入力した物件情報と併せて、取引事例比較法を用いて査定額が算出されます。

そのため、適正な査定価格を得るには、エリアに精通した信頼できる不動産会社に査定依頼することが重要となります。

6-2.原価法

原価法は、不動産を査定時点で再調達する場合の原価を求め、経年等による減価の修正を行って査定価格を求める手法で、主に戸建ての建物部分の査定で用いられます。

原価法では、まず現状の建物を今建てたらいくらになるかを求め、次に、築年数を加味して価格を減価して修正します。木造の戸建ての「建物」は築25年(または築20年)で価格をゼロと査定します。

例えば、延床面積が30坪の木造戸建てで、築15年の家を査定してみます。

査定時点の木造戸建ての建築費が坪65万円だとすると、今新築して建てたら2,100万円(=30坪×70万円/坪)ということになります。
次に、築15年の減価修正を行います。
25年で建物価格がゼロとすると、今の時点で残り10年分の価値が存在することになります。
よって、建物価格は以下のように求められます。

建物価格 = 2,100万円 × (25年 - 15年) ÷ 25年
     = 840万円

このように、戸建ての建物は原価法によって求めますが、一方で、戸建ての土地は取引事例比較法によって求めます。

戸建ての価格は「原価法で求めた建物価格」と「取引事例比較法で求めた土地価格」を合算したものになります。

6-3.収益還元法

収益還元法は収益と利回りの利回りの関係に着目して行う査定方法で、主にアパート賃貸マンション店舗オフィスビルなど、全ての収益物件の価格を求める際に利用される方法です。

収益物件は、投資に対して得られるリターンを利回りで表現します。純収益を利回りで割って求める査定方法が収益還元法になります。

家賃収入から土地建物の固定資産税、建物の保険料、管理委託料等の費用を差し引くと純収益(リターン)が求められ、この純収益を利回りで割ることで、投資額、つまり価格が算出されることになります。

例えば、月10万円の家賃を稼ぐ区分のワンルームマンションがあったとします。

月10万円なので、年額家賃は120万円です。
また、この物件の年間の維持費が20万円だとすると、純収益は年間100万円(=120万円-20万円)となります。
区分ワンルームマンションに対して、一般的な投資家が期待する利回りが5%だとすると、価格は2,000万円(=100万円÷5%)と算出されます。

不動産売却塾 コラム

不動産取引における価格の種類

その他にも、不動産取引においては、「○○価格」と呼ばれる様々な名称の価格が登場します。査定を依頼する際に知っておくと役立ちます。
「売り希望価格」、「売り出し価格」、「買い希望価格」、「成約価格」について、それぞれ下の表を参考にしてみてください。

売り希望価格

売主が売りたいと考えている価格

住宅ローン残債や、単に高く売りたい等の理由から売主の希望で決めている価格であり、売主の事情を反映した価格になる。売り希望価格は、査定価格よりも往々にして高めになることが多い傾向に。

売り出し価格

実際に市場に売り出す価格

査定価格をもとに、売主と不動産会社が話し合いによって決める。
どうしても売り希望価格を譲れない場合は、売り希望価格をそのまま売り出し価格とするようなケースも。
売り希望価格が高過ぎる場合は、なかなか売ないため、ある程度の期間が過ぎたら売り出し価格を見直す必要がでてくる。

買い希望価格

 買主が提示する価格

具体的な購入希望が入ると、買主は買付証明書と呼ばれる書面で購入の意思表示をする。買付証明書には、買い希望価格を記載。買い希望価格は、売り出し価格の満額、もしくは、値引後の価格が記載されている。
買い希望価格が売主の許容範囲であれば、応諾し、売買が成立。買い希望価格を許容できない場合には、引き続き別の購入希望者を探す。

成約価格

 実際に売主と買主が合意した金額

一般的に成約価格は売り出し価格よりも低くなる。売り出し価格は売り希望価格によって高めに設定させることが多く、また買い希望価格で値引交渉が入ることも多いことから、成約価格は売り出し価格を下回ることが多い。

公益財団法人 東日本不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」で発表されている、首都圏における中古マンションの売り出し価格と成約価格の推移のデータを見てみましょう。
グラフ中のパーセントの数値は売り出し価格に対する成約価格の割合です。

中古マンションの売り出し価格と成約価格の推移

引用元:(公財)東日本不動産流通機構

売り出し価格と成約価格については、概ね1割程度の差があることが一般的であることがわかります。

7.不動産査定(訪問査定)でチェックされるポイント

不動産査定(訪問査定)でチェックされるポイント訪問査定の際、不動産会社の担当者はどのような点をチェックするのでしょうか。以下、担当者が現場で確認するポイントを3つのシーン別に見ていきましょう。

7-1.ヒアリング│売却理由・物件状況・ローンの残債等

ヒアリング調査は、物件状況や周辺環境について、売主しか知らない情報が判明することもあるため、重要な調査のひとつです。ヒアリングの詳細は不動産会社によって異なりますが、主に以下の内容について質問されることが多いでしょう。

7-1-1.売却理由

売却理由によって販売戦略が異なってくるため、率直に伝えるのが得策です。特に住居の買替の場合、契約書に引き渡し猶予特約をつけられる可能性もあります。また、相続などで早期売却を望んでいる場合もその旨を相談しましょう。

7-1-2.物件状況(リフォームや設備交換、雨漏りなどの欠陥の有無)

リフォームや設備交換、インスペクション(専門家による建物調査)の経歴があれば、売却時のアピールポイントになります。また、売却後のトラブルは避けるために、建物の傾き・雨漏り・亀裂・シロアリ被害などの欠陥も隠さずに報告しましょう

7-1-3.ローンの残債

原則として、住宅ローンを完済しなければ不動産を売却することはできません。そのため、ローンの状況は必ず確認されます。もしローンの残債があり、売却しても完済できないオーバーローンの場合、買替ローンや預貯金からの支払い、任意売却などの検討が必要です

7-1-4.近隣、周辺環境の情報

実際に周辺調査を行う担当者がほとんどですが、住人のリアルな意見も重要です。実際の治安や学校の学力レベル、近所付き合いのしやすさなど、アピールできるポイントをまとめておきましょう。

7-2.現地調査│接道・隣地境界・立地

戸建てや土地の査定において、道路に2メートル以上接していないなど、建築基準法に抵触している場合は再建築不可となります。そのため、接道は必ず確認されるポイントです。

また、隣地との境界があいまいだったり越境したりしているとトラブルのリスクがあるため、入念にチェックされます。

さらに、土地が傾斜していないか、整形地か、採光がしっかりとれるか、車の出し入れはしやすいかなど、立地条件も確認されます。2020年からは、不動産取引における水害ハザードマップの説明も義務化されているため、災害リスクについても調査がなされるでしょう

7-3.周辺環境調査│嫌悪施設・騒音・ゴミ置き場等

嫌悪施設とは、墓地・汚水処理場・工場などをはじめ、パチンコ店や風俗店、レジャーホテルなど風紀を乱すと考えられる施設のことも指します。これらが近隣にあるのを嫌がる人もいるため査定の調査対象になります。

また、騒音や臭気、ゴミ置場の管理や地元の自治会が機能しているかなども買い手にとって重要な情報なため調査の対象です。

8.自分で相場(適正価格)を調べる方法

不動産会社が算出した査定額を見て「これは本当に適正価格なのか?」と考える方もいるでしょう。そんな時は、自分で相場を調べてみましょう。

たとえ不動産売却が初めてでも、自分で相場を調べることは可能です。提示された査定額が適正か見極める判断力を身につけましょう。

8-1.レインズ(不動産流通標準情報システム)

レインズ(Real Estate Information Network System)とは、国土交通省が指定した不動産流通機構が運営しているネットワークシステムで、日本中の物件情報を調べることができます。

レインズの掲載内容は、登録会員である不動産会社のみに開示されており、一般には非公開なのですが、一部の情報は「レインズ・マーケット・インフォメーション」で見ることができます。

レインズマーケットインフォメーション

レインズマーケットインフォメーションでは、全国の成約したマンション・戸建て情報を検索できますので、条件が類似した物件が実際にいくらで売れたのかが簡単に調べることができます

8-2.公示地価(公示価格)

公示地価(公示価格)とは、端的にいえば、毎年国土交通省から発表される土地の価格です。地価公示法に基づいて国土交通省土地鑑定委員会が作成し、「住宅地」「商業地」「工業地」などに分類して発表されます。

公示地価は土地の取引や金融機関の担保評価、相続税・固定資産税の目安など、広く土地の評価として参考にされる数値です

国土交通省の検索システム「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」から、売却したい土地の公示地価を確認することができるので活用してみましょう。

【2022年最新版】「公示価格」とは?近年の動向を解説します!

8-3.路線価

路線価とは、毎年国税庁が公表する「主要な道路に面する宅地1平方メートルあたりの評価額」のことです。

国税庁「路線価図・評価倍率表」のほか、資産評価システム研究センターの「全国地下マップ」でも確認できます。

路線価

出典:令和3年 東京都中央区銀座1丁目 路線価図(国税庁)

国家資格である不動産鑑定士が綿密に調査した評価額や公示地価、取引価格を根拠に作成されているため、土地の適正価格を知る際のよい判断基準となります

なお、不動産に対する相続税や固定資産税を算出する基準のため、公示地価の80%程度とされています。

【2021最新版】不動産売却でよく耳にする「路線価」とは?直近3年分の傾向も解説!

9.おすすめの査定方法

おすすめの査定方法査定方法には、匿名でできる不動産査定「AI査定(匿名査定)」と不動産会社が査定する「机上査定(簡易査定)」「訪問査定」の3つがあることは前述の通りですが、特にポイントとなるのが「机上査定(簡易査定)」です

ここでは、机上査定の選び方、おすすめの不動産査定について、解説します。

9-1.一括査定で比較してベストな不動産会社を選ぶ

机上査定は、査定額を知ることはもちろん、不動産会社を選ぶ良い判断材料にもなります。

机上査定をうまく活用するコツは、複数社に同じ質問をして回答を比較・検討することです。「10-4.信頼できる不動産会社の選び方」の質問一覧を参考にして各会社を比較しましょう。

また、比較のためには、一括査定サイトを利用するのがおすすめです。一括査定サイトとは、無料で複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できるインターネット上のサービスです。

不動産売却は、仕事や家事・育児など、忙しい合間をぬって行う方も少なくありません。上手に活用することで、効率よくベストな不動産会社を選びましょう

9-2.査定サイトで重視すべきこと┃登録社数・実績数・セキュリティ

いざ査定サイトを利用しようと思って検索すると、たくさんの査定サイトが出てきます。どれにしようか迷った結果、なんとなく上にあるサイトを選ぶのはNGです。

査定サイトを選ぶ際には、以下の3つを重視しましょう。

1.登録社数
一口に不動産会社といっても、各会社の得意分野は異なります。例えば、大手であればインターネットでの幅広い広告展開が期待できますし、地域密着型であれば築年数が古くても周辺環境の魅力をアピールして売却につなげてくれる可能性があります。
大手から中小までたくさんの不動産会社が登録していれば、それだけ物件にマッチした不動産会社に出会える確率は高くなります。
2.査定依頼する会社を選べるか
登録者数も大切ですが、実際にどの会社に査定依頼するかは、自分で決めるのがベストです。
一括査定では、入力条件をもとに、候補となる不動産会社が複数表示されます。この会社の口コミや実績をリサーチした上で、依頼先を決めれば、より納得できる会社に出会えるでしょう。
3.セキュリティ
一括査定では、名前やメールアドレス等の個人情報はもちろん、資産である不動産の状況も入力する必要があります。そのため、セキュリティが整っている会社に依頼することが重要です。

9-3.おすすめの一括査定サイト

登録者数、実績数、セキュリティの安全性においてすべてを満たしているのが、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U」です。

不動産売却HOME4U

全国でも実績ある優良不動産会社に厳選し、1,800社の登録会社と提携しています。個人情報の取り扱いについても、官公庁や銀行など日本で最高峰クラスのセキュリティシステムを構築したNTTデータグループが運営しているため安心してご利用いただけます。

また最大6社の中から、さらに希望の不動産会社に絞り込んで依頼することが可能です。まずは「不動産売却 HOME4U」をお試しください。

10.不動産査定の注意点

2.不動産査定の種類」で紹介した通り、不動産査定の方法は3種類あります。それぞれ、メリット・デメリットがあるので、不動産売却の段階に応じて、使い分けましょう。

10-1.各査定のメリット・デメリットを把握しておく

AI査定(匿名査定)のメリット
インターネットを介して匿名で査定することができるため、連絡先などの個人情報を入力することに抵抗がある方でも安心して使用できます。またAIに登録された取引情報をもとに査定額を割り出すため、入力後すぐに査定額を確認できるスピーディーさもメリットです。
AI査定(匿名査定)のデメリット
AIに登録された不動産情報は、過去の取引事例をベースに算出されることがほとんどです。そのため、個別の不動産の状況は反映されなかったり、そもそも過去の事例が少なかったりして、実際の売り出し価格とは大きくかい離する可能性があります。あくまで目安の金額と捉えましょう
机上査定(簡易査定)のメリット
机上査定の依頼も、インターネット上で完結するため、時間がない方でも簡単に利用できる点がメリットです。また、不動産会社に直接査定を依頼することになるので、不動産会社とのやり取りの中で販売プランや対応の良し悪しを判断することができます
机上査定(簡易査定)のデメリット
査定結果は早ければ即日出ますが、不動産会社によっては数日かかることもあります。また、直接、物件調査を行うわけではないため、物件個別の状態や詳細な立地条件など詳細な情報は査定額に反映されません。
訪問査定のメリット
担当者が直接物件を訪問し、周辺環境や物件の状態など詳細に調査します。実際に売り出すための、もっとも信頼性の高い査定額を知ることができます。
訪問査定のデメリット
訪問日の日程調整、当日の書類準備、査定書の確認など、さまざまな作業が必要となります。また、信頼できる担当者選びのために、少なくとも2つ以上の不動産会社を比べたほうがよいでしょう。これらに対応するため、相応の時間が必要となります

なお、複数社にまとめて依頼できるインターネットの一括査定もデメリットがあります。不動産査定時には利用したい便利なサービスなため、併せて確認して、賢く使いこなしましょう。

10-2.査定価格は売却を保証する価格ではない

AI査定や机上査定はもちろん、直接物件調査をする訪問査定においても、査定価格は、売却を保証する価格ではありません。査定価格は、助言価格または意見価格とも呼ばれており、1つの意見に過ぎないということです。

あくまでも意見ですので、不動産会社によって査定価格はバラバラとなります。強気な担当者であれば高めの査定価格になりますし、逆に保守的な査定価格になるケースもあるでしょう。査定時に不動産会社がどこを見ているかは、不動産査定のポイントの記事をご確認ください。

10-3.不動産査定には営業的側面がある

査定価格は不動産会社の営業的側面も有していると理解する必要があります。

不動産会社は、査定をすることが目的ではなく、仲介の仕事をもらうことが目的で査定を行っています。
査定は目的ではなく、営業のための手段です。

査定を依頼する側からすると、安い価格で査定してくる不動産会社よりも、高い価格で査定してくる不動産会社の方が、高く売ってくれそうなので依頼したくなります。

不動産会社にとっては、査定価格は高い方が仕事を取りやすくなるため、査定価格は自然と高くなる傾向にあります。

しかしながら、売主にとって査定価格は資金計画の元となる重要な情報です。
高い査定価格を妄信して資金計画を組んでしまうと、後で住宅ローンを返せなかったというような計画に狂いが生じてしまうこともあります。

査定価格は営業的側面があり、価格が高い傾向があるため、資金計画の参考にする際は、特に保守的な低めの査定価格を参考に計画したほうが安全です。

10-4.信頼できる不動産会社の選び方

不動産査定は、不動産会社の査定価格を比較することで、はじめて意味が出てきます

もし、一社だけの査定で売却を進めたら、大きく損をする可能性もあります。そのため、複数の不動産会社の査定を受けて、査定額などをじっくり比較してから、売却依頼する会社を選ぶことが大切なのです。

これは、不動産会社選びも同様です。査定の段階では、不動産査定は大手か中小にこだわらず複数の会社に依頼し、査定結果を比較しながら最適なパートナーを絞り込んでいきましょう。比較検討の際には、下記の点に気を付けて比較することをおすすめします。

不動産会社比較チェックリスト

査定額は適切か
レスポンスは速いか
インターネット上の口コミの評判はどうか
販売実績はどの程度あるか
マンションや戸建て、土地活用など強みのある分野はあるか
物件のあるエリアに精通しているか
納得できる販売計画を提案してくれるか
インターネット広告はどの程度展開してくれるか
「囲い込み」をせず、販売活動をしてくれるか

囲い込み」については、当サイトの別記事で紹介しています。ぜひ併せてご参照ください。

11.査定書の概要と見方

査定が完了後に、不動産査定書が届きます。ここでは、査定書の概要とその見方を解説します。

11-1.査定書とは

査定書は、物件に関する不動産会社の客観的な意見を知ることができる資料です。

記述に決まったルールはないため、各不動産会社によって記載内容は異なりますが、主に「物件概要」「査定額」「売り出し方の提案」などが記載されています。査定書の作成費用は発生しません。

不動産査定書の一例

なお、似たような書類として「不動産鑑定評価書」がありますが、こちらは国が規定した不動産鑑定評価基準をもとに、有料で不動産鑑定士が作成します。

11-2.査定書の見方

査定書には見るべき点が3つあります。査定所の見方を知って、不動産会社の力量や真摯な対応が望めるかをチェックしましょう。

査定額
査定額は、相場や他社の提示額と比較してはじめて意味をもちます。相場や他社と比べて高額の場合の根拠はもちろん、安値の場合もなぜ安いのかその根拠をしっかりと確認しましょう。
売り出し方、売り出し事例
近隣の類似物件がいくらで売り出されているかの分析、またそれを根拠にどのような販売戦略をとるかは、スムーズな売却のために重要です。しっかりと取り組む姿勢がみえるか、明確な戦略を示しているかチェックしましょう。
不動産会社のコメント
不動産会社の担当者の人柄や意気込みがダイレクトに伝わる部分です。あまりにも短く、提案や意見が少ない場合は、売却活動が同じように消極的になる可能性も否めません。気になる場合は、直接担当者に連絡をとってみましょう。

12.査定前の準備│書類準備・リフォームの必要性等

ここでは、査定前にすべきこと、やらなくてよいことを解説します。しっかりチェックして万全の態勢で査定を受けましょう。

12-1.必要書類の準備

必要書類の準備訪問査定時には、より正確な査定額を出すために、「身分証明書」、「登記識別情報(権利書)」、「測量図(土地・戸建てのみ)」は、準備しておくとよいでしょう。また、設計図書や販売時のパンフレット、購入時の重要事項説明書など物件のアピールになりそうなものも揃えたいところです。

ただし、書類の準備にあたっては、不動産会社が取得や記入をサポートしてくれるため、事前にすべて揃える必要はありません。訪問査定前に必ず必要なものは何か、まずは不動産会社に確認しましょう。

不動産売却時の必要書類と取得方法を解説

12-2.アピールポイントの準備

訪問査定では、不動産会社の担当者からさまざまなヒアリングを受けます。自宅のアピールポイントはもちろん、欠陥箇所ももれなく伝えるために、「7.不動産査定(訪問査定)でチェックされるポイント」も併せてお読みください。

12-3.修繕・リフォーム・ハウスクリーニングは不要

査定前に家をリフォームする必要はありません。中古住宅の場合、自分でリフォームやリノベーションをしたいと考える買い手も少なくないからです。

また設備交換などをしても、交換費用と売却価格が見合わないこともあります。掃除やハウスクリーニングも査定額に影響することはないため不要です。下手に改善しても損することになりかねないため、まずは不動産会社に相談してから着手するようにしましょう

まとめ

いかがでしたか。
不動産の査定は、「AI査定(匿名査定)」「机上査定(簡易査定)」「訪問査定」の3種類あり、それぞれ売却のステージによって効果的に使い分ける必要があります。

また、査定は、「適正な価格で売却するため」と「資金計画を立てるため」にとても重要です。
ただし、査定額は不動産会社によって根拠が異なるため、自分で相場をつかんでおくことも、適正な価格設定のために必要となります。

不動産会社は重要なパートナーとなるため、慎重に選ぶ必要がありますが、自分自身が不動産の知識を身に着けることも「こんなはずじゃなかった」といった後悔を回避するために大変重要です。

不動産売却 HOME4U」の利用は、あなたの不動産売却を成功に導いてくれる査定サービスです。不動産売却は、最初の一歩である査定が大切です。信頼できる複数の不動産会社に査定を依頼し、不動産売却を成功させましょう。

この記事のポイント まとめ

不動産査定って何?売却に必要なの?

マイホームや土地の売却を検討しているのなら査定は必須です。詳細は「1.不動産査定とは?」をご一読ください。
また、査定は適正価格の把握や資金計画のためにも重要です。「5.不動産査定をする目的」も併せてご参考ください。

不動産査定の流れは?

不動産査定の流れは以下の通りです。

  1. AI査定(匿名査定)で目安の価格を把握
  2. 机上査定(簡易査定)を依頼
  3. 訪問査定を依頼し、訪問日を決める
  4. 現地調査
  5. 査定書が完成

詳細は「3.不動産査定の流れ」をご覧ください。また、各工程にかかる日数は「4.不動産査定にかかる時間」を参考にしてください。

査定価格はどうやって計算するの?

査定価格は、以下の3つの方法によって算出されます。

  1. 取引事例比較法
  2. 原価法
  3. 収益還元法

詳しくは「6.査定価格の計算方法」をご覧ください。また、自分で相場を調べる方法は「8.自分で相場を調べる方法」で詳しくご紹介しています。

査定書とは?何をチェックすればいいの?

査定書には、査定額はもちろん、売り出し方なども記載されていることもあります。不動産会社の客観的な意見を知ることができる貴重な情報源です。何をチェックすべきかは「11.査定書とは?見方とチェックポイント」をご覧ください。

おすすめの査定方法は?

査定額はもちろん、信頼できる不動産会社を見つけるためにも、インターネットの一括査定を利用するのがおすすめです。全国1,800の厳選した不動産会社と提携している「不動産売却 HOME4U」をぜひご活用ください。