更新日:2025.01.06 不動産売却の基礎講座, 土地売却ガイド 地積測量図とは?取得方法や内容、見方についてわかりやすく解説 土地を売買したり、相続したりする際に必要になる地積測量図は、土地面積の測量結果を表す公的な図面です。本記事では、地積測量図の詳細、取得方法や内容・見方、現況測量図や確定測量図との違いについてわかりやすく解説します。 地積測量図について正しい知識を身につけて、土地売買後のトラブルを防ぎましょう。 この記事を読むとわかること 地積測量図とは何か 現況測量図や確定測量図との違い 地積測量図の記載内容と見方 地積測量図の取得方法 「土地を売りたい」と悩んでいる方へ 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格(※)”を見つけましょう※依頼する6社の中での最高価格 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート Contents1.地積測量図とは?どのようなときに必要?2.現況測量図や確定測量図との違い3.地積測量図の記載内容と見方4.地積測量図は作成された時期によって記載方法が異なる5.地積測量図の取得方法6.まとめ 1.地積測量図とは?どのようなときに必要? はじめに地積測量図とは何か、どのようなタイミングで必要になるのかを解説します。 1-1.地積測量図とは 地積測量図とは、一筆の土地について土地面積(地積)や土地形状、位置関係、求積方法などを記載した図面のことです。 土地を分筆したときに行う分筆登記、登記簿上の土地面積を正確な面積に修正する地積更正登記、新たな土地を登記簿に記載する土地表題登記の3つのタイミングで作成されます。 地積測量図は登記所に提出する公式な図面であり、不動産登記令第2条3号では次のとおり定義されています。 不動産登記令第2条3号 地積測量図 一筆の土地の地積に関する測量の結果を明らかにする図面であって、法務省令で定めるところにより作成されるものをいう。 引用:e-Gov法令検索「不動産登記令」 地積測量図が作成されている土地であれば、所在地の管轄法務局に図面が保管されており、法務局を訪れ請求すれば誰でも確認可能です。 「確定測量」とは?費用と流れ、失敗しないための注意点を紹介 確定測量とは、土地の境界線を確定させるための測量です。 土地、もしくは 1-2.地積測量図が必要な場面 地積測量図が必要になるのは、土地の売買を行うときです。土地の境界があいまいな状態だと、買主が土地を購入後に隣地所有者と境界トラブルが起こる可能性があります。しかし、確定測量図を作成しておけば、トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。 また、不動産の相続が発生した際も地積測量図があるとスムーズです。相続税は原則相続開始を知った日(通常は被相続人が亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内に申告・納付しなければなりません。土地の相続税評価は実際の地積をベースとするため、申告・納付期限までに地積測量図を準備しておきましょう。 前述のとおり、積測量図を作成するタイミングは限られており、すべての土地で作成されているわけではありません。土地売買や相続の際に地積測量図がない場合は、土地家屋調査士に測量および図面作成を依頼する必要があります。 2.現況測量図や確定測量図との違い 測量図には、地積測量図以外にも、現況測量図、確定測量図があります。それぞれの概要は以下のとおりです。 現況測量図 現況の境界標、ブロック塀などを基準に測量し算出した土地面積を記載した図面 確定測量図 隣地所有者立ち会い(境界立ち会い)のもと調査を行い、隣地との境界を確定させた図面 専門資格である土地家屋調査士が調査・作成する点はいずれの測量図も共通ですが、取得方法や取得費用、測量の正確性などに違いがあります。下の表で3つの測量図の違いを確認しましょう。 地積測量図 現況測量図 確定測量図 取得先 法務局 測量会社 測量会社 境界の確定 作成時期による 担保されない 担保される 取得費用 1筆450円 10万円〜30万円程度 40万円〜100万円程度 測量の正確性 作成時期による 低い 高い 主な使用場面 土地の売買・相続 建物の新築 土地の売買・相続 使用目的に合わせて適切な測量図を選ぶことが大切です。 土地売却の必要書類|提出タイミングと揃え方のコツを解説 土地の売却には様々な書類が必要です。 準備する書類について事前に知って 3.地積測量図の記載内容と見方 次に地積測量図の記載内容を見ていきましょう。記載内容は不動産登記規則第77条で以下のとおり定められています。 (地積測量図の内容) 第七十七条 地積測量図には、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 地番区域の名称 二 方位 三 縮尺 四 地番(隣接地の地番を含む。) 五 地積及びその求積方法 六 筆界点間の距離 七 国土調査法施行令第二条第一項第一号に規定する平面直角座標系の番号又は記号 八 基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値 九 境界標(筆界点にある永続性のある石杭又は金属標その他これに類する標識をいう。以下同じ。)があるときは、当該境界標の表示 十 測量の年月日 引用:e-Gov法令検索「不動産登記規則」 ここでは、以下のサンプル画像をもとに記載項目ごとの内容と見方を解説していきます。 出典:盛岡地方法務局「地積測量図サンプル」 3-1.地番と土地の所在 図の右上に記載されているのが地番と土地の所在です。対象となる土地の地番と所在地の名称(市町村と町丁目)を表します。地番は土地一筆ごとに振り分けられます。一般的に用いられる住所(住居表示)と異なることがほとんどです。 3-2.基準点の凡例 図面の下には、地積を求めるにあたって基準となる境界点の凡例が記載されています。石標・コンクリート標・金属標・金属プレート標・プラスチック標といった境界標の種類ごとに記号が定められており、現地を確認しなくても境界がどのような状況になっているか推測できます。 3-3.面積の計算法 左側の求積表には、どのようにして面積を求めたのかを表す計算方法が記載されています。 地積の計算方法には、三斜求積法と座標求積法があります。三斜求積法は図面上の図形から面積を求める方法で、座標求積法は基準点の座標をもとに面積を求める方法です。2005年の不動産登記法改正以前は三斜求積法が用いられていましたが、現在はより正確に面積を求められる座標求積法を用いる決まりとなっています。図中にある「Σ」から始まる式は座標求積法を表す計算式です。 3-4.面積の結果 測量図面中の境界点の座標や境界線の長さから、上記の座標求積法で求めた面積が表形式で記載されています。求めた面積の小数第3位以下を切り捨てたものが地積となります。 3-5.測量した年月日 図面作成および地積を求めるにあたって現地を測量した年月日も必須の記載項目です。測量を行った土地家屋調査士の氏名(作成者)とともに、図面の左下に記載されています。 4.地積測量図は作成された時期によって記載方法が異なる 地積測量図の境界確定の有無や測量の正確性は、作成時期によります。これは、地積測量図が作成された時期によって記載方法が異なるためです。 現在の地積測量図は2005年の不動産登記法改正から用いられるようになったもので、前述の座標求積法による求積が主流です。求積の精度が高く、現地復元能力も高いとされています。確定測量図と同じく境界確定を前提として作られているため、不動産売買でも利用可能です。 さらに、1993年の法改正で境界標の標記が義務化されており、1993年から2005年までの間に作成された地積測量図も比較的、現地復元がしやすいとされます。ただし、座標の記載は義務ではなかったため、図面によって正確性や復元性が異なるのが実情です。 1993年以前に作成された地積測量図は、境界標が記載されていないケースも多いうえ、隣地所有者の境界立ち会いを行わずに作成されているものも少なくありません。 1977年の法改正以前のものになると測量精度自体もかなり低いといわれています。この時代に作成された地積測量図は正確性に欠け、不動産売買には使えないでしょう。 【不動産売却】土地・建物を売却する際の必要書類とは? 不動産売却の際には、さまざまな書類が必要になります。初めて土地や建物を 土地を売るには何が必要?書類・費用・必要なタイミングを解説 はじめて土地を売る場合、売却には何が必要なのか心配な方がたくさんいらっ 5.地積測量図の取得方法 不動産の売買や相続で地積測量図が必要になった場合、どのように取得すれば良いのでしょうか。3つの方法を紹介します。 5-1.法務局へ行き取得する 法務局に直接出向いて取得する方法です。現在は全国の法務局で地図・図面情報交換サービスを展開しており、物件管轄の法務局まで出向かなくても地積測量図が取得できます。 法務局で地積測量図の申請書に必要事項を記入し、土地一筆あたり450円の収入印紙を貼付して窓口へ提出すれば手続き完了です。収入印紙は法務局で購入できます。 ただし、法務局の業務時間は平日の午前8時30分〜午後5時15分までです。平日夜や土日祝日は利用できないため、注意しましょう。 5-2.インターネットで申請して法務局で受け取る 出典:「登記・供託オンライン申請システム」 インターネット上で申請し、法務局で受け取る方法です。インターネット申請は平日21時まで利用できるので、仕事が忙しく日中申請するのが難しい方にもおすすめです。 「登記・供託オンライン申請システム」から申請後、インターネットバンキングで手数料を納付し、法務局へ出向いて証明書を取得します。 窓口申請の手数料が450円であるのに対して、インターネット申請の手数料は365円と、手数料が安いのがメリットです。 5-3.インターネットで申請して郵送してもらう 「登記・供託オンライン申請システム」から申請して、指定の住所に郵送してもらう方法です。窓口受け取りだと結局法務局に出向かなければなりませんが、郵送であれば法務局に直接行くことなく手続きが完了します。 ただし、インターネット申請+窓口受取の場合と異なり、手数料は窓口申請と同じ一筆あたり450円です。 また、土地を売買する際、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。 「土地を高値で売却したい」「相性の合う不動産会社を見つけたい」という方には、NTTデータグループが運営する不動産一括査定依頼サービス「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」の利用がおすすめです。 複数社に査定を依頼することで、自身の不動産の相場価格や最安値・最高値をすばやく把握できるほか、各社の対応も比較できます。 厳選した約2,500社の不動産会社のなかから、最大6社を選んで査定依頼ができますので、まずはお気軽にご依頼ください。 【無料】一括査定依頼スタート 6.まとめ 地積測量図は土地面積や境界標の位置などを表した公的な図面です。主に土地の売買や相続にあたって、土地面積を確認するための書類として使用されています。 地積測量図は法務局の窓口に出向くか、オンライン申請システムから申請することで取得できます。 しかし、地積測量図は分筆登記や地積更正登記など限られたタイミングで作成するのが一般的なため、すべての土地で作成されているわけではありません。地積測量図がない場合は、土地家屋調査士に作成を依頼しましょう。 土地売却の相談はどこの誰にすべき?内容別に9つの相談先を解説 本記事では、土地売却の相談窓口をケース別に9つ紹介します。[cta_type_sel