土地を売るには何が必要?書類・費用・必要なタイミングを解説

土地を売るには何が必要?書類・費用・必要なタイミングを解説

はじめて土地を売る場合、売却には何が必要なのか心配な方がたくさんいらっしゃることでしょう。
売却には、「書類」と「費用」が必要です。

必要書類には用意するまでに時間もかかるものもあるため、土地を売りたいと決めたら、まずは必要書類の有無を確認することがポイントとなります。

この記事では、「土地を売る際に必要な書類と費用」について、解説していきます。
ぜひ最後までおつきあいいただき、売却活動がスムーズに進むよう、ご準備ください。

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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.土地を売るのに必要な書類と費用の一覧まとめ

土地の売却で必要な書類は、下表の通りです。

書類名 目的
権利書または登記識別情報通知書 所有権移転登記
印鑑証明書 所有権移転登記
住民票 所有権移転登記
固定資産評価証明書 所有権移転登記
本人確認書類 司法書士用
抵当権の抹消に必要な書類 抵当権抹消登記
固定資産税および都市計画税の納税通知書の写し 固定資産税清算金の計算
確定測量図 買主への引渡書類
筆界確認書・越境の覚書 買主への引渡書類

また、土地売却に要する一般的な費用は下表のようになります。

費用項目 相場
測量費 40~80万円程度
仲介手数料 400万円超なら「取引額×3%+6万円」
印紙税 1,000万円超5,000万円以下なら1万円、5,000万円超1億円以下なら3万円
抵当権抹消関連費用 抵当権抹消登記費用は不動産1個につき1,000円、司法書士手数料は1.5~2万円程度
建物取り壊し費用 木造なら150万円前後
譲渡所得税 譲渡所得が生じたときのみ発生

2章以降で、それぞれの書類や費用について、ひとつずつ説明していきます。

2.土地を売るのに必要な書類

ではまず、「土地を売るのに必要な書類」について、以下の9点を解説します。

  1. 権利証または登記識別情報通知書
  2. 印鑑証明書
  3. 住民票
  4. 固定資産評価証明書
  5. 固定資産税および都市計画税の納税通知書の写し
  6. 確定測量図
  7. 筆界確認書・越境の覚書
  8. 本人確認書類
  9. 抵当権抹消書類

それではひとつずつ見ていきましょう。

2-1.権利証または登記識別情報通知書

権利証または登記識別情報通知書は、買主に所有権移転をするために必要な書類です。
売主本人しか保有しておらず、最も重要な書類となります。

権利証とは、所有者が登記権利者として権利を取得した際に、法務局から渡されている書類です
権利証は、正式には登記済証と呼ばれます。

登記識別情報通知書とは、物権変動の登記申請を行った際、権利証の代わりに登記名義人となった申請人に対し通知された書面のことです

平成17年(2005年)3月7日より改正不動産登記法が施行されたことにより、権利証は廃止され、登記識別情報通知書になりました。

売主は、2005年3月7日より前に取得している土地であれば「権利証」、2005年3月7日以降に取得した土地であれば「登記識別情報通知書」を持っているということになります

2-2.印鑑証明書

印鑑証明書は、実印であることを証明する書面のことです。
印鑑証明書も、買主へ所有権移転登記するために必要な書類となります。

登記申請にあたっては、印鑑証明書は登記申請日前3ヶ月以内に発行されたものであることが必要です。
そのため、取得するタイミングは、引渡日前の3ヶ月以内であることが必要となります。

印鑑証明書は市町村役場で取得でき、取得費用は一般的には300円程度です。

2-3.住民票

住民票も所有権移転登記に必要な書類です。
住民票に関しては、印鑑証明書とは異なり特に取得期限はありません。
住民票は市町村役場で取得でき、取得費用は一般的には300円程度です。

尚、登記名義人の現住所が登記上の住所と異なる場合には、戸籍の附票等の住所の変遷が判明する書類が必要となります。

2-4.固定資産評価証明書

固定資産評価証明書は、所有権移転のための登録免許税を計算するために必要です。
固定資産評価証明書は市町村役場で取得でき、取得費用は一般的には300円程度となります。

尚、固定資産評価証明書も住民票と同様に特に取得期限はありませんが、年度が異なるものは使用できません

例えば、登記申請日が4月1日の場合、前年度の3月31日に発行されたものは利用できないことになります。
よって、固定資産評価証明書の発行年度は、売却年度と合わせることが必要です。

印鑑証明書や住民票、固定資産評価証明書はいずれも市町村役場で取得できますので、しかるべきタイミングでまとめて取得するようにしましょう。

2-5.固定資産税および都市計画税の納税通知書の写し

固定資産税および都市計画税の納税通知書の写しは、固定資産税精算金を計算するために必要な書類です。

固定資産税精算金とは、引渡日以降の固定資産税および都市計画税の負担を実質的に買主へ移転するために買主が売主へ支払う精算金のことです。

固定資産評価証明書には固定資産評価額は記載されていますが、固定資産税や都市計画税の税額は記載されていません。

固定資産税精算金を求めるには実際の税額が必要であるため、税額まで記載されている固定資産税および都市計画税の納税通知書の写しが必要となります。

2-6.確定測量図

確定測量図とは、全ての境界が確定されているときに発行される実測図のことです。
確定実測図と記載されていることもありますが、「確定」という2文字が入っていれば確定測量図になります。

土地の境界には、隣地との私有地との境である「民々境界」と、道路との境界である「官民境界」の2種類が存在します。
確定測量図を作成するには、民々境界も官民境界も全て確定していることが必要となります。

確定測量図が必要となる理由は、買主から確定測量図があることを引渡の条件とされることが一般的だからです

土地の境界はトラブルが多いため、境界が未確定の土地を好んで購入する人は少ないといえます。

買主は購入後のトラブルを避けるためにも、境界が確定した土地を購入したいというのが通常です。

確定測量図は法的に必要な書類というわけではありませんが、実質的に必要な書類であるとご理解ください。

法務局で取得できる地積測量図は、必ずしも境界が確定されていることが担保されているわけではないので、基本的に確定測量図の代替資料にはなりません。

また、単に「実測図」と書かれているものや「現況測量図」となっているものも確定測量図とは異なります。
確定測量図がない場合には、売却前に確定測量図を作成しておくことが必要です

2-7.筆界確認書・越境の覚書

基本的に確定測量図さえあれば問題なく売却できますが、「筆界確認書」や「越境の覚書」もあることが望ましいといえます。

筆界確認書とは、それぞれの民々境界において境界の位置を確認しあったことを示す書類のことです。

越境の覚書とは、境界上に越境物がある場合において、隣地所有者との間で「越境物の所有権」や「是正方法」等について取り決めを交わした書面になります。
越境物がない土地であれば、越境の覚書は不要です。

また、越境物が木の枝等のように簡単に是正できる場合には、越境の覚書を結ぶのではなく、枝を伐採しておく等の是正をした上で売りに出した方が印象は良いです。

越境物はない方が望ましいので、売主側で簡単に是正できるものであれば、解消しておくことをおススメします。

2-8.本人確認書類

司法書士に代理で所有権移転登記等の申請を依頼する場合、司法書士に対して本人確認書類の提示が必要となります。

本人確認書類とは、マイナンバーカードや運転免許証、パスポート等の写真付きの官公庁発行の証明書が適切です。

2-9.抵当権抹消書類

土地を担保にお金を借りており、売却代金で借金の残債を一括返済するような場合には、抵当権抹消書類が必要となります。

抵当権とは、債権者(銀行)がその抵当物件から優先的に弁済を受けることができる権利のことです。

抵当権抹消書類は、融資を受けている銀行が保有しています。
土地の引渡と同時に抵当権抹消を行う場合には、引渡の場に銀行の担当者に抵当権抹消書類を持参してもらうことが必要です。

3.土地を売るために必要な費用

続いて、「土地を売るのに必要な費用」について、以下の6点を解説します。

  1. 測量費
  2. 仲介手数料
  3. 印紙税
  4. 抵当権抹消関連費用
  5. 建物取り壊し費用
  6. 譲渡所得税

それではひとつずつ見ていきましょう。

3-1.測量費

確定測量図の作成は、土地家屋調査士に依頼します。
確定測量図の作成費用は、40~80万円程度です。
合意を得なければいけない地権者の数が多いほど、金額は高くなります。

また、筆界確認書や越境の覚書も土地家屋調査士が作成してくれます
確定測量図を依頼する際に、筆界確認書や越境の覚書の作成も依頼しておくのが無難です。

筆界確認書と越境の覚書の作成を確定測量図とセットで依頼しても、費用はほとんど変わらず40~80万円程度となります。

3-2.仲介手数料

不動産会社に土地売却を依頼すると、仲介手数料が生じます。
仲介手数料には不動産会社が受領できる上限額が定められており、その求め方は下表の通りです。

取引額 仲介手数料(別途消費税)
200万円以下 取引額の5%
200万円超から400万円以下 取引額の4%+2万円
400万円超 取引額の3%+6万円

仲介手数料には別途消費税が発生します。

3-3.印紙税

売買契約書は印紙を貼らなければならない課税文書であるため、印紙税が発生します。
印紙税は、売買契約書に記載する金額に応じて、税額が決まっています。

契約書に記載する売買金額 本則 軽減税率※
1万円未満 200円 非課税
1万円以上10万円以下 200円 200円
10万円超50万円以下 400円 200円
50万円超100万円以下 1,000円 500円
100万円超500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円 30,000円
1億円超5億円以下 100,000円 60,000円
5億円超10億円以下 200,000円 160,000円
10億円超50億円以下 400,000円 320,000円
50億円超 600,000円 480,000円
金額の記載のないもの 200円 200円

※軽減税率は2024年3月31日までの売買契約書で適用

3-4.抵当権抹消関連費用

引渡と同時に抵当権を抹消する場合、抵当権抹消関連費用が発生します。
抵当権抹消の登録免許税は、不動産1個につき1,000円です。
また、司法書士手数料は1.5~2.0万円程度となります。

3-5.建物取り壊し費用

建物を解体して売却する場合、建物取り壊し費用が発生します。
家の解体費用の相場は以下の通りです。

構造 坪単価 総額※
木造 坪4~5万円 140万円~175万円
鉄骨造 坪6~7万円 210万円~245万円
鉄筋コンクリート造 坪7~8万円 245万円~280万円

※総額は建物を35坪とした場合で計算

3-6.譲渡所得税

土地売却では、譲渡所得が発生すると所得税および住民税、復興特別所得税の税金が発生します。
譲渡所得税とは、土地売却で生じる所得税および住民税、復興特別所得税の総称です。

譲渡所得とは売却益のことであり、以下の式で計算されるものです。

譲渡所得 = 譲渡価額※1 - 取得費※2 - 譲渡費用※3

※1譲渡価額とは、売却価額です。
※2取得費とは、土地の購入額になります。
※3譲渡費用は、仲介手数料や印紙税など、売却に要した費用のことです。

取得費が分からない場合は概算取得費を用います。
概算取得費は「譲渡価額の5%」です。

税金は譲渡所得に税率を乗じて計算します。

税金 = 譲渡所得 × 税率

税率は、売却する年の1月1日時点において所有期間が5年超のときは「長期譲渡所得」、1月1日時点において所有期間が5年以下のときは「短期譲渡所得」の税率を用います。
長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率は下表の通りです。

所得の種類 所有期間 所得税率 住民税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9%
長期譲渡所得 5年超 15% 5%

復興特別所得税の税率は、所得税に対して2.1%を乗じます。

4.土地売却の流れと書類や費用が必要となるタイミング

次に、売却活動の全容を把握していきましょう。
「土地売却の流れ」と「書類や費用が必要となるタイミング」は、下図の通りです。

土地売却の流れと書類や費用が必要となるタイミング

書類が必要なタイミングは引渡時です。
主な費用として、仲介手数料の50%と印紙税は売買契約時に発生します。
引渡時には、仲介手数料の残りの50%と抵当権抹消関連費用(必要な場合のみ)が生じます。

~土地を高く売る方法~

土地を高く売るには、高く売ってくれる不動産会社を探すことが最大のコツです。

土地を高く売ってくれる不動産会社とは、「土地売却を得意としている会社」になります。
不動産会社には、「賃貸」や「投資物件」などを専業としている会社もあるので、不動産会社ならどこでも良いわけではありません。

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複数の会社から査定額の提示を受けることで、どの会社が一番高く売ってくれそうか、しかり判断できる点がメリットです。

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5.土地売却の注意点

最期に、皆さんがスムーズに売却を成功させられるよう、「土地売却の注意点」をお伝えしたいと思います。
注意点は、以下の4点です。

  1. 測量が未了の場合は早めに着手する
  2. 権利証や登記識別情報通知書を紛失している場合は早めに相談する
  3. 契約不適合責任を回避する
  4. 利用できる節税特例がないかを確認する

それではひとつずつ見ていきましょう。

5-1.測量が未了の場合は早めに着手する

土地の測量が未了の場合には、早めに着手することが注意点です。
典型的な土地売却の失敗として、確定測量図の作成が引渡日まで間に合わなかったということがあります。

一昔前はこのような失敗が多かったのですが、昨今は不動産会社が売主に確定測量図を完成させたうえで売却に臨むように助言するケースも多く、このような典型的な失敗は減ってはいます。

確定測量図がないと、確定測量図がないことを条件に買ってくれる人を探さなければならないため、結局のところ売却にも時間がかかることが通常です。
また、値引きの大きな交渉材料となってしまうことから、安く売却することにも繋がります。

そのため、土地を早く高く売るには、確定測量図を用意しておくことは、事実上、必須なのです。

確定測量図は、民々境界だけが未確定部分の場合には、争いがない限りすんなりと確定できる可能性はあります。

一方で、官民境界が未確定の場合には、争いの有無に関わらず、確定までに時間がかかることが一般的です。

官民境界の確定には、道路の反対側の地権者の同意を得る必要もあります。
また、基本的には役所仕事であるため、手続きにも時間を要するのが通常です。
官民境界の確定には、半年以上の時間がかかることもあります

確定測量図の作成に要する時間は予測しづらいため、無い場合には早めに作成に着手するようにしましょう。

5-2.権利証や登記識別情報通知書を紛失している場合は早めに相談する

権利証や登記識別情報通知書を紛失している場合、不動産会社に早めに相談することが必要です。

権利証や登記識別情報通知書がない場合は、所有権移転登記ができないため、売却するためには特殊な手続きを要します。

権利証や登記識別情報通知書を紛失した場合の対処方法は、以下の3つがあります

  • 事前通知制度
  • 本人確認情報の提供制度
  • 公証人による本人確認制度

上記の対処には、いずれも司法書士の協力が必要です。
司法書士は、通常、不動産会社が手配することになりますが、不動産会社は権利証や登記識別情報通知書がないことを司法書士に伝え、司法書士に然るべき対処を取ってもらうことになります。

事前通知制度とは、「登記済証(権利証)」また「登記識別情報通知書」を提供できないことについて「正当の理由」がある場合、その理由を申請書に記載して所有権移転の登記申請をする制度のことです。

引渡の前に手続きが必要であり、法務局から「事前通知」と呼ばれる書類が届くことから、事前通知制度と呼ばれます。

本人確認情報の提供制度とは、司法書士等の資格者代理人が登記申請をする場合で、登記名義人本人であることを確認したことについて本人確認情報が提供され、登記官がその内容を相当と認めたときは「事前通知制度」が省略できる制度です。

公証人による本人確認制度とは、公証人が登記名義人本人であることを確認して、委任状等に認証文を付して認証する制度になります。

「事前通知制度」や「本人確認情報の提供制度」等は、どれを選択するかによって売却のスケジュールや売主の負担する費用も異なってきます。

土地売却全体に関わってくる内容ですので、不動産会社と司法書士とよく相談した上で、対処法を決めるようにしましょう。

5-3.契約不適合責任を回避する

土地の売却でも契約不適合責任については、しっかりと回避することが注意点になります。
契約不適合責任とは、「契約の内容に適合しない場合の売主の責任」のことです。

契約不適合責任は、契約内容とは異なるものを売ったときに売主が売却後に買主から追完請求(主に修繕の請求)や契約解除、損害賠償といったことを問われる責任になります。

契約不適合責任を回避すべきものというと、例えば「雨漏り」とか「家の傾き」等のように建物に関する不具合をイメージする人が多いです。

しかしながら、土地においても契約不適合責任を回避すべき内容は存在します。
土地売却で契約不適合責任を意識すべきポイントは、「土壌汚染」と「地下埋設物」、「境界または越境」の3つです

例えば、実際には土壌汚染があるのに土壌汚染がないものとして売却してしまうと、契約不適合責任を問われることになります。

土壌汚染等に関して契約不適合責任を回避するには、売買契約書に容認事項を付記することがポイントです。
土地売却に関する容認事項の記載例をしては、以下のようなものが挙げられます。

【容認事項の例】

土壌汚染
本件土地は土壌汚染の可能性はありますが、買主はそれを容認の上、本契約の売買代金で購入するものとし、売主は契約不適合責任を負わないものとします。
地下埋設物
買主は、本物件土地に浄化槽が埋設されていることを容認のうえ、本物件を買い受けるものであり、本件について売主に一切の異議・苦情等を申し出および契約不適合責任を問わないものとします。
境界・越境等
本件土地は隣地境界の立合いおよび植栽・フェンス等の越境の是正は行わずに現況にて引渡しますが、買主は売主に対して契約不適合責任を問わないものとします。

上記のように、売買契約書に懸念事項を記載しておけば、売却後に契約不適法責任を問われることはありません。

特に、土壌汚染や地下埋設物は売却時点では売主自身も有無を把握できていないことが多いです。
土壌汚染や地下埋設物の場合、「ひょっとしたら存在するかもしれない」というリスクがあるため、売買契約書に容認事項をしっかりと記載しておくことがポイントです。

5-4.利用できる節税特例がないかを確認する

土地売却では、利用できる節税特例がないかを確認することも注意点です。
税金に関しては、マイホームの売却では節税できる特例が多く用意されていますが、土地の売却では利用できる特例が少ないという特徴があります。

節税特例は、譲渡所得から一定額を控除できる「特別控除」制度のタイプが多いです。
特別控除を利用した場合の譲渡所得は以下のように計算されます。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 ― 譲渡費用 - 特別控除額

特別控除額を差し引くことで譲渡所得が小さく計算されるため、税金が節税できます。

土地の売却で利用できる可能性のある特例としては、下表のようなものが挙げられます。

特例(一般名称) 控除額 国税庁HP
相続空き家の特例 3,000万円 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
マイホーム解体後の特例 3,000万円 No.3302 マイホームを売ったときの特例
取得費加算の特例 取得費に加算する相続税額 No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
低未利用土地等の特例 100万円 No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除
平成21年及び平成22年に取得した土地の特例 1,000万円 No.3225 平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特別控除

それぞれの特例を利用するためには、一定の要件を満たすことが必要です。
税金が発生しそうな人は、利用できる特例がないか確認してみてください。

まとめ

いかがでしたか。

土地を売る際に必要な書類の中には、作成に時間がかかるものも含まれますので、早めに準備を開始することが重要です。
適切な書類がそろわないと、値引き交渉の材料にされるなど、高額売却への支障となる可能性が出てきますので、十分に注意してください。

必要なものの準備と並行して、「不動産売却 HOME4U」をうまく活用し、一番高く売ってくれそうな不動産会社探しも進めてみてください。
皆さんの売却活動が、スムーズに進むことを願っています。

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