
この記事では、家を売るための一通りの流れについて解説しています。
一戸建てを売りたい方はこちらも合わせてご覧ください。
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井口 梓美
Contents [目次を表示]
家を売る完全ガイド!この記事のポイントまとめ
不動産会社に家の売却を依頼すれば、不動産の知識がない方でも家を売れるでしょう。
しかし、家の売却で後悔しないためには、売主自身が情報収集を行い、不動産売却の知識を持っておくことが大切です。
家を売る方法は、大きく分けて次の3つです。
- 不動産会社に仲介を依頼し買主を探してもらう
- 不動産会社に家を買い取ってもらう
- 自分で買主を探して個人間売買を行う
それぞれ特徴が異なるので、家を売る方法について詳しく知りたい方は「1.家を売る方法」をご覧ください。
家が売れやすい時期や、売却のスケジュールなどについては、「2.家が売れる時期と築年数」「3.家を売る手順」「4.不動産を売るのにかかる期間」で解説しています。
また、家を売る際にかかる費用や税金を確認しておくことも重要です。
家を売る際にかかる費用・税金
- 仲介手数料
- 抵当権抹消登記費用
- 抹消登記を依頼する司法書士への報酬
- 印紙税
それぞれ必要になるタイミングは異なるため、詳細は「5. 家を売るときにかかる費用・税金」をご覧ください。
家をより高く売るために知っておくべきことや、不動産会社の選び方については、「8-1.家をより高く売るためのポイント」「9.自分に合う不動産会社の選び方について」で詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。
今すぐ家を売却したい場合は、ぜひ売却したい地域を選択し、無料で一括査定をご依頼ください。
1.家を売る方法
家を売る方法には、主に以下の3パターンがあります。
それぞれ詳しく解説します。
1-1.仲介
仲介は、不動産会社を介して売却を行う、最も一般的な方法です。仲介手数料が発生しますが、買取より高く売却できる傾向にあります。
不動産仲介を利用して家を売却する場合は、平均的な期間として、マンションで3カ月、一戸建てで6カ月ほどかかります。
1-2.買取
買取は、家を不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。仲介手数料がかからず、最短1週間前後で現金化できるため、家を早急に手間なく売却したい方に向いています。
ただし、仲介で売却する場合の7~8割程度の価格で取引されるのが一般的で、仲介よりも得られる金額が少ない傾向にあるため注意が必要です。
なお、不動産買取と仲介の違いをより詳しく知りたい方は「不動産買取と仲介の違いって何?」をご覧ください。
1-3.個人間売買
個人間売買は、不動産会社を通さず、個人同士で家の売買を行う方法です。個人間売買であれば、自身で買主を探すことができます。
仲介手数料が発生しない点はメリットですが、トラブルが発生するリスクが高いため、初心者にとっては難しい方法です。
家を売るのが初めての方は、仲介または買取を選択すると安心です。
以下のボタンから、簡単に査定依頼できます。
ローンが残っている家は売れる?FAQを先に読みたい方はコチラ!
2.家が売れる時期と築年数
家の売却には繁忙期と人気の築年数があります。
2-1.【季節】家を売る繁忙期は3月
不動産取引には繁忙期と閑散期があります。 特に3月は、転勤・進学などにより新年度に向けて住み替え需要が高まり、取引量が増加します。
一方で、1月・8月あたりは取引量が少なく、不動産業界における閑散期です。
3月や9月を狙って売り出すのであれば、遅くとも2月、8月には査定を済ませて売り出し準備を始めましょう。
2-2.2025年(令和7年)2月は住宅価格の高騰が継続中
近年は、以下のようなさまざまな要因によって物価上昇や住宅需要増が起こり、住宅価格も上昇傾向が続いています。
- 日本銀行の利上げによる住宅ローン金利の変動
- ウッドショック(木材の不足による価格高騰)
- 円安
国土交通省のデータによると、2010年(平成22年)の平均不動産価格を100としたときの2024年(令和6年)4月の住宅総合指数は、140.1でした。
特にマンションは200.2と、2010年(平成22年)の2倍の水準で推移しており、住宅地や戸建て住宅も2010年(平成22年)から15%程度価格が上昇している状況です。
出典:不動産価格指数(令和6年10月・第3四半期分)|国土交通省. 2024-12-27.(参照2025-02-03)
地域によっては戸建て住宅の価格が一段落しているようですが、2025年(令和7年)もしばらくは不動産価格が高い状態が続くと考えられます。
2-3.【築年数】築25年以内の家が人気
過去の不動産取引における築年数別のデータを見ると、戸建てでは建物の構造を問わず、築25年以内までが人気です。
以下は、首都圏における築年数別の成約物件と在庫物件の割合を示したグラフです。
築20年以上、あるいは築25年あたりから在庫割合が上回っており、供給過多の状況が読み取れます。
出典:“築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)”. 公益財団法人 東日本不動産流通機構. (参照2025-02-03)
どのような家が売れやすいのか知りたい方は「売れやすい家の条件は5つ!家をスムーズに売却する手順を伝授」をご覧ください。
3.家を売る手順
家を売る手順は、上図のように8つの段階を踏みます。
家の売却にかかる期間は、前述のとおり、マンションなら3カ月、戸建てなら6カ月程度が平均です。家を売却する流れを知っていれば、スムーズに進められるでしょう。
マンションの売却にかかる期間の目安については「マンション売却の平均期間は?早く売るコツ・売れない時の対策を大公開」で紹介しています。
3-1.事前準備を始める
事前準備をしっかり行うことで、売却を円滑にすすめられ、売却後の悔いが残りにくくなるでしょう。
具体的には、家の査定を依頼する前に、以下の準備を行います。
3-1-1.住宅ローンの残高を確認する
住宅ローンを払い終えてない方は、住宅ローン残高を確認しましょう。
家を売却する際には、原則として決済時に住宅ローンを完済しなければなりません。
3-1-2.売却相場を調べておく
できる範囲で構わないため、自分で売却相場を調査しておきましょう。おおまかな売却相場を把握していれば、不動産会社の査定価額を比較する際の目安になります。
直近の売却相場や、相場の調べ方については「【2025年2月調査】最新の家売却相場はいくら?相場の調べ方と築年・エリア別の動向」をご覧ください。土地の売却をする方は、公示価格も併せて確認することで、相場価格を知るうえで参考になります。
3-1-3.売却の希望を明確にしておく
「いくらぐらいで売りたい」「いつまでに売りたい」といった、売却の希望を明確にしましょう。時間的な余裕がないと、安売りせざるを得ない状況に陥ることになります。したがって、可能な限り余裕を持った見通しを立てるのがポイントです。
3-1-4.できる限り書類を準備しておく
査定や売却に必要な書類は、不動産会社のサポートを受けながら準備することもできますが、あらかじめ自分で準備しておくと、その後の進行がスムーズになるでしょう。
必要書類については、「6-1.不動産会社に査定を依頼するときに必要な書類」をご覧ください。
3-2.不動産会社に査定依頼する
近隣の不動産や、似た条件の不動産の取引を参考に、売却価格の相場をおおまかに把握したうえで、不動産会社に家の査定を依頼しましょう。
なお、査定額は不動産会社によって変動します。そのため、査定は複数の不動産会社に依頼するのがポイントです。また、査定額だけではなく、査定時の不動産会社の対応も慎重に比較しましょう。
家の相場を知りたい方、家を買い替えたくても資金がないという方は、一度不動産会社に相談してみてください。正確な査定額を知ることで、資金計画を立てやすくなります。
一括査定を利用して適正な価格で売り出し、売却に成功した実例をご紹介します。
~マンション編~

- 京都府京都市 Kさん
- 築34年のマンションを購入時と同額で売却
築34年のワンルームマンションを「不動産売却 HOME4U」で一括査定しました。
すぐに6社から連絡がありましたが、200万円ほど査定額に幅が。
査定額だけで判断せず、的確なアドバイスをもらえた大手不動産会社と契約しました。
その結果、購入時と同額で売却に成功。
不動産会社の営業担当の方が「築古でも投資用として需要がある」と言ってくれたため、安心して取り引きができました。
築年数 | 約34年 |
---|---|
間取り | 1K |
売却までの期間 | 約2か月 |
同じ物件でも、不動産会社によって査定額に数百万円の差が出ることもあります。「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」で複数社に査定依頼をして査定額を比較すれば、物件の最高価格を知ることができるでしょう。
まだ家を売却するか迷っている方は、個人情報の入力なしで査定依頼できる匿名査定やAI査定もおすすめです。詳しくは「登録不要・個人情報なしでマンション査定をして売却額を知る方法」をご覧ください。
戸建ての査定について詳しくは「戸建ての査定は何を見られているの?価格の決まり方も解説」をご覧ください。
3-3.媒介契約を結ぶ
査定額や不動産会社の対応などをもとに、売却を依頼する不動産会社を選定します。不動産会社を決定したら、媒介契約を結びましょう。
3-4.売却活動・内覧対応・販促
媒介契約を結んだあとは、買主を探すために不動産会社が売却活動を行います。具体的には、インターネット上や店頭に広告を出す、チラシを投函する、といった方法が挙げられるでしょう。
広告やチラシに表示する売り出し価格は、査定額や売却相場を参考に売主自身が決めます。
そして、購入希望者が現れたら家の内覧を行います。家に住みながら売却活動を進める場合には、売主が内覧対応をするため、準備を怠らないようにしましょう。
3-5.売買契約を結ぶ
買主が見つかったら、売買契約を結びます。宅地建物取引士が行う重要事項説明で契約の条件を確認しましょう。
一度結んだ契約は簡単に覆せないため、不明点は契約を結ぶ前に確認することが大切です。
3-6.引っ越し・退去
売買契約を締結したら、引き渡しまでに引っ越しと退去を完了させる必要があります。新居が未定(もしくは入居できる時期がまだ先)の場合は、仮住まいを手配しましょう。
売買契約の締結から引き渡しまでの期間は通常1カ月程度のため、それほど猶予はありません。引き渡し前に焦ることがないよう、引っ越し会社の手配や引っ越しに伴う各種変更手続きなどは、売却活動と並行して進めておくことをおすすめします。
新居への引っ越しにあたっては「新居への引っ越しをスムーズに進めるには?費用やトラブルへの対処法も解説」の記事も参考にしてください。
3-7.引き渡しを行う
引き渡しを行う際には、原則として、代金の決済や所有権移転手続き、抵当権の抹消手続きを同時にしなければなりません。そして、これらの手続きが終了次第、売主から買主に物件を引き渡します。
引き渡しがスムーズに行えるように、内覧対応前に大きな家具やごみを処分しておくとよいでしょう。
3-8.確定申告を行う
家を引き渡したら、確定申告を翌年2月16日~3月15日の間に行いましょう。これにより、税金を抑えられる可能性があります。
確定申告については、以下の関連記事もご覧ください。
関連記事
家を売る手順がわかったら、売却相場を調べたうえで不動産会社に相談してみましょう。 売却について相談ができる不動産会社に心当たりがない方は、「不動産売却 HOME4U」をご利用ください。
NTTデータグループが23年運営する「不動産売却 HOME4U」では、マイホームの売却や遠方の実家を売りたいときも、インターネットで簡単に査定の申し込みができます。
信頼できる優良な不動産会社を探すなら「不動産売却 HOME4U」をぜひご活用ください。
4.家を売るのにかかる期間
家を売るのにかかる平均期間は、マンションだと3カ月、戸建てだと6カ月程度とされています。一方で、なかなか購入希望者が現れず、1年以上かけてようやく売れるケースもあります。
そこで本章では、家が売れるまでの期間を以下の3パターンに分けて、それぞれの流れを紹介します。
4-1.3カ月で家を売る流れ
家を3カ月程度で売却するには、必要書類の収集や不動産会社への査定依頼を速やかに行い、検討から2週間程度で不動産会社と媒介契約を締結するのが理想です。
売却活動中の内覧や問い合わせに柔軟に対応できれば、1カ月半~2カ月程度で買主が決定する可能性が高いです。そして、契約締結後から1カ月程度で新居への引っ越しを済ませ、速やかに買主へと引き渡しましょう。
なお、東日本不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」によると、レインズ登録をしてから売買契約が成約に至るまでの平均日数は、中古戸建てが97.3日、中古マンションが85.3日でした。
3カ月で引き渡しまで完了させるには、入念な事前準備やこまめな書類チェックなどが欠かせません。スピーディーな売却を実現したい方は、このあと紹介する「8.家をより高く、早く売る6つのポイント」を参考にしましょう。
4-2.6カ月で家を売る流れ
続いて、売却期間6カ月の流れを紹介します。
事前準備を始めて不動産会社に査定依頼をするまでが2週間程度、さらに媒介契約を締結するまでに2週間程度かかると、ここまでで約1カ月かかるイメージです。
売却活動開始後から3~4カ月程度かけて広告出稿などの販促活動や内覧対応を行い、購入希望者が現れたら、売買契約を締結します。
そして、売買契約締結から引っ越し・退去や引き渡しが完了するまでに1~2カ月程度かかることを想定すると、すべてのプロセスが完了するまでに6カ月程度かかる計算になるでしょう。
4-3.1年以上かけて家を売る流れ
売却活動を開始したものの、なかなか成約につながらず、検討開始から引き渡しまで1年以上かかるケースもあります。
事前準備から不動産会社への査定依頼を経て、媒介契約を締結するまでの期間は、売却期間6カ月のケースと変わらず1カ月程度です。
しかし、売却活動開始から売買契約締結までにかかる期間がこれまでと大きく異なります。
売却活動を行ってもなかなか成約に至らず、不動産会社の担当者と売り出し価格や広報戦略の練り直しなどを行いながら、10カ月以上かけてようやく売買契約を締結するイメージです。
契約締結から引き渡しまでの期間は、前述のケースと同じく1~2カ月程度が見込まれます。
売却までに1年以上かかってしまうと、資金計画や新居探しにも影響が出ることになりかねません。スムーズな売却を実現するには、このあと紹介する「8.家をより高く、早く売る6つのポイント」の実践をおすすめします。
5.家を売るときにかかる費用・税金
家の売却には、以下のような費用と税金がかかります。
名称 | 金額や計算方法など |
---|---|
仲介手数料 |
取引価格400万円超の場合 取引価格×3%+6万円(税別) |
抵当権抹消登記費用 | 不動産1個につき1,000円 |
抹消登記時の司法書士への報酬 | 1万円~2万円程度 |
印紙税 |
1,000万円超5,000万円以下の契約の場合は1万円 ※2027年(令和9年)3月31日までの軽減措置 |
譲渡所得税 |
住民税や所得税 ※最高3,000万円の特別控除あり |
引っ越し代 | 荷物の量や行き先によって変動 |
出典:“不動産売買契約書の印紙税の軽減措置”. 国税庁
“土地や建物を売ったとき”. 国税庁. (参照2025-02-03)をもとに、HOME4Uが独自に作成
本章では、上記の費用・税金のうち、以下の3つについて補足します。
5-1.仲介手数料
仲介手数料は、不動産会社が買主を紹介してくれたことに対して支払う手数料のことを指します。
取引価格ごとに、以下のように仲介手数料の上限が決められています。
【仲介手数料の上限額】
取引価格(税別) | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下の金額 | 5%以内の額(+消費税) |
200万円~400万円以下の金額 | 4%以内の額+2万円(+消費税) |
400万円を超える金額 | 3%以内の額+6万円(+消費税) |
出典:“宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額”. 国土交通省. (参照2025-02-03)をもとに、HOME4Uが独自に作成
例えば、取引価格1,000万円の場合の仲介手数料は、「1,000万×3%+6万円=36万円(税別)」となります。
仲介手数料について詳しくは「仲介手数料っていくら必要なの?」をご覧ください。
5-2.譲渡所得税
家を売って購入時の金額よりも高く売れた場合は、譲渡所得税として所得税や住民税がかかります。
譲渡所得税は、物件の所有期間によって税率が変わります。具体的には、不動産を売却した年の1月1日現在で、その土地や建物の所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」に、5年以下の場合は「短期譲渡所得」の税率が適用されます。
課税方法 | 税率(所得税) | 税率(住民税) |
---|---|---|
長期譲渡所得(所有期間5年超) | 15% | 5% |
短期譲渡所得(所有期間5年以下) | 30% | 9% |
出典:“土地や建物を売ったとき”. 国税庁.(参照2025-02-03)をもとに、HOME4Uが独自で作成
したがって、家の売却で税金を抑えたい場合は、6年以上住んでからの売却がおすすめです。
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5-3.税金の控除と確定申告
家を売却した場合、確定申告を行うと税金の控除が受けられます。
確定申告は、翌年2月16日~3月15日の間に行う必要があるため、忘れないようにしましょう。
なお、家を売却した際に受けられる特例には、以下のようなものがあります。
-
節税のための特例:
- 3,000万円の特別控除の特例
- 軽減税率の特例(所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合)
- 買換え(交換)の特例
- マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
- 特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
税金が還付される特例:
これらの特例を受けるためには、一定の条件を満たす必要があるので、事前に確認しておきましょう。
その他の特例に関しては「マイホーム売却で使える5つの特例とは?損をしないための節税テクを伝授」で解説しています。
また、税金や費用を考慮した手取り額をシミュレーションしたい方は「マンション売却シミュレーションとは│手取り(手残り)額や査定方法も解説」をご覧ください。
6.家を売る際に必要な書類
家の売却時に必要な書類は、家のタイプや状況などによって異なります。何を用意すればいいかわからない場合は、不動産会社に相談しましょう。
本章では、必要書類を以下の2つに分けて解説します。
6-1.不動産会社に査定を依頼するときの必要書類
机上査定・訪問査定のいずれの方法でも、資料が多いほうがより正確な査定価格を見積もりできます。
書類がなくても受けられる簡単な査定もありますが、準備できるものはできる限り準備しておくとスムーズです。
▼不動産会社に査定を依頼するときに必要な書類 | ||||
チェック | 書類の名称 | マンション | 一戸建て | 土地 |
---|---|---|---|---|
登記事項証明書(登記簿謄本) | 〇 | 〇 | 〇 | |
売買契約書 | △ | △ | △ | |
物件購入時の重要事項説明書 | △ | △ | △ | |
登記済権利証または登記識別情報 | 〇 | 〇 | 〇 | |
確定測量図・境界確認書 | - | 〇 | 〇 | |
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書 | 〇 | 〇 | 〇 | |
物件の図面 | 〇 | 〇 | - | |
設備の仕様書 | △ | △ | - | |
建築確認済証および検査済証 | - | △ | - | |
建築設計図書・工事記録書 | - | △ | - | |
マンションの管理規約または使用細則 | 〇 | - | - | |
マンション維持費関連書類 | 〇 | - | - | |
耐震診断報告書 | △ | △ | - | |
アスベスト使用調査報告書 | △ | △ | - |
上記のチェックリストは、こちらからPDFとしてダウンロード可能です。必要な書類を確認する際にぜひご活用ください。
必要書類は物件種別(一戸建てかマンションか)によって異なるので、査定依頼した不動産会社にアドバイスを受けながら書類をそろえましょう。したがって、親身になってくれる不動産会社を選ぶことをおすすめします。
6-2.買主に引き渡しをするときの必要書類
買主に物件を引き渡すときには、以下のような書類が必要です。
▼買主に引き渡しをするときの必要書類 | ||||
チェック | 書類の名称 | マンション | 一戸建て | 土地 |
---|---|---|---|---|
本人確認書類 | 〇 | 〇 | 〇 | |
実印 | 〇 | 〇 | 〇 | |
印鑑証明書 | 〇 | 〇 | 〇 | |
住民票 | 〇 | 〇 | 〇 | |
銀行口座の通帳(銀行振り込み先情報) | 〇 | 〇 | 〇 | |
ローン残高証明書または返済予定表 | 〇 | 〇 | 〇 | |
物件のパンフレット | △ | △ | - |
上記のチェックリストは、こちらからPDFとしてダウンロード可能です。必要な書類を確認する際にぜひご活用ください。
不動産売却の必要書類については「不動産売却の必要書類はこれでバッチリ!全ての書類を一挙紹介」をご覧ください。
すぐに資料をそろえられなくても、申し込みができる査定もある!
「不動産売却 HOME4U」は、住所と簡単な物件情報を入力するだけで、査定の申し込みが可能です。
一回のお申し込みで最大6社の不動産会社に査定依頼ができるので、会社の比較が簡単にできます。「不動産売却 HOME4U」で、信頼できるパートナーを見つけましょう。
7.家を売るときにやってはいけないこと
家の売却での後悔を避けるには、不動産売却でやってはいけないことを理解しておく必要があります。
ここでは、家を売るときにやってはいけないことを3つのタイミングに分けて紹介します。
7-1.家を売る際にやってはいけないこと【売却前編】
はじめに、家を売る前にやってはいけないことを解説します。
7-1-1.複数の不動産会社を比較せず仲介を依頼する
売却をスムーズに進めるには、仲介を依頼する不動産会社選びも重要です。
不動産の査定価格には、数百万円以上の差が出るケースもあるため、複数社で比較しないと損をするおそれがあります。
少なくとも3社以上を比較して、少しでも好条件での売却を叶える不動産会社を選びましょう。
その際には、査定額はもちろん、担当者の対応の質、レスポンスの良さなども比較するのがポイントです。
また、戸建てを売りたいなら戸建て、マンションを売りたいならマンションの売却実績数も確認しましょう。
7-1-2.「仲介」と「買取」のどちらで売るか決めていない
家を売る方法には「仲介」と「買取」があります。
「仲介」とは、不動産会社を介して家を売る方法です。
購入するのは不動産会社以外の買主で、不動産会社は売買をサポートする役割を担います。
「買取」とは、不動産会社が売主から家を購入する方法です。
直接取引となるため、「即時買取」とも呼ばれます。
「仲介」は高く売れる点が大きなメリットです。
その反面、「売れるまでに時間がかかること」と「仲介手数料が発生すること」がデメリットになります。
「買取」は早く売れる点がメリットですが、価格が仲介の7~8割程度になるのがデメリットです。
どちらで売却するか決めてから売らないと、時間や労力が無駄になったり、資金計画が狂ったりするおそれがあるため注意が必要です。
7-1-3.媒介契約の種類を知らずに仲介を依頼する
不動産会社と結ぶ媒介契約の種類を知らずに仲介を依頼してしまうと、売却活動が滞るおそれがあります。
媒介契約には「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」の3つがあります。これらの違いについては、下図のとおりです。
しかし、仲介手数料を確保したい不動産会社の都合上、専任媒介契約か専属専任媒介契約を勧められる可能性もあります。不動産会社に押し切られて契約の種類を決めることがないよう、事前に契約方法を検討しておきましょう。
また、契約時には売買契約書の内容をきちんと確認しておくことも重要です。
特に代金の支払い日などに誤りがあると、契約後に大きな問題が生じます。
売買契約書は人の手で作成されるため、不備や誤りがある可能性もあると心得ておきましょう。
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7-1-4.自己判断でリフォームや解体工事を行う
売却前に自己判断でリフォームや解体工事をしないようにしましょう。
家の資産価値を高めるため、売却前にリフォームを検討する方もいるでしょう。
しかし、「できるだけ安く購入して、あとから自分好みにリフォームしたい」「リフォームや解体の工事費で売値が上がるくらいなら、劣化した状態でも安く買いたい」という購入希望者も少なくありません。
どうしてもリフォームをしたいという場合には、買主のニーズを熟知する不動産会社と相談しながら決めることをおすすめします。
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7-1-5.住宅ローン完済のめどが立たないのに売り出す
家の売却を検討する際は、売却益で住宅ローンが完済できるかを確認しておきましょう。
住宅ローンが完済できなければ、抵当権の解除ができません。
抵当権が付いたままの家が購入される可能性はほぼないので、実質的にその家は売却が困難になります。
そのため、住宅ローン完済のめどが立たないのに売り出すのは、売却失敗のリスクが高い のです。
住宅ローンの完済前に家を売却するには、金融機関に相談し、一括返済をして抵当権を外す必要があります。
特にローン残高が売却価格よりも高い、いわゆるオーバーローン状態の場合には、注意が必要です。
住宅ローンを手持ち資金で完済できない場合は、旧居の売却金額の決済と同時に完済手続きや抵当権抹消登記・所有権移転登記をしてから、物件の引き渡しを行います。
つまり、家を売るなら原則、引き渡しまでに住宅ローンを完済しなければならないのです。
住宅ローンが残っているものの住み替えをしたい、という場合には、住み替えローンの利用も検討するとよいでしょう。住み替えローンとは、旧居のローン残債と新居の購入金額を併せて借り入れできるローンのことです。
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7-1-6.相場よりはるかに高値で売り出す
家の売り出し価格を相場よりはるかに高く設定して売り出すと、売れ残るおそれがあります。
家の売り出し価格は、相場より10%程度高めに設定する必要があります。
購入希望者から値下げ交渉を求められる可能性があるからです。
そのため、売り出す前に相場をしっかりと把握しておく必要があります。
家の相場は、「レインズマーケットインフォメーション」で確認が可能です。
なお、家の相場は以下3つの条件によって変わることに注意してください。
- 立地
- 築年数
- 時期
売却する家の所在エリアの相場や、築年数によってどのくらい価格が下がるかを確認しましょう。
売却時期によっても相場は変動します。
たとえば、新生活を前に住宅需要が高まる2月や3月は高値が付きやすい傾向にあります。
適正価格で売り出せるよう、売る前に相場を確認しておきましょう。
7-2.家を売る際にやってはいけないこと【売却中編】
ここでは、家の売却中にやってはいけないことを解説します。
7-2-1.家の問題点を隠して売却する
「建物や内装が破損している」「付近に騒音や悪臭を発生させる施設がある」といったその家の問題点を隠して売却してはいけません。
売却後に問題が発覚した場合、売主は買主から「契約不適合責任」を問われます。
契約不適合責任を問われると、補修費や損害賠償の請求、契約解除に応じる必要があるのです。
不動産の取引では、こうした家の問題点を「瑕疵」と呼びます。
瑕疵には以下の4種類があります。
売却後のトラブルのリスクを減らすためには、ホームインスペクションを実施するのがおすすめです。
ホームインスペクションでは、住宅診断士(ホームインスペクター)が外壁、屋根、建物内部、床下に至るまでを細かく調査します。
また、売却する中古不動産にアスベストの使用有無に関する調査結果記録がある場合、買主への説明義務があります。2025年(令和7年)現在、アスベストの使用は全面的に禁じられていますが、2006年(平成18年)以前に建築された家にはアスベストが使われていることがあります。
アスベストの使用は重大な健康被害につながるため、必ず説明するようにしましょう。なお、買主へ説明を行うのは、売主ではなく宅地建物取引士です。
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7-2-2.不動産会社に定期的に進捗を確認していない
定期的に不動産会社に連絡し、こまめに状況をうかがわないと、進捗の報告をもらえないおそれがあります。
特に「一般媒介」を契約した場合は注意が必要です。
一般媒介は、不動産会社による活動報告が義務付けられていません。
宅地建物取引業法34条によって、専任媒介は2週間に1回以上、専属専任媒介は1週間に1回以上の報告が義務付けられています。
一般媒介で不動産会社へ仲介を依頼した場合は、放っておくと連絡がこないおそれがあるので、定期的に売主から連絡し、こまめに状況をうかがう必要があります。
7-2-3.内覧の準備や当日対応をないがしろにしている
売却活動中は、購入希望者にしっかりと物件の魅力をアピールできるよう、内覧の準備や内覧当日の対応を行いましょう。
内覧で良い印象を得られない場合、買手はその家を購入しないでしょう。したがって、トイレや浴室、キッチンなどの水回りを内覧前に入念に掃除し、空調や照明などの設備に不具合がないかを確認しておくことが大切です。
購入希望者をもてなす意識で、物件の魅力を最大限アピールしましょう。
7-3.家を売る際にやってはいけないこと【売却後編】
ここでは、家が売れた後にやってはいけないことを解説します。
7-3-2.引き渡しの準備をしていない
売買契約時に、設備の修理などをする旨を約束した場合は、それらを引き渡し日までに完了できるよう、余裕をもって取りかかりましょう。
また、可能な範囲で掃除を行い、きれいな状態で引き渡しができるように心がけてください。
引き渡し時に不用品が残っているのもトラブルの原因になります。
不用品は引渡し日の前日までに必ず処分しましょう。
不用品は売主が処分する義務を負います。
基本的には、「付帯設備表」に記載されていない物は、すべて不用品として処分しないといけません。
付帯設備表とは、住居と一緒に引き渡す設備を記載した書類です。
こうした書類にも不備があると引き渡しを行えないことがあるため、不動産会社の担当者が準備した内容に不備がないかを確認してもらいましょう。
居住中の家を売却する際は、引き渡し日までに引っ越しをします。
場合によっては、引っ越しの準備や引っ越し会社の手配を売買契約よりも前に始める必要があるので注意しましょう。
不動産売却の全体の流れについては「不動産売却時の決済から引き渡しまでの流れ!必要な書類と持ち物も解説!」で紹介しているので、併せてご覧ください。
7-3-2.売却益が出たのに確定申告を忘れている
家の売却で利益が出ると譲渡所得税がかかるため、確定申告の義務が発生します。
申告を忘れた場合は、ペナルティとして「無申告加算税」が課されます。
50万円までは15%、50万円を超えると20%が納税額に上乗せされるため、注意が必要です。
4章で紹介したような特例を利用する場合も、売却した翌年2月16日~3月15日の間に申告を行いましょう。
不動産売却の確定申告については「不動産を売却したら、どんなときに確定申告が必要なのでしょうか?」をご覧ください。
8.家をより高く、早く売る6つのポイント
家を売る際には、誰もができるだけ高く・早く売りたいと考えるでしょう。そこで本章では、自宅を売却するおすすめの時期や家の印象アップの方法などを、6つのポイントに分けて紹介します。
8-1.家をより高く売るためのポイント
ここでは、家をより高く売るための3つのポイントを解説します。
8-1-1.売主自身が売却相場を把握し判断材料にする
「売り出し価格」「値下げ幅」などを決定するうえで、売却相場は大きな目安となります。
売主自身が売却相場を知っていれば、適切な価格設定ができるようになるでしょう。
また売却相場は、不動産会社の査定額を比較する際にも役立ちます。提示された査定額が適切なものかわかれば、信頼できる不動産会社を見極める際のヒントになるでしょう。
家の売却相場については「【2025年2月調査】最新の家売却相場はいくら?相場の調べ方と築年・エリア別の動向」をご覧ください。
8-1-2.掃除やホームステージングで家の印象アップを図る
家を高く・早く売るには、買主に物件を見てもらう内覧で、第一印象を良く見せることが大切です。
そこで、ホームクリーニングやホームステージングを行い、家の印象アップに努めましょう。ホームステージングとは、モデルルームのように家具や小物などを設置して、物件の魅力を演出することです。
ただし、ホームクリーニングやホームステージングにはコストがかかるため、費用に見合った効果が出るかどうかを慎重に判断する必要があります。
戸建ての売却の流れやコツなどについては「一戸建て売却の進め方!事前準備から売却完了までの流れと成功のコツ」をご覧ください。
8-1-3.不動産価格が高くなる時期に売る
「家が売れる時期と築年数」で説明したように、不動産取引には繁忙期と閑散期があり、繁忙期に売りに出したほうが高い価格で売却できる可能性が高まります。
不動産取引の繁忙期は、新年度に向けて転居が集中する2~3月頃、企業の人事異動により転居が生じる9~10月頃です。
家を少しでも高く売りたいなら、ニーズの高まる春・秋の繁忙期に売却しましょう。
8-2.家をより早く売るためのポイント
ここでは、家をより早く売るための3つのポイントを解説します。
8-2-1.必要書類を早めにそろえる
「家を売るのにかかる期間」で紹介したように、売却を検討し始めてから引き渡しまでにかかる平均期間はおおむね3~6カ月です。
スピーディーに売却の手続きを進めるには、登記済権利証(登記識別情報)や固定資産税評価証明書など、数多くの書類を早めにそろえておくことが重要です。各段階で必要な書類がそろわないと、売却時期が遅れることになるため、早期の売却を目指すのであれば、必要書類は前もってそろえておきましょう。
8-2-2.不動産会社の担当者を味方につける
早期の売却を実現するには、売却活動を進めてくれる不動産会社の担当者を味方につけることも重要です。
「家の売却」という同じゴールを目指すパートナーとして、不動産会社の担当者と良い関係を築けば、「より良い条件で売却できるよう力になりたい」と思ってもらえるはずです。
したがって、小さなことでも相談して意見を仰ぐ、日頃からこまめに感謝の言葉を伝える、といった気遣いを忘れないようにしましょう。
8-2-3.買取を利用する
家を1日でも早く売りたいという場合には、不動産会社に物件を買い取ってもらうのも選択肢の一つです。買取を利用すれば、長期にわたって家を売却できないといった事態を回避できます。
ただし、前述のとおり、買取価格は売却する場合の7~8割程度となるケースが多いため、「売却期間の短縮」と「売却益の減少」を慎重に天秤にかけたうえで選択しましょう。
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9.自分に合う不動産会社の選び方について
家を高く・早く売るには、不動産会社選びが重要です。本章では、ポイントを押さえた選び方を紹介します。
9-1.不動産会社選びのポイント
不動産会社の選び方のポイントは、以下の通りです。
- 複数の不動産会社を比較して選ぶ
- 問い合わせ時の対応を比較して選ぶ
- 相場に近い査定額の会社を選ぶ
- 不動産会社の得意分野を見極める
- 信頼できる一括査定サービスを利用する
不動産会社を選ぶ最大のポイントは、複数の不動産会社を比較することです。問い合わせ時の担当者の対応をチェックするとともに、相場より極端に高い査定額や低い査定額を提示する会社は避けましょう。
また不動産会社には、一戸建てを売るのが得意、マンション売却が得意、など得意分野があります。複数の不動産会社の取引傾向を調べて、売却する家の特徴に合う不動産会社を選びましょう。
複数社に査定を依頼する際におすすめしたいのが、60秒の入力で複数の会社から一括で査定を受けられる、便利な不動産一括査定サイト「不動産売却 HOME4U」です。
9-2.HOME4Uが安心して利用できる理由
「不動産売却 HOME4U」では、売りたい不動産の情報について簡単な質問に答えるだけで、最大6社の不動産会社に査定依頼ができます。
インターネットの一括査定サイトは便利ですが、「たくさんの会社から一斉に連絡が来てしまうのでは」と不安に感じる方もいるかと思います。
「不動産売却 HOME4U」では、その点について心配する必要はありません。以下のような理由から、安心して利用していただけます。
不動産売却 HOME4Uが提供する「5つの安心」
- 自分で選んだ不動産会社とだけやりとりできるから安心
- プライバシーマーク取得済で、個人情報が保護されるから安心
- 参画している企業を常にパトロールしているから安心
- NTTデータグループが運営しているから安心
- 23年の運営実績があるから安心
「不動産売却 HOME4U」の査定は無料で受けられますので、不動産会社選びでお困りの方はぜひご利用ください。
「不動産売却 HOME4U」では、パソコンからの査定依頼が不安な方もご利用いただけるよう、お電話でのお問い合わせも承っております。家を売りたい方、住み替えをご検討の方は、ぜひご相談ください。
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10.こんなときどうする?売却状況別の売り方
この章では、物件の状況別の売却方法について紹介します。
10-1.住宅ローン支払い中の家売却
不動産を売却して買主に引き渡す際は、住宅ローンを完済するのが原則です。住宅ローン返済中の場合は、旧居の売却の決済のタイミングで、売却益を使って完済します。
したがって、売却を決める前に、住宅ローン残高と査定額、自己資金を調べ、住宅ローンの完済が可能かを確認しましょう。売却益で旧居のローン完済が難しい場合には、旧居のローン残債と新居の購入のための借り入れをまとめてできる、住み替えローンを締結する、という選択肢もあります。
なお、経済的事情で住宅ローンを滞納してしまうような状況でも、金融機関と交渉して同意を得られれば、競売(不動産を差押え、強制的に売却してローン残債を回収する方法)を避けて、「任意売却」ができます。
Q:任意売却は誰でもできる?
任意売却は、住宅ローンの支払いが困難な方が利用できる方法です。本来、住宅ローンを滞納すると最終的に競売へと発展しますが、競売は債務者にとって多くのデメリットがあります。
この競売を回避する救済措置として認められているのが、任意売却です。
Q:住み替えなら住宅ローンを完済しなくてもいい?
住み替えを行う際も、売却するには基本的に住宅ローンの完済が必要です。そのため、売却しようとしている家の売却額が住宅ローン残高を上回る必要があります。
ただし、住み替えの場合は「住み替えローン」の利用が可能です。
住み替えローンは、現在の住宅ローン残高分と、新居の購入資金とをまとめて借り入れられるローンです。融資された資金で現在の住宅ローンを完済すると、家の売却が可能になります。
住み替えローンは、住宅ローン残高がある状態でも住み替えができる魅力的な商品ですが、借入額が大きくなる点や、一般的な住宅ローンより金利が高く設定されている点には注意しましょう。
ローン中の家を売る方法について知りたい方は「ローン中の家を売る2つの方法をプロが解説|離婚、貸したい場合も」をご覧ください。
10-2.相続前後の家売却
原則として、家を売却できるのは名義人本人のみ(委任状がある場合を除く)です。
したがって、相続した家を売却するには、相続登記(不動産の名義変更手続き)を完了させる必要があります。思わぬトラブルを避けるためにも、遺産分割協議であらかじめ所有者を明らかにしたうえで、相続登記の手続きに進むことをおすすめします。
Q:家を売却してから現金で遺産分割をする場合は?
不動産を売却して現金で遺産分割する方法を「換価分割」といいます。
換価分割を行う際も相続登記は必要です。相続人全員で共有名義として登記するか、代表者一人の単独名義として登記します。
遺産分割協議の際に、売却の段取りや現金の分割方法をきちんと話し合い、遺産分割協議書にまとめましょう。
Q:相続後の家売却で使える税金特例は?
相続後の家の売却には、以下2つの特例の利用が検討できます。
特例 | 内容 |
---|---|
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例 | 相続から一定期間内に財産を売却した場合、相続税の一部を取得費に加えて、譲渡所得税を軽減できる |
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例 | 相続後に空き家となる物件の売却で、売却で生じる所得から最大3,000万円を控除できる |
出典:“No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例”. 国税庁
“No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例”. 国税庁. (参照2025-02-03)をもとに、HOME4Uが独自に作成
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10-3.空き家の売却
相続などで取得した家が数年間放置され、空き家の状態となっているケースもあるでしょう。空き家を売却する際は、売却する方が家の名義人になっている必要があります。
2024年(令和6年)4月1日から相続登記が義務化されました。それ以前に相続している不動産については登記の期限が設けられていないため、相続登記をし忘れてしまう方もいるかもしれません。しかしそうなると、いざというときに名義違いで売却できない、といった事態に陥る可能性も否定できません。
さらに、長期間放置されて劣化した空き家は売れにくく、場合によってはリフォームや解体が必要になります。ただし、リフォームや解体は自己判断で行わず、信頼できる不動産会社に相談するようにしましょう。
Q:10年放置した空き家でも名義変更はできる?
相続から10年経過したとしても、名義変更は可能です。
ただし、長い時間が経過すると相続関係が複雑になり、名義変更が困難になる可能性があります。
また、前述したように、2024年(令和6年)4月1日からは相続登記が義務化され、正当な理由なく空き家を放置すると、罰金を科される場合があるため注意しましょう。
不動産の相続登記をしない場合、法定相続人全員が共有している状態とみなされます。共有者の誰かが死亡した場合はさらに相続が発生し、不動産の共有者が増えることになるでしょう。
なお、単独名義に変更するには、共有者全員の同意を得る必要があります。
Q:相続空き家の3,000万円特別控除は使える?
前述したように、相続後に空き家となる家を売却する場合は、売却で生じる所得を3,000万円まで控除できる特例を適用できます。
ただし、この特例には「相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却しなければならない」といった適用要件があるので注意が必要です。
空き家の売却方法については「空き家売却の方法と流れ│特例・費用・不動産会社の選び方も解説」をご覧ください。
10-4.認知症になった親の家の売却
自分自身が名義人でない家でも、委任状があれば代わりに売却が可能です。ただし、委任者が認知症など(意思能力に欠ける状態)である場合には、売却はできません。
認知症の親の家を売却したい場合には、成年後見制度を利用します。成年後見制度とは、判断能力が十分でない方のために、裁判所が選任した成年後見人が、財産管理などをサポートする制度です。
成年後見人が裁判所に対して「居住用不動産処分の許可の申立て」を行い、裁判所の許可がおりると家を売却できます。
Q:成年後見人は親族でなければならない?
成年後見人は、必ずしも親族から選ばれるわけではありません。
成年後見制度には、本人が判断能力のあるうちに後見人を任意で選任する「任意後見」と、本人の判断能力低下後に裁判所の判断で後見人が選任される「法定後見」があります。
法定後見では「法定後見人の申立て」を行う際に後見人を推薦することができますが、必ずしも推薦された方が後見人として選任されるわけではないことを把握しておきましょう。
10-5.離婚のための家売却
離婚に伴う家の売却では、住宅ローンが完済できていないケースもあるでしょう。
その場合は、家の売却金額などを利用して住宅ローンを完済します。しかし、住宅ローン残高を家の売却金額が下回っていたり、自己資金が不足していたりして完済できなければ、売却ができません。
また、家が夫婦共有名義である場合は、売却に対するお互いの合意が必要になります。
Q:家は財産分与の対象?
婚姻中に夫婦が協力して築いた財産は離婚時の財産分与の対象になり、これには婚姻中に購入した家も含まれます。
家の財産分与には、主に以下の2つの方法があります。
- どちらか一方が家の権利をもらって、もう一方は現金を受け取る
- 家を売却して現金を分ける
Q:一方が家に住み続けることも可能?
家を売却せずに、どちらか一方が家に住み続けることも可能です。例えば、小さな子どもがいる家庭では、住居環境を変えないために、妻と子どもが家に残るケースもあります。
ただし、一方が家に住み続けるケースでは、ローンの名義について注意が必要です。
例えば、住宅ローンの名義は夫のままで妻が家に住み続ける場合、夫が住宅ローンを滞納したことにより、家が競売にかけられてしまう可能性があります。
離婚後に不動産に関するトラブルを起こさないためにも、住宅ローンや不動産名義と実際の居住者を一致させることをおすすめします。
離婚時のマンション売却について知りたい方は「離婚時マンション売却に関する5つの注意点と売却以外の方法」をご覧ください。
10-6.住み替えによる家売却
住み替えでは「売却」と「購入」が発生します。そのため、売却を先行する(売り先行)か、購入を先行する(買い先行)かを、自身の状況に合わせて検討する必要があります。
売り先行では、売却に余裕をもたせることができるため、納得のいく条件で売却ができるでしょう。
ただし、いつ売却できるかはわからないため、欲しいと思っていた物件を逃してしまう可能性があります。また場合によっては、売却してから新居が見つかるまで仮住まいが必要になります。
一方の買い先行では、欲しい物件をすぐに押さえることが可能です。
ただし、売り出し中の家の住宅ローンが残っている場合は、新居を購入すると二重ローンになり、支払いが苦しくなる可能性があります。
さらに、このような事態を回避するために、売り急いで不要な値下げをするなど、予定よりも安く売却をしてしまうことも考えられるでしょう。
Q:売り買い同時進行とは?
売り買い同時進行は、売却活動中に購入先を探し、家の引き渡しと新居の決済が同日になるように調整する方法です。
仮住まいが必要なく、二重ローンのリスクもないため、出費を抑えられます。
一方で、売却と購入のタイミングを合わせるのは難しく、値下げなどの調整が必要になる場合もあるでしょう。また、引き渡し日程の交渉も重要です。
Q:住み替えローンを使うには?
前述したように住み替えローンは、売却物件の住宅ローン残債分と新居購入資金を合わせて借り入れられるローンです。
本来は、家を引き渡す前に住宅ローンを完済する必要がありますが、住み替えローンを利用すれば、住宅ローンの完済が難しい状況でも売却が可能になります。
ただし、住み替えローンを利用するには、売却と購入の決済日を合わせなければなりません。
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10-7.築古の家売却
戸建て住宅の価値は、築20年ごろからほぼなくなるとされています。これには、木造住宅の耐用年数が22年とされていることが影響していると考えられます。
耐用年数とは、国税庁で定められた減価償却費の計算に用いる数値で、物件の「寿命」とは異なるものです。
しかし、築年数が長い家にも、「安く買って自分好みにリフォームしたい」「あえて古い家の趣きを楽しみたい」といったニーズもあるでしょう。
したがって、古い家を売るからといって、自己判断で更地にしないことをおすすめします。解体費用や手間がかかり、かえって損をしてしまうこともあります。
築古の家を売る場合は、古い戸建ての売却実績が多い不動産会社に相談して進めましょう。
Q:気づかれにくいけど雨漏りがある。隠しておくべき?
物件にある欠点や欠陥を瑕疵(かし)といいます。雨漏りやシロアリ被害などは、不動産売買における代表的な瑕疵です。
家を売却する際は瑕疵を隠さずに、不動産会社や買主に伝えることが重要です。
売却後に、契約時の説明や契約書に明記していない瑕疵が見つかった場合は、契約不適合責任を問われ、契約解除や損害賠償を求められるケースもあります。
Q:ホームインスペクションとは?必要なの?
ホームインスペクション(住宅診断)とは、専門家が住宅の状態やおおよその費用などを診断するサービスです。専門家による診断を受けた物件であることは、購入希望者にとって大きな安心材料となるでしょう。
ホームインスペクションの費用相場は5万円~7万円ほどなので、築10年以上の物件であれば積極的に行うことをおすすめします。
ホームインスペクションをサービスとして提供している不動産会社もあるため、まずは媒介契約を結んだ不動産会社に相談してみましょう。
まとめ
賢く家を売るには、以下のような不動産売却の基礎知識を押さえておくことが必要です。
- 家を売る手順
- 期間
- 費用
- 必要書類
- 注意点
- 高く売るコツ
- 不動産会社選びのポイント など
不動産売却 HOME4Uの不動産売却塾では、家の売却に関するさまざまなノウハウを紹介しているので、ぜひご覧ください。
今回は、家の売却について広く解説しましたが、マンションや一戸建てなど、どのような家を売却するかでポイントなどは変わってきます。
また、今回の内容が難しいと感じた方は「不動産売却の入門書」をご覧ください。
家を売る際に不動産会社をお探しの方は、「不動産売却 HOME4U」の無料一括査定サービスを利用してみてはいかがでしょうか。全国約2,500社の優良不動産会社のなかから、最大6社の査定価格をまとめて取り寄せできるため、査定価格や対応面で納得のいく不動産会社を見つけられるはずです。
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