新居への引越しをスムーズに進めるには?費用やトラブルへの対処法も解説

新居への引越し スムーズに進める方法

大学進学や就職、転職などをきっかけに引越しする方のなかには、初めての引越しで何から手を付ければ良いのかわからないという方もいるでしょう。

そこで本記事では、引越し準備の手順やスムーズな引越しのためのやることリスト、引越し費用の相場のほか、よくあるトラブルを予防するための対策などについて解説します。

この記事を読むと分かること
  • スムーズに引越しするための作業の進め方
  • 引越し費用の相場と安く抑える方法
  • よくある引越しトラブルへの対処法
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1.引越し作業のおおまかな手順

引越しの準備は、計画的に進めることが重要です。そこでまずは、引越し作業のおおまかな手順を紹介します。

1-1.現在の住まいの解約手続きをする

現在の住まいを退去する際には、予告してから一定期間(通常は1ヵ月)家賃が発生します。一方、新居では入居可能日から家賃が発生するため、一時的に二重家賃を払わなければならないケースもあります。

現在の住まいの解約手続きをする

現在の住まいの解約手続きが遅れると、二重で家賃を払わなければいけない期間が延びるため、退去日が決まったら早めに予告するのを忘れないようにしましょう。

1-2.引越し方法を決める

引越しには、以下のとおり複数の方法があります。

引越し会社 荷づくり・搬出・輸送をはじめ、新居での荷ほどきや荷物設置まですべてを依頼する。 費用高い
荷づくりや搬出・輸送・搬入は依頼するが、新居での荷ほどきや荷物設置は自分で行なう。
大型家具等の梱包・搬出・輸送・搬入は依頼するが、荷づくり・荷ほどきや新居での荷物設置は自分で行なう。
レンタカー 引越し用のレンタカーを手配し、梱包・輸送や運転も自分で行なう。
マイカー 梱包した荷物を自分の車で輸送する。 費用安い

すべてを引越し会社に依頼すると作業の負担が減って楽ではありますが、その分、費用は高額になります。

また、費用を抑えるために友人などに手伝ってもらおうと考える方もいるかもしれませんが、お礼として飲食費などを負担することで、引越し会社に依頼するよりも高くつく可能性もあります。

1-3.引越し会社を決める

引越し会社を利用すると決めた場合には、新居の入居日以降で都合の良さそうな日を、引越しの候補日として3日ほどピックアップしましょう。

一般的に、3月~4月上旬は引越し会社の繁忙期であり、予約が取りにくくなるため注意が必要です。

また、繁忙期や連休前後は料金も高くなりがちです。通常なら15,000円~20,000円程度の料金が、3倍近くになるケースもあるため、可能であれば繁忙期や土日祝日を避けることをおすすめします。

また、複数の引越し会社から見積もりをとって、慎重に比較検討するとよいでしょう。

1-4.引越し作業の「やることリスト」を決める

引越し前は何かと忙しくなるため、作業計画を立てておかないとあっという間に時間が過ぎてしまいます。引越し作業をスムーズに進めるには、いつ・何をするのかを「やることリスト」にまとめるのがおすすめです。

なお、「やることリスト」については、次章で詳しく紹介します。

1-5.引越しの準備をする

「やることリスト」に沿って、荷づくりや引越しにともなう諸手続きなどを進めます。

粗大ごみの処分や梱包用ダンボールの準備は、早めに行ないましょう。また、荷づくりは使用頻度の低いものから梱包するのがポイントです。

完了したら、やることリストにチェックマークを付けると、作業漏れを防げます。

1-6.引越し当日の作業をする

引越し当日は旧居の明渡しや鍵の返却、新居への移動や荷物搬入場所の指示など、やるべきことが多いため、時間に余裕を持ってスケジュールを立てておくとよいでしょう。

また、引越しの前日までに荷づくりは終わらせ、当日はトラックが到着したらすぐに荷物の搬出ができる状態にしておくことも大切です。

旧居では電気・ガス・水道を止める、新居では近隣への挨拶をする、といったことも、やることリストに記載しておくと安心です。

1-7.住所を移管する

転入届を提出のうえ、各所で住所変更の手続きをします。マイナンバーや国民健康保険、国民年金など、役所関係の手続きは引越し日から14日以内に終わらせましょう。

また、銀行やクレジットカード会社、保険会社や携帯電話会社などの住所変更手続きも、忘れずに行ないます。また、会社への転居届も忘れないように気を付けてください。近年では、インターネット上で簡単に手続きできるケースもあるため、空き時間を利用して進めましょう。

2.スムーズな引越しのためのやることリスト

チェックリスト

引越し作業をスムーズに進めるには、約1ヵ月前から準備が必要です。とはいえ、初めて引越しをする方は、いつまでに何をすれば良いのかわからないかもしれません。

そこで本章では、時期別のやることリストを紹介します。

2-1.1ヵ月前までにやること

1ヵ月前までにやること

引越し1ヵ月前までにやることは、以下のとおりです。

  1. 新居を決める
    まずは新居の入居日を確認しましょう。また、エレベーターの有無、ドアの大きさ、建物前の道幅、部屋の間取り・広さも併せて確認しておきます。
  2. 引越し日を決める
    引越し希望日を3日程度ピックアップします。
  3. 引越し会社を探す
    引越し希望日が決まったら、引越し会社を探しましょう。特に、繁忙期や土日祝日などの引越しは、早めの手配が重要です。複数社から見積もりをとり、料金・サービスを比較検討しましょう。
  4. 旧居の管理会社に引越し日を通知する
    通常、引越しの1ヵ月前までには旧居の管理会社もしくは大家さんに解約の通知をします。また、旧居を明け渡す際には、管理会社立ち会いのもと部屋の状況を確認する必要があるため、日程についても相談します。
  5. 旧居の駐車場を解約する
    旧居とは別に駐車場を契約している場合、駐車場の解約手続きが必要です。引越し日の1ヵ月以上前に連絡しないと、翌月の賃料が発生するケースがあります。
  6. 新しい駐車場を契約する
    引越し先で月極駐車場を借りる場合は、早めに契約を済ませましょう。エリアによっては、駐車場の空きを見つけることが難しい場合があるので注意が必要です。
  7. 粗大ごみや不用品を処分する
    粗大ごみは、地元自治体の清掃事務所に連絡して、早めに引き取ってもらいましょう。連絡が遅れると、引越し当日になっても粗大ごみや不用品の処分が終わらない可能性もあります。
  8. 子どもの転園・転校手続きをする
    通っている幼稚園や保育園、学校に引越しすることを報告しましょう。
    認可保育園の転園手続きは自治体によって申込期限などが異なるため、事前にホームページなどで確認しておくと安心です。また、高校生が転校する際には、編入試験が必要になる場合があるため、事前に学校に問い合わせておきます。

2-2.2週間前までにやること

2週間前までにやること

引越し2週間前までにやることは、以下のとおりです。

  1. すぐに使わない荷物の梱包
    引越し会社から梱包資材を受け取ったら、すぐに使わない荷物(季節外の服、靴、本、食器など)から梱包していきます。
  2. 固定電話の契約変更
    旧住所管轄の電話会社で移転・新設の手続きをします。NTTの場合は116番に電話するか、インターネットで手続きします。
  3. 火災保険、地震保険の住所変更
    旧居で火災保険や地震保険をかけている場合は、保険会社に連絡して住所変更の手続きをします。
  4. 転出届の提出
    旧住所の役所で転出届を提出すると、転出証明書が発行されます。転出証明書は、転入届を提出する際に必要になるので、紛失しないよう注意しましょう。なお、手続きには、本人確認書類と印鑑が必要です。
  5. 印鑑登録の廃止
    印鑑登録をしている方がほかの市町村へ引越しする場合には、廃止手続きが必要です。登録印と本人確認書類を用意して、役所で手続きしましょう。
  6. 国民健康保険の資格喪失手続き
    旧住所の役所で手続きをします。その際、国民健康保険証と本人確認書類、印鑑が必要です。
  7. 児童手当の住所変更
    児童手当を受け取っている方は、役所の窓口で児童手当受給事由消滅届の手続きを行ないましょう。引越し後も児童手当を受給する場合は、引越し先の役所で手続きします。
  8. 原付自転車の廃車手続き
    バイクや原付自転車を所有している方がほかの市町村へ引越しする場合には、廃車手続きを行ないます。転居元の役所でナンバープレートを返却し、「廃車証明書」を受け取り、引越し先の役所に提出します。
  9. 電気の解約・開始手続き
    旧住所管轄の電力会社へ電話するか、インターネットで手続きします。手続きには、領収書などに記載されている「お客様番号」が必要です。
  10. ガスの解約・移転手続き
    旧住所管轄のガス会社へ電話するか、インターネットで手続きします。新居での開栓には立ち会いが必要になるため、引越しシーズンの2月・3月は早めに予約しましょう。
  11. 水道の停止・開始手続き
    旧住所管轄の水道局へ電話するか、インターネットで手続きをします。手続きには、領収書などに記載されている「お客様番号」が必要です。
  12. インターネットの移転・解約・契約
    新居と旧居で同じインターネット回線を利用する場合には、移転手続きを行ないます。新居と旧居のインターネット回線が異なる場合には、旧居の回線解約手続きと併せて、新居の回線契約を行なう必要があります。

2-3.1週間前までにやること

1週間前までにやること

引越し1週間前までにやることは、以下のとおりです。

  1. 日用品の梱包
    引越し当日に使うものを除き、日常的によく使うものも梱包しましょう。
  2. NHKの住所変更
    電話もしくはインターネットで住所変更の手続きを行ないます。
  3. 衛星放送・ケーブルテレビの住所変更
    衛星放送やケーブルテレビを契約している場合は、引越しの際にアンテナやチューナーの取り外し・取り付け、ケーブルの撤去工事が必要になることがあります。工事が混み合う可能性があるため、早めに契約会社に連絡しましょう。
  4. 新聞の移転手続き
    新聞を購読している方は、販売店に連絡するか、インターネットから住所変更または解約の手続きをします。
  5. 郵便物の転送申込
    郵便物の転送依頼を申し込むと、1年間は旧住所宛の郵便物を新居に転送してもらえます。郵便局の窓口もしくはインターネットから手続きできます。
  6. クレジットカードの住所変更
    利用明細やカード更新のお知らせが郵便で届く場合があるため、忘れずに住所変更の手続きをしましょう。
  7. 銀行口座の住所変更
    銀行からの案内などが郵便で届く場合があるため、引越しの際は銀行口座の住所変更も行なう必要があります。ただし、支店コードを変更する必要はありません。
  8. 携帯電話の住所変更
    個人情報の漏洩を防ぐため、電話や店舗の窓口、インターネットから住所変更の手続きを行ないましょう。

2-4.前日までにやること

前日までにやること

引越し前日までにやることは、以下のとおりです。

  1. パソコンのデータバックアップ
    パソコンなどの精密機器は運搬中の衝撃や振動で破損する可能性があるため、重要なデータは必ずバックアップを取っておきましょう。
  2. 家電の梱包
    ダンボールに入る大きさの家電(オーブントースターや電気ケトルなど)はダンボールで梱包します。ただし、パソコンなどの精密機器やエアコンなどは、会社に任せるとよいでしょう。
  3. 転居ハガキ・挨拶状の発送
    挨拶状を発送する目安は引越しから1ヵ月以内とされていますが、荷づくりなどでバタバタしているうちに転居ハガキを紛失してしまうこともあるため、引越し前に発送しておくと安心です。
  4. 旧居の掃除・ごみ捨て
    賃貸物件から退去する場合は、しっかり清掃をしておくことでハウスクリーニング費用を追加で請求される可能性が低くなります。また、掃除や片づけをする際は多くのごみが出るため、自治体のごみ収集スケジュールを確認しておくとよいでしょう。
  5. 挨拶用手土産の準備
    旧居や新居の近隣住民へ挨拶をする際に持っていく手土産を準備します。挨拶に行く範囲は、戸建てかマンションかによっても異なります。
  6. 旧居の近隣へ挨拶
    引越し当日は忙しくなるため、近隣への挨拶は前日までに済ませておきます。
  7. 新居のレイアウト決め
    荷づくりした荷物を新居のどの部屋へ搬入すれば良いのか、家具などはどこへ設置すれば良いのか、事前に新居のレイアウトを決めておくと作業がスムーズに進みます。搬入先は、段ボール箱に書き込んでおくとよいでしょう。
  8. 新居の掃除と下見
    荷物を運び入れてからでは掃除がしづらいため、引越し前に新居の掃除をしておきます。大型の家具や家電を置く予定がある場合には、念のためもう一度サイズを測っておきましょう。
  9. 引越し会社と最終打ち合わせ
    予定よりも荷物の量が増えた場合には、この段階で申告しましょう。見積書を手もとに置いておくと、確認しやすく便利です。

2-5.引越し前日にやること

引越し前日にやること

引越し前日にやることは、以下のとおりです。

  1. 冷蔵庫の水抜き
    引越しの前日には冷蔵庫の電源を切り、庫内の霜を溶かして水抜きをします。水抜きをしないと、運搬時に霜が溶けて冷蔵庫に浸水し、故障の原因になるからです。また、冷蔵庫を空にできるよう、可能な限り食材を消費しておきましょう。
  2. 洗濯槽の水抜き
    洗濯槽の内部に水が残っていると運搬時に水漏れしたり、故障の原因になったりします。必ず前日に水抜きをしておきましょう。
  3. ダンボールの個数確認
    紛失などの万一のトラブルに備え、ダンボールに番号を振って個数を確認しておくことをおすすめします。荷物の管理リストも作っておくと便利です。
  4. 貴重品・手回り品の荷づくり
    貴重品や当日に必要になる書類などは、1つにまとめてバッグに入れておくと安心です。また、引越し当日に支払いがある場合には、おつりが出ないように現金を用意しておきます。

2-6.引越し当日にやること

引越し当日にやること

引越し当日にやることは、以下のとおりです。

  1. 荷物の最終梱包
    歯ブラシやタオル、ドライヤーなど、引越し当日まで使っていたものを梱包して荷づくりを完了させましょう。引越し会社が来るまでに荷づくりが終わっていない場合、追加料金を請求されたり、引越しがキャンセルになったりと、トラブルになる可能性があります。
  2. 引越し料金の支払い
    一般的に、引越し料金は引越し作業が始まる前に支払います。クレジットカードでの支払いが可能かどうかは、事前に確認しておきましょう。
  3. 荷物の運び出し確認
    引越し会社が荷物をトラックに詰め終えたら、荷物の積み忘れがないか家のなかを確認しましょう。
  4. 電気・ガス・水道の停止
    ガスメーターやガスの閉止レバーが屋内にある場合は、ガスの閉栓に立ち会いが必要になるため、必ず立ち会ってから新居に移動するようにスケジュールを組みましょう。
  5. 旧居の明渡し・鍵の返却
    賃貸物件の場合は旧居の引越し作業が終わってから、大家さんまたは管理会社が部屋の状況確認に来ます。大きな破損などがなければ鍵を返却して物件の明渡しは完了となります。
  6. 新居への移動
    旧居を出る際は、電気のブレーカーを落とし、ガスの元栓と蛇口を締めておきます。また、引越し会社が来る前に新居に到着するよう移動しましょう。
  7. 新居の近隣へ挨拶
    引越しの搬入作業を始める前に、事前に購入した手土産を持って近隣に挨拶をしましょう。これから搬入作業をすると伝えることで、近隣への迷惑を最小限に抑えられます。
  8. 引越し会社への指示
    家具や家電を搬入する際は、どこに何を配置するのか、引越し会社に指示して設置してもらいます。
  9. 搬入した荷物の確認
    荷物の搬入が終わったら、引越し会社が帰る前に、荷物の紛失や破損などがないかを確認しましょう。
  10. 電気・ガス・水道の使用開始
    ガスの開栓には立ち会いが必要なため、ガス会社のスタッフが訪ねて来たら、必ず作業に立ち会いましょう。
  11. 荷ほどき・整理整頓
    引越し会社が帰って落ち着いたら、荷ほどきを始めます。すぐ使うものを優先して荷ほどきしてください。

2-7.引越し後14日以内にやること

引越し後14日以内にやること

引越し後14日以内にやることは、以下のとおりです。

  1. 役所で転居届・転入届を提出する
    市区町村役場で転入手続きをします。転出証明書と本人確認のための身分証明書、印鑑が必要です。
  2. マイナンバーの住所変更
    住民票の移動と一緒に、マイナンバーの住所変更も行ないましょう。マイナンバーカード、身分証明書、印鑑が必要です。
  3. 印鑑登録の住所変更
    必要な方は役所で新しく印鑑登録をします。本人確認書類と印鑑が必要です。
  4. 国民年金の住所変更
    役所で「被保険者住所変更届」を提出して住所変更手続きを行ないます。その際は国民年金手帳が必要です。
  5. 児童手当の住所変更・転入手続き
    役所の窓口で、児童手当認定請求書を提出します。
  6. 運転免許証の住所変更
    引越し先の住所を管轄する警察署または免許センターで免許証の住所変更をしましょう。
  7. 車庫証明の住所変更
    警察署に行き、新しい車庫証明を取得します。なお、車庫証明が必要なのは、旧居での車庫証明の登録住所と、新しい駐車場の場所が直線距離で2km以上離れている場合です。
  8. 自転車・バイクの登録住所手続き
    引越し先と引越し元で管轄の陸運局(運輸支局)が変わる場合は、ナンバープレートの変更が必要です。また、自動車の住所変更手続きには手数料がかかるため、忘れずに準備しておくようにしましょう。
  9. 引越し先の学校の転校手続き
    お子さんがいるご家庭では、引越し後にも役所や転校先の学校で手続きが必要です。役所では入学通知書を発行してもらいます。転校先の学校では、在学証明書、教科書用図書給付証明書、入学通知書を提出します。
  10. 職場等への住所変更届の提出
    引越しが済んだら、職場への報告も早めに行ないましょう。
    会社では、社会保険料の手続きや通勤手当の変更、緊急連絡先の更新のために、速やかに住所変更手続きをする必要があります。

3.引越し費用の相場

カレンダーと電卓

ここでは、引越し費用の内訳と相場を解説します。

3-1.引越し費用の内訳

引越し費用の内訳は、基本運賃、割増料金、実費、付帯サービス料金からなります。

  • 基本運賃
    移動する距離や荷物の量、作業時間などによって費用が決まります。多くの引越し会社では、国土交通省が定めている「標準引越運送約款」を基準にしているため、会社によって費用が大きく変わることはありません。ただし、荷物の積み込みや積み降ろしに時間がかかりすぎると、車両留置料という追加費用がかかります。
  • 割増料金
    繁忙期や土日祝日、早朝・深夜などに引越しを依頼した場合に発生します。割増料金は、基本料金に指定の割増率をかけて算出します。
  • 実費
    引越し会社の作業員の人件費や有料道路の利用料、梱包資材などにかかる費用です。
  • 付帯サービス料金
    荷物の搬出や搬入、輸送以外のその他の業務を依頼した際に必要となる費用です。荷づくりや荷ほどき、エアコンの取り付け・取り外し、不用品の処分などを依頼した際に発生します。

3-2.単身者の引越し費用相場

単身者の引越しの場合、200km未満の引越しで荷物が少なめの場合は4~6万円、荷物が多めだと6~9万円が相場です。

200km以上の場合は、荷物が少なめで6~8万円、荷物が多めだと9~13万円程度となります。

なお、単身者の引越しの場合、「単身パック」や「単身プラン」などの違いも気になるところでしょう。

単身パックはコンテナのサイズと移動距離で単価が決まっています。引越し会社が用意するコンテナボックスに荷物を入れて、ほかの方のボックスと一緒に運搬する方法で、会社によりコンテナのサイズや料金が異なります。

単身パックは訪問見積もり不要の会社が多く、通常のプランよりも料金が安くなるというメリットがある一方で、荷物のサイズに制限があり、梱包用のダンボールが有料の場合が多いというデメリットがあります。コンテナに積みきれない荷物がある場合は、追加料金も発生します。

一方の単身プランは、通常の引越しプランと同様に、ダンボール箱に荷物を入れ、トラックを貸し切って運搬する方法を指すことが多く、荷物の量や距離に応じて費用が異なります。

単身プランの場合は、ダンボールなどの梱包資材を無料でもらえる場合があるほか、荷物の多さや大きさにある程度対応できるというメリットがある一方で、荷物が少なければ単身パックよりも割高になるというデメリットがあります。

3-3.ファミリー層の引越し費用相場

ファミリー層の引越しの場合は、家族の人数と移動距離でおおよその費用が決まります。家族の人数別に見た引越し費用の相場は、以下のとおりです。

  • 2人家族の場合
    200km未満なら8~12万円
    200km以上なら12~23万円
  • 3人家族の場合
    200km未満なら10~15万円
    200km以上なら15~28万円
  • 4人家族の場合
    200km未満なら12~19万円
    200km以上なら19~32万円
  • 5人家族の場合
    200km未満なら14~25万円
    200km以上なら25~38万円

家族の人数が多いほど荷物の量は多くなるため、費用も高くなる傾向にあります。

また、引越し料金は平日より土日祝日のほうが割高です。さらに、平日は午前、土日祝日は午後のほうが、料金が高くなりやすいようです。引越し費用を抑えたい方は、このような傾向も覚えておくとよいでしょう。

4.引越し費用を安く抑える方法

引越し会社

引越し費用の相場を知ったうえで、少しでも安く抑える方法はないものかと考える方もいるでしょう。そこで、引越し費用を安く抑えるための4つのポイントを解説します。

4-1.複数の引越し会社に見積もりを依頼する

見積もりを取る際は1社で済ませるのではなく、3社以上の引越し会社に依頼しましょう。そうすることで、料金の相場やサービス内容がわかるため、予算を立てやすくなります。複数の会社の見積もりを比較検討したうえで、最適だと思う引越し会社を選ぶのがおすすめです。

なお、複数の引越し会社に見積もりを依頼する際は、一括見積もりサービスなどを利用するとよいでしょう。

4-2.できるだけ繁忙期を避ける

入学や就職、結婚などのイベントが発生しやすい3月~4月は、1年で最も引越し会社の予約が混み合う時期です。また、9月~10月も、社会人の異動や転勤が増えるため、引越しのニーズは高まります。

引越しの時期を比較的自由に選べるなら、これらの繁忙期を避け、なおかつ平日を選択すると、料金を抑えやすいでしょう。

4-3.不用品を処分してから引越し会社に依頼する

引越し料金は、荷物量によって変動します。これは、荷物が多いと作業員の仕事が増えたり、必要なトラックのサイズや台数が変わったりするからです。

そこで、粗大ごみなどの不用品を処分して荷物を減らしてから見積もりを取ると、引越し費用が安くなります。費用総額に数万円以上の差が出るケースもあるため、不用品は見積もり前に処分しておくことをおすすめします。

4-4.自分で荷づくりをする

引越し会社のプランには、荷づくりや荷ほどきを作業員に依頼できるオプションサービスもありますが、こういった追加サービスにはプラスの料金がかかります。

したがって、少しでも費用を抑えたい方は、自分で荷づくり・荷ほどきをしましょう。

なお、住み替えのために少しでも引越しの費用を抑えたい、という方は、一日も早く旧居を売却することが重要です。有利に旧居を売却するためには、不動産一括査定サービスを利用して、経験豊富で相性の合う不動産会社を見つけましょう。

5.よくある引越しトラブルとその対処法

スマホを見て頭を抱える男性

独立行政法人 国民生活センターには、毎年2,000件近い「引越しサービスに関する相談」が寄せられています。具体的には、作業中の荷物の破損や紛失、料金に関する相談が多いようです。

年度 相談件数(件)
2020年 1,948
2021年 1,868
2022年 1,952
2023年 226
(2023年5月31日現在)

参考:“引越サービス”. 独立行政法人 国民生活センター. 2023-09-01. (参照2024-03-29)をもとに、HOME4Uが独自に作成

そこで最後に、よくある引越しトラブルとその対処法について解説します。

5-1.家具を傷つけられた、破損された

引越し時のトラブルとしてよくあるのが、引越し会社に家具を傷つけられたり、破損されたりする事故です。万一の場合には、引越し会社が修理対応をしますが、大切な家財道具に関しては、厳重に梱包するようあらかじめ依頼しておくと安心でしょう。状況に応じて、緩衝材などで念入りにカバーしておくのもおすすめです。

特に電化製品は輸送時の衝撃で故障することもあるため、搬入後のチェックを必ず行ないましょう。

また、免責事項や保障・保険を確認し、納得できない場合には、契約しないようにすることも大切です。

5-2.雨の日に引越しをしたら新居を汚された

雨の日の引越しでは、新居や家具が泥などで汚されてしまうことがあります。

作業を依頼する会社との事前の打ち合わせで、新居や家財道具を汚さないためにどのような対策をとっているのか聞いておくとよいでしょう。引越し会社のなかには、家のなかで待機して作業するスタッフと、外から荷物を渡すスタッフを完全に分ける、といった対策をとっているところもあります。

また、自分でできる対策としては、荷物をビニール袋に包んでから梱包する方法もあります。

5-3.身に覚えのない追加料金を請求された

身に覚えのない追加料金を請求された、というトラブルも少なくありません。荷物が予定より大幅に増えた、搬出や搬入にクレーン車が必要になった、といった場合には、追加料金が発生するため、見積もりの段階で契約内容をしっかり確認しておきましょう。

また、懸念点があれば、前もって相談しておくことで、思わぬ追加請求を回避できます。

まとめ

引越し作業はやることが多く、日数にも制限があるので、焦ってバタバタするシーンも多々あるでしょう。そのような状況では必要な手続きを忘れてしまう恐れもあるため、「やることリスト」を作成し、漏れなく準備を進めることをおすすめします。

また、引越し時のよくあるトラブルを把握して、追加請求や家財の破損などの不測の事態に備えましょう。

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