不動産買取相場は仲介の市場価格の7~8割が目安!売却成功のポイントとは

不動産 買取 相場

不動産買取の相場は、仲介の相場に比べて売却価格が低くなる傾向にあります。とはいえ、どれくらい下がるのか、買取の相場を知りたい方も多いでしょう。
この記事では、不動産買取を行う場合に知っておくべき買取相場目安や2022年の最新の買取相場、相場を自分で調べる方法などをわかりやすく解説します。
最後までお読みいただくと、できるだけ高く買い取ってもらうポイントがわかります。

不動産の売却について基礎から詳しく知りたい方は『不動産売却の入門書』も併せてご覧ください。

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1.不動産買取相場は仲介の市場価格の7~8割が目安

売却額は物件価格相場の7~8割になる

不動産の買取の相場は、仲介による売却相場に比べて7~8割が目安です。
そもそも「買取」と「仲介」では、仕組みが異なります。

「買取」と「仲介」

買取」は、売却したい不動産を不動産会社に直接購入してもらう方法です。反対に「仲介」は、不動産会社が売主を探す方法です。

どちらも不動産を売却することに変わりないのですが、「買取」か「仲介」かによって、相場が異なり、仲介の売却相場に比べると買取は7~8割になってしまいます。
例えば、市場価格が3,000万円の不動産だとすれば、買取価格では2,100万円程度が目安です。しかし、買取価格は安くなってしまうものの、売れ残りの心配はありません。

これは一例ですが、仲介と買取ではこれだけ金額差が発生してしまいます。この金額面だけを見ると、買取にはメリットがないと感じるかもしれません。ですが、買取にもメリットがあります。
次の章で、買取のメリットについてわかりやすくご紹介しますので参考にしてください。

2.不動産売却で買取りを利用するメリット

不動産売却で買取りを利用するメリット

買取には、以下のようなメリットがあります。

  • 素早く売却できる
  • 周りに知られることなく売却できる
  • 契約不適合責任の適用外
  • 内覧対応をしなくてもいい

買取での売却は、早ければ1ヶ月ほどで完了しますが、仲介で売却する際は、買主を探して引き渡しを完了するまで3ヵ月〜6ヵ月ほどかかります。なるべく早く売却してお金に変えたい方には、スピーディーに売却が完結する買取がおすすめです。

また、仲介を利用すると、インターネットやチラシ配布で買主を探したり、内覧をしたりするので、近所の方に知られる可能性が高いです。
周囲に家の売却を知られたくない方は、買取を利用してください。販売活動もなく素早く売却できる買取であれば、周りに知られずに引き渡しまで進むことができます。

また、買主が不動産会社ではなく個人の場合、売主が契約不適合責任を負うことになりますが、不動産会社による買取なら契約不適合責任の適用外です。
不動産のプロである不動産会社には、ホームインスペクションや瑕疵(かし)の告知なしで物件を売ることができます。

契約不適合責任とは

雨漏りや壁のひび割れ、設備の不具合などの瑕疵(かし)を知った日から一年の間、売主に修繕や契約解除を求めることができる民法。
例えば、雨漏りを隠して売っても、後で発覚すれば売主負担での修繕の対象になる。

不動産会社相手に物件を売るなら、購入希望者に対する内覧対応もないので売主は時間の負担を減らして売却することができます。

買取の場合、売却価格は下がってしまいますが、売却のスピード感や手軽さを重視したい方にはメリットがあります。

「仲介」を選択した時の売却価格よりも「買取」を選択した時の方が、価格が安くなる理由を次章で解説します。

買取と仲介に関する詳しい内容は以下の記事をご覧ください。


仲介での売却の流れや期間を知りたい方は『不動産売却の流れを図解』をご覧ください。

3.不動産買取が仲介による売却よりも安くなる理由

不動産買取の仕組み

不動産会社の買取による売却が「仲介」を利用した時よりも売却価格が安くなってしまう理由には、不動産買取の仕組みが関係しています。

買取価格が安くなってしまう理由と要素は以下の3つです。

  • 仲介手数料
  • リフォームやリノベーション費用
  • 宣伝広告費など売却にかかる諸費用

どちらも売却することには変わりありませんが、「買取」で不動産を購入した不動産会社は、その不動産を持ち続けるわけではなく、購入した価格に利益を乗せて、再度買主を探します。
また、買取の場合には、不動産会社は仲介手数料を受け取ることができません。

不動産会社が「仲介」して家を売った場合、売主と買主、双方から仲介手数料を受け取り、仲介手数料が不動産会社の利益になります。
しかし、買取の場合には、仲介手数料が発生しないため、売却益から諸費用を引いた額が「不動産会社が得られる利益」になります。

また、不動産会社は買取した物件に対して、リフォームやリノベーションを施して再販売します。そのため、リフォーム費用を考慮して買取価格が仲介の売却額よりも低くなってしまいます。
その他、広告宣伝費などさまざまな「諸費用」を考えると、できるだけ安い金額で買いたいというのが、不動産会社の心理でしょう。
そのため、仲介に比べて物件の売却価格が安くなります。

4.【2022年最新相場】一戸建て・マンションの不動産買取相場

2022年最新相場

この章では、実際の不動産の買取相場を、物件の種別ごとと築年数で解説します。不動産価格は常に変化しているので、不動産の種別と築年数で最新相場を確認しましょう。

本章で記載する買取相場は、仲介での売却価格の7割で計算をしていますので、仲介と買取の金額差も合わせて確認してみてください。紹介する相場は、不動産流通機構が提供するMarket Watch(2022年1月度)を参考にしております。

この章では、物件種別を2つに分けて買取相場を紹介します。

  • 中古一戸建ての買取相場
  • 中古マンションの買取相場

それぞれの買取相場について順番に見てみましょう。

4‐1.中古一戸建ての買取相場

不動産流通機構が公開する資料の仲介相場価格を参考に、買取相場価格を算出しました。

都道府県 買取相場参考価格(万円) 仲介相場(市場相場)価格(万円)※1 前年比(%)※1 前月比(%)※1 土地面積(平米)※1
北海道 1,293 1,848 29.3 0.1 282.69
東京都 3,294 4,707 2.1 -7.1 106.89
神奈川県 2,580 3,686 8.8 5.8 142.24
愛知県 1,958 2,798 6.4 5.0 185.61
京都府 1,690 2,415 20.0 9.7 114.47
大阪府 1,438 2,055 9.1 4.1 105.75
兵庫県 1,600 2,287 6.8 8.8 191.98
福岡県 1,563 2,233 13.3 23.2 298.20

公益財団法人東日本不動産流通機構.”月例 Market Watch(2022年01月度)”.REINS TOWER」をもとに、HOME4Uが独自に作成

※買取相場参考価格は仲介相場価格の7割で算出しています。

このように買取相場価格と仲介相場価格と並べると、買取相場の金額が大きく下がっていることが分かります。

仲介相場の7~8割くらいが買取相場の目安ですが、金額差の大きい都道府県になると1,000万円以上の差があります。

また、2022年の相場としては、一戸建ての買取相場は前年比に比べると、どの都道府県でも比較的相場が上がっているようです。前月と比べてもここで紹介している主要都市では、東京都以外は上がっているので、2022年は売却するタイミングとしては悪くありません。

一戸建ては、築20年を過ぎると建物が老朽化しあまり評価されないため、価格の決め手は土地面積です。売却予定の不動産と土地面積を比較してみてください。

4‐2.中古マンションの買取相場

中古マンションの買取相場を以下の表にまとめました。

都道府県 買取相場参考価格(万円) 仲介相場(市場相場)価格(万円)※2 前年比(%)※2 前月比(%)※2 専有面積(平米)※2
北海道 1,403 2,005 5.8 4.1 74.87
東京都 3,661 5,231 10.4 1.4 60.56
神奈川県 2,368 3,384 6.0 -0.5 66.36
愛知県 1,560 2,229 0.9 -1.8 75.77
京都府 2,161 3,088 6.6 11.0 65.94
大阪府 1,963 2,805 8.1 1.2 67.16
兵庫県 1,733 2,477 3.1 7.7 72.52
福岡県 1,572 2,246 19.8 8.0 69.51

公益財団法人東日本不動産流通機構.”月例 Market Watch(2022年01月度)”.REINS TOWER」をもとに、HOME4Uが独自に作成

※買取相場参考価格は仲介相場価格の7割で算出しています。

マンションの買取相場も戸建ての相場と同じく、全体的に上がっています。戸建てと比べると、特に東京都と福岡県で前年比よりも大幅に上昇しています。
また、マンションの価格の決め手は、土地面積や建物面積ではなくて、専有面積という住居部分の面積を考慮します。

実は、分譲マンションの所有者にも土地の権利があることをご存知でしょうか。

分譲マンションは、部屋の専有面積によって土地の持ち分が決まります。(借地権の土地に立つマンションは除く)
そのため、専有面積が60~70平米台やそれ以上広さを持つ物件は、土地の持ち分の多さで部屋の価格を上げることができるのです。同じマンションでも、50平米台の部屋より広い部屋のほうが高く売ることができます。

表を見ると、前年よりマンションの売却価格が上がっていることがわかります。マンションの売却を考えられている方も戸建てと同じで、2022年は売却するタイミングとして悪くありません。

5.【グラフでわかる】築年数による売却相場の変化

不動産の売却相場は、物件の築年数によっても変わります。築年数に注目して、不動産買取相場の推移を見てみましょう。

築年数による売却相場の変化

国土交通省.”中古住宅流通、リフォーム市場の現状”」をもとに、HOME4Uが独自に作成

上記のグラフのように、日本の建築物は築年数が経つほど価格が下がる傾向にあります。築20年で建物の価値はゼロになることに注目してください。
また、マンションよりも木造戸建て住宅のほうが価格の下げ幅が大きいことがわかります。

新築物件でも、人が一度でも住めば「中古物件」になり築年数とともに価格は下がります。
土地の地価が上がらない限り、ローン残高より高く売ることは難しいといえますが、ローンの支払いがきつい場合は早めに売却したほうが賢明です。

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買取を希望する場合は、記入欄に「買取」と入力するとやり取りがスムーズです。

6.買取相場を自分で調べる方法

買取相場を自分で調べる方法

買取相場は自分でも調べることができます。自分で相場を調べると、不動産会社から提示された額が相場に近いのか、全く違うのか判断することができるため、相場を自分で調べることは大切です。

買取相場を自分で調べる方法は、以下の3つです。

  • レインズ・マーケット・インフォメーション
  • 土地総合情報システム
  • 不動産購入サイト(中古住宅HOME4U)

詳しく解説するので、参考にしてみてください。

6-1.レインズ・マーケット・インフォメーション

レインズマーケットインフォメーションとは、過去の物件成約事例を確認できるサイトです。

マンションと戸建てに分かれており、都道府県と地域を選択するだけで、大まかな成約価格のデータを提供してくれます。また、以下のような検索条件を入力することで、より詳しい成約価格を確認することも可能です。

  • 地域の詳細
  • 最寄駅
  • 駅からの距離
  • 土地面積
  • 間取り
  • 築年数
  • 用途地域 など

過去に実際に売れた価格を確認し、より正確な不動産価格を知りたい時には、レインズ・マーケット・インフォメーションがおすすめです。

6-2.土地総合情報システム

土地総合情報システム

土地総合情報システムとは、国土交通省が運営する、不動産取引に関する情報を提供するサイトです。不動産取引を行った方へのアンケートをもとに、その結果を確認できます。
また、不動産価格だけではなく、不動産の種類や最寄駅、土地面積、土地の形状、建物の築年数などが一覧で表示されるので、はじめて買取相場を調べる方でも分かりやすく記載されています。

6-3.不動産購入サイト

中古住宅HOME4U

中古住宅HOME4Uのような、現在売りに出ている物件がわかる「不動産購入サイト」も相場チェックに使えます。

一戸建ての場合は、地域の一戸建てがいくらで売りに出されているのか、広さ、築年数などの条件を比較しながら相場をチェックしてください。一戸建てには同じ間取りの住宅がないため、価格は参考程度にしかなりませんが価格交渉の強みになります。

マンションの場合、同じマンションの別の部屋が売りに出ていることもあります。できるだけ、お持ちのマンションに近い物件(地域、広さ、築年数など)を探して相場をチェックしてください。

また、中古住宅HOME4Uの相場価格のページでは、地域相場の一覧を見ることができて便利です。

7.不動産買取を成功させるための会社選びのポイント

不動産買取を成功させるための会社選びのポイント

不動産買取を成功させるための会社選びのポイントは、以下の3つです。

  • 不動産買取の実績が豊富な会社を選ぶ
  • 得意とする物件の種別を確認しておく
  • 買取価格の高い会社を選ぶ

それぞれに関して詳しく解説します。

7-1.不動産買取の実績が豊富な会社を選ぶ

不動産会社を選ぶ際は、実績が豊富な会社を選ぶようにしましょう。

不動産会社は数多く存在しますが、買取の実績が乏しい会社もあります。
買取の経験が少ない会社に依頼してしまうと、相場感も曖昧で、安く買われてしまうこともあるでしょう。

不動産会社の買取実績を確認する方法としておすすめしたいのは、担当者に直接、過去の買取実績を聞くことと、ホームページを確認することです。担当者の話だけで実績の詳細などがわかればいいのですが、もしも不明確なままであればホームページも活用してしっかり確認しましょう。

ホームページでは「買取サービスの詳細が記載されている」「過去の買取事例が載っている」「ブログで買取のことを書いている」などを目安にしてください。
また、買取の実績が豊富な不動産会社には、大手の会社が多い傾向にあります。買取は企業に資金力がないと難しいからです。

大手の不動産会社に買取を依頼する際のメリットとデメリットを以下の記事で解説しているので、参考にしてください。

7‐2.得意とする物件の種別を確認しておく

買取を成功させるための会社選びのポイントとして、得意とする物件の種別を確認することも大切です。

不動産会社によって、マンションが得意なのか、戸建てが得意なのかが分かれることがあります。戸建ての買取が得意な会社に、マンション売却を依頼するよりも、マンションの買取が得意な会社に依頼した方が「マンションの正確な価値」を評価してもらえます。市場価値の高いマンションなら、高値で売却することも可能です。

得意とする物件の種類を確認するには、担当者へ質問するかホームページを確認してみましょう。ホームページの取引先業者一覧を確認してみることでも、得意とする物件の種別がわかります。

7‐3.買取価格の高い会社を選ぶ

不動産買取を成功させるための会社選びとして、買取価格の高い会社を選ぶようにしましょう。

不動産会社から相場より高い買取額を提示されても、仲介と違い「価格が高すぎて売れ残る」心配はありません。そのため、なるべく高い金額を提示してくれた不動産会社を選んでOKです。

より高い買取価格を提示してくれる会社を選ぶために、不動産一括査定サイトを活用することをおすすめします。

不動産一括査定サイトでは、物件の住所や間取り、築年数などを入れるだけで簡単に複数の不動産会社の査定を受けられます。忙しい方でも、インターネットで24時間申し込み可能であることはメリットです。

不動産一括査定サイトなら、不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)をおすすめします。

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また、仲介や買取で行われる査定について詳しく知りたい方は『【完全ガイド】不動産査定とは』をご覧ください。

まとめ

いかがでしたか。
今回は不動産買取の目安や2022年の最新の買取相場、買取を成功させるための会社選びをわかりやすく解説しました。

不動産買取の相場は、仲介による売却相場の7~8割が目安です。買取の場合は売却額が仲介に比べて下がりますが「なるべく早く売却したい」「周りに知られたくない」と考える方にはおすすめです。

また、今は中古マンションも戸建ても買取額が前年に比べると上がっているので、売却のタイミングとして適しています。買取を成功させるための会社選びを参考にしながら、信頼できる不動産会社を選んで買取に進んでみてください。

この記事のポイント

不動産買取相場の目安とは?

不動産買取相場の目安は、仲介による売却相場の7~8割が目安です。
買取で物件を売る場合、仲介で売るよりも安くなってしまいますが売れ残りを防げます。

詳しくは「1.不動産買取相場は仲介の市場価格の7~8割が目安」をご覧ください。

不動産の買取相場を自分で調べる方法とは?

不動産の買取相場を自分で調べる方法は以下の通りです。

  • レインズ・マーケット・インフォメーション
  • 土地総合情報システム
  • 不動産購入サイト(中古住宅HOME4U)

詳しくは「6.買取相場を自分で調べる方法」をご覧ください。

不動産買取を成功させるための会社選びのポイントとは?

不動産買取を成功させるための会社選びのポイントは以下の通りです。

  • 不動産会社の実績が豊富な会社を選ぶ
  • 得意とする物件の種別を確認しておく
  • 買取価格の高い会社を選ぶ

詳しくは「7.不動産買取を成功させるための会社選びのポイント」をご覧ください。