家の相続に関した手続きフローと支払うべき税金と費用まとめ

家 相続

相続は誰にでもやってくるものですが、いざ始まってみると「どこから手をつけていいのか、さっぱりわからない」ことが多いものです。大切なことは、まずは所有している資産状況をまとめて正確に把握することなのですが、それに関しても、どうやったらいいのかわからず、お困りになることが多いようです。

そこで今回は、家や不動産の相続に関して、以下のようにまとめています。

  1. 家を相続するときの手続きと流れ
  2. 家の相続でかかる税金と費用
  3. 家の相続に関する注意すべき9ポイント

相続完了までの全体の流れを理解し、お金や税金のことがわかれば、あとは財産を引き継いで相続税を支払うところまで走り切れば相続は完了します。

本記事では、家の相続がすでにスタートしている方も、将来の相続のために準備する方にも共通して注意しておくことがわかり、家の相続に関して気になっていることが、全体的にクリアになります。

家の売却方法について詳しく知りたい方は、『家を売る完全ガイド』も併せてご覧ください。

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この記事の監修者
秋山 芳生
家計簿アプリマネーフォワードMEの元事業責任者。
複数のベンチャー企業での上場経験を通じて資産構築をしFIREを達成。現在はFPとして講演・執筆・面談を行う傍らYouTube(チャンネル登録2万人以上)で情報発信するなどマルチに活動をしている。
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1.家を相続するときの手続きと流れ

家を相続するときの手続きと流れ

本章では、相続が発生した後、家などの不動産を相続することがわかった場合の、全体の流れをまとめています。もし、相続税の申告がある場合には、相続発生後(亡くなった日)から10か月以内に申告・納税しなければなりません。

相続税は原則、現金一括納付なので、そのための現金が手元にない場合には、10か月以内に相続税分の現金を用意しなくてはなりません。一般的には、相続した財産のうちから、現金化できる不動産を売却して、相続税の支払いに充てるなどがあります。

以下は、相続が開始されてから、相続税の納付が終わるまでの全体の流れです。

手続きと流れ

1-1.死亡届(7日以内)

まず、はじめにやることは、死亡届を出すことです。死亡届とは、死亡したことを役所に届け出る用紙のことで、これを提出すると、役所で戸籍に死亡と記載がされます。

亡くなった方の本籍地か死亡地、または届出人の住所地の市区町村の役所に、死亡の事実を知った日から7日以内に提出する義務があります。

死亡届の用紙は、医師が死亡を確認した証明として発行する「死亡診断書」「死体検案書」と一緒に渡されます。通常は遺族が医師から受け取り、死亡届に必要事項を記入します。

押印と記入は相続人がする必要がありますが、提出は届出人以外の方でも良く、葬儀社の方が火葬申請と共に提出することもあります。

参考:“死亡届”. 法務省. (参照2024-04-10)

1-2.遺言書の確認をする

遺言書の有無を確認します。亡くなった方が遺言をのこしたことを、誰にも知らせないまま亡くなった場合、遺族は遺言があるかどうかを探す必要があります。

自分で書いたような自筆の遺言書や手紙などがあるかもしれませんので、家の中をしらみつぶしに探すしか、遺言書を見つける方法はありません。

家の中から見つからなかった場合は、生前に懇意にしていた弁護士・司法書士・税理士・行政書士・信託銀行などの、専門家の事務所に保管されている可能性もあります。故人の名刺リストなどから、可能性のある方に連絡・確認します。

知人友人・親族などに預けている場合は、こちらから葬儀の知らせなどをするときに、遺言の有無がわかります。遺言が公正証書で作ってあれば、全国の公証役場で公証人が利用できる「遺言検索システム」で調べることができます。

1-3.相続人と相続財産の確認をする

相続人と相続財産の確認をする

遺言書を探し始めるのとほぼ同時に、相続人と相続財産の確認をします。相続人の範囲を確定するためには、亡くなった方の全部事項証明書(戸籍謄本)が必要です。

亡くなった方の出生から死亡までの連続した全部事項証明書(戸籍謄本)、除籍謄本、改製原戸籍謄本などをすべて集めると、その方の過去の結婚・離婚・子ども・養子縁組・引っ越し履歴などが明らかになりますので、ときには、想定外の相続人が発覚することもあります。

全部事項証明書(戸籍謄本)は本籍地で発行されるため、故人が住んでいた地域の役所で取得できるとは限りません。本籍地が現在の住所から離れている場合は、郵送請求もできます。

何度も引っ越しをしている方や、複数回の結婚をされた方などは、取り寄せた戸籍を確認後、さらに別の地域へ戸籍の取り寄せをしなければならないことがあります。郵送の場合、往復に10~14日くらい要しますので、早めに動く必要があります。

戸籍の取り寄せをしながら、故人の遺した財産も探しておきます。財産を探す順番としては、先に、亡くなった方の預金通帳と郵便物から調べます。預金通帳を見れば、ある程度のお金の流れがわかりますので、財産の予想ができます。

引き落としに固定資産税があれば不動産が、配当金の入金があれば株式があることがわかります。また、故人の郵便物とメール履歴などから税金・銀行・証券会社などの連絡がないかを確認し、取引のある銀行に直接問い合わせをしていきます。

参考:“戸籍等の郵送請求について”. 中央区. 2023-01-30. (参照2024-04-10)

不動産売却塾 コラム

“相続税って、財産がいくらくらいから発生するものなの?”

ほとんどの家庭では、相続税は発生しないと言われています。その理由は、相続税には基礎控除というものがあり、それを超えなければ相続税はかからないからです。基礎控除額の計算式は以下のようになっています。

3,000万円+法定相続人の数×600万円

  • 例1)法定相続人が1人の場合・・・3,600万円
  • 例2)法定相続人が2人の場合・・・4,200万円
  • 例3)法定相続人が3人の場合・・・4,800万円

上記のように、法定相続人が多いほど基礎控除額は高くなります。つまり、相続する財産の合計が3,600万円以下であれば、相続税はかかりません。また、ざっとまとめた状態での財産が3,600万円を超えていても、控除の制度がいくつかありますので、その適用により税額は軽減されることがあります。

ただし、土地活用をしている方や、ご自宅以外にも複数の不動産などをお持ちの方は、相続税が発生する可能性が高いと言えます。

参考:“No.4152 相続税の計算”. 国税庁. (参照2024-04-10)

1-4.相続放棄(3か月以内)

相続の対象となる財産には、プラスの財産以外に、マイナスの財産もあります。残された財産がマイナスだった場合は、相続人は、故人の借金や負債も相続することになります。

相続はしなければならないものではありません。相続を拒否する制度として「相続放棄」があるため、ご自身が受け取る予定の相続内容と相続税額を比較してから決めます。

相続放棄をする方は、遺産分割協議と協議書作成は不要であるため、ここで相続に関した手続きは終了となります。

ただし、相続放棄は相続の開始を知ってから3か月以内にする必要があります。

なお、遺産分割協議に参加し、その時点で3か月以内であれば相続放棄もできます。

1-5.準確定申告(4か月以内)

準確定申告は、亡くなった方の生前の収入に対して行う確定申告です。亡くなった人の代わりに、相続人全員が共同で確定申告を行います。この確定申告が終わると、故人に関した納税は完了します。

準確定申告が必要かどうかは、国税庁ホームページの「確定申告が必要な方」の欄を参照し、当てはまる事項がある場合のみ、必要になります。

準確定申告の納付義務は相続人にあります。また、相続財産を整理している中で、確定申告が必要かどうかもわかってきます。生前の所得によっては、納付もしくは還付があります。

普通の確定申告と同様に、申告期限と納付期限があり、死亡してから4か月以内に完了しなければなりません。

相続人が複数いる場合は、代表者を決めて1人が提出する方法と、相続人が各自で提出する方法があります。各自で提出する場合は、それぞれの申告内容に違いがないように注意が必要です。

参考:“No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)”. 国税庁. (参照2024-04-10)

1-6.遺産分割協議

遺産分割協議とは、相続人同士で話し合いをして、故人の遺してくれた財産をどのように分割するかを決めていくものです。スムーズに決まることもあれば、状況によっては相続人同士でトラブルになってしまい、なかなか決まらないこともあります。

どのようなケースでも、相続人全員の合意がないと、遺産分割協議は終了しません。

相続財産の中に不動産が複数ある場合は、相続税の支払い額が大きくなる可能性が高いため、相続発生後になるべく早いタイミングで税理士に相談をし、相続人・相続財産・相続税額の試算をしておいてもらう必要があります。

相続税額によっては、手持ちの預貯金だけでは支払ができないケースもあり、1-4項の相続放棄または、不動産売却によって相続税を捻出することを検討しなければならないこともあります。

遺産分割協議をするためには、分割する遺産がどのくらいあるのか、それぞれの相続税はいくらぐらいになるのかも、事前にある程度はわかっていないと、話し合いのしようがありませんので、本章1-3を確認し、財産の漏れがないようにしておきます。

また、遺言があっても、遺産分割協議で相続人全員の合意が得られれば、遺言とは違う相続内容になることもあります。

参考:“No.4202 相続税の申告のために必要な準備”. 国税庁. (参照2024-04-10)

1-7.遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書の作成

遺産分割協議が整ったら「遺産分割協議書」を作成します。遺産分割協議書とは、遺産分割で相続人が合意した内容を明らかにするための書面です。

誰がどの財産を相続するか、ということが細かく書かれています。遺産分割協議書の作成者は「相続人全員」なので、全員の署名押印が必要です。遺産分割協議書の作成は相続人の誰かがしてもよいし、専門家に頼むのでもよいです。

1-8.相続登記

遺産の分割方法が決まったら、相続財産を相続人の名義へ変更します。名義変更が必要なものには、主に不動産、株式、銀行口座などがあります。

不動産
不動産を相続する方は、法務局で「相続登記(名義変更)」をします。
株式
遺産分割協議書を使って株式の名義変更をします。先に相続人名義の証券口座を開設し、そこに名義変更した株式を預けます。金融機関によって少しずつやり方が違うので、必要書類などを確認してください
銀行口座
預貯金を相続した方は、金融機関に遺産分割協議書を持参して、名義変更や解約払い戻しの手続きをします。必要書類は金融機関によって違いますので、先に問い合わせをしてください。

家の相続をした場合は、名義変更の際に登録免許税などの諸費用が発生します。自分で手続きをしても良いし、専門家に依頼をしてもかまいません。専門家に依頼をした場合は、別途、報酬が発生します。

1-9.相続税の申告と支払い(10か月以内)

すべての手続きが終わったら、相続税の申告をします。相続した財産に対する相続税額分を、相続発生から10か月目までに支払います。これら1~9項すべての手続きは、相続人の誰かがやっても、税理士などの専門家に依頼をしてもかまいません。専門家に依頼をした場合は、報酬支払いが別途発生します。

相続税は原則、現金一括支払いですので、現金がない場合は、支払期日までに現金を用意しておく必要があります。相続税額によっては、手持ちの預貯金だけでは支払ができないケースもあり、相続する不動産などの売却をして相続税の支払いをしなければならないケースもあります。

不動産は流動性が低く、現金化しにくいため、納税のために不動産売却をする可能性が高い場合は、売却のための行動を、なるべく早めに取り掛かる必要があります。

不動産の売買と入金は、相続税の支払い期日である、相続開始後10か月目よりも前に現金化されている必要がありますので、売却には6か月以上は見積もっておき、余裕のあるスケジュールにしておく必要があります。

相続する家の売却することが決まっている場合は、「いくらで売れるのか」を知るために売却額の査定をしましょう。

その際、査定依頼先は、過去に故人と付き合いのあった不動産会社や、地元の不動産会社などで安易に決めてしまうのではなく、複数の不動産会社に同時に査定を申し込み、内容を比較してから決めることが大切です。

不動産一括査定依頼サービスなら、NTTデータグループが運営する日本で最老舗の不動産情報サイト「不動産売却 HOME4U」のご利用をおすすめします。

「HOME4U不動産売却」では、売却予定の土地や家屋があるエリアと広さなどの、カンタンな入力項目をすすめていくだけで、日本全国の大企業から地元の精鋭企業までを含めた、不動産の売却に実績と信頼のある会社の中から、今回の不動産の売却と相性の良い会社を、最大6社までに絞ってマッチングしてくれます。

あなたのお家いくらで売れる?

複数の会社からの査定額を同時に見比べることによって、少しでも高く売ってくれる不動産会社がどこなのかを、広い目で知ることができます。

不動産の売却にはある程度の時間がかかりますし、相続税の支払い期日は相続開始から10か月までです。売り急ぎを避け、希望の金額で売るためには、早めに「不動産売却 HOME4U」をご活用ください。

家や不動産を相続する際には、上記のようにさまざまな手順を踏まなければいけません。代表者1人で完結できるものもあれば、相続人全員の合意が必要となるものも。

相続税は現金一括払いですから、税額によっては手持ちの預貯金だけでは支払いができないケースもあり、早めに準備しておくことが重要ですね!

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生

2.家の相続でかかる税金・制度・費用

家の相続でかかる税金・制度・費用

本章では、家や不動産を相続した場合にかかる税金・費用・制度などについて、個別にやさしくまとめています。

  1. 相続税
  2. 家を相続するときに使える制度 小規模宅地の特例「自宅」の場合
  3. 家を相続するときに使える制度 小規模宅地の特例「賃貸物件」の場合
  4. 固定資産税
  5. 登録免許税ほか
  6. 譲渡所得税

なお、引き継いだ財産によっては、上記以外の費用や税金が発生し、適用される制度も増える可能性があります。

2-1.相続税

家や不動産の相続をすると、相続税が発生します。相続をすれば誰にでも相続税がかかるのではなく、相続税額が基礎控除額3,600万円より多い場合のみ発生します。

相続税額は、相続税評価額という、相続税計算のもとになる金額を使って計算します。相続する財産が現金の場合は、1,000万円あったら、そのまま1,000万円が相続税の対象額となります。つまり、現金の相続税評価額は、時価です。

しかし、不動産の場合は、相続税評価額で計算し、その金額が3,600万円以上であれば課税されます。家の相続税評価は、土地と建物を別々にして計算して、それを合計したものになります。

例)A:土地の相続税評価方法

路線価をもとにして計算します。路線価は国税庁ホームページへ行けば誰でも確認できますので、相続する家の住所があるあたりを見ると「350C」「400C」などの数字とアルファベットが書いてあります。

例えば「400C」と書いてあれば、「土地1平米あたり400,000万円で計算してください」という意味です。土地の正確な面積は、相続財産を確認するために集めた登記簿謄本や、固定資産税の課税明細書に記載されています。

例)路線価が「400C」で相続する家が100平米だった場合
400,000万円×100平米=4,000万円

ということになります。

参考:“財産評価基準書 路線価図・評価倍率表”. 国税庁. (参照2024-04-10)

例)B:建物の相続税評価方法

建物の相続税額は、固定資産税課税明細書にある建物欄の「固定資産税評価額」を見ます。そこに記載されている固定資産税評価額がそのまま、建物の相続税評価額となります。

例えば、400万円と記載があれば、そのまま400万円が相続税の評価額です。

上記例の場合は、A+B=4,400万円が相続税の評価額となります。この金額だと、基礎控除3,600万円以上ですので、相続税の支払いが発生することになります。

しかし、この不動産が、自宅であった場合や、賃貸経営などをしていた場合は、評価額の減額ができる制度がありますので、それらを適用した後の金額が、相続税評価額になります。これらの制度は次項で解説があります。

2-2.家を相続するときに使える制度 小規模宅地の特例「自宅」の場合

小規模宅地の特例とは、自宅や賃貸アパートの敷地の相続税評価額が、ある一定の面積までなら減額される制度です。

自宅の場合は、小規模宅地特例の「特定居住用地」が適用されます。

特定居住用地の特例とは、相続した家が、亡くなった親が自宅として使っていた場合や、親と一緒に同居していた配偶者(個人の夫または妻)または子が自宅を相続するときには、路線価で出した土地の相続税評価額を80%引きにします、というものです。

前項の例を使って計算をしてみましょう。

例)土地評価額4,000万円 建物の評価額300万円の場合

  • 自宅の相続税評価額=4,300万円
  • 小規模宅地の特例を適用した場合
    土地評価額4,000万円-(4,000万円×80%)=800万円
  • 小規模宅地の特例を適用した後の自宅評価額
    土地評価額800万円+建物評価額300万円=1,100万円

となります。

この特例は、同居している自宅に対して、高い相続税を払わなければならなくなると、相続税支払いのために自宅を手放す必要が出てくるケースがあります。そうすると、そこに住んでいた家族は、住む家がなくなってしまうので、そのようなことが起きないための制度です。

そのため、親と同居している家族が自宅を相続するときに、大幅な土地評価の割引が適用されます。この制度を上手に使って、控除金額の3,600万円以下に収まるような評価額になれば、相続税額は発生しなくなります。

したがって、相続で遺産分割をする際には、誰に、何を相続させるのかもとても大事になります。

参考:“No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)”. 国税庁. (参照2024-04-10)

2-3.家を相続するときに使える制度 小規模宅地の特例「賃貸物件」の場合

相続する家や不動産が、アパート経営や駐車場経営など、土地活用に使われているケースもあります。アパートなどの賃貸物件に使われている土地は、「貸家建付地」といい、小規模宅地の特例が適用されます。

この特例は、相続人が相続した不動産が、自宅用ではない場合、仮に相続人がその不動産を売る・修繕するなどの手を加えようとした場合でも、そこに入居者や賃貸人がいる限り、自宅のように100%相続人が思った通りにはできないことが多いため、その「不自由さ」に対して理解を示した制度です。

計算方法は、以下の通りです。

自用地評価×{1-(借地権割合×借家権割合×賃貸割合)}

計算式だけだと少しわかりにくいのですが、その土地建物を自分用(自宅)として持っていた場合をまず計算し、そこから、貸家建付地の特例を適用し、以下のように減額します。

  • A 地域によって定められている「借地権割合」
    借地権割合は国税庁のホームページの路線価図を見るとわかるようになっています。
  • B 賃貸物件に適用する「借家権割合」
    全国一律30%と決められています。
  • C 貸し出し中の部屋に応じた「賃貸割合」
    満室経営と空室が多い場合は、満室に近い経営状態の方が、割合が増えます。これは、経営努力をしている方と、あまり努力をしていない経営者を区別するためです。
  • D 建物の評価
    自宅の時と同様、固定資産税明細書に記載されている建物値段がそのまま評価額となります。

例)自宅としての評価が4,000万円 A借地権割合60% C100%満室経営のアパートの場合
4,000万円×{1-(A0.6×B0.3×1)}=3,280万円

本例の場合は、貸家建付地の特例を適用することで4,000万円→3,280万円まで減額しています。この金額に、建物がある場合は、建物の評価額を足したものが相続税の対象額となります。

参考:“No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)”. 国税庁. (参照2024-04-10)

2-4.固定資産税

家や不動産を相続すると、相続した不動産の固定資産税を支払います。これは、不動産を持っている限り発生し続ける税金です。都市部に不動産がある場合は、固定資産税のほかに都市計画税があります。

  • 固定資産税=課税標準×1.4%(標準税率)
  • 都市計画税=課税標準×0.3%(制限税率)

固定資産税は地方税なので、不動産のある地域によって税率が違います。どちらもご自身で計算をしなくても、毎年4~6月の間に、不動産がある自治体から、不動産の所有者あてに、固定資産税などが記載された明細書と払い込み用紙が郵送で届きます。

参考:“固定資産税(償却資産)”. 東京都主税局. (参照2024-04-10)

2-5.登録免許税ほか

不動産の相続をして、名義書き換えをするときに発生する税金です。金額は「固定資産税評価額 × 0.4%」ですが、相続登記を司法書士に依頼する場合には、報酬支払いがあります。

名義の書き換えには、以下のような費用が発生します。

例)固定資産税評価額が3,000万円の土地の場合

  • 登録免許税 3,000万円×0.4%=12万円
  • 印紙税
    契約書、受取書、証書などの公的な書類に貼る収入印紙のことで、書面に貼ることで税金を払ったことになります。印紙税額は、文書の種類・書面に掲載されている金額によって所定の金額が決められています。
  • 司法書士報酬 5~10万円が相場 ※事務所や地域で違います。

これらの名義変更に関する支払いは、ご自分で手続きをする際には、現金の用意が必要です。司法書士などの専門家に依頼をする場合は、報酬支払時に一緒に請求されるのが一般的です。

また、相続をした不動産を売却した場合は、不動産会社へ支払う仲介料が発生します。

2-6.譲渡所得税

譲渡所得税

家や不動産を売却した際、利益が出たときにかかるのが「譲渡所得税」です。譲渡とは売却のことですので、売却したときに得た利益に対する所得税のことです。

相続した不動産を売った場合や、相続税支払いのために相続した不動産売却をするケースでも、利益が発生すれば譲渡所得税が課税され、それに伴い、住民税も課税されます。

利益から、故人がその不動産を買った時にかかった費用、今回売却したときにかかった費用などがすべて差し引けますが、相続税の支払額は、これらの費用に含まれませんので注意が必要です。

相続税は不動産の評価額に基づいて計算されますが、その物件が自宅の場合や賃貸物件に利用されている場合などには特例が適用され、相続税額を下げることができます。

また、相続した不動産には固定資産税がかかって毎年支払う必要がありますし、名義書き換えや不動産の売却時には登録免許税や譲渡所得税も発生します。これらの税金や費用は、相続や不動産の管理・処分の前に計画しておきましょう。

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生

相続で得た家や不動産を売却する場合で、「相続空き家の3,000万円特別控除」の要件に該当する場合は、制度の適用により、所得税の軽減ができます。詳細は関連記事をご覧ください。

参考:
“No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例”.国税庁. (参照2024-04-10)
“No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例”. 国税庁. (参照2024-04-10)

3.家の相続に関する注意すべき9ポイント

家の相続に関する注意すべき9ポイント

本章では、これから相続のことを考える・今から相続をしなければならない方のどちらでも、家や不動産の相続があるのならば、注意しておいた方がよいことを9つのポイントとしてまとめています。

  1. 相続人が複数いる
  2. 家を相続したくない(放棄したい)
  3. 家が空き家
  4. 不動産を売りたい(現金化したい)
  5. 家が借地
  6. 親が認知症になる前に相続対策をする
  7. 相続発生前に不動産価値を把握する
  8. 相続発生前に売却しておいたほうが良い不動産はある
  9. 家の相続には信頼できる不動産会社が必要

3-1.ポイント1 相続人が複数いる

相続が発生した場合、相続人が1人だと話は早いのですが、相続人が複数人いる場合は注意が必要です。相続する家も複数あれば、1人1軒ずつなどのようにすれば良いのですが、そのようにはできないケースも多いでしょう。

不動産を含めた遺産の分割の仕方には、次の3つの分割方法があり、どのように分けるのかは、相続人が話し合いで決めることになります。

3-1-1.分割方法1 現物

個々の財産ごとに所有者を決めて、現物で分割をする方法。例えば、自宅は長男、貸家は次男、店舗は三男などのように、不動産そのものをそのまま現物で分割する方法です。

3-1-2.分割方法2 換価

不動産などを売却して、その売却額を現金で分割をする方法。分けるのが難しいタイプの不動産は、すべて売却し、現金になったものを分割します。例えば、兄弟がそれぞれ自宅持っていて親の実家には住まない場合には、売却をして相続人で分けるなどの方法です。

3-1-3.分割方法3 代償

特定の相続人が、他の相続人より多めに財産を取得する代わりに、多くもらった人が自分の固有の財産から、他の人にいくらか支払いをする方法。例えば、残された相続財産が自宅だけで現金がほとんどない状況で、同居していた長兄が親の自宅を相続する代わりに、次男三男には、長兄の財産からいくらかを支払うという形です。

これらはどれが良いということはなく、相続人が納得するかどうかで決められます。

不動産売却塾 コラム

“家の共有は、おすすめできない”

不動産を現金化しない方法を選ぶ場合、4つ目の選択肢として、不動産を共同で所有する「共有」という方法もありますが、相続の方法としては、あまりおすすめできません。

「共有」にすると、不動産を共有名義にすることになりますが、共有名義になると、将来、売却や建て替えなどの不動産に関した重要事項を決定するときには、毎回、共有者全員の合意が必要となります。

相続時の良好な関係性が、未来まで同じである可能性は保証されていないため、将来のもめごとのタネを残すことになります。時間を重ねれば、共有者の中には、亡くなる方や、連絡の取れなくなる方も出てきます。そして、共有名義のどなたかが亡くなった場合、その方が全く面識のない誰かに権利を相続させていることもあります。

また、病気や認知症などの判断能力が低い状態でいる可能性もあり、その場合は、その方が亡くなるまでは、売却も立替もできなくなる可能性もあります。

相続人が複数人いる場合には、税理士や弁護士などの専門家を交えた状態で、なるべくリスクの対処方法が選べるようにしっかりと打ち合わせをしたうえで、相続方法を選ぶようにしてください。

3-2.ポイント2 家を相続したくない(放棄したい)

相続放棄とは、法定相続人となった場合に、はじめから相続人ではなかったことにするための手続きです。

相続財産にマイナスがある場合はもちろん、プラスの財産でも受け継ぐ権利を放棄することになりますので、相続放棄は、相続財産に「マイナスの財産しかないことがハッキリした」ときに決定したほうが良いでしょう。

マイナスの財産には、例えば、税金などの滞納金、借金、保証人、住宅ローンなどがあります。

相続の開始を知った時点で、負債がどのくらいあるのかわからない場合で、相続放棄をするか迷う場合には、限定承認という相続方法もあります。これは、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産も引き継ぐ方法です。

この方法だと、後でマイナスの財産が多いことがわかった場合は、超過分を支払う必要がありませんので、プラスマイナスゼロの状態で相続をすることができます。ただし、この方法をとる場合は、相続人全員から合意を得る必要があります。

相続放棄と限定認証は、相続があることを知ってから3か月以内に家庭裁判所で手続きをする必要があり、期限が過ぎてしまうと、無条件に相続をすることになります。相続放棄をすると、相続を放棄した人の子や孫などの代襲相続はされず、残った相続人だけで遺産を分けることになります。

3-3.ポイント3 家が空き家

家が空き家

相続が開始する前に、親が老人ホームなどに入り、実家に親が住んでいない=空き家の状態で相続が発生することがあります。ここで気になるのは、相続の際に大きく相続税額を軽減できる、小規模宅地の特例が使えるのかどうか、です。

親が相続開始の直前に、介護保険法などが規定する要介護認定などを受けている、または、親が老人福祉法などに規定のある特別養護老人ホームなどに入居か入所をしていた場合は、小規模宅地の特例が使えることが多いので、相続税額を減らすことができます。

ただし、老人ホーム入所後に空き家を人に貸す、または新たに親族を居住させていた場合には、小規模宅地の特例などは適用できなくなりますので、注意が必要です。

親がホームに入ったばかりの時は、「戻ってくるかもしれない」と考えるため、すぐに売却を考えたりはしないものですが、将来の相続のことを考えるのであれば、万が一のことも想定し、実家をどういう状態で保存しておくかは考えておく必要があります。

また、相続後は、家を放置しないように気を付けます。手入れをせずに放置しておき、劣化が激しくなると、自治体で「特定空き家」として認定されてしまうことがあります。

空き家の認定めやすは自治体によって少しずつ違いがありますが、基本的に「1年間全く利用されていないこと」なので、家を相続した場合には、定期的に手入に通う必要があります。特定空き家に認定されてしまうと、固定資産税が通常の6倍近い値段になり、家を持っているだけで大きな出費になります。

相続後の家の活用方法に関しては、不動産会社と相談をして、賃貸や売却などの可能性を検討してみる必要があります。空き家に関することは、関連記事もご確認ください。

参考:
“No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例”. 国税庁. (参照2024-04-10)
“No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)”. 国税庁. (参照2024-04-10)

3-4.ポイント4 不動産を売りたい(現金化したい)

不動産を売りたい

相続が発生したときに、手元にまとまった現金がない場合は、不動産を売却して現金化をし、相続税を支払うという方法があります。また、不動産を売ったお金を、相続人間で財産を分割する場合にも、不動産の売却が必要です。

相続が始まった時点で、売却をしないとならないことわかっているのであれば、売却の準備をなるべく早めに取りかかる必要があります。不動産は、買い手が見つからないと売れませんので、現金化するまでに時間がかかるタイプの資産です。

どうしても短期間で現金化する必要がある場合は、不動産会社に直接買取をしてもらう方法もあります。しかし、何も準備をせずに納税期限に迫られて売るような形になると、売却価格は想定よりも安くなってしまう可能性もあります。

相続が発生したら、相続財産だけでなく、ご自身の預貯金なども含めて現金資産を確認し、相続税の支払いに足りるかどうかは、あらかじめ確認しておく必要があります。

また、不動産の売却をするときには、家の中に残っているもの(家具・家電・衣類など)は、原則すべて撤去をすることになっています。買い主の希望や購入条件によっては、内覧・建物解体・近隣との境界線確認など、現場に立ち会う作業もあり、想定しているよりも非常にタイトなスケジュールになります。

一般的な不動産売却にかかる時間は3~6か月と言われていますが、相続税の支払い期日は相続発生から10か月以内ですので、10か月目の頭ごろには売却額の入金が済んでいないとなりません。

そのためには、最低でも6か月以上のスケジュールの余裕を持って、売却活動ができるように準備しておき、少しでも高く売却できるようにしておく必要があります。

3-5.ポイント5 家が借地

相続する家が、借地に建っていることがあります。借地権は、故人の財産ですので、相続人は借地権も相続できます。借地権の相続にあたり、地主からの特別な許可や申請は不要です。

相続が発生したら、借地権はその他の相続財産と同様に、相続人が引き継げます。相続発生時に、地主が借地人に対して名義書き換え料を請求してくることはありますが、支払義務はありません。

ただし、借地でも相続をすると相続税がかかり、故人の所有していた不動産建物と借地権の両方が課税対象になります。計算式と例は以下の通りです。

計算式: 土地の評価額×(1−借地権割合)

例)土地評価額が5,000万円 借地権割合60% 建物評価額400万円の場合
借地のもともとの評価額5,000万円×(1-60%)=2,000万円

となり、土地を借りている方の土地評価額は2,000万円になります。建物は故人の財産ですので、固定資産税明細に乗っている金額がそのまま、評価額となります。

今回の場合は、借地評価額2,000万円と建物400万円で、2,400万円が相続税の評価額となります。

土地は路線価で評価額を出しますので、路線価×借地権割合で計算した額が、相続税評価額です。路線価も、借地権割合も、国税庁ホームページの路線価図に記載されています。

参考:“財産評価基準書 路線価図・評価倍率表”. 国税庁. (参照2024-04-10)

3-6.ポイント6 親が認知症になる前に相続対策をする

これから相続が発生する可能性がある方は、親が認知症になる前に相続対策をしておく必要があります。その理由は、認知症の症状が進むと、遺言書などの相続対策ができなくなるからです。

認知症と診断をされて意思能力がないと判断されると、例え、遺言を書いておいたとしても無効になる可能性が高くなります。また、相続税対策なども、本人に認知症の症状があると、対策を実行すること自体が難しくなります。

例えば、親の認知症が進み、家族でケアができなくなったケースでは、実家を売却してホームの入居費用に充当しようと思っても、その実家の権利者は親ですので、親に認知症の診断が下りていると、子が勝手に家を売ることはできなくなります。

また、遺言がない状態で、老夫婦のどちらかが亡くなった場合、残された方に認知症症状があると、遺産分割協議が成立しなくなります。このようなケースでは、遺言書が見つからない限り、遺産分割協議が進まず、相続が進まなくなります。

このような事態を解決するためには、成年後見制度などを利用する方法がありますが、一番良いのは、親と普通に意思疎通ができる間に、相続に関する話し合いを家族でしておき、将来に備えておくことです。

3-7.ポイント7 相続発生前に不動産価値を把握する

将来、相続をする可能性がある家や不動産がある場合は、事前に、その資産価値を把握しておくことをおすすめします。また、相続が開始してしまった場合でも、早い段階で不動産価値をつかんでおくことで、トラブルを避けることができます。

例えば、売却をしたらいくら、人に貸して賃貸運営をしたらいくら、自分たちが住んだらリフォームにいくらなど、相続が起きた時のさまざまなケースをシミュレーション計算しておくという意味で、不動産の売却額や建築プランなども査定しておくことをおすすめします。

これらの査定は、実際に相続が開始したときにもしますが、事前にある程度の情報をつかんでいることで、相続を開始後、その他の資産がすべてわかったところで、どうするのが最良の結果を生み出すのかを、より明確になります。相続開始直後は、身内をなくしたこともあり、感情的になりがちな部分もありますが、前もって相続時のことが頭に入っていれば、最善の答えを導き出すことができます。

特に、相続人が複数人いる場合は、親が元気なうちに不動産の価値を、相続人全員が把握していることで、相続開始後の無用なトラブルを避けることができます。実は、不動産には定価がなく、評価方法も複数あり、それが市場の状況によって変動しています。

相続人がそれぞれ、自分思うような方法で不動産価格を見積もっていた場合、それぞれが勝手に想定していた相続額に大きなばらつきが出ることもあります。その結果、大きく見積もっていた方は、実際の相続額に不満を抱き、遺産分割協議がまとまらなくなるケースなどが見受けられます。

多くの場合、遺産分割協議がまとまらなくなる大きな理由は「不公平感」にありますので、最初から、家の価値がどの程度のものなのか、相続したらどのくらいの金額になるのかなどが頭に入っていれば、大きなトラブルは避けることができます。

3-8.ポイント8 相続発生前に売却しておいたほうが良い不動産はある

一般的には、家や不動産は、さまざまな控除の適用が期待できる相続後に売却するほうがおトクだと言われています。しかし、中には、相続が発生する前に売却したほうが良いケースもあります。

  1. 相場が上昇しているとき
  2. 小規模宅地などの特例が使えない不動産
  3. 流動性が低い不動産

3-8-1.相場が上昇しているとき

不動産の価格は、不動産市況と物件の築年によって変わります。建物の価値は、新築から年数が経過するにつれて下がりますが、土地は不動産市況によって建物の減価分を大きく超えるほど価値が上がるときがあります。

そのようなタイミングでは、相続が開始されるまで待つよりも、上昇トレンドのタイミングで売ってしまったほうが良いこともあります。他にどのような資産があるかでも変わってきますので、気になる方は、税理士など複数の専門家に確認をしてから行動に移してください。

3-8-2.小規模宅地などの特例が使えない不動産

故人が所有していた自宅や事業用地の評価を80%も減額してくれる「小規模宅地の特例」は、実は細かな要件があるため、制度の適用ができないことがあります。

しかし、相続が始まってからだと、その土地建物の持ち主は故人となっていますので、相続という形でしか取り扱いができなくなります。特例が適用されない場合は、軽減率が悪くなりますので、かなり高額な相続税額になる可能性があります。

本人が存命のうちに、特例の適用ができるかどうかを確認し、適用外だとわかった場合は売却をすれば、本人が売却で得た利益を3,000万円まで控除できる「3,000万控除」が必ず適用されますので、より多くの資産を残すことができます。

「適用できるだろう」ではなく、実際に適用できるかどうかをハッキリさせておくことで、より家の相続がスムーズになります。

3-8-3.流動性が低い不動産の場合

不動産の中でも、すぐに売れない・売りにくいタイプの不動産は、相続トラブルのもとになりやすいため、早めの売却も視野にいれて考えます。

例えば、長兄に都心のワンルームマンション 次男に田舎にある別荘を遺すとします。このワンルームマンションと別荘の不動産評価額が同じ3,000万円だとしても、兄のワンルームマンションは流動性が良く、次男の別荘は売りたくてもすぐには売れないので、遺産分割協議でもめる可能性があります。

このようなケースでは、相続が開始する前に両方の不動産を売却し、現金で分ける方がスムーズに相続が進みます。

3-9.ポイント9 家の相続には信頼できる不動産会社が必要

相続が始まる、または将来の相続について考える場合、ある程度の分配方法が決まったら、次は家や不動産を取り扱ってくれる不動産会社をどこでどうやって見つけ、頼むのが良いのかを考えておきます。

不動産会社は直接、相続には関係ないように思えますが、不動産会社の仕事には売買・交換・賃貸・管理など、不動産に関するあらゆる内容がふくまれています。相続に関することであっても、家やマンション、土地などの一般的な不動産の売却であれば、不動産会社に依頼をすることになります。

相続で気を付けることは、不動産会社の担当者が、相続に関する実務をある程度理解し、譲渡所得税や相続税に関して、それなりの知識と経験があることが理想です。

例えば、相続税の申告で、不動産評価の特例を使うか使わないかによって、相続税額に大きな差が出ます。また、相続税には支払い納期がありますので、売却をして納税をする予定であれば、スケジュール管理をかなり厳密にする必要があり、必要な場合には、顧客リストなどを使って積極的な営業をしてもらう必要があります。

最終的な確認は、相続人も税理士などの専門家に相談してから行動することになりますが、家の売却でなにか疑問があった時に、すぐに担当者と確認をしながら話が進められる方が、断然、頼りになります。

家の相続をする際には、上記のように注意しなければいけないポイントがたくさん。

相続人が複数ある場合はどう分割するか、不動産を現金化したいならいつまでに現金を手元に置いておきたいのかなどを考えないといけないですし、そのためには事前に相続対象の不動産価値を把握することも肝要です。こうしたことをしっかりと親と話し合っておきましょう!

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生

このように、同じ不動産会社に頼むのでも、相続に関したことが関係する場合には、とくに、信頼性と経験値の高い不動産会社を選ぶ必要があります

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まとめ

家の相続に関して、全体的に理解できるようにまとめました。相続のスタートから終わりまでには10か月という決まりがあり、その中で、7日以内に死亡届、3か月以内に相続放棄、4か月以内に準所得税の納税があります。

また、相続税は相続をしたら誰にでもかかるものではなく、3,600万円以上の相続額があれば、発生します。

土地活用などで複数の不動産をお持ちの場合は、相続税がかかる可能性はかなり高くなりますが、適用できる相続税の控除などもあり、準備さえきちんとしておけば、相続税のために大変な思いをしなくても済むでしょう。

家や不動産の相続をした場合には、様々な理由で売却をすることもありますが、その場合には、相続に関する経験のある信頼できる不動産会社と担当者がつくことで、安心して相続手続きを進めることができます。家の相続に関した不動産会社をお探しの場合は、「不動産売却 HOME4U」をご利用ください。

家や不動産の相続の手順や特例などのルールは、把握が大変ですよね。

ですから10か月以内にスムーズに相続税を申告・納付するためには、生前の事前準備がとても重要となります。特に相続人と遺言書を把握しておきましょう。

また相続対象の不動産の価値はいくらなのか、きちんと現金で相続税を払えるかどうか、払えないのであれば売却をするかなどの事前検討も必要。これらのポイントを押さえ、スムーズな相続手続きをしましょう。

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生