家の売却は「買取」で良いの?知らないと損する特徴など解説

不動産の売却方法には「買取」と「仲介」があります。
はじめて家を売却する方の中には、「家の売却イコール買取」と思っている人もいるかもしれません。

しかしながら、「買取」というのはあくまでも緊急的な手段の売却であり、通常、家の売却は「仲介」で行います。ただし、状況によっては買取を選択した方が良いケースもあります。

では、「家の買取」とはどのようなものなのでしょうか?
あなたが家を売却する時には、「買取」と「仲介」のどちらが良いのでしょうか?
気になりますよね?

そこでこの記事では「家の買取」がどういうものなのか、メリットやデメリットは何なのか、買取に向いている人はどんな人なのか等について解説致します。
加えて、「仲介」とは何なのか、買取との違いはどういう点か等についてもご紹介します。

ぜひ最後までお読みいただき、買取に関する知識を深め、家を売却する時に適切な判断ができるよう準備をしてください。

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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.不動産買取とは?家を売る手段の1つ

不動産会社は家を買い取り、買い取った家に利益を乗せて買主に市場価格で転売します。

いわゆる中古車やピアノの買取と同じで、下取り価格で買い取り、一般の買主に売却するのが買取です。

なかなか売れない古い家も買取サービスを利用すれば、スピーディーに売却できるのが大きなメリットです。ただし、不動産買取では、不動産会社が安く下取りして通常の価格で売るため、不動産会社へ売却する価格は通常の価格(仲介で売却するケース)よりも安くなります。
不動産会社が提示した価格で良ければ、すぐに売却することができます。

2.買取と仲介の違い

仲介は、売主が不動産会社を通して買主に直接売却する方法です。

但し仲介で買主を探すのには一定の時間がかかるため、仲介の売却は一般的に数ヶ月かかります。

「不動産会社はあくまでも買主を探すお手伝いをする」というのが仲介の特徴です。

買取と仲介の流れの違いを比較すると、以下の通りです。

買取の流れ 仲介の流れ
Step1. 不動産会社に査定依頼 Step1. 不動産会社に査定依頼
Step2. 不動産会社が物件調査・価格査定 Step2. 不動産会社が物件調査・価格査定
Step3.不動産会社と売買契約締結 Step3.不動産会社と媒介契約締結
Step4.決済・不動産引き渡し Step4.買い主の募集を開始
Step5.買付申し込み対応
Step6.価格交渉
Step7.買い主と売買契約締結
Step8.決済・不動産引き渡し

買取は「売り手がやることは少なく早く売れるけど、売却価格は安い」であるのに対し、仲介は「やることが多く売るのにも時間がかかるけど、売却価格は高い」という違いがあります。

買取も仲介も、まずは売却のために不動産会社に査定依頼を行い価格を提示してもらいます。

買取の査定は、買取を行う不動産会社が「自分が買い取る価格」を査定します。

不動産会社の提示する買取価格が良ければ売買契約を行い、物件を引渡せは終了です。

一方、仲介の査定は、不動産会社が「一般の買主が買うであろう価格」を査定します。

仲介の査定価格は売却予想価格ですので、その価格での売却が確約されるものではありません。

仲介の査定は、売却価格の予想を行っているだけであり、その価格を元に売り出し価格を設定します。

売り出し価格が決まれば不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約とは不動産会社に依頼する仲介の契約のことです。

媒介契約を終えれば売却活動を開始します。売却活動の期間は通常、3ヶ月程度が一般的ですが、確実に3ヶ月で終わるものではありません。
高過ぎる売り出し価格を付けてなかなか購入希望者が現れない場合等、何らかの問題がある場合には、売却期間も長期化します。

無事買い主が見つかったら、必要に応じて価格交渉を行い、売買契約をします。

その後、1ヶ月後くらいに不動産の引渡を行って終了です。

このように仲介と買取では流れに大きな違いがあります
仲介は、順調にいっても3~4ヶ月程度の時間はかかり、通常は半年程度を見込んでおくことが必要です。

一方買取は、売主が望めば2週間程度で全て完結してしまいます。
売却に要する時間は圧倒的に買取の方が短いです。

3.不動産買取は2種類ある

不動産買取には「即時買取」と「買取保証」の2種類のの買取方法があります。
この章では具体的にどのような買取方法なのかを解説します。

3-1.即時買取

即時買取とは、家を売却する側と不動産会社側とで価格交渉が決まると契約成立する方法のことをいいます。

不動産会社にもよりますが、早ければ数日〜1週間程度で契約が成立します。
即時買取の場合、市場価格よりも低い価格での売却になる可能性が高いというデメリットがありますが、すぐに引越しをするのでなるべく早く売却したい人や、早く売却して現金化したいと考える人にはこの即時買取がおすすめです。

また仲介が対応する手間とコストも発生しないため、時間をかけずになるべくスピード感をもって売却したい方には即時買取が向いています。

比較的資金力のある大手の不動産会社がこの方法で対応するケースが多く、売り手と買い手との間でトラブルが起こるような心配もありません。

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買取の場合は、備考欄に「買取希望」の旨を記載すれば買取を取り扱う不動産会社から査定を受けられます。

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3-2.買取保証

買取保証とは、一定期間を仲介でチャレンジし、最終的に売れなかった場合には買取を実行するという売却方法です。

買取保証

買取保証は仲介と買取をミックスさせた売却方法であるため、仲介と買取の良いとこ取りをしたい方に向いています。

買取保証は、仲介の部分で売れれば高く売却することが可能です。
最終的に買取になると価格は安くなりますが、確実に売却活動を終了させることができます。

例えば、離婚や相続で家を売却するようなケースでは買取保証が向いています。
離婚で共有の家を売却するような場合、特に時間が差し迫っているわけでもないですが、いつまでも元パートナーとダラダラと売却活動したくないということがあります。

また、相続で相続税の納税のために不動産を売却することになった場合には、できるだけ高く売りたいものの、納税期限までには確実に売却を終わらせたいというのが一般的です。

このように、ある程度時間がある中で、できれば高く売りたいけれど確実に売却を終わらせたいという方は買取保証が向いています。

買取保証は、中規模以上の不動産会社だとサービス提供しているケースがあります。
査定を依頼する際に、買取保証をやっているかどうか、確認してみてください。
買取保証の方が自分に向いているという場合には、「買取」「仲介」のどちらかでなく、買取保証を選ぶのが良いでしょう。

買取に関する詳しい解説は下記の記事をご覧ください。

土地を買取で高く売るには?買取のメリット・デメリット、コツを紹介

4.不動産買取のメリット

不動産買取にはメリットとデメリットがあります。

不動産買取 項目
メリット
  • 早く売れる
  • 確実に売れる
  • 仲介手数料はかからない
  • 内覧の必要がない
  • 他人に知られずに売却できる
  • 修繕せずにそのまま売却できる
デメリット
  • 価格が安くなる
  • 価格に対する納得感が生まれにくい
  • 高く買ってくれる買取会社を探しにくい
  • 値段を自由に設定できない
  • 売却しながら次の物件を探すようなことはできない
  • 物件によっては買取を断られることもある

この章では不動産買取の6つのメリットを解説します。

4-1.早く売れる

買取のメリットの最大の特徴は、「早く売れる」という点です。
買取の場合、査定の段階で不動産会社は実際に買い取る価格を提示してくれますので、売却が早く決まります。

希望する価格以上であれば査定から最短で数日で契約が成立することもあります。
とにかく早く不動産を売却したい人は買取を選択すると良いでしょう。

4-2.確実に売れる

買取だと確実に売れることもメリットのひとつです。

不動産会社が提示された価格は、売却を確約してくれる価格であることから、その額で確実に売れます。
また、買取は資金力がある不動産会社しかできないため、契約が解除されるリスクは低く、個人の買主よりも買主としての信用力が高くなります。

4-3.仲介手数料はかからない

買取の場合は仲介手数料がかかりません。
仲介しないため、その分の手数料は必要ないからです。

不動産会社によっては高額な仲介手数料を請求される場合もあります。
なるべくコストも抑えて売却したい人には買取がおすすめです。

4-4.内覧の必要がない

内覧とは、販売期間中、購入希望者に家の中を見せる行為を指します。
仲介だと、購入希望者が現れるたびに内覧対応を行う必要がありますが、買取ではその負担はありません。

査定の時点で買取会社が家の中を確認しますので、仲介で必要となる内覧対応も不要です。

内覧を行う場合には、内覧の準備や内覧会の対応など大変なことも多いですが、買取の場合はその手間もかけずに売却することができます。

4-5.他人に知られずに売却できる

買取は仲介のように大々的に広告を出す必要もないことから、周囲に知られずに売却を進めることができます。

ご近所トラブル等で周囲に知られずに売却したい方にとってはメリットです。

特にマンションなど多くの入居者がいるような場合には、ご近所トラブルの危険性も高くなります。
トラブルを防ぐためにも買取を選ぶと良いでしょう。

マンションの買取に関する詳しい解説は下記の記事をご覧ください。

マンション買取業者と不動産会社での買取の違いを解説

4-6.修繕せずにそのまま売却できる

買取では物件に損傷部分がある場合、買取価格はさらに安くなりますが、それでも基本的にそのまま買い取ってくれるので、売主側で修繕をする必要はありません。

修繕については、買い取った後、不動産会社が自分で行うため、壊れたままでも買い取ってもらえます。

修繕のためのコストや日程調整なども不要なので、売却まで比較的スムーズに行うことが可能です。

5.不動産買取のデメリット

不動産買取にはメリットがある一方、デメリットも存在します。
この章ではどんなデメリットがあるのか解説します。

5-1.価格が安くなる

買取の最大のデメリットは、「価格が安くなる」という点です。

価格は、仲介で売却する場合の80%程度になります。
損傷が多い物件や、売却が難しい物件はさらに価格が下がります。

なるべく高く売りたい人にとって買取だと、希望する売出価格で売ることは難しいかもしれません。

5-2.価格に対する納得感が生まれにくい

買取価格は、不動産会社の「言い値」で決まります。
そのため適正な相場も分かりにくく、価格に納得感が生まれにくいのがデメリットでもあります。

不動産会社によって「言い値」も大きく異なります。安い言い値を提示されてしまえば、気づかない間に大きな損をしているなんてことも起こり得るのです。

5-3.高く買ってくれる買収会社を探しにくい

高く買ってくれる買取会社は探しにくく、買取で高く売ることは、かなり難しいといえます。

買取の場合は、あくまでも不動産会社からの提示金額で買取価格が決まります。

不動産会社は買い取った家に利益を上乗せして再販するため、安く買い取れれば、より多く利益を得られるのです。
不動産会社は市場価格よりも安く提示をしてくるため、高く買ってくれる不動産会社を見つけるのは大変です。

5-4.値段を自由に設定できない

買取の場合は、仲介のようにチャレンジ価格で高く売ってみるような自由な価格設定もできません。

不動産会社側が提示してくる価格で買取を行うため、売り手が値段を決めるということができないのです。

5-5.売却しながら次の物件を探すようなことはできない

買取は契約成立まで、数日〜数週間で行われます。
売却期間が短いため、買い替えで売却しながら次の物件を探すようなことはできません

新しい物件を契約した後に、不動産買取を行えば問題がありません。売却をしながらの物件探しを行う場合は、買取よりも仲介を利用する方が良いでしょう。

5-6.物件によっては買取を断られることもある

物件によっては買取を断られることもあります。
特に大手の不動産会社は、転売できそうな物件しか買い取らない傾向が強く、売れなさそうなリスクの高い物件は買い取ってもらえないことが多いです。

物件によっては売却方法の向き不向きがあります。
買取を断られた場合は、仲介などを利用し確実に売却できるよう臨機応変に行動していきましょう。

6.買取と仲介どちらを選べばいいの?

買取と仲介にはそれぞれ特徴があり、メリットとデメリットがあります。
では実際、家の買取におすすめなのはどちらなのでしょうか。
この章では買取が向いている人と仲介が向いている人の特徴を解説します。

6-1.不動産買取が向いている人

買取に向いている人は、以下のような人たちです。

  • とにかく早く売りたい方
  • 事故物件を売る方

買取に向いている人は、主に安くても良いので早く売る必要のある方です。
不動産は仲介で売却すると非常に時間がかかるため、すぐに現金化を希望しているような場合には、買取の方が向いています。

また、事故物件を売る人も買取が向いています。
事故物件とは、過去に自殺現場となった物件や、殺人事件、火災、忌まわしい事件・事故等があり、心理的な面において住み心地の良さを欠く物件です。

ただし、事故物件のような家は、全ての買取会社が買い取るわけではありません。
リスクを取ってくれる買取専門の不動産会社を見つけて売る必要があります。

6-2.仲介が向いている人

仲介に向いている人は、以下のような方たちになります。

  • 高く売りたい人
  • 時間に余裕のある人
  • 買い替えを行う人

家の売却ではほとんどの方が仲介を選択しますが、主には時間があり高く売りたい方に向いているといえます。

また、買い替えを行う方で売りながら次に購入する物件を探したい方も、売却期間が長い仲介が向いています。

尚仲介には仲介手数料などの売却手数料が発生します。
手数料に関する詳しい解説は下記の記事をご覧ください。

不動産売却手数料の相場はいくら?売却にかかる費用をチェック
“「仲介」で高く売るための必勝法とは!?”

仲介の高く売れるというメリットを最大限に生かすには、高く売ってくれる不動産会社を探すことが重要です。
仲介では買主探しに時間がかかるため、不動産探しは効率的良くスピーディーに行うことがポイントとなります。

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不動産売却 HOME4U」で提示される査定価格は、どれも仲介による売却予想価格です。
査定価格は、概ね3ヶ月程度で売却できる価格になります。

一括査定サービスを使うと、売却活動開始までの期間を短縮化することができますので、「時間がかかる」という仲介のデメリットを最小限にすることもできます。

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不動産売却の豆知識 不動産会社によって「査定価格」は違う? 不動産会社によって「査定価格」は違う?

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まとめ

いかがでしたか。
家の買取について解説してきました。
買取とは転売を目的とした不動産会社への売却であり、仲介とは最終消費者へ直接売る売却のことを指します。

買取と仲介のメリットとデメリットは以下の通りです。

  買取 仲介
メリット ・早く売れる
・確実に売れる
・仲介手数料はかからない
・内覧の必要がない
・他人に知られずに売却できる
・修繕せずにそのまま売却できる
・高く売れる
・価格に対する納得感がある
・高く買ってくれる人を探しやすい
・価格を自由に設定できる
・売却しながら次の物件を探すことができる
・基本的に依頼を断られることはない
デメリット ・価格が安くなる
・価格に対する納得感が生まれにくい
・高く買ってくれる買取会社を探しにくい
・値段を自由に設定できない
・売却しながら次の物件を探すようなことはできない
・物件によっては買取を断られることもある
・売却までの時間がかかる
・確実に売れるかどうかわからない
・仲介手数料が発生する
・内覧が必要となることもある
・他人に知られやすい
・修繕が求められることがある

 

買取は、主に安くても良いので早く売る必要のある方に向いています。
仲介は、主に時間があり高く売りたい方に向いています。
また、「最初は仲介で最終的に買取でも構わない」という方には、買取保証という選択肢もご紹介しました。

家の売却は買取だけではありません。
自分の目的や希望に合わせて、「買取」や「仲介」、「買取保証」を上手に選択するようにしてください。

家の買取を検討されている方は「不動産売却 HOME4U」の一括査定がおすすめです。NTTデータが運営する老舗の不動産サイトで、最大6社から家の査定を受けることができます。査定額や対応を比較して、家の買取を引き受けてくれる不動産会社を探してください

この記事のポイント まとめ

不動産買取と仲介の違いって何?

不動産買取と仲介の大きな違いは売却するまでの時間と売却価格です。
買取の場合は早く売れるが売却価格は安く、仲介の場合は売るのに時間がかかるが売却価格は高いという違いがあります。

詳しくは「1.不動産買取とは?家を売る手段の1つ」をご覧ください。

不動産買取の方法とは?

不動産の買取方法には以下の2つの方法が挙げられます。

  • 即時買取
  • 買取保証

詳しくは「3.不動産買取は2種類ある」をご覧ください。

「買取」と「仲介」どちらがおすすめ?

買取と仲介にはそれぞれ向き不向きがあります。
買取に向いている人は、以下の通りです。

  • とにかく早く売りたい人
  • 事故物件を売る人

また仲介に向いている人は、以下の通りです。

  • 高く売りたい人
  • 時間に余裕のある人
  • 買い替えを行う人

詳しくは「6.買取と仲介どちらを選ぶべばいいの?」をご覧ください。