
首都圏の中古戸建ての平均売却(成約)価格は、築10年で4,871万円、築20年で4,394万円、築30年で3,755万。全国で見ても、築20年前後の成約価格の中央値は2,950万円です。
一般的に「築10年で戸建ての価値は半減、築20年を超えると価値はゼロ」と言いますが、実際には築20年でも「思ったより値が付く」かもしれません。
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1.築年数と資産価値/築10年で建物の価値は50%下落
下記グラフは、木造戸建て住宅の築年数と資産価値の推移を示したものです。土地は含まず、建物だけの価値を示しています。
出典:中古住宅流通、リフォーム市場の現状|国土交通省
建物の価値は、築10年でおよそ50%に下がります。
税務などのための「計算用の数字」である「法定耐用年数」は、22年と定められていますが、上記グラフからも、築20年を過ぎてくると、建物の価値はほとんどなくなると考えられます。
例えば、新築時 3,000 万円で建てた木造 2 階建て(延床 100 ㎡想定)は、「建物だけ」を評価すると、築年数とともに価値は下表のように減少します。
経過年数 | 建物残価率 | 建物価格イメージ | 補足 |
---|---|---|---|
新築 | 100 % | 3,000 万円 | 新築の状態 |
5 年 | 70 % | 2,100 万円 | 築浅でも一度人が住むと価格は下がる |
10 年 | 55 % | 1,650 万円 | 価値は半減。水回り設備の更新サイクル開始 |
15 年 | 40 % | 1,200 万円 | 外壁・屋根の大規模修繕のタイミング |
20 年 | 25 % | 750 万円 | 法定耐用年数(22 年)の直前 |
25 年 | 15 % | 450 万円 | 建物より土地比率が優勢に |
30 年 | 5 % | 150 万円 | 解体を前提とした査定も |
高く売るのであれば、築10年、築20年が大きなタイミングと言えるでしょう。
2.築年数別 実際の取引価格の平均値は?
首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)で2025年に実際に取引された戸建てを築年帯ごとに平均すると、5年未満で 5,164 万円、10年以内で 4,871 万円、そして25年を過ぎても 4,407 万円と、「思ったより値が付く」水準を維持していることが分かります
築年帯 | 成約価格(万円) | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) |
---|---|---|---|
〜築5年 | 5,164 | 118.5 | 98.2 |
〜築10年 | 4,871 | 122.9 | 97.9 |
〜築15年 | 4,811 | 133.0 | 102.4 |
〜築20年 | 4,394 | 137.3 | 105.1 |
〜築25年 | 4,407 | 138.3 | 107.4 |
〜築30年 | 3,755 | 149.4 | 111.3 |
※上記は、土地と建物を含んだ価格です。
出典:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2025年01~03月】|東日本不動産流通機構.(参照2025-5-28)をもとに、HOME4Uが独自に作成
なお、参考までに、全国の戸建ての取引価格の中央値は下記の通りです。
築年帯 | 全国中央値(万円) | 首都圏平均(万円) | 全国と首都圏の差 |
---|---|---|---|
〜築20年 | 約2,950 | 4,394 | ▲約33%(−1,440万円) |
〜築30年 | 約1,880 | 3,755 | ▲約50%(−1,880万円) |
出典:国土交通省.”不動産情報ライブラリ”.(参照2025-6-12)の2024年データをもとに、HOME4Uが独自に作成
全国では首都圏より 30〜50%低めです。
ただし、地方都市でも駅近や人気エリアであれば、+10〜20%上振れるケースもあります。また、もともと品質の良い家や、丁寧に使ってきた家の場合は、築20年以上でも高値がつくことがあります。地方だと逆に、古民家、つまり「築古」に価値が付くケースも。
「自分の物件の相場は?」と気になったら、【無料】不動産一括査定「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」でチェックしてみてください。戸建ての相場を知りたい場合は、不動産会社の査定が早くて確実です。
“戸建ての相場”の罠にご用心
本記事を含め、築年数別の相場に関する情報は多数ありますが、その数値はあくまで〈平均値〉、〈参考値〉です。戸建ては一棟一様。同じ築20年でも、駅からの距離・間取り・リフォーム履歴・市況、条件が一つ違えば数百万円の差が出ることもあります。
絶対に、「万人共通の正しい相場表」は存在しません。
おおよその相場を表などで確認したら、必ず「不動産売却 HOME4U」などを使い、不動産会社による「一括査定」を受けてください。所在地や間口、設備状況まで織り込んだ査定こそ現実に近い数字です。予想外の高値がついたり、価格下落のタイミングがわかったりするメリットもあります。
大まかな相場をつかんだら、次の一手は必ず査定。これが失敗しない売却の鉄則です。
3. 築年数ごとの売りやすさ&注意点
築5年以内/建物価値70%、築浅扱い
家も設備もまだ新しく、買い手にとって魅力ある築年数です。近年の建築資材の高騰のなか、「即入居できる新築代替品」として需要があります。
築6~15年/建物価値は半減、売りやすい人気ゾーン
価格がかなり落ち着きつつも、設備が十分使えるため売りやすいと言えます。キッチンや浴室など水回りをリフォームしてあると、さらにプラス査定が期待できます。
築16~25年/建物価値はどんどん低下、売るか直すかの分かれ道
屋根や外壁を直す時期が迫ります。直して売るか住むか、そのまま低価格で売るか。一度査定してもらい、選択肢を比較するのがポイントです。
築26~30年/建物価値はわずか、リノベ前提
リノベーションを必要としてくる築年数です。購入してから自分でリノベする、という需要のほうが高いので、まずは現況のまま、不動産会社に相談することをおすすめします。
築30年以上/建物価値はゼロ、でも古家需要あり?
ほぼ土地の値段しかつかない築年数です。ただし、古民家に住みたい、フルリノベをしたいという需要も増えているため、意外と値が付くことも。解体する前に、まず査定したほうが良いでしょう。
築48年の戸建て売却成功体験談
「不動産売却HOME4U」の利用者には、築20年以上の一戸建ての査定依頼をされる方が多数います。特に相続物件の査定依頼は、平均築年数は45年です。それでも、多くの方が売却を成功させています。
~一戸建て編~

- 東京都日野市 Bさん
- 築48年の実家売却に成功!
母が他界したことがきっかけで実家の売却を決めました。
築48年の一戸建てだったため、2年間売れませんでしたが、HOME4Uで査定を依頼した不動産会社から声がかかり、販売を再開。その結果、希望額を上回る金額で売却できました。
築年数 | 約48年 |
---|---|
間取り | 5LK/5LDK |
査定価格 | 1,600万円 |
売り出し価格 | 2,200万円 |
成約価格 | 2,050万円 |
4.家の売却相場の調べ方
次に、家の相場の調べ方を見ていきましょう
自分で概算の相場を調べたい場合には、次の4つの方法がおすすめです。
4-1.不動産一括査定
結論から言うと、戸建ての相場確認はプロに丸投げが最短ルートです。
ピンポイント査定で精度◎
早見表やポータルの掲載価格はあくまで平均値。戸建ては土地形状・方位・接道・リフォーム履歴など条件が千差万別なので、同じ築年数でも数百万円単位でブレることは珍しくありません。
一括査定は複数の不動産会社が「あなたの家だけ」を前提に価格を算出するため、現実に最も近い数字が手に入ります。
複数社比較で納得&安心
1社だけだと提示額の高低判断が難しいもの。
「不動産売却 HOME4U」の一括査定なら最短1分で最大6社の見積もりが届くので、高値の根拠や安値の理由を横並びでチェック可能。売却戦略も立てやすくなります。
査定から売却へスムーズに移行
査定依頼はそのまま売却手続きの入り口。
担当者と話す中で税金・スケジュール・リフォーム要否まで一括で相談でき、二度手間ゼロです。
4-2.レインズマーケットインフォメーション
レインズマーケットインフォメーションは、国土交通大臣が指定する不動産流通機構が提供するサービスです。
自分の物件の周辺エリアを絞り込み、実際に成約した価格を検索できます。
4-3.不動産販売サイト
誰でも簡単に調べられるのは、不動産販売サイトで、売り出し中の物件を見る方法です。
自分の所有物件とエリア・間取り・築年数が似ている物件を探してみましょう。
ただし、不動産販売サイトで得られる情報は「売り出し価格」なので、高めに売り出している場合もあることに注意が必要です。
精緻な価格と捉えずに、目安として考えるようにしてください。
2-4.固定資産税評価額
固定資産税評価額は、毎年市役所等から送られてくる納税納付書に添付されている「課税明細書」に記載されています。
ただし、市場価格とはズレがあるため、あくまで相場の「参考」としてください。
課税明細書がないときは、所有者等が市区町村役場に行けば調べられます。
・土地
市場価格の約70%で記載されているといわれています。
つまり「土地の固定資産税評価額」÷0.7を計算すれば、およその金額がわかります。
ただし、都心・駅の近く・人気の住宅地なら、この「市場価格」よりもかなり高く売れる可能性があります。
・建物
実際の査定額よりも低く設定されている可能性があります。ただし、木造住宅の場合、築20年を過ぎると、固定資産税評価額はそれ以上下がらなくなります。
そのため、築20年以上の場合は、市場価格のほうが固定資産税評価額よりも低くなる可能性があります。
5.家を相場よりも高く売却するコツ
家を相場よりも高く売却するためには、次の4つのコツをおさえて売却活動に取り組みましょう。
5-1.複数の不動産会社に依頼する
家を少しでも高く売りたいなら、複数の不動産会社に依頼することが売却のコツです。
不動産会社によって提示される査定額に差があるためです。不動産会社それぞれで設けている査定基準が異なるため、査定額も違ってきます。
内容次第では数百万円の差が生じることもありますので、「不動産売却 HOME4U」などを使い、複数社に依頼して比較検討してください。
5-2.高く売れるタイミングを狙う
少しでも高値で売却するなら、高く売れるタイミングを狙いましょう。なぜなら、売却相場は、売り出し時期によって変動するためです。
高く売れるタイミングは、以下の要素をおさえておくことで見極めることができます。
- 売却価格の相場の動向を確認する
- 住宅ローンの金利の変動を確認する
- 引っ越しの季節を考慮する
具体的には、金利政策、災害、外規模イベントや都市開発などの情勢が関与しています。これらの情勢は日々変化するため、前もって予測することが難しいものです。
タイミングを逃さないコツは、相場の動向をこまめにチェックすることにあります。
住宅ローン金利の変動については、自分で調べることもできますが、専門的な知識が必要となるため、売却を検討するタイミングで、まずは不動産会社に確認しましょう。
引っ越しは、転勤、学校への入学、就職などが行われる2〜3月は高く売れやすいタイミングだと言えます。3月のタイミングを逃さないようにするために、年末までに不動産会社に査定を依頼し、売却活動に取り組める準備を進めておきましょう。
5-3.相場より少し高く価格設定する
相場より売り出し価格を少し高く設定することが、家を高く売るコツです。
買主と価格交渉が必要となるケースもあるためです。相場価格を売り出し価格として設定してしまうと、値引きに応じた場合に相場より安い価格で売却することになってしまいます。
ただし、価格設定は高ければいいと言うわけではありません。目安は、相場よりも1割程度高い価格を上限と考え、設定しましょう。
売却価格の決め方については、以下の記事で詳しく解説しています。
5-4.内覧時の印象を良くする
内覧時の印象は、買主の購入意思に強く影響します。そのため、内覧のための対策を行い、少しでも家の印象をよくすることが家を高く売るコツです。
内覧の印象を良くするためには、以下の点をおさえて準備を進めましょう。
- 生活感を感じさせないようする
- 物の整理整頓だけでなく臭いにも配慮する
- 室内が明るく見えるようにする
- 壁紙とフローリングをきれいに掃除する
- 汚れが目立つ箇所は、プロに依頼する
- 買主の視点で説明する
- 欠陥がある場合も正直に伝える
室内の印象だけでなく、内覧時の対応も大事です。聞かれそうな質問を事前に考え、応えられるようにしておきましょう。
実際に住んでいるからこそ分かる魅力や気になる点を洗い出してください。不動産会社の担当者にアドバイスをもらいながら、内覧者が「購入したい」と感じるような対応を心がけてください。
6.不動産会社は家をどのように査定するのか
不動産会社が「家をどのように査定していくのか」解説していきます。
不動産会社が家を査定するときには、土地と建物に分けて値段を算出し、最後に合計します。
家が査定される様子を順番にわかりやすく解説しますので、参考にしてください。
6-1.建物の査定
建物の査定では、一般的に「原価法」が使われます。
原価法では、同程度の建物をもう一度建てると仮定したときの再建築費から老朽化した分を減額して算出します。
再建築費を「再調達原価」と呼び、老朽化等による減額を「減価修正」と呼びます。
建物の査定額=再調達原価-減価修正
例えば、現在の時点で新築するときに1,600万円、耐用年数が25年で築10年の建物なら、
1,600万円-(1,600万円÷25年×10年)=960万円
と査定されます。
ただし、建物の査定額は機械的に算出されるだけではなく、人気のない間取りなら減額されたり、劣化の少ない家や性能の高い家は高めの査定になったりします。
6-2.土地の査定
建物の査定が終わったら、家の土地部分を査定します。
土地の査定額は、基本的に周辺地域の土地の取引相場と比較して算出されます。
土地の価格には幅広い要素が影響し、駅までの距離などの利便性、街並みが区画整然としているか、土地の面積、形状、高低差、日当たり、接面道路などが考慮されます。
土地を査定するときに必ずと言っていいほど参考にされるのが、「相続税路線価」です。
「相続税路線価」は相続税・贈与税の算出をするために国税庁が定めているものですが、「この辺りの相場は相続税路線価の何倍くらい」といった形で不動産会社は相場を把握しています。
一般的に、「相続税路線価÷0.8」が市場価格と言われていますが、立地が良ければこの水準よりも高めに取引が行われますし、立地が悪ければこの水準を下回ることもあります。
家を査定依頼に出す前に、査定額の1つの目安として、家の前面道路の路線価の下調べから始めることがおすすめです。
7.よくある質問/売却で失敗しないポイント
-
Q 査定は一社でもよい?A 査定額は不動産会社により差が出ることが一般的です。そのため、査定はできるだけ複数の企業から受ける方が賢明です。
相性が良い不動産会社を見極めるためにも、不動産一括査定などを使い効率的に査定を進めてください。
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Q 「机上査定」と「訪問査定」どっちが良い?
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Q 契約不適合責任とは?A 「契約不適合責任」はわかりやすく言うと、「契約内容と異なる点があるときには売主は責任をとらなければならない」ということです。
そのため、家に不具合や欠陥等があるときは、しっかりと契約の段階で買主に示しておかないと責任を追及されてしまいます。
後から損害賠償を請求されたりしないよう、信頼できる不動産会社に売却を依頼して、トラブルを回避できるように契約書を作成してもらうことが不可欠です。
-
Q 戸建ての場合、媒介契約はどれがいい?A 「一般媒介」がおすすめなのは、有利な立地で築年数も浅い一戸建ての場合です。
すぐに買主が見つかりそうな物件なら、不動産会社は競い合って、一番初めに買主を見つけようと努力してくれるはずです。
「専任媒介」がおすすめなのは、築年数が古くて立地にも自信がない場合です。
駅から遠く、周辺の高齢化が進んでいて空き家も多いという状況なら、成約に苦労する可能性が高いため、一社にしぼって専任媒介契約を結び、しっかりと広告費や手間をかけて販売活動をしてもらったほうが有利でしょう。
まとめ
家の相場の動向は、上昇傾向にあり、売り時であるといえます。
築年数を重ねると価格は下がるため、売却のタイミングを逃さないことが重要です。
また、一戸建ての売却は、物件による個性の引き出し方が重要になるため、売却を依頼する不動産会社による価格の差が大きく表れます。
「不動産売却 HOME4U」で一戸建て売却を得意とする不動産会社を見つけて、悔いのない売却を実現してください。
この記事のポイント
家の売却で失敗しないためのコツは以下の5つです。
- 不動産会社をしっかり比較してから選ぶ
- 「机上査定」ではなく「訪問査定」を受ける
- 売却の戦略を意識する
- トラブルを避けることを意識する
- 売りにくい家は「専任媒介契約」で売る
詳しくは「家の売却で失敗しないための5つのコツ」で解説しています。
家を相場よりも高く売却するコツは以下の4つです。
- 高く売れるタイミングを狙う
- 相場より少し高く価格設定する
- 内覧時の印象を良くする
- 複数の不動産会社に依頼する
詳しくは「家を相場よりも高く売却するコツ」で解説しています。