土地買取で高く売るには?仲介との違いや賢く交渉を進めるコツを紹介

土地,買取

土地の売却手段の一つに「買取」があります。土地を買取で売却するメリットは、早く売れることです。しかし、仲介で売却するよりも安くなってしまうデメリットも抱えています。そのため、特殊な事情を抱えている土地を持つ人が利用する売却方法です。

土地は仲介で売却されることが一般的であるため、買取は特殊な売却手段と言えます。買取には一部にメリットもありますが、大きなデメリットもあるため、しっかりとデメリットを認識して上で利用することが重要です。

そこでこの記事では、買取と仲介に関する基礎知識、土地買取価格の相場、買取のメリット・デメリット、買取に向いている人、不動産会社と上手に交渉を進めるコツについて紹介します。

最後までこの記事をお読みいただき、買取を利用する上での参考にしていただければと思います。

土地売却を基礎から詳しく知りたい方は『土地売却の流れを7ステップで解説』もご覧ください。

また、不動産売却の基礎や全体像を把握したい方は『不動産売却の入門書』も併せてご覧ください。

「土地を売りたい」と悩んでいる方へ
  • 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.土地買取と仲介の違いは価格と時間

土地買取と仲介の違い

不動産の売却方法には、買取と仲介の2種類の方法があります。それぞれの違いについて紹介します。

【買取と仲介の違い】

  • 買取は早く売却できるが、価格が安くなる
  • 仲介は売却に時間がかかるが、価格は高くなる

買取とは、再販を目的とする不動産会社を買主とする売却方法のことを指します。

不動産会社が買い取った土地は、利益を出すために土地に付加価値を付け再販されるのです。不動産会社はできるだけ安く仕入れて、最終消費者に高く売ることを目的としています。

そのため、売主は、仲介で土地を売却するよりも安く土地を手放すことになりがちです。売却期間に関しては、不動産会社が見て購入を判断するため、すぐに売却することができます。

仲介とは、最終消費者に対して売却する売却方法のことを指します。不動産会社の役割は、買主を探し、売買のマッチングをすることです。

仲介では買主が直接最終消費者となるため、買取よりも売却価格が高くなります。不動産会社は、高く購入してくれる買主を見つけ、仲介手数料を取って利益を得ています。

売却期間に関しては、仲介のほうが長くかかります。不動産会社が買主を見つけ出すのに、3ヶ月程度時間を要するのが一般的です。

2.土地買取価格の相場は市場価格の8割

買取価格の目線は一般的に市場価格の80%程度です。80%というのはあくまでも目安であり、それよりも低くなることも高くなることもあります。

不動産会社でも売却に苦戦しそうな土地であれば、市場価格の50%程度となることもあります。一方で、すぐに売れそうな土地であれば、市場価格の90%程度となることもあります。

不動産会社は最低でも1割程度は利益率を確保したいため、買取はどんなに高く売却できたとしても市場価格の90%程度となります

土地を高く売りたい場合には、やはり仲介を利用するのが原則です。仲介では多くの人が購入検討をしてくれるため、相場よりも高く売却できることもあります。

仲介を利用するのであれば、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」の一括査定サービスをご利用ください。

あなたの土地いくらで売れる?

不動産売却 HOME4U」で「土地」を選択して査定を依頼すると、土地の仲介売却を得意とする不動産会社が自動で抽出され、最大6社に一括で査定が依頼できる仕組みとなっています。

土地仲介に豊富な実績のある不動産会社に売却を依頼することができるため、高く売ることができます。
高く売りたい人であれば、仲介を選択しましょう。

3.土地を買取ってもらうメリット

土地が売れるまでの期間や、手数料、土地の条件などが気になり、土地売却に積極的になれない方はいませんか。実は、買取には仲介での売却では得られないメリットがあります。不動産会社による土地買取のメリットを紹介しますので、参考にしてください。

3-1. 早く確実にお金が入る

買取の最大のメリットは早く確実に売れるという点です。緊急でお金が欲しい人にとっては、有益な売却手段となります。

仲介の場合、不動産会社が査定をしても、その査定額はあくまでも売却予想価格ですので、その査定額で売れるかどうかの保証がありません。また、買主もいつ見つかるか分からないという不確実性もあります。

買取の場合、不動産会社の査定が、そのまま買取金額になりますので、査定額で売却できる保証があります。
また、不動産会社がすぐに購入するため、確実に売却できます。

尚、買取は不動産会社に資金力が必要となるため、一定規模以上の中堅または準大手の不動産会社が行うことが多いです。

買取会社は銀行から融資を受けますが、銀行も一定の規模以上で実績のある会社でないと買取資金の融資をしません。

零細の不動産会社が買取を行うということはほとんどなく、買取会社は一定の信用力があることが通常です。

そのため、買取会社の支払い能力は高く、現金が入る確実性は高いです。仲介による個人への売却の場合、買主のローンが組めずに契約が破談となることがあります。買取の場合、そのような心配はほぼ無用です。
買取には「すぐに」かつ「確実に」売却できるというメリットがあるのです

3-2.仲介手数料がかからない

買取会社に直接売却をすれば、仲介手数料が発生しないというメリットがあります。ただし、仲介手数料を不要とするには、自分で買取する不動産会社を見つけることが前提です。

仲介を依頼した不動産会社が、買主として他の買取会社を連れてきたら、仲介手数料はかかります。その上、買取なので売却額は安くなります。
一方で、自分で直接買取会社に打診をって売買契約を結べば、仲介手数料を要求されません。

買取を実行する場合には、仲介手数料を無駄にしないためにも、自分で土地の買取会社を見つけましょう。

3-3.古い家を解体せずに売却できる

不動産会社は、売却する土地に家があっても、そのまま買取ってくれます。土地に古い家が建っており、解体手続きや解体費用に悩んでいる方には大きなメリットです。

古民家に価値を見出す買主もいるため、家の解体は不動産会社に一任しましょう。売主の費用負担はありません。

3-4.境界線がわからない土地もそのまま売却

土地の買取では、隣との境界線がわからない土地でもそのまま売ることができます。

境界線を確定させる手続きには、費用や時間がかかります。不動産会社が再販する前に行うので、売主の負担はありません。また、境界を確定させる際の近隣トラブルも避けられるので、心理的な負担が軽くなることもメリットです。

3-5.立地が悪い土地も買取可能

土地の買取では、建築条件がある、駅から遠い、隣接道路が取れない、など条件が悪い土地も売ることができます。

不動産会社は土地活用のプロです。売主が使い道を見出せない土地でも、活用する手段を知っています。条件が悪い土地でも買取ってもらえるのは、買取ならではのメリットです。

今まで土地の条件で売却をあきらめていた方も、査定依頼を出してみることをおすすめします。

土地の査定額について詳しく知りたい方は『土地の査定額が決まる10のポイント』もご覧ください。

4.土地を買取ってもらうデメリット

この章では、買取で土地を売却する3つのデメリットについて紹介します。買取で土地を売るメリット・デメリットを理解し、自分にあう方法で土地を売却する参考にしてください。

【土地を買い取ってもらう3つのデメリット】

  • 価格が安くなる
  • 詐欺まがいの買取会社も多い
  • 買取会社の言いなりになりやすい

4-1.価格が安くなる

買取の最大のデメリットは、売却価格が安くなるという点です。買取会社は安く購入した方が儲かりますので、できる限り安く購入しようとします。

買取は再販のための仕入である以上、高く売れることはまず望めません。しかしながら、買取でも何社かの不動産会社に声をかけて見積もりを取ることで、多少なりとも価格を上げることはできます。

【例】
A社が1,600万円と査定しても、B社に聞いて見たら1,700万円と言うかもしれません。また、A社が「どうしても欲しい」と言って来たら、B社の価格を伝えたら、A社が1,710万円まで引き上げてくれる可能性があります。

このように、買取でも複数の不動産会社から見積もりを取ることが大切です。査定内容を比較することで、わずかではありますが価格を上げることができます。

価格が安くなるという買取のデメリットを回避するためには、自分で何社か買取会社を見つけておくことが必要となります。

買取を実行する前には、声をかけてみたい買取会社を何社かピックアップしておきましょう。

不動産会社に心当たりがない場合は、「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」の一括査定の利用がおすすめです。

「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」はカンタンな情報を入力するだけで、全国の優良な不動産会社2,300社のなかから、最大6社を選んでまとめて査定依頼ができます。

信頼できる優良な不動産会社を探すなら、「不動産売却 HOME4U」をぜひご活用ください。

4-2. 詐欺まがいの買取会社がいることも?

買取は、借金の返済等で急にお金が必要となり、お金に困っている人が利用するケースが多いです。利用者には、精神的に弱っており騙されやすい状態の人が多いことから、買取会社には詐欺まがいの会社がいることも事実です。

詐欺まがいの会社を回避する対策も、やはり複数の買取会社に声をかけることが有効な方法となります。たとえA社が怪しいことを言ったとしても、B社とC社がまっとうな話をしていれば、A社が詐欺まがいの会社であることが分かります。

急いで土地を売りたいときでも、冷静な取引をすることが重要です。土地を買取ってもらいたいときは、必ず複数の不動産会社に査定依頼をしましょう。

4-3. 買取会社の言いなりになりやすい

不動産会社による土地の買取は、相手が百戦錬磨のプロです。土地の売却に関して知識がない売主は、不動産会社の言いなりになりやすいというデメリットがあります。

仲介であれば、買主はプロではないですし、自分の味方として不動産会社も付いています。何か分からないことがあっても、不動産会社に聞きながら進めれば良いので安心感があります。

しかしながら、買取の場合、売主の味方になってくれる不動産会社はいません。

この状況を回避するためにも、やはり複数の買取会社とやりとりすることがポイントです。買取会社を選べる立場になっておくことが、土地の買取におけるリスクヘッジをするコツになります。

1対1の状況だと、相手の言いなりになりやすいので、1対多の関係を作り、より良い条件の買取会社を選べるようにしておきましょう。

ここまで読んで、やっぱり仲介で土地を売りたいとお考えであれば、インターネットで申し込める一括査定サイト「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」が、一度で複数の不動産会社に依頼が可能なのでおすすめです。

インターネットで24時間いつでも申し込めるので、実家など遠方の土地でも自宅に居ながら査定依頼が可能です。また、複数の不動産会社に申し込むことで、価格や企業を比較し、最適な不動産会社を手間なく探すことができます。
価格や企業を比較しないで売却すると、相場より低い金額で売ってしまう可能性もあります。

不動産会社選びの失敗を防ぐためにも、「不動産売却 HOME4U」を利用してみましょう。

5.土地を買取ってもらったほうがいい人

時間や金銭的な余裕がある場合は、仲介のほうが高く土地を売ることができます。この章では、買取での土地売却に適している人の特徴について紹介しますので、自分にあてはまるかチェックしてみてください。

5-1.早く現金が欲しい人

買取は、安くても構わないので早く現金が欲しい人に向いています。具体的には借金の返済で困っている人や、入院費用などで急に現金が必要になった人等が挙げられます。

ただし、お金に困っているときは、弱みに付け込んでくる買取会社もいます。怪しい話や、相場よりかなり高く買取ってくれる「おいしい話」には注意しましょう。

5-2.条件の悪い土地を持っている人

買取は、条件が悪く、売りにくい土地を持っている人にも向いています。具体的には、地型の悪い土地崖地狭小地等の価値が著しく落ちる土地が該当します。

価値が著しく落ちる土地は、仲介での売却が困難です。売却が困難な土地は、持っているだけでも固定資産税や除草費用等のコストがかかるため、買取で安く売却したとしても、十分に価値があります。

売却困難な土地は、買取を上手く利用して手放すのが良いでしょう。

5-3.瑕疵を抱えている土地を持っている人

瑕疵を抱えている土地を持っている人も、買取が向いている人です。不動産会社は、土地活用のプロです。一般人にとっては避けてしまう瑕疵がある土地も、不動産会社なら買取ってくれます。

瑕疵と言うと、雨漏りや建物の傾きなど、建物に起因するものがイメージしやすいですが、土地にも次のような4種類の瑕疵があります。

  • 物理的瑕疵
    土壌汚染や地中障害物、コンクリート擁壁の破損、コンクリート擁壁の地中部における隣地越境等
  • 法律的瑕疵
    埋蔵文化財包蔵地に指定されている、建築基準法上の道路に接道していない等
  • 心理的瑕疵
    数年前に建物で焼死自殺があった後、忌まわしい殺人事件があった後等の跡地等
  • 環境的瑕疵
    隣地に高圧線の鉄塔がある、目の前に墓地がある等

このように、土地にも瑕疵はあり、瑕疵を抱えた土地は仲介では売却が困難であるという特徴があります。瑕疵を抱えた土地も買取を利用して売却するのが良いでしょう。

6.土地買取で上手に交渉を進めるコツ

買取で土地を売ると、仲介で土地を売るよりも価格が抑えられてしまいます。相場より高く土地を買取りしてもらうコツを紹介しますので、ぜひお試しください

6-1.買取保証を利用する

相場よりも高く土地を買い取ってもらいたい場合、買取保証の利用をおすすめします。買取保証とは、一定期間買主が現れなかった場合に、不動産会社に土地を買取ってもらうことができる保証制度です。

普通に仲介を依頼するよりは、土地が売れるまでの期間の目安が立てられます。ですが、仲介をする不動産会社に買主を探してもらうため、時間がかかることがデメリットです。

仲介で土地が売れた場合、買取よりも高く買取ってもらうことができます。
時間にある程度余裕がある土地売却のケースで利用しましょう。すぐにお金が必要な場合は、「即時買取り」で土地を売ります。

6-2.売却する土地の相場を調べる

買取してもらう前に、売却する土地の相場をあらかじめ調べることで、交渉を有利に進めることも可能です。固定資産評価額や相続税路線価、不動産会社の取引事例などから、土地の相場を調べます。

ただし、同じ条件の土地というのは存在しないので、参考にとどめる程度にしましょう。

【土地の相場を調べる方法】

  1. 固定資産税評価額を参考にする
  2. 相続税路線価を参考にする
  3. 地価公示・地価調査を参考にする
  4. 取引事例を参考にする
  5. 不動産会社のサイトで販売されている土地の価格を参考にする
【保存版】土地の相場を調べる4つの方法と売却のコツ

6-3.一括査定で複数の不動産会社を比較する

高く買取ってもらいたい場合は、一括査定で複数の不動産会社の査定を受けることをおすすめします。不動産会社を比較することで、土地の査定額だけでなく、不動産会社の得意分野、営業担当との相性も見定めましょう。

少しでもいい条件で買取をしてくれる不動産会社を見つけたい場合、「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」のご利用がおすすめです。

あなたの土地いくらで売れる?

一度の情報入力で、全国の不動産会社に査定を依頼することが可能です。売りたい土地が、地元ではなく、遠く離れた実家の土地である場合にもご活用いただけます。運営がNTTデータグループであることも、「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」のおすすめのポイントです。土地買取において、信頼できる不動産会社探しにお役立てください。

まとめ

いかがでしたか。
土地の買取について解説してきました。

買取とは不動産会社が再販目的で行う下取りです。買取価格の相場は市場価格の80%程度になります。

買取には、

  • 早く確実にお金が入る
  • 仲介手数料がかからない
  • 古い家が建っていてもそのまま売れる
  • 境界線がわからない土地も売れる
  • 立地が悪い土地も売れる

といったメリットがあります。

一方で、

  • 価格が安くなる
  • 詐欺まがいの買取会社も多い
  • 買取会社の言いなりになりやすい

というデメリットもあります。

基本的には仲介をおススメしますが、

  • 早く現金が欲しい
  • 条件の悪い土地を持っている
  • 瑕疵を抱えている土地を持っている

等々の特殊な事情を抱えている人は買取が向いています。

買取を希望する人は、特徴を良く踏まえた上で利用するようにしてください。

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この記事のポイント まとめ

土地の買取と仲介の違いは?

不動産の売却方法には、買取と仲介の2種類の方法があります。買取と仲介の違いは「時間」と「価格」です。

【買取と仲介の違い】

  • 買取は早く売却できるが、価格が安くなる
  • 仲介は売却に時間がかかるが、価格は高くなる

買取価格の相場は、仲介で土地を売った時の80%程度です。詳しく知りたい方は、「1.土地買取と仲介の違いは価格と時間」をご一読ください。

土地を買取ってもらったほうがいい人は?

仲介よりも土地の価格が安くなる買取ですが、買取での土地売却をおすすめしたい人もいます。

【土地買取の利用をおすすめする人】

  • 早く現金が欲しい人
  • 条件の悪い土地を持っている人
  • 瑕疵を抱えている土地を持っている人

買取を利用すれば、買主が現れるのを待つ時間を削減できます。また、不動産会社は土地活用のプロなので、条件が悪い、瑕疵がある土地の活用も可能です。

条件が悪い土地、瑕疵を抱えている土地とはどのような土地なのか、気になる方は「5. 土地を買取ってもらったほうがいい人」をご覧ください。

相場よりも高く土地を買取してもらうコツを知りたい。

買取は仲介で土地を売却するより、価格が下がってしまいますが、高く買取ってもらうコツはあります。

【相場よりも高く買取ってもらうコツ】

  1. 買取保証を利用する
  2. 売却する土地の相場を調べる
  3. 一括査定で複数の不動産会社に査定を依頼する

詳しくは「6.土地買取で上手に交渉を進めるコツ」をご覧ください。