土地の査定額が決まる10のポイント!プロの解説とおすすめの査定サイト

土地の査定額が決まる10のポイント!プロの解説とおすすめの査定サイト

土地を売却するときや、相続した時には、まず土地の価格相場を知りたいものです。土地の価格は、近くの土地同士であっても、メイン通りに面している土地と、狭い裏通りに面している土地など、条件によって変わります。

土地の価格が決まる条件には、法律の規制や面積、道路等の様々な要素があり、単純に決められるものではありません。

この記事では、「不動産のプロ」ともいえる不動産鑑定士が土地の査定額を左右するポイントをわかりやすく紹介します。土地の査定の参考になさってください。

土地売却の基礎から詳しく知りたい方は『土地売却の流れを7ステップで解説』を併せてご覧ください。

「土地を売りたい」と悩んでいる方へ
  • 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格”を見つけましょう
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます

この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.土地査定額を決める10のポイント

土地には、建てられる建物に規制がある土地、駅から近い土地、土地の形状など様々な条件があります。この章では、土地の査定額を決める10のポイントについて紹介しますので参考にしてください。

1-1.用途や高さなど公法上の規制

土地はエリアによって建築できる建物用途や、高さなどに規制が設けられています。
法律や条令等の公法上の規制は、土地の利用方法を制限することになるため、土地価格に一番の影響を与えています。

土地の査定においては、まずは公法上の規制から調査することが第一歩です。
公法上の規制を理解するためには、どのような法律があるかを知り、法律の規制の内容も理解しておく必要があります。

一般の人が査定をする場合、この法律知識が一番ハードルの高い障壁となり、なかなかきちんとした査定を行うことができません。

宅建試験では、土地に関する法律の規制を学びます。
土地の査定は、宅建試験に合格し、専門知識を持った宅地建物取引士が行うことが通常です。

そのため不動産会社が行う土地査定は、法律知識を背景に査定している価格となっています。

公法上の規制については「第3章 土地査定額と公法上の規制」で詳しくご紹介しますので、ぜひご参照ください。

1-2.駅からの距離や利便性

土地の価格は駅からの距離も重要です。
基本的には駅に近い方の土地が価格は高くなります。

ただし、例外もあります。完全に駅から徒歩圏外の場所となってしまうと、車やバスでの移動が主流となるため、駅からの距離は重要性が低くなります。

例えば、駅から徒歩1分と徒歩5分の土地との間では価格に差がありますが、徒歩31分と徒歩35分の土地との間では、価格に差がほとんどありません。

駅からの距離の影響は、状況に応じて判断することになります。
また、近くにショッピングセンターがあるか、区役所や病院などの公共施設があるかなど、生活に必要な施設があることも土地の価格を決めるポイントです。

土地査定額に影響する環境的な要素について、「戸建ての査定って何を見られているの?価格の決まり方を解説(5-2. 土地査定額を上げる要因)」でも取り上げています。ぜひご覧ください。

1-3.土地の面積

面積も土地価格において重要な要素となります。
土地で建築できる建物の用途は、公法上の規制以外に面積によっても決まります。

例えば、公法上の規制でマンションが建てられるようなエリアの土地であっても、50坪しかない土地であれば、そこに分譲マンションを建てることは非現実的です。
このような小さな土地は、結果的に戸建しか建てられない土地になります。

マンションが建てられるような土地は、公法上の規制に加え、マンションが建てられる程度の広さを有することが必要です。
広さ的にもマンションが建築可能な土地は、戸建しか建てられない土地よりも価格が高くなります。

面積に関しては、広いと土地単価が相場よりも高くなる場合と、低くなる場合が存在します。
詳しくは、「第7章 土地査定額と面積」で解説します。

1-4.利用しやすい土地の形状

形状も土地価格に影響を与えます。
形状が悪い土地は、敷地内に利用しにくい部分が発生するため、その分、価格が落ちます。

例えば、蛇のような形をした土地や、旗竿状の土地は、形状が悪いため、相場よりも低い査定額となります。
土地については、整形な形の土地が一番価値は高いです。

但し、形状も土地が広ければ悪影響を生む部分の割合が小さくなるため、広い土地ほど形状が価格に与える影響は少なくなります。

形状の影響は、広さも加味した上で決まることがポイントです。

「売れない土地」どうすれば良い?対処法10選を徹底解説!

1-5.接面道路の幅員

前面に接面している道路は、幅員(道路の幅の長さ)によって建てられる建物の大きさを決めるため、土地価格に大きな影響を与えます。

簡単に言うと、前面道路の幅員が狭い土地は、大きな建物が建てることができないため、その分、価値が下がるということです。

1-5-1. 容積率と前面道路の幅員

土地には、容積率という制限があります。
容積率とは建物の延べ床面積の土地面積に対する割合です。

容積率は、200%や100%というような数値で定められています。
容積率が高いほど、階数が高い建物を建築できるため、地の価格が上がることを覚えておきましょう。
この容積率は、前面道路の幅員によって決まります

1-5-2. 用途による容積率の求め方

住居系の用途地域の場合
→前面道路の幅員に0.4を乗じたものがその土地の容積率になります。

住居系以外の用途地域の場合
→前面道路の幅員に0.6を乗じたものがその土地の容積率です。

例えば、住居系の用途地域内で、容積率の上限が200%と指定されている土地を例に考えます。

前面道路の幅員が4mしかない土地であれば、その土地の容積率は160%(=4m×0.4)となります。
それに対し、前面道路の幅員が5mある土地であれば、その土地の容積率は200%(=5m×0.4)となります。

容積率が同じ地域の土地であっても、前面道路の幅員によって容積率が異なることがあります。
そのため、道路幅員は土地価格に影響を与えるのです。

接道義務と道路付け~一戸建て・土地を売買するときの注意点~

1-6.間口と奥行

間口と奥行の関係も土地価格に影響します。

土地は前面道路に対して間口が広い方が使い勝手が良いため、価値が高くなります。
それに対して、間口が狭く、奥行きが長いような土地は利用しにくく価値が落ちます。

極端な例を挙げると、車1台分の幅しかないような間口の狭い土地であれば、人の入口と駐車場の入口を分けて作ることができません。
間口の広い土地であれば、人の入口と駐車場の入口を分けて作ることができるため、建物設計の自由度も上がります。

間口の広さは、視認性や設計の自由度を向上させる効果があり、広い間口は土地の価値を上げる要因になります。

1-7.角地など接面道路との関係

土地の一面にだけ道路が接している土地のことを中間画地 と呼びます。
土地が街区の角にあり、直角に二面接している土地のことを角地と呼びます。

中間画地と角地

角地は、中間画地よりも視認性が高く、日照や通風にも優れていることから価値が高いです。
特に店舗の土地であれば、視認性の高い角地の土地価格は一段と高くなります。

1-8.道路との高低差

道路と敷地との間の高低差も価格に影響します。

道路よりも低く接している土地は、道路の下水本管に排水が必要です。敷地内で下水をポンプアップしなければならないため、価格が下がる原因になります。

道路よりも若干高い程度の土地であれば、基本的にマイナスとなることはありません。逆に、排水が有利になるからです。

但し、道路から高過ぎる土地は、敷地内に階段を作る必要があり、その分、価格が落ちる原因にもなります。

敷地は、「道路よりやや高く接面している程度」が一番良い土地といえるでしょう。

1-9.土壌汚染や埋蔵文化財、地下埋設物

もし、土地に土壌汚染や埋蔵文化財、地下埋設物がある場合、土地価格に深刻な影響を与えます。
土壌汚染に関しては、専門機関による調査が必要となるため、不動産会社が行う無料査定においては調査の対象とはなりません。

非常に大きな土地をマンションディベロッパー等に売る場合には、別途調査を行い、土壌汚染が存在しないことを確認する必要があります。

1-10.嫌悪施設との接近の程度

土地の近くに、墓地や送電線、産業廃棄物処理場、下水処理場等は嫌悪施設と呼ばれ、土地価格を落とす原因となります。
嫌悪施設には明確な定義はありません。悪臭や騒音、強力な電磁波等が発生し、人に不快感を与えるような施設が該当します。
嫌悪施設の存在は、「売却時の重要事項説明」の対象です。買主の価値観や世間的な評価によっては、減価の要因となってしまいます。

価格に影響を与える程度も、嫌悪施設までの距離や内容によってまちまちです。
嫌悪施設の影響は、通常、不動産会社の経験値によって査定されます。

土地査定額を決めるポイントを踏まえて、土地を売却するために不動産会社に査定依頼してみましょう。

ここまで解説してきた「土地査定額を決める10のポイント」からも分かるように、不動産会社の査定は、自分の保有する土地がいくらで売却できるかを決定する大きな要素になります。

そのため、査定は複数の不動産会社に依頼するのがおすすめです。

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2. 土地査定から売却までの基本的な流れ

土地の査定や売却には基本的な流れがあります。土地の査定や売却を考えた時は、流れを把握した上で計画的に査定を行いましょう。

【土地査定の流れ】

  1. 情報収集する
  2. 簡易査定を依頼する
  3. 訪問査定を依頼する
  4. 媒介契約を結ぶ
  5. 売却活動を行う

土地の査定を依頼したいときは、複数の不動産会社に査定依頼を行います。その中から、自分にあう不動産会社を選び、訪問査定を行いまいましょう。訪問査定では、現地の状況を正しく伝えられるメリットがあります。
訪問査定の日時を決めて査定を行い、査定額に納得できる場合は媒介契約を結びましょう。媒介契約を終えると、売却活動が始まります。

また、土地の査定額の相場は自分で調べることも可能です。不動産会社のサイトで、近隣の土地の販売状況や、国土交通省のサイトで地価を調べてみましょう。
査定を依頼する前に、自分の土地の相場を調べることで適正な金額の目安がわかります。

国土交通省:土地総合情報システム

なお、上記は仲介という売却方法における流れになります。
買取について詳しく知りたい方は、『土地買取で高く売るには?仲介との違いや賢く交渉を進めるコツを紹介』も併せてご覧ください。

3.インターネットの一括査定の活用法

インターネットの一括査定は便利ですが、信ぴょう性が気になりますよね。一括査定の査定方法や、上手な活用方法をご紹介します。

3-1-1. インターネットの一括査定は机上査定

一括査定は土地の状態を見ないで査定する「机上査定」です。机上査定は、適切な売値の設定や資金計画を立てるときに活用します。実際に売るときの価格とは異なる場合もあるので注意が必要です。

そのため、インターネットの一括査定の結果は、査定額の目安として利用してください。

インターネットを利用した査定依頼に不安がある方は『不動産査定をネットで依頼するなら押さえておくべきポイント』の記事も併せてご覧ください。

3-1-2. 一括査定を活用した不動産会社選び

一括査定は、大体の査定額を把握するだけではなく、不動産会社を選ぶ手段としても活用できます。査定時の不動産会社の対応や、査定額を比較して自分に合う不動産会社を見つけてください。

土地の査定に関しては、都市計画法や建築基準法等の専門的な知識も必要となり、簡単にはできません。一括査定を通じて不動産会社探しを行い、訪問査定を実施しましょう。

不動産会社は、普段から土地の取引を行っていますので、路線価とは異なる最新の土地相場も把握しています。
エリアの最新の相場を把握している不動産会社ほど、精度の高い土地価格を査定することができます。

よって、土地の査定は、そのエリアに精通し、実績の豊富な不動産会社に依頼することが望ましいです。

また、適正な査定額であるか判断するために、自分でも土地の相場を調べておきましょう。

3-1-3. 不動産会社選びならHOME4Uが便利

一括査定の仕組みや活用法を理解した上で、インターネットで、土地の査定ができる不動産会社を探しましょう。

売却対象の土地のエリアに精通し、土地売却に豊富な実績を持つ不動産会社に査定を依頼するには、「不動産売却 HOME4U」の一括査定システムを使うのが便利です。

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4.自分でもできる土地の査定方法

土地の査定は専門的な知識を要しますが、ある程度であれば自分でも価格を把握することが可能です。
この章では、一般の人が自分でもできる土地の査定方法についてご紹介します。

4-1.「3つ」の公的評価額

土地の価格には3つの公的な評価額があります。
1つ目は地価公示・都道府県地価調査価格、2つ目は相続税路線価、3つ目は固定資産税評価額です。

4-1-1. 地価公示

地価公示は、国が行っている毎年1月1日時点における全国の約26,000地点の土地価格になります。
都道府県地価調査は、都道府県が行っている毎年7月1日時点における全国の約21,000地点の土地価格です。

地価公示も都道府県地価調査も、時価相当額を公表しています。
そのため、自分の土地の近くに地価公示や都道府県地価調査の評価ポイントがある場合、その価格を参考にして価格を求めることができます。

場合によっては自分の土地が地価公示や都道府県地価調査の評価ポイントとなっていることもありますので、一度、国土交通省のホームページで地価公示を確認してみるのも良いでしょう。

地価公示価格を調べる方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【2021年最新版】「公示価格」とは?近年の動向を解説します!

4-1-2. 相続税路線価

相続税路線価は、国税庁が公表している毎年1月1日における価格です。土地の相続財産評価額を決めるために、価格が公表されています。

価格の水準は、地価公示の80%相当が相続税路線価です。

4-1-3. 固定資産税評価額

固定資産税評価額は、固定資産税や登録免許税、不動産取得税の計算根拠となる価格です。但し、価格は3年に1度しか改訂されません。

価格の水準としては、地価公示の70%相当が固定資産税評価額となっています。

4-2.路線価から求める方法

公的評価額から土地価格を求める場合、相続税路線価から簡易に求める方法が一般的です。

地価公示や都道府県地価調査の場合、適切な比較対象となる評価ポイントが近くにあるとは限りません。
また固定資産税評価額は3年に1度しか価格が改訂されないため、タイムリーな時価とは言いにくい部分があります。

相続税路線価であれば、自分の土地の目の前に価格が記されており、なおかつ、毎年価格が改訂されるため、時価把握として利用するには最適で便利な価格になります。

相続税路線価は国税庁のホームページに公表されているため、誰でも閲覧することが可能です。

相続税路線価は時価相当である地価公示の80%の価格ですので、路線価を0.8で割り戻すことで時価を求めます。

相続税路線価は、「千円/平米」の価格が道路に記載されています。
例えば、60Cと記載されている路線価は、60,000円/平米を意味しています。
A~Gと記載されている記号は借地権割合を表すものですので、価格を求める際は無視して頂いて構いません。

例えば、自分の土地が150平米で、路線価が60Cと記載されている場合、時価は以下のように求めることができます。
0.8で割ることで、地価公示相当額に価格を修正します。

路線価を使った時価の求め方

時価 = 面積 × 路線価 ÷ 0.8
   = 150平米 × 60千円/平米 ÷ 0.8
   = 11,250,000円

尚、角地のように2つ以上の路線価に接する土地の場合、高い方の路線価を用いることが一般的です。

「路線価」について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参考ください。

【2021最新版】不動産売却でよく耳にする「路線価」とは?直近3年分の傾向も解説!

4-3.公的評価額から土地査定するときの注意点

相続税路線価を用いると、簡易に時価を求めることができますが、1つ注意点があります。
それは、相続税路線価で求められる時価は、必ずしも適切な時価を表しているわけではないという点です。

相続税路線価の元となる地価公示は、税金を求めるために公表されている価格です。
地価公示は時価と同じように急激に上下させると、税収が不安定になってしまいます。

地価公示価格は、急激に地価が上昇しているときは、時価よりも低い傾向があり、急激に地価が下落しているときは時価よりも高い傾向があります。

税収の安定を考慮すると、地価公示は時価にピッタリに合わせるわけにはいかず、「割と時価に近めの価格」という感じになっています。

そのため、路線価を0.8で割り戻した価格は、「時価に近い可能性のある価格」と捉えた方が良いです。

特に、都市部における実質の時価は、路線価で求めた価格よりも1~2割程度高い可能性が十分にあります。

路線価で求めた時価は、参考程度に留めておきましょう。

土地売却にかかる税金について詳しく知りたい方は『土地売却で生じる税金をシミュレーション』をご覧ください。

5. 査定を依頼する前に準備しておくべきこと

土地の査定で少しでも高額査定を得たいと思ったら、査定依頼の前に準備を行いましょう。査定額にかかわるポイントで、事前準備を行いたいことを紹介します。

5-1.土地の片付け

査定に出す前に、対象の土地の片付けをしましょう。敷地内にゴミや植木などが残っていたら、処分や移動を行ってきれいな状態にします。
土地に古い家屋が立っている場合は、そのまま売るか、取り壊すか、不動産会社と相談して決めましょう。中にはリフォームを行って、古い家の持ち味を生かしたいという買主もいます。

5-2.境界線をはっきりさせる

土地を査定に出すときは、隣の家との境界線をはっきりさせておく必要があります。境界線があいまいでは、正しい査定額は出せません。
境界線が確定できる書類がない場合、測量を行って境界線を確定させましょう。これを、「確定測量」といいます。
確定測量は土地家屋調査士に依頼し、依頼主、お隣さんの立会いが必要です。費用は約35~80万円かかりますが、近隣トラブルを防ぐために行います。

「確定測量」とは?費用と流れ、失敗しないための注意点を紹介

5-3.周辺の土地の価格から相場をチェック

土地の相場にふさわしい査定額を得たいなら、査定前に相場チェックを行うことも大切です。

査定の相場を知ることで、不動産会社の動向を知ることもできます。相場よりも高すぎる査定額や、低すぎる査定額には気を付けましょう。また、査定額に疑問がある場合は、査定額の理由について問い合わせをしてみてください。

5-4.売りたい土地のメリットをまとめる

土地の査定額は、土地の周辺環境にも左右されます。査定でポイントが高くなる、「土地のメリット」について事前にまとめて不動産会社にアピールしてください。

【土地査定においてアピールできるメリットの例】

  • 駅やバス停から近い
  • 近場に商業施設がある
  • 人気がある学校の校区
  • 花火大会が見えること、など

少しでも査定額を高くしたいなら、一般的なメリットに加え、地元住民視点のメリットも提案できるといいでしょう。

高く売るために!土地売却の際にやっておくべき4つのこと

5-5.必要書類の準備

土地の査定には、いくつかの必要書類があります。査定から売却までスムーズに行いたい場合は、書類を事前準備しておくことがおすすめです。不動産会社に提出を求められたときに、提出してください。

【土地査定に必要な書類】

  • 売り主の住民票や印鑑登録などの本人確認書類
  • 土地の売買契約書
  • 登記済権利書(もしくは登記識別情報)
  • 全部事項証明書
  • 固定資産税納税通知書と固定資産評価証明書
  • 地積測量図または境界確認書

印鑑登録が済んでいない場合や、登録した印鑑を紛失してしまったときは、土地を査定に出す前に準備しておくとスムーズです。また、必要書類の中には、発行に時間や手数料がかかる書類もありますので注意してください。

不動産売買に必要な書類は、「不動産売却時の必要書類は?書類一覧と取得方法が知りたい!」でもご紹介しています。詳しく知りたい方はご覧ください。

6.土地査定額と公法上の規制

土地には法律によって利用の規制が定められており、その規制が価格に大きな影響を及ぼしています。
法律や条令により、土地の利用規制を定めたものを、総称して公法上の規制と呼びます。
この章では公法上の規制の土地価格に与える影響について解説しますので、参考になさってください。

6-1.規制と土地価格の関係

土地の利用規制は、主に都市計画法という法律により定められています。
都市計画法は、その名の通り、計画的に街(都市)づくりを行っていくための法律です。

土地の価格は、需要の他にも、規制が大きく関わっていることを理解しておきましょう。

都市計画法では、人口の多い都市部ほど厳しい規制を定めています。
なぜ、土地の利用に規制がある理由は、人口の急増によるインフラの整備不足や、自然破壊を防ぐことです。乱開発を行えば、住みにくい街になってしまいます。

都市計画法にける区分は、都市計画区域、準都市計画区域、都市計画区域外の3つです。

このうち、比較的人口が多いエリアは都市計画区域に該当します。
都市計画区域は大都市とは限りません。人口5万人未満の比較的小さい自治体でも都市計画区域に指定されています。

都市計画区域は、さらに「区域区分の定められている地域」と「非線引都市計画区域」の2つに分かれます。
都市計画区域内でも、「区域区分の定められている地域」が一番人口密度が高いエリアです。

「区域区分の定められている地域」は、土地の需要が高いため、土地の厳しい利用規制が定められています。「市街化区域」と「市街化調整区域」という2つの区域に分かれます。

市街化区域とは、すでに市街化を形成している区域または概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域です。
例えば、東京23区は、ほとんどが市街化区域です。

それに対し、市街化調整区域とは、市街化を抑制すべき区域になります。
市街化調整区域は、市街化区域に隣接しており、都市部の農村地帯を守る地域です。
例えば、横浜市や名古屋市などの大都市の中にある農村部が市街化調整区域に該当します。

都市計画法の規制の中では、市街化調整区域が最も厳しい規制です。
市街化調整区域では、原則として建物を建てることができません。

都市部に近い場所にあっても、建物を建てることができないと、土地の価値としては著しく劣ってしまします。
そのため、規制が厳しい市街化調整区域の土地価格は低くなります。

一方で、都市計画区域外は、規制は緩いものの、そもそも人口密度が低いエリアであるため、土地の需要が低いです。
よって都市計画区域外は、需要が低いことにより、規制が緩くても土地価格が低いエリアとなります。

土地の価格は、需要の他にも、規制が大きく関わっていることを理解しておきましょう。

6-2.用途の多様性と土地価格の関係

人が多く住む都市は、市街化区域です。
市街化区域の中は、さらに用途地域が定められています。

用途地域とは、建築できる建物の用途を定めた地域です。
例えば、この地域は住宅しか建ててはいけない、この地域は店舗を建てても良い等々の規制があります。

用途地域には、住居系、商業系、工業系からの12種類の地域があり、各市町村によってエリアが定められています。用途地域も土地価格に大きな影響を与える要因の一つです。
色々な建物を建てられる用途地域ほど、用途の多様性が認められ土地価格が高くなります。

用途地域の中で、用途の多様性が最も高い地域は「商業地域」と呼ばれる商業系の地域です。
商業地域は、店舗や住宅、ホテル、風俗店なども建てることができるため、様々な人に土地を購入したいという動機が生まれます。そのため、商業地域の土地は需要が高くなり、結果的に土地価格が高くなります。

用途地域の中で、用途の多様性が最も低い地域は「第一種低層住居専用地域」と呼ばれる住居系の地域です。
第一種低層住居専用地域は、基本的に2階以下の住宅しか建てることができないエリアです。高層マンションは建てられませんし、もちろんホテルや風俗店なども建てることができません。

このように、第一種低層住居専用地域は用途の多様性が低く、購買層が住宅を建てたい人に限られるため、土地価格が低くなります。

たまに、第一種低層住居専用地域は良好な住環境が確保されているため土地価格が高いと勘違いしている人もいますが、実はその逆です。

第一種低層住居専用地域は、規制が厳し過ぎることにより需要が減ってしまうことから、土地価格は安くなります。

土地価格は、戸建住宅しか建てられないエリアよりはマンションも建てられるエリアの方が用途の多様性が広がるため、土地価格が上がります。
マンションに加え、さらに店舗や映画館も建てられるようなエリアの方が、土地価格はもっと上がるという関係にあります。

用途地域が何に指定されているかによって、土地価格は異なってくるということを理解しておきましょう。

7.土地査定額と面積

土地査定額と面積土地の査定において、土地の広さは価格に重要な影響を及ぼします。
ですが、広い土地は、大きいことにより相場よりも高くなる土地と、相場よりも低くなる土地の2種類があるのです。
この章では、特に広い土地について、その広さが土地査定額に与える影響を解説していきます。

7-1.広いと価格が上がる土地

マンションやオフィスビルが建築可能なエリアにおいては、広い土地は価格が高くなります。
例えば、マンションの建築が可能な、「第一種中高層住居専用地域」と呼ばれる用途地域において、広い土地の希少性が高いため土地価格が上がります。

せっかくマンションの建築が可能な地域でも、50坪程度の土地であれば戸建住宅しか建てることができません。需要者が戸建住宅用地を求める人に限られてしまうため、「第一種中高層住居専用地域」であったとしても、価格が特別高くなることはありません。

一方で、500坪程度の土地になると、マンションを建てるのに十分な広さの土地といえます。「第一種中高層住居専用地域」における広い土地は、マンションディベロッパーも購買層に加わるため、価格が高くなる傾向です。

マンションは、上に向かって販売できる住宅の戸数を増やすことができるため、同じ広さでも何人もの人に住宅を販売することができます。
戸建住宅であれば、60坪の土地に対して1人にしか販売できませんが、マンションであれば10人に販売できるようなこともあり得ます。

マンションは戸建住宅用地に比べると、何倍もの人に土地を売ることができるため、結果的には土地単価が上がることになります。

この原則は、高い建物が建てられる用途地域であれば同じです。
商業地など高層ビルが建てられる用途地域においても、土地は広いほど高くなります。

不動産売却の豆知識 不動産会社によって「査定価格」は違う? 不動産会社によって「査定価格」は違う?

不動産会社によっては同じ物件でも査定額が数百万円変わることがあります。複数社に査定依頼をすることで、査定額を比較し本当の物件価値を知ることができます。
実際に不動産売却した人は平均3社以上の不動産会社に査定依頼を出しています。
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7-2.広いと価格が下がる土地

土地の中には、広いことによって相場よりも土地単価が下がる土地も存在します。
具体的には、第一種低層住居専用地域内の土地や市街化調整区域内の土地などの規制の厳しいエリアの土地が、広いと価格が下がる土地に該当します。

第一種低層住居専用地域は、原則、戸建住宅しか建てることができない地域です。
例えば、500坪程度の広い土地があっても、個人の住宅用地としては広過ぎてしまいます。
広い土地で戸建開発を行う場合、敷地の中に新たに道路を作らなければならないことが定められています。しかし、規制通りに道路をつくると、販売できる土地の面積が減ってしまうデメリットがあります。

つまり戸建開発によって、売れない土地も発生してしまうため、土地単価は周辺の相場よりも低くなってしまうのです。
また、市街化調整区域のような土地は、元々、需要が低いエリアです。
このような需要の低いエリアの土地は、広くなると総額が高くなるため、さらに需要が低くなってしまいます。

総額を抑えない限り、売れない土地となってしまうため、結局は土地単価が相場よりも安くなります

第一種低層住居専用地域や元々の土地需要が低いエリアの土地は、広いと土地単価が安くなる性質があるということを理解しておきましょう。

自分の保有する土地が面積の割に高くなるのか、安くなってしまうのか心配な方は、一括査定サイト「不動産売却 HOME4U」を利用すれば、ネットから無料で、複数社への査定依頼が申し込めます。

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8.土地査定額と道路

土地査定額と道路土地の価格は前面道路がとても重要な影響を与えています。
この章では土地査定額と道路との関係についてご紹介します。

8-1.接道義務

都市計画区域および準都市計画区域内の土地においては、建物を建てるために接道義務を満たさなければならないという規制があります。

接道義務とは、幅員が4m以上の築基準法上の道路に、間口が2m以上接していないと建物を建てることができないという規制です。

この規制は、建物が火事になった場合、消防車が土地の前に横付けでき、なおかつ、消火ホースを建物近くまで引き込むことができる最低条件を勘案して作られている規制です。

例えば下図のAのような土地は接道義務を満たしているため、Aの土地では建物を建築することが可能です。
一方で、Cのような土地は接道義務を満たしていないため、建物を建てることができません。

接道義務

Cのような道路に接していない土地は、無道路地と呼ばれます。
無道路地は建物を建築できない土地となるため、その価格が著しく劣ることになります。

土地を売却する際の接道義務や道路付けについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

接道義務と道路付け~一戸建て・土地を売買するときの注意点~

8-2.セットバック

接道義務とは、幅員が4m以上の道路に、間口が2m以上接する必要があるため、幅員が4m未満の道路に接している場合には、幅員を4m以上にして接する必要性が出てきます。
これをセットバックと呼びます。

セットバックとは、前面道路の幅員が4m未満の道路の場合、敷地を道路中心線から2mとなる位置まで後退することです。

下図のBのように4m未満の道路に接している土地は、接道義務を満たすためにセットバック部分が生じます。

セットバック

セットバック部分は道路として提供されるため、セットバック部分の価値はなくなります。
近くにある同じ面積のAの土地と比べると、セットバックの分だけ土地価格が低く査定されることになります。

8-3.私道の価値

土地は接道義務を満たさないと建物を建てることができないため、広い土地が戸建分譲用地として開発される場合、道路が新たに作られることになります。

新たに作られる道路は、市区町村が所有する公道となる場合や、個人が所有する私道となる場合があります。

ミニ開発されたような土地であれば、前面道路が私道となっているケースが多いです。
下図のような私道の場合、私道部分をABCDの4人の共有で持っていることがあります。

私道の価値

このような私道部分は、あくまでも接道義務を満たすためだけに作られた道路であり、経済的な価値がありません。
そのため、査定を行っても私道部分はゼロで査定されます。

まとめ

土地の査定についてポイントや流れ、査定方法などをご紹介しましたが、いかがでしたか?

土地査定額を決めるポイントには、

  • 公法上の規制
  • 駅からの距離
  • 接面道路
  • 形状
  • 面積
  • 間口と奥行
  • 角地など接面道路との関係
  • 道路との高低差
  • 土壌汚染や埋蔵文化財・地下埋設物
  • 嫌悪施設との接近の程度

の10個がありました。

公法上の規制や道路などの価格への影響は専門的な知識も要します。
最終的に売却する段階となったら、査定は専門の不動産会社に依頼することをおすすめします。

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この記事のポイント

土地査定額を決める10個のポイントは?

土地の査定額が決まるポイントは、建築条件や立地、面積など、以下の10個に分けられます。

  • 公法上の規制
  • 駅からの距離
  • 接面道路
  • 形状
  • 面積
  • 間口と奥行
  • 角地など接面道路との関係
  • 道路との高低差
  • 土壌汚染や埋蔵文化財・地下埋設物
  • 嫌悪施設との接近の程度

詳細は「1.土地査定額を決める10のポイント」をご覧ください。

土地査定から売り出しまでの基本的な流れは?

土地査定の主な流れは以下の通りです。

【土地査定の流れ】

  1. 複数の不動産会社に机上査定を依頼する
  2. 不動産会社を絞り訪問査定の日時を決める
  3. 査定
  4. 媒介契約

詳細は「2. 土地査定から売り出しまでの基本的な流れ」をご覧ください。

土地の査定額と公法上の規制の関係は?

都市計画法や用途地域など、土地の査定額に公法上の規制が大きく関係します。

  1. 都市計画法や用途地域の指定などで、建築できる建物に制限がある
  2. 用途が多い土地は、様々な購買層が買主になるため査定額が上がる
  3. 用途が限定されると、買主が限られるため査定額が下がる

査定対象の土地が幅広い用途で使える場合、査定額が上がる傾向にあります。用途の多様性が最も高い地域は「商業地域」です。

詳細は「6. 土地の査定額と公法上の規制」をご一読ください。