土地の売却で生じる税金をシミュレーション!節税の特例も解説

個人が土地を売却すると「税金」が発生します。
土地売却時の税金は、「取得費が分かっているか否か」、「所有期間」等によって異なってきます。

単純に売却額の何パーセントといった方法で計算できないため、シミュレーションをするには税金の計算ルールを知ることがポイントです。

そこでこの記事では、

  • 土地の売却時に生じる税金の種類
  • 計算方法
  • 具体的な計算のシミュレーション

について、わかりやすく解説していきます。

ぜひ最後までおつきあいいただき、土地売却時の参考にしてください。

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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.土地の売却で発生する税金

まずは「土地の売却で発生する税金」にどのようなものがあるか見ていきましょう。
本章では、以下の3種類を解説していきます。

  1. 所得税および住民税・復興特別所得税
  2. 印紙税
  3. 登録免許税

それではひとつずつ見ていきましょう。

1-1.所得税および住民税・復興特別所得税

個人が土地を売却した場合、譲渡所得が生じると「所得税および住民税、復興特別所得税」の3つの税金が発生します

譲渡所得とは売却益のことであり、以下の式で計算されるものです。

譲渡所得 = 譲渡価額※1 - 取得費※2 - 譲渡費用※3

※1譲渡価額とは、売却価額です。
※2取得費とは、土地の購入額になります。
※3譲渡費用は、仲介手数料や印紙税など、売却に要した費用のことです。

譲渡所得は譲渡価額や取得費、譲渡費用の額のバランスによって決まるため、例えば高く買った土地を安く売った場合にはマイナスとなることもあります。

譲渡所得がマイナス(譲渡損失)であれば税金は発生しないのがルールです。
譲渡損失が生じた場合には、税金を納めるための確定申告も不要となります。

譲渡所得がプラス(譲渡益)となった場合、税金は譲渡所得に税率を乗じて計算します。

税金 = 譲渡所得 × 税率

税率は所有期間によって異なります。
売却する年の1月1日時点において所有期間が5年超のときは「長期譲渡所得」、1月1日時点において所有期間が5年以下のときは「短期譲渡所得」の税率を用います。

長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率

長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率は下表の通りです。

所得の種類 所有期間 所得税率 住民税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9%
長期譲渡所得 5年超 15% 5%

復興特別所得税の税率は、所得税に対して2.1%を乗じます。

1-2.印紙税

土地の売買契約書は、印紙を貼らなければいけない課税文書です。
売買契約時には、売買契約書に貼り付ける「印紙税」が発生します
印紙税は、売買契約書に記載する金額に応じて印紙代が決まり、その税額は下表の通りです。

契約書に記載する売買金額 本則 軽減税率※
1万円未満 200円 非課税
1万円以上10万円以下 200円 200円
10万円超50万円以下 400円 200円
50万円超100万円以下 1,000円 500円
100万円超500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円 30,000円
1億円超5億円以下 100,000円 60,000円
5億円超10億円以下 200,000円 160,000円
10億円超50億円以下 400,000円 320,000円
50億円超 600,000円 480,000円
金額の記載のないもの 200円 200円

※軽減税率は2022年3月31日までの売買契約書で適用

1-3.登録免許税

土地の売却では、「登録免許税」が発生することがあります
登録免許税とは、登記簿謄本の記載内容を変更するために法務局へ支払う手数料のような税金のことです。

(1)抵当権抹消の登録免許税

抵当権が設定されている土地を売却する場合には、売却時に抵当権抹消費用が生じます。
抵当権とは、債権者(銀行)がその抵当物件から優先的に弁済を受けることができる権利のことです。

抵当権抹消の登録免許税は不動産1個につき1,000円となります。
2筆(ふで)の土地に抵当権が設定されている場合には、2,000円です。

(2)名義変更の登録免許税

相続した土地を売却するような場合、名義変更の登録免許税が発生します。
名義変更の登録免許税は、土地の固定資産税評価額に0.4%を乗じたものです。

登録免許税 = 固定資産税評価額 × 0.4%

尚、売却時の所有権移転のための登録免許税は、商習慣として買主が負担することが一般的となっています。

2.譲渡所得の計算方法

改めて譲渡所得の計算式を示すと以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

この章では、譲渡所得を求めるために必要な以下の3つの項目について解説します。

  1. 譲渡価額の求め方
  2. 取得費になるもの
  3. 譲渡費用になるもの

それではひとつずつ見ていきましょう。

2-1.譲渡価額の求め方

譲渡価額とは、基本的に売買代金のことです。
ただし、売買で買主から固定資産税等の精算金を受け取っている場合には、売買代金に固定資産税等精算金を加えたものが譲渡価額となります。

譲渡価額 = 売買代金 + 固定資産税等精算金

固定資産税等精算金とは、引渡日以降の固定資産税等の実質的な負担を買主へ移転するために買主が売主に支払う金銭のことを指します。

固定資産税の納税義務者は、1年の間に売買が行われるか否かに関わらず、1月1日時点の所有者です。

売買では、商習慣として税負担を買主へ移転するために買主が精算金を支払います。
しかしながら、1年の間に売買しても固定資産税の納税義務者は売主のままであることから、固定資産税等精算金は「立て替え金」とは性質が異なります。

「立て替え金」ではないとすると、「単なる値上げ」ということになるため、固定資産税等精算金は売却額の一部として売買代金に加える必要があるのです。

尚、マンションの売買では管理及び修繕積立金を精算しますが、管理及び修繕積立金の精算金は「立て替え金」の精算であるため、譲渡価額には加えないことになります。

2-2.取得費になるもの

取得費とは、原則として土地の購入額です。
土地の購入額が判明している場合、以下のような費用も取得費に加えることができます。

【取得費に加えられるもの】

  • 購入の際の仲介手数料
  • 購入の際に支払った立退料・移転料
  • 購入時の売買契約書に貼付けした印紙税
  • 購入時の登録免許税や司法書士へ支払った登録手数料
  • 購入時の不動産取得税
  • 購入時の搬入費や据付費
  • 購入時に要した測量費
  • 購入物件を物色したときの交通費等
  • 購入時の建物等の取壊し費用(当初から土地だけを利用する目的で古家付きの物件を取得した場合)
  • 整地・埋立て・地盛りの費用、下水道、擁壁の設置費用等
  • 相続の際の不動産登記費用(売却した資産に対応するもの)

一方で、土地の購入額が分からない場合は「概算取得費」を用います。
概算取得費は、譲渡価額(収入金額)の5%です。

概算取得費 = 譲渡価額 × 5%

概算取得費を用いる場合は、概算取得費に上記の「取得費に加えられるもの」を加算することはできません。

購入の際の仲介手数料等を加算できるのは、あくまでも土地の購入額が判明しているときのみです。

つまり、概算取得費には何も加算することはできず、概算取得費を用いる場合は取得費が「譲渡価額の5%」に確定されます。

尚、「実際の取得費」と「概算取得費」は有利な方を選択することが可能です。
ケースとしては少ないですが、実際の取得費が極めて小さい場合、概算取得費の方が有利なケースもあります。

実際の取得費よりも概算取得費の方が大きくなるケースでは、土地の購入額が分かっていても概算取得費を取得費に用いて大丈夫です。

2-3.譲渡費用になるもの

譲渡費用とは、仲介手数料や印紙税、測量費など、売却に直接要した費用のことです。
譲渡費用になるものとしては、一般的に以下のようなものが挙げられます。

【譲渡費用となるもの】

  • 売却時の仲介手数料
  • 売買契約書の印紙代
  • 売却のために広告した場合の広告料
  • 売却のために測量した測量費
  • 売却のために鑑定をした場合の鑑定料
  • 売却のために借家人を立退かせるために支払った立ち退き料
  • 買主の登記費用を負担した場合はその負担額
  • 土地を売るために、その土地の上の建物を取り壊した場合、建物の取得費と取り壊し費用
  • すでに売買契約を締結していたが、さらに有利な条件で他に売却するため、その契約を解除した場合の違約金
  • 売却のために行った建物の補修費
  • 買主との交渉のために要した交通費、通信費等

売却時の所有権移転の登録免許税は商習慣として買主が負担することが一般的ですが、売主が負担した場合、「買主の登記費用を負担した場合はその負担額」として譲渡費用に加えることができます。

また、売却のために建物を取り壊した場合、取り壊し費用は譲渡費用に加えることが可能です。

尚、以下の費用は譲渡費用に含めることができないものとなっています。

【譲渡費用として認められない支出】

  • 抵当権抹消費用
  • 遺産分割のために要した支出
  • 移転先家屋の購入費、修繕費、移転費用等
  • 譲渡資産の維持管理費等
  • 引越代

3.土地売却時の税金シミュレーション

土地売却時の税金シミュレーションについて、以下の2つのケースに分けて解説します。

  1. 土地の取得費がわかる場合
  2. 土地の取得費が不明の場合

それではひとつずつ見ていきましょう。

3-1.土地の取得費がわかる場合

土地の取得費がわかる場合のシミュレーションを行います。

(条件)
譲渡価額:4,000万円
取得費:3,500万円
譲渡費用:127万円(仲介手数料126万円、印紙税1万円)
所有期間:5年超(長期譲渡所得)

(税金シミュレーション)
譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用
     = 4,000万円 - 3,500万円 - 127万円
     = 373万円

所得税 = 譲渡所得 × 税率
    = 373万円 × 15%
    ≒ 56万円

復興特別所得税 = 所得税 × 税率
        = 56万円 × 2.1%
        ≒ 1.2万円

住民税 = 譲渡所得 × 税率
    = 373万円 × 5%
    ≒ 18.7万円

税額 = 所得税 + 復興特別所得税 + 住民税
   ≒ 56万円 + 1.2万円 + 18.7万円
   ≒ 75.9万円

3-2.土地の取得費が不明の場合

土地の取得費が不明の場合のシミュレーションを行います。
比較のために、取得費以外は前節と同じ条件とします。

(条件)
譲渡価額:4,000万円
取得費:不明
譲渡費用:127万円(仲介手数料126万円、印紙税1万円)
所有期間:5年超(長期譲渡所得)

(税金シミュレーション)
譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用
     = 譲渡価額 - 概算取得費 - 譲渡費用
     = 4,000万円 - 4,000万円×5% - 127万円
     = 4,000万円 - 200万円 - 127万円
     = 3,673万円

所得税 = 譲渡所得 × 税率
    = 3,673万円 × 15%
    ≒ 551万円

復興特別所得税 = 所得税 × 税率
        = 551万円 × 2.1%
        ≒ 11.6万円

住民税 = 譲渡所得 × 税率
    = 3,673万円 × 5%
    ≒ 183.7万円

税額 = 所得税 + 復興特別所得税 + 住民税
   ≒ 551万円 + 11.6万円 + 183.7万円
   ≒ 746.3万円

取得費が3,500万円と判明していたときの税金は75.9万円でしたが、不明のときの税金は746.3万円にもなりました

一般的に概算取得費を用いると税金が大きくなってしまうため、節税をするには取得費が分かる資料を探すことが最大のポイントです

4.土地売却で使える3つの節税特例

個人が土地を売る場合、要件に合致すれば節税できる特例があります。
特例を利用するには、確定申告が必要です。

特例を適用した結果、譲渡所得がゼロ円(マイナスの場合もゼロ円)になったとしても、特例を利用するために確定申告が必要となります。

この章では、土地売却で使える節税特例について以下の3点を解説します。

  1. 低未利用土地等を譲渡した場合の100万円特別控除
  2. 平成21年及び平成22年に取得した土地の1,000万円特別控除
  3. マイホーム解体後の3,000万円特別控除

それではひとつずつ見ていきましょう。

4-1.低未利用土地等を譲渡した場合の100万円特別控除

売却価格が500万円以下となる一定の要件を満たす土地であれば、低未利用土地等の100万円特別控除が利用できます。
低未利用土地等の100万円特別控除を適用した場合の譲渡所得の計算式は以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 100万円

低未利用土地等の100万円特別控除の主な要件は以下の通りです。

  1. 譲渡した者が個人であること。
  2. 譲渡の年の1月1日において、所有期間が5年を超えること。
  3. 譲渡価額の合計が500万円以内であること。
  4. 譲渡した物件が都市計画区域内にあること。
  5. 譲渡した物件が「低未利用土地等であること」および「譲渡後の土地等の利用」について市区町村長の確認がなされたものであること。

詳しい要件については、以下の国税庁のホームページをご参照ください。

4-2.平成21年及び平成22年に取得した土地の1,000万円特別控除

平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得した土地を売れば、1,000万円特別控除を利用できます。
1,000万円特別控除を適用した場合の譲渡所得の計算式は以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 1,000万円

詳しい要件については、以下の国税庁のホームページをご参照ください。

4-3.マイホーム解体後の3,000万円特別控除

マイホームを取り壊して土地の状態にして売る場合、一定期間内に売ると3,000万円特別控除を適用することができます。
3,000万円特別控除を適用した場合の譲渡所得の求め方は以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

3,000万円特別控除を適用するには、取り壊す建物がマイホームであることが必要です。
また、以下に示す売却期間内に売ることが要件となります。

3,000万円特別控除要件を満たすと建物取り壊し後にも適用できる

【売却期限】

転居後に家屋を取り壊した場合には、転居してから3年後の12月31日までか、取り壊し後1年以内か、いずれか早い日までに譲渡

ただし、取り壊し後にその敷地を貸し付けたり、事業の用に供したりすると適用外となります。
取り壊し後は駐車場等にはせず、そのまますぐに売却することがポイントです。

詳しい要件については、以下の国税庁のホームページをご参照ください。

~土地を高く売る方法~

この記事をお読みの方の中には、これから土地の売却を予定している方もいらっしゃることでしょう。

土地を高く売るには、高く売ってくれる不動産会社に売却依頼することが最大のコツです。

高く売ってくれる不動産会社を探すには、複数の「土地売却が得意な不動産会社」に査定を依頼する必要があります。

ただ、そうはいっても、どの会社が土地の売買を得意としているのかは、一般消費者にはわかりませんよね。
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5.「相続した土地」を売却するときの税金の計算方法

「相続した土地を売却するときの税金の計算方法」には、いくつかポイントがあります。
本章では、計算に関わる以下の3点について解説します。

  1. 「取得費と所有期間」は被相続人のものを引き継ぐ
  2. 「名義変更の登記費用」は取得費に含めることができる
  3. 相続した土地売却で利用できる節税特例

それではひとつずつ見ていきましょう。

5-1.「取得費と所有期間」は被相続人のものを引き継ぐ

相続した土地を売る場合、取得費と所有期間は被相続人のものを引き継ぐ点がポイントです。

被相続人(他界した人)が購入したときの売買契約書が残っている場合、相続人は被相続人の売買契約書を用いて取得費とすることができます。
売買契約書が残っておらず、購入額が分からない場合は概算取得費を用います。

また、所有期間も被相続人の所有期間を引き継ぎます。
例えば、被相続人の所有期間が5年超であった場合、相続後に相続人がすぐに売却したとしても所有期間は5年超ということです。
所有期間が5年超となると、長期譲渡所得の低い税率を用いることができます。

5-2.「名義変更の登記費用」は取得費に含めることができる

相続した土地を売るには、所有者を明らかにするために名義変更が必要です。
相続した土地を売る場合、名義変更の登記費用は取得費に含めることができます。

司法書士に名義変更を依頼した場合、「登録免許税」に加えて「司法書士手数料」も発生しますが、司法書士手数料も取得費に加えることが可能です。
相続を原因とする所有権移転登記の司法書士手数料は、6~7万円程度となります。

5-3.相続した土地売却で利用できる節税特例

相続した土地売却で利用できる節税特例について解説します。

5-3-1.取得費加算の特例

相続税を納めた人が一定期間内に土地を売る場合、取得費加算の特例を利用することができます。
取得費加算の特例を利用した場合の譲渡所得の計算式は以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 取得費に加算する相続税額 - 譲渡費用

取得費に加算する相続税額は以下の計算式で求めます。

その者の相続税額×その者の相続税の課税価格の計算の基礎とされたその譲渡した財産の価額÷(その者の相続税の課税価格+その者の債務控除額)

取得費加算の特例を利用するには、以下の要件を満たすことが必要です。

  1. 相続や遺贈により財産を取得した者であること。
  2. その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
  3. その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。

ポイントは、「財産を取得した人に相続税が課税されていること」と「相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡」の2点です

相続税が課税されていない人は、取得費加算の特例は利用できません。
また、売却も相続税の申告期限の翌日以後3年までの間に行うことが必要です。

詳しい要件については、以下の国税庁のホームページをご参照ください。

5-3-2.相続空き家の3,000万円特別控除

一定の要件を満たす被相続人のマイホームを売る場合、更地で売っても3,000万円特別控除を適用することができます。

3,000万円特別控除を適用した場合の譲渡所得の求め方は以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

相続空き家の3,000万円特別控除を利用するには、家屋が以下の要件を満たす必要があります。

【家屋の要件】

  1. 相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋であること
  2. 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
  3. 区分所有建築物(マンション等)以外の家屋であること
  4. 相続の開始直前においてその被相続人以外に居住していた者がいなかったこと
  5. 相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付の用または居住の用に供されていたことがないこと
  6. 家屋を取り壊さずに売る場合、売却時において、その家屋が現行の耐震基準を満たしていること
  7. 相続の開始があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること

ポイントとしては、「昭和56年5月31日以前に建築された家であること」と「その家屋が現行の耐震基準を満たしていること」の2点です。

昭和56年5月31日以前に建築された家屋は、旧耐震基準の時代に建てられた建物であり現行の耐震基準を満たしていないことが一般的となっています。

よって、家屋を取り壊さずに売る場合には、わざわざ耐震リフォームをすることが必要です。
ただし、相続空き家の3,000万円特別控除は、建物を取り壊しても利用できる点がポイントです。

相続空き家の3,000万円特別控除は、建物を取り壊しても利用できる点がポイント

建物を取り壊す場合は、以下の要件を満たす必要があります。

【取り壊して売る場合の要件】

  1. 取り壊した家屋について相続の時からその取壊しの時まで事業の用、貸付の用又は居住の用に供されていたことがないこと
  2. 土地について相続の時からその譲渡の時まで事業の用、貸付の用または居住の用に供されていたことがないこと

よって、相続した土地を売るケースでも、条件に合致すれば相続空き家の3,000万円特別控除を利用できます。

相続空き家の3,000万円特別控除には、その他、「売却までの期限」や「譲渡価格(1億円以下であること)」等に要件があります。
詳しい要件については、以下の国税庁のホームページをご参照ください。

まとめ

いかがでしたか。
土地売却における税金について解説してきました。

土地売却では「所得税および住民税」、「印紙税」、「登録免許税」が発生しますが、一定の要件を満たすと「低未利用土地等を譲渡した場合の100万円特別控除」や「平成21年及び平成22年に取得した土地の1,000万円特別控除」といった特例を利用できる可能性があります。

この記事で得た情報を活かして、適切な対応が取れるよう準備をなさってください。

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