更新日:2024.12.27 不動産売却の基礎講座, 一戸建て売却ガイド, 不動産売却のノウハウ 住宅の耐用年数とは?耐用年数が過ぎても長く住み続けるためのポイントを解説 住宅の耐用年数は、住宅の資産価値を把握するための指標の一つであり、耐用年数を超えたからといって住めなくなるわけではありません。 しかし「耐用年数を超える前に早めに売却するべきか、このまま住み続けるべきなのか」と、悩んでいる方も多いでしょう。 この記事では、住宅の耐用年数の考え方に加えて、減価償却の計算方法や長く住み続けるためのポイントなどを解説します。 この記事を最後までお読み頂くことで、自宅を売却するべきかこのまま住み続けるべきかを適切に判断できます。 売却について初歩的な内容から知りたい方は、『家を売る完全ガイド』もご覧ください。 また、不動産売却についての基礎知識や全体像を把握したい方は、『不動産売却の入門書』も併せてご覧ください。 「家を売りたい」と悩んでいる方へ 「家を売りたいけど、どうしたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」なら複数社に査定依頼でき”最高価格”が見つかります 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート Contents1.住宅の耐用年数とは?2.住宅構造別で見る家の寿命3.物件種別で見る耐用年数4.住宅の減価償却と計算方法5.実際に家はどれくらいまで住むことができる?6.耐用年数が過ぎても長く住み続けるためのポイントこの記事のポイント 1.住宅の耐用年数とは? 住宅の耐用年数とは、対象となる資産が利用できる年数のことです。 耐用年数には、大きく以下の3種類があります。 物理的耐用年数 法定耐用年数 経済的残存耐用年数 物理的耐用年数とは、構造物の仕組みや品質を正常に維持できる年数のことです。 例えば、冷蔵庫の耐用年数やスマートフォンの耐用年数のように、そのものの使用期間が過ぎると満足な性能を発揮できなくなるものを指します。 木造住宅の物理的耐用年数は、物件の立地やメンテナンス歴によって大きく異なります。たとえ築年数の古い木造住宅でも、環境やメンテナンス状況によっては耐用年数を超えて長く使える可能性があるということです。 法定耐用年数とは、不動産の減価償却費用を算出するために国が決めた年数のことです。 建物の構造や用途によって分けられて決められており、この法定耐用年数を用いて建物の価値を算出するのが一般的です。 以下は、住宅に使われる材料の種類別の耐用年数です。 木造・合成樹脂造のもの 22年 木骨モルタル造のもの 20年 軽量鉄骨造(骨格材肉厚3㎜以下) 19年 軽量 鉄骨造(骨格材肉厚3㎜以上4㎜未満) 27年 鉄骨鉄筋コンクリート造 47年 出典:耐用年数(建物/建物附属設備)国税庁 このように建物の種類によって耐用年数が決められています。あくまでも耐用年数なので、この年数を超えたからといって住めなくなるわけではありません。 経済的残存耐用年数とは、対象となる不動産が今後どのくらいまで使用できるかといった、不動産的価値がなくなるまでの年数を示したものです。 建物の価値は、法定耐用年数だけでは判断しかねる部分もあります。なぜなら建物の使い方や周りの環境によって、建物価値の減り方が異なるからです。 ですので、経済的残存耐用年数は建物の劣化具合だけではなく、今後見込まれる修繕や補修費用などを考慮して、今後どれくらいの期間価値があるのかに重点をおいて判断されます。 現在、売り出し中の一戸建てに買い手がつかず困っている方は、『今売っている一戸建てが売れない10の理由と対策』もご覧ください。 2.住宅構造別で見る家の寿命 実際に住むことができる期間の目安である家の寿命は、木造や鉄骨構造といった住宅の構造によって異なります。 例えば、一戸建ての建築で多い木造は30〜80年、マンションの建築でよく使われる鉄筋コンクリート構造は40〜90年が寿命の目安です。 住宅の構造 寿命 木骨 30〜80年 鉄骨構造 30〜60年 鉄筋コンクリート構造 40〜90年 どの住宅構造も30〜80年のように寿命の幅が広いことが分かります。これは建物によって、寿命まで住み続けるわけではなく取り壊しがあるからです。 また、日本は欧米などの海外と比べて住宅寿命が短いとされています。 その理由は、高度経済成長期以降、急速に変化し続けるライフスタイルに、住宅の造りが追いついていないことや、築20年を過ぎたあたりから、建物の価値はほとんどなくなってしまうことから、更地にして売却したりなど需要が減ることが挙げられます。 例えば木造住宅であれば、築30年ごろに売却のために更地にされるなど住宅としての役目を終えたものも含まれます。 あくまで平均的な寿命ですので、なかには木造の一戸建てでも築100年近くになる建物も存在します。 3.物件種別で見る耐用年数 住宅の耐用年数は、物件種別や用途によって異なり、その指標を国税庁が公表しています。 以下の3種類の物件に分けて記載しました。 物件種別 耐用年数 木造一戸建て 20〜22年 木造アパート 20〜22年 マンション 47年 出典:耐用年数(建物/建物附属設備)国税庁 それぞれに関して詳しく解説します。 3-1.木造一戸建ての耐用年数 木造一戸建ての耐用年数は、20〜22年です。 築20年だからといって住めなくなるのではなく、物件としての資産価値がゼロとみなされるのが築20〜22年ということです。とはいえ、住宅診断やメンテナンスを心がけることで、耐用年数を伸ばすことは可能です。 3-2.木造アパートの耐用年数 木造アパートの耐用年数は、木造一戸建てと同じ20〜22年が耐用年数となっています。 アパートの場合は住人の入れ替わりがあるので、その都度メンテナンスや清掃を入れて必要であれば設備を交換するようにします。 一戸建てに比べると耐用年数が上がりそうですが、水に弱い木造住宅では耐用年数が20〜22年です。 水周りのメンテナンス次第では、耐用年数が長くなる可能性があります。 3-3.マンションの耐用年数 マンションの耐用年数は、47年です。 木造に比べると倍近い耐用年数ですが、その理由はマンションの多くが木造よりも耐久性の強い鉄筋コンクリート造りだからです。 また、マンションの場合は各部屋だけではなく共有部分に関しても、メンテナンスや修繕が定期的に行われることが多いので耐用年数も長くなります。 4.住宅の減価償却と計算方法 建物の耐用年数は、どれくらいの期間で資産価値が無くなるのかという「減価償却」を計算するための指標です。 ここでは具体的に減価償却の意味と計算方法を解説します。 4-1.減価償却とは 減価償却とは、建物などの固定資産を取得する際にかかった費用を数年に分けて費用計上する会計処理の考え方です。 一戸建てやマンションなどは、時間の経過と共に価値が減少するのが一般的です。このように時間の経過とともに劣化していく建物は、資産として価値が減少するため、減価償却という考え方が用いられます。 あくまでも会計処理上のルールなので、自宅を丁寧に使うか雑に使うかは関係なく、等しく資産価値を下げる計算です。 4-2.減価償却の計算方法 不動産を住居用として取得した場合の減価償却の計算方法を解説します。 まず減価償却の計算方法には、以下の2つがあります。 定額法 定率法 定額法とは、耐用年数の期間内において毎年一定の額を減価償却する方法です。 定額法であれば、資産価値の高い初年度でも一定に価値が減少するので、年数の経過が短いほど利益が残りやすいことになります。 定額法による減価償却費の計算は、以下の通りです。 減価償却費 = 取得価格 × 定額法の償却率 一方で定率法とは、未償却の残高に対して毎年一定の率を減価償却する方法です。 毎年同じ額の減価償却費がかかる定額法と比べて、定率法では初年度など初期の方で多く減価償却費がかかり、毎年低減していきます。 定率法による減価償却の計算は、以下の通りです。 減価償却費 = 未償却残高 × 定率法の償却率 償却率は、国税庁の公表している「減価償却資産の償却率等表」で確認できます。 また、減価償却に関する法律が2007年に改正されています。2007年3月31日以前なのか2007年4月1日以降なのかによって、定額法・定率法ともに償却率が異なるので注意が必要です。 5.実際に家はどれくらいまで住むことができる? 建物はそれぞれの構造や用途によって耐用年数が決められていますが、耐用年数を超えても住むことは可能です。 実際に木造住宅の寿命は30~80年と、耐用年数の22年を大幅に超えています。 どれくらいまで住めるかどうかは、建物自体や設備のメンテナンスにもよるので、以下のことに注目することが重要です。 安全に生活できるのか 設備の耐用年数は問題ないのか それぞれについて、解説します。 5‐1.安全に生活できるのか 住宅での生活を考えると、安全に生活できるかどうかは重要です。 住宅の安全性は、物理的耐用年数が許容範囲内であるかが大きく関係します。 建物の基礎や柱、壁のなかの断熱材などは日常生活で劣化具合が分からないので、気づいたら大規模な修繕が必要なくらい劣化しているなどの可能性があります。 耐用年数を超えて長く住みたいのであれば、住宅の安全面に注意して定期的にメンテナンスを行うようにしましょう。 5‐2.設備の耐用年数は問題ないのか 建物自体ではなく、キッチンやトイレなどの水回り、オール電化機器、排水などの設備にも耐用年数があります。 そして、これらの設備に関しては、住宅よりも耐用年数が短いものがほとんどです。実際に、給排水や照明設備を含む電気設備の法定耐用年数は15年とされています。 このことからも、住宅ローンを組んでいる方に関しては、ローン完済前に一度設備を取り替える必要があります。 設備を新しく取り替えることで、そこから継続して住み続けることが可能です。 不動産売却の豆知識 不動産会社によっては同じ物件でも査定額が数百万円変わることがあります。複数社に査定依頼をすることで、査定額を比較し本当の物件価値を知ることができます。 実際に不動産売却した人は平均3社以上の不動産会社に査定依頼を出しています。不動産売却 HOME4U(NTTデータグループ運営)では厳選された不動産会社から最大6社をご紹介させていただきます。 【完全無料】一括査定依頼をスタート 6.耐用年数が過ぎても長く住み続けるためのポイント 耐用年数が過ぎても長く住み続けるためのポイントは、以下の2つです。 定期的にメンテナンスやリフォームを行う 専門家に依頼して家の点検を行う 売却を検討している場合は早めの査定依頼をする それぞれを詳しく解説します。 6-1.定期的にメンテナンスやリフォームを行う もしも売却ではなく、今後も長く住みたいと考えているのであれば、定期的にメンテナンスやリフォームをして、長く住める状態を作るようにしましょう。 海外では、住宅を資産と考えており、築年数が古い建物ほど資産価値が高い傾向にあります。 ですが何もせずに価値が上がるわけではなく、質の良い住宅を建築して大切に長く住み続けるためにメンテナンスを欠かさないことが、資産価値を高く保つ秘訣です。 まずは、毎日の生活のなかで気になる場所が出てきた際に放置しないようにしましょう。 たとえば、キッチンやトイレなど毎日使う水回りは、定期的な掃除を欠かさず行うことで、異常箇所を早期に発見することが可能です。 リフォームをするにしても予算が限られてくるので、生活するうえで安全に支障をきたす場所を優先的に行うことがおすすめです。 6-2.専門家に依頼して家の点検を行う メンテナンスやリフォームを行うとしても、基礎部分や壁、屋根など一見しただけでは異常が分からない場所も多くあります。 ですので、5年を目安にしつつ定期的に住宅の専門家に依頼して点検をしてもらうようにしましょう。 専門家の点検は、点検内容によって金額がことなります。 目視による点検であれば4〜5万円ほど、専用機器をつかった本格的な点検であれば、20〜30万円ほど費用がかかります。 専門家の検査は高額ですが、問題箇所を放置したことで甚大な被害が起こったり、高額な修繕になったりするのを防ぐためにも、定期的な検査を依頼するようにしましょう。 築20年以上の物件であれば、一度は専用機器を使った住宅検査を受けることをおすすめします。 また、専門家の住宅検査とアドバイスをもとに、リフォームやメンテナンスを進める優先順位を決めるようにしましょう。 6-3.売却を検討している場合は早めの査定依頼を 売却を検討している場合は、早めに査定依頼をするようにしましょう。 住宅は築年数が経過するにつれて価値が下がる傾向にありますが、耐用年数を過ぎたとしても物件の状態や条件がよければ価値がつく可能性もあります。 そのためにも早めに査定を依頼して、所有物件にどれくらいの価値があるのかを把握することが大切です。 これから自宅の査定を依頼する方には「不動産一括査定サイト」をおすすめします。 一括査定サイトは、エリアなどの簡単な情報を入力するだけで、複数の不動産会社にまとめて査定依頼をかけられるWebサービスです。 ユーザーは一度の入力で複数社に査定依頼ができるので、1社1社お願いをするような手間をかけず査定を比較できるので、効率よく査定依頼をかけられます。 また、一括査定サイトのなかでも「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」がおすすめのサイトです。 「不動産売却 HOME4U」は、2,500社もの厳選した優良企業を集めており、そのなかから条件にあう会社を最大6社ピックアップしてくれます。 売却を検討しているが、どの不動産会社に査定をしてもらったらいいのか分からない人は、ぜひこの機会に活用してみてください。 【無料】一括査定依頼スタート この記事のポイント 住宅の耐用年数とは? 住宅の耐用年数とは、不動産売却の際の価値を判断する基準となる建物の築年数のことです。 より詳しい内容は「1.住宅の耐用年数とは?」をご覧ください。 物件種別で見る耐用年数とは? 物件種別で見る耐用年数は以下の通りです。 木造一戸建ては20~22年 木造アパートは20~22年 マンションは47年 より詳しい内容は「3.物件種別で見る耐用年数」をご覧ください。 耐用年数が過ぎても長く住み続けるためのポイントとは? 耐用年数が過ぎても長く住み続けるためのポイントは以下の通りです。 定期的にメンテナンスやリフォームを行う 専門家に依頼して家の点検を行う 売却を検討している場合は早めの査定依頼をする より詳しい内容は「6.耐用年数が過ぎても長く住み続けるためのポイント」をご覧ください。