マンションと戸建て住むならどっち? 価格や維持費、機能性、資産価値、住みやすさなどを徹底比較

マンションと戸建て 主要7項目を徹底比較

マンションと戸建てにはそれぞれメリット・デメリットがあります。それぞれの特徴を知り、自分に合った物件を選択しましょう。

本記事では、マンションと戸建ての違いを、購入費用、物件購入の際の諸費用、維持管理費、防犯・防災面、資産価値、リフォーム・リノベーションのしやすさ、住みやすさの7項目で比較します。

この記事を読むと分かること
  • マンションと戸建ての違い
  • マンションと戸建て|それぞれに向いている方の特徴
  • マンションと戸建ての住み替えのポイント
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1.マンションと戸建て|購入費用を比較

住宅金融支援機構の「2022年度フラット35利用者調査」によると、フラット35を利用した方がマンションや戸建ての購入に要した費用は、以下のとおりです。

1 所要資金(全国)

引用:“2022年度フラット35利用者調査”. 住宅金融支援機構. 2023-08-04. (参照2024-03-15)

1 住宅の購入価格

引用:“住宅の平均購入価格はいくらくらい?”. 生命保険文化センター. (参照2024-03-15)

住宅価格はどのタイプの物件も値上がりしており、マンションの所要資金が最も高く、4,848万円でした。戸建ては土地付きで4,694万円、建売で3,719万円となり、新築・中古ともにマンションより戸建てのほうが安くなっています。

また、地域別の所要資金をみると、どのタイプの物件であっても、住宅の平均購入額は大都市圏に近づくほど高くなっています。同規模の物件であっても、立地によって物件価格には差が出るといえるでしょう。

2.マンションと戸建て|物件購入の際の諸費用を比較

住宅ローン諸費用

物件購入にかかる諸費用は、マンションと戸建てで共通してかかるものと、マンションのみ、戸建てのみにかかるものがあります。それぞれ概要を簡単にみていきましょう。

  • マンションと戸建て|共通してかかる諸費用
  • マンション購入にかかる諸費用
  • 戸建て購入にかかる諸費用

2-1.マンションと戸建て|共通してかかる諸費用

マンションと戸建ての物件購入時に共通してかかる費用には、以下のようなものがあります。

項目 概要
印紙税 物件の売買契約書や建設工事請負契約書、住宅ローン契約書などにかかる税金。
不動産取得税 不動産を取得した際にかかる税金。
登録免許税 不動産の所有権を登記する際にかかる税金。
固定資産税清算金
都市計画税精算金
固定資産税・都市計画税は1月1日時点に不動産を所有している方に課される税金。年度の期間内に不動産を売却した場合、所有日数に応じて買主が売主へ精算金を支払う。
仲介手数料 不動産会社を通じて不動産を売買するとき、売買契約の成功報酬として不動産会社に支払う手数料。
手付金 不動産を購入する際、多くの場合、売買契約時に手付金として売買代金の5~10%程度を手付金として支払う。
司法書士への報酬 登記の手続きを司法書士に委任した際に支払う報酬。

一般的に、諸費用は、新築物件の場合は物件価格の3~5%前後、中古物件の場合は物件価格の6~8%前後が目安となっています。

2-2.マンション購入にかかる諸費用

新築マンション購入時には「修繕積立基金」を支払う必要があります。

修繕積立基金は、12年から15年ごとに行なわれるマンションの大規模修繕に備えるための積立金です。物件によって値段は変わりますが、数十万円になることもあります。

新築マンションを購入した場合、修繕積立基金の支払いが必要になるため、諸費用は戸建てよりマンションのほうが高くなる傾向にあります。

2-3.戸建て購入にかかる諸費用

戸建て購入時には、水道負担金の支払いが発生する場合があります。水道負担金は水道加入金とも呼ばれており、新しく建物を建てて上下水道本管から水道管を引き込む場合に支払いが必要です。

水道負担金は水道の口径を大きくする際にも必要で、価格は自治体によって異なります。かかる費用や条件については、各自治体に問い合わせてみてください。

参考:“水道利用加入金および給水装置工事にかかわる手数料について”. 横浜市

3.マンションと戸建て|維持管理費を比較

マンションと戸建てにかかる主な維持管理費には、税金や保険料、修繕費があります。

本章では、それぞれの費用の概要とマンション・戸建てによる違いを解説します。

3-1.税金

建物や家屋を所有している場合、固定資産税や都市計画税を支払わなければなりません。

固定資産税は毎年1月1日時点で土地や家屋を所有している方に対して課される税金で、都市計画税は毎年1月1日時点で都市計画区域内に土地や家屋を所有している方に対して課される税金です。なお、固定資産税評価額は、その不動産が属する市町村(東京23区は東京都)によって決定されます。

固定資産税と都市計画税は、以下の計算式で算出できます。

  • 固定資産税=固定資産税評価額×税率(標準課税率1.4%)
  • 都市計画税=固定資産税評価額×税率(最大0.3%)

マンションの土地は敷地面積を専有面積で按分した区分所有になるため、土地への課税額はマンションより戸建てのほうが高くなる傾向にあります。

一方、マンションの減価償却期間は戸建てより長いため、固定資産税評価額が下がりにくく、戸建てよりマンションの方が、税額が高い状態が続きます。

新築物件の場合、新築から数年間の固定資産税の軽減措置がありますが、軽減期間は戸建ての場合は3年、マンションの場合は5年となっています。

参考:
“固定資産税”. 総務省
“都市計画税”. 総務省
“新築住宅に係る税額の減額措置”. 国土交通省

3-2.保険料

物件を購入したら、災害や火災に備えて、火災保険や地震保険に加入するのが一般的です。

戸建ては建物全体に保険をかけなければならず、物件の耐用年数がマンションと比べて短いため、マンションよりも保険料が高くなる傾向にあります。

3-3.管理費・修繕費

維持管理費のうち、マンションと戸建てで最も差が出るのが管理費や修繕費です。マンションと戸建てそれぞれの管理費・修繕費の概要をみていきましょう。

3-3-1.マンションの管理費・修繕費

マンションは共有部分の管理を管理会社に任せるため、管理の手間は戸建てより少なくなります。しかし、管理会社へ管理費を支払わなければならず、駐車場を使用する場合は駐車場代も必要になります。

また、マンションでは12~15年周期で実施する大規模修繕に備えるため、毎月修繕積立金が徴収されます。修繕の箇所やタイミングは区分所有者の合意により決定され、積立金の額はマンションの状態などにより変動します。

国土交通省の「平成30年度マンション総合調査」によると、管理費の平均は1戸当たり1万5,956円/月です。また、駐車場使用料等からの充当額を含む修繕積立金の平均は、1戸当たり1万2,268円/月(駐車場使用料等からの充当額を除いた平均は1万1,243円/月)となっています。

3ー3ー1 月/戸当たり修繕積立金の額

引用:“平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状”. 国土交通省. (参照2024-03-15)

大規模修繕について詳しくは「マンション大規模修繕とは? 工事の内容や費用、手順、注意点を全解説」を、修繕積立金について詳しくは「修繕積立金の用途・金額の相場とは?入居後に値上がりする4つの要因」「マンション管理費と修繕積立金の相場はいくら?値上がりする4つの理由」で解説しています。

3-3-2.戸建ての管理費・修繕費

戸建ての場合、管理や修繕はすべて自分で行ない、いつ、どの箇所を修繕するかを自分で決定しなければなりません。

なお、修繕費の目安は新築から30年分の合計で400万円~800万円となっています。

4.マンションと戸建て|防犯・防災面を比較

防犯・防災面で優れているのはマンションです。

建物自体の出入り口が固定されているため第三者が侵入しづらく、オートロックや監視カメラなどのセキュリティ関連の設備も充実しています。建物の耐震性も高いため、災害時の不安も少ないでしょう。

ただし、災害が発生し、エレベーターが止まったり停電や断水が続いたりすると、移動や水・物資の確保が難しいデメリットもあります。このようなデメリットを踏まえて、災害時に向けて備えておきましょう。

一方の戸建ては、マンションに比べて防犯・防災面で劣ります。

警視庁の「侵入窃盗データ」によると、2022年(令和4年)の侵入窃盗の発生場所別認知件数は戸建て住宅が最も多くなっています。

4 侵入窃盗の発生場所別認知件数

出典:“侵入窃盗データ”. 警視庁. (参照2024-03-15)

そのほか、戸建ては水害や地震などのリスクもマンションより高いですが、非常時に戸外に避難しやすいメリットがあります。

5.マンションと戸建て|資産価値を比較

本章では、マンションと戸建ての資産価値を比較します。

5-1.マンションの資産価値

マンションは耐用年数が比較的長く、戸建てより資産価値の減少は緩やかです。

ただし、マンションの資産価値は立地やメンテナンス状況に大きく左右されます。将来の売却を見越してマンションを購入するなら、周辺環境や管理体制にも注目する必要があるでしょう。

5-2.戸建ての資産価値

戸建て住宅はマンションより耐用年数が短いため、建物の資産価値は下落しやすい傾向にあります。

ただし、立地が良い物件や、建物の機能性が高い長期優良住宅の場合は、資産価値が下がりにくくなります。

また、建物と比べて土地の価値は落ちにくいため、戸建て住宅の場合、最終的に土地の価格が建物の価格を上回ります。建物の資産価値を落とさないためには、適切な維持管理が欠かせません。

戸建ての住宅の資産価値と売却のポイントについては、以下の3記事で詳しく解説しています。

6.マンションと戸建て|リフォーム・リノベーションのしやすさを比較

マンションは区分所有の範囲内であればリフォーム・リノベーションできますが、管理規約の制限を受ける場合があります。

また、リフォームの規模は戸建てよりコンパクトになりやすいため、比較的費用が安く、工期も短いでしょう。

一方の戸建てでは、リフォーム・リノベーションに制限はなく、増改築なども自由に行なえます。

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ただし、大規模なリフォームには長い工期や高額な費用がかかり、生活に影響が出る可能性があります。生活スタイルや予算を踏まえて、計画的にリフォーム・リノベーションをしましょう。

7.マンションと戸建て|住みやすさを比較

リビング

最後に、マンションと戸建ての住みやすさを、以下の4項目の観点で比較してみましょう。

  • 採光、風通し、断熱性、防音性
  • 利便性
  • 広さ
  • その他

7-1.採光、風通し、断熱性、防音性

マンションは上下左右を住戸に囲まれているため、基本的に窓が一方向にしか取れず、採光や風通しは悪くなりがちです。また、隣家の音が響きやすいというデメリットもあります。

しかし、マンションの多くはRC造で断熱性が高く、夏も冬も快適に過ごせます。屋内の気温の調整もしやすいでしょう。

一方の戸建は窓が多いため、採光や風通しに優れています。隣家との騒音トラブルも発生しにくいですが、戸建ての多くは木造であるため、断熱性はマンションに劣ります。

7-2.利便性

マンションは都市の中心部や駅の近くに立地していることが多く、利便性が高い物件が多くあります。したがって、移動は公共交通機関が中心となります。

一方、戸建ては都市の中心部から外れた場所に位置する場合が多く、移動や買い物の利便性はマンションに劣ります。ただし、戸建ては家の目の前に駐車場があるケースが多いため、車移動が主流なら不便はないでしょう。

7-3.広さ

一般的に、住宅の広さはマンションより戸建てのほうが広い傾向にあります。住宅金融支援機構がフラット35の利用者に対して行なった調査によると、戸建ての住宅面積はマンションの住宅面積よりも大幅に広いことがわかります。

7-3 住宅面積(全国)

引用:“2022年度フラット35利用者調査”. 住宅金融支援機構. 2023-08-04. (参照2024-03-15)

なお、国土交通省は住居の面積に関して、最低居住面積水準と誘導居住面積水準を定めています。住居の目安の面積を考える際の参考にするとよいでしょう。

最低居住面積水準 世帯人数に応じて、健康で文化的な住生活の基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準。
誘導居住面積水準 世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現を前提として、多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる住宅の面積に関する水準。

都市部での居住を想定した都市居住型と、都市部以外での戸建て住宅への居住を想定した一般型がある。

世帯人数別の最低居住面積水準および誘導居住面積水準
世帯人数別の面積
単身 2人 3人 4人
最低居住面積水準 25平米 30平米
(30平米)
40平米
(35平米)
50平米
(45平米)
誘導居住面積水準 都市居住型 40平米 55平米
(55平米)
75平米
(65平米)
95平米
(85平米)
一般型 55平米 75平米
(75平米)
100平米
(87.5平米)
125平米
(112.5平米)

※()内は未就学児童(3~5歳児)が1名いる場合の面積

参考:
“住生活基本計画における「水準」について”. 国土交通省. (参照2024-03-15)
“住生活基本計画(全国計画)”. 国土交通省. 2021-03-19. (参照2024-03-15)をもとに、HOME4Uが独自に作成

7-4.その他

その他の住みやすさの比較ポイントとして、近所づきあい、ゴミ出し、ペット、バリアフリーの4つについてみていきましょう。

マンション 戸建て
近所づきあい 交流はあまり活発ではない。 自治会や町内会での付き合いがある。
ゴミ出し マンションに設置されたゴミ捨て場にいつでもゴミを出せる。 決まった日時にゴミ集積所へゴミを捨てに行かなければならない。
ペット ペット不可のマンションでは飼えない。 制限なく自由にペットを飼える。
バリアフリー 階段や段差が比較的少なく、高齢の方でも住みやすい。 2階建てだと高齢者の利用に難があるが、平屋なら問題ない。

8.マンションと戸建ての比較まとめ

これまで紹介したマンションと戸建ての違い7項目を、表にまとめました。

マンション 戸建て
購入費用 戸建てより高い傾向にある。 マンションより安い傾向にある。
購入にかかる諸費用 新築の場合、修繕積立基金の支払いが必要。 新築の場合や水道口径を拡大する場合は、水道負担金の支払いが必要。
維持管理費 耐用年数の長さや軽減措置の適用などにより、税金や保険料は低く抑えられる

 維持管理は管理会社などに任せられるが、管理費の支払いが必要。大規模な修繕に備えて積み立ても必要。

税金や保険料は、マンションより高くなりやすい。管理や維持はすべて自分で行なわなければならない。
防犯・防災 セキュリティが充実しており、防犯・防災面で安心。 マンションより防犯・防災面は劣るため、自身で対策が必要。
資産価値 耐用年数が長いため、戸建てと比べると資産価値の減少は緩やか。 建物の資産価値が落ちやすい一方で、土地の価値は落ちにくい。
リフォーム・リノベーション リフォーム・リノベーションは可能だが、一定の制限がある。 自分の裁量で自由にリフォーム・リノベーション、増改築が可能。
住みやすさ 断熱性が高く、夏も冬も快適に過ごせるが、風通しや採光が悪く、騒音トラブルが起きやすい。
利便性は良いものの、広さは戸建てに劣るケースが多い。
採光や風通しに優れているが、断熱性はマンションより劣る。

立地の利便性は低い傾向にあるが、マンションより住宅面積を広くとりやすい。

9.マンションと戸建て|それぞれ向いている方の特徴

マンションと戸建てのメリット・デメリットを踏まえて、それぞれに向いている方の特徴を紹介します。

9-1.マンションが向いている方

住生活において以下の点を重視している方には、マンションが向いています。

  • 利便性を重視したい
  • セキュリティ面を重視したい
  • 隣家の生活音が気にならない
  • 耐震性・断熱性・防音性などの機能面を充実させたい
  • 建物の維持管理に手間をかけたくない

9-2.戸建てが向いている方

住生活において以下の点を重視している方には、戸建てが向いています。

  • 広い家で暮らしたい
  • 庭が欲しい
  • 隣家を気にせず自由に暮らしたい
  • ペットを飼いたい
  • 将来的に家をリフォーム・リノベーションしたい

10.ライフスタイルに合わせて、住み替えも検討を

住み替え

マンションと戸建てにはそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらが良いとは一概にはいえません。

どちらかに決めるのが難しい方は、マンションと戸建てそれぞれの良さを活かせるよう、ライフスタイルに合わせて住み替えるのもおすすめです。結婚や出産、子どもの独立、介護など、生活が変化するタイミングで住居を選択すれば、より快適に生活できるでしょう。

国土交通省の「平成30年住生活総合調査」によると、最近の5年間に住み替えをした方の目的は、以下のとおりです。

10 最近5年間に実施した住み替えの目的

出典:“平成30年住生活総合調査”. 国土交通省. (参照2024-03-15)

住み替えのコツや手順、メリット・デメリット、最適なタイミングなどについては、下記関連記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

また、住み替えをする際は、新規の住宅を探すのと同時に、既存住宅の売却も進めなければなりません。不動産会社の査定サービスなどを利用して、住み替えがスムーズに進むよう準備しておきましょう。

まとめ

マンションと戸建てにはそれぞれメリット・デメリットがあり、一概にどちらが優れているとはいえません。どのような生活がしたいのか、譲れないポイントはどこか、などを整理して、自分に合った住宅を選択しましょう。

マンションと戸建てどちらか選べない場合は、ライフスタイルに合わせた住み替えを検討してみてください。結婚したとき、子どもが産まれたとき、子どもが独立したときなどを契機に、生活の変化に合った住宅を選択すれば、より快適に過ごせるでしょう。

住み替えにあたって既存住宅の売却をお考えなら、NTTデータグループが運営する不動産一括査定サイト「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」をぜひご利用ください。

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