マンションの騒音に耐えられない!5つの対処法と売却を検討する場合のコツを解説

マンションの騒音 耐えられないときの対処法

マンションに住む方が悩まされがちなのが、騒音トラブルです。多少の生活音が漏れるのは仕方のないことですが、程度によっては、生活に支障が出るほどの大きな問題になるかもしれません。

本記事では、マンションでの快適な暮らしを実現したい方のために、騒音トラブルの対処法、対処法で解決できない場合の売却するコツを紹介します。

この記事を読むと分かること
  • マンションで発生する騒音の種類
  • マンション内の騒音が気になるときの対処法
  • 騒音のあるマンションを売却するコツ
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1.マンションの騒音に法的な規制はある?

騒音に関する法律として「騒音規制法」がありますが、こちらは事業場や建設工事で発生する音について規制するものです。マンションで発生する生活音について、規制する法律はありません。

住宅からの騒音について法律上の規制はないものの、騒音トラブルから裁判へと発展する例もあります。ただし、音に対する感じ方は人によって異なるため、最終的に訴えが認められないケースも多いです。

苦情を入れずに我慢し続けたり、苦情を入れても騒音主に聞き入れてもらえなかったりした結果、精神的なストレスで心身の調子を崩す方は少なくありません。騒音に耐えられず、せっかく購入したマンションを手放してしまう方もいます。

2.マンションで発生する騒音の主な種類

耳を押さえる女性

ここからは、マンションで発生する騒音の種類について説明します。

2-1.マンションの騒音(1)空気伝播音

マンション内の騒音のうち、空気を通して伝わる音を「空気伝播音」といいます。空気伝播音の例は、以下のとおりです。

    【空気伝播音の例】

  • 人の話し声・笑い声
  • ペットの鳴き声
  • テレビの音
  • 楽器の音
  • 電話の呼び出し音

空気伝播音は、エアコンの穴を塞いで室内の気密性を高める、壁内に吸音材を使用する、といった対策で、ある程度軽減できます。

2-2.マンションの騒音(2)固体伝播音

固体伝播音とは、壁・床・天井など固体が振動することで伝わる音のことです。固体伝播音の例としては、以下のようなものがあります。

    【固体伝播音の例】

  • 子どもの足音
  • 椅子を引く音
  • 物を落とした音
  • ドアの開閉音
  • 換気扇の回転音
  • 給排水の音

マンションは構造上ほかの住戸とつながっているため、壁や床などを通して音が伝わってしまいます。固体から伝わる音を防ぐのは難しく、空気伝播音と比べると、防音対策の効果は出にくいでしょう。

騒音の例として多いのは、上の階の足音が下の階へと響くパターンです。小さなお子さんがいる家庭の場合、下の階への足音の響き方に注意しなくてはなりません。完全に音を断つのは難しいですが、防音用のマットやカーペットを敷くことで多少の改善が見込めます。

2-3.マンションの騒音(3)外から聞こえる騒音

マンションの隣の住戸、上の階や下の階からの音だけではなく、屋外から聞こえる音に悩まされることもあります。屋外からの騒音の例は、以下のとおりです。

    【屋外からの騒音の例】

  • 電車・自動車の走行音
  • 自動車のクラクションの音
  • 建設現場からの音
  • 工場の音
  • 商店街の音楽
  • 飲食店のカラオケ

屋外からの騒音のレベルは、曜日や時間帯によって大きく異なります。したがって、マンションの内覧時には気付かず、住み始めてから騒音に気付くケースも多いでしょう。

屋外からの騒音が気になる場合は、窓用の隙間テープを貼る、防音ボードや防音カーテンを設置する、内窓(二重窓)を設置する、といった方法で対処します。

3.マンション内の騒音が気になるときの5つの対処法

騒音に関する注意喚起のチラシ

マンション内の騒音で生活に支障が出てきたとき、どのように対処すればよいのでしょうか。ここでは、マンションの騒音に関する5つの対処法と注意点を説明します。

マンションの騒音に関する5つの対処法と注意点

3-1.対処の前に、まずは騒音のレベルを確認する

具体的なアクションを起こす前に、まずは発生している騒音が騒音として認められるレベルのものなのかを確認しましょう。スマートフォンのアプリなどを利用すれば、簡単に音の大きさ(db:デシベル)を測定できます。

対処の前に、まずは騒音のレベルを確認する

なお環境省では、地域の差はあるものの、おおむね昼間は50~60デシベル以下、夜間は40~50デシベル以下を騒音の要請限度としています。これ以下の騒音であればまったく問題にならない、ということではありませんが、一つの目安として把握しておくとよいでしょう。

出典:“騒音に係る環境基準について”. 環境省. (参照2024-01-17)をもとに、HOMUが独自に作成

3-2.管理組合に相談する

マンションの騒音に悩まされている場合には、騒音主に直接苦情を入れるのではなく、まずは管理組合に相談してみましょう。

騒音主に苦情を入れると、かえって深刻なトラブルに発展するリスクがあるからです。騒音主との関係が悪化した結果、仕返しをされて住み続けられなくなるといったことも考えられます。

なかには騒音の発生源を勘違いしたまま、違う相手に苦情を入れてしまうケースもあります。「真上の部屋に苦情を伝えたら、実はその隣の部屋が騒音の原因だった」ということもあるため、注意が必要です。

近隣とのトラブルを避けるため、まずは管理組合から張り紙などで注意喚起をしてもらいましょう。

3-3.騒音主に手紙で伝える

騒音主に匿名で手紙を送る方法もあります。しかし、手紙を受け取った側は、誰から苦情が入ったのかがわからず、無関係の方に疑いの目を向けてしまい、ご近所トラブルに発展するリスクも否定できません。

余計なトラブルを生まないためにも、管理組合など第三者から注意してもらうほうが無難です。

匿名の手紙を投函する場合は、感情的な文面にならないよう気を付けましょう。相手の状況に配慮しつつ、丁寧な言い回しで簡潔に伝えるのが望ましいです。

3-4.警察に相談する

「現在も騒音が続いていて耐えられない」というときには、警察に通報して騒音主に直接注意してもらうことも可能です。

110番へ通報する際には、騒音の内容(音の種類・大きさ、部屋番号など)を聞かれるため、事前に準備しておきましょう。通報者の氏名や住所も聞かれますが、騒音主に知られたくない場合は「匿名」での通報も可能です。

なお、110番は基本的に緊急性がある事件・事故に対応するための連絡先です。「緊急性がない内容で相談したい」「110番への通報には抵抗がある」という場合には、「警察相談専用電話(#9110)」を利用するとよいでしょう。

「#9110」に電話をかけると、その地域を管轄する警察本部などにつながり、騒音トラブルについて必要な措置を講じてもらえます。

3-5.弁護士に相談する

管理組合への報告、注意喚起の依頼などで問題が解決しない場合には、弁護士に相談して裁判の手続きを行なうのも一つの手段です。弁護士から注意喚起の文書が送られた途端に、長く続いていた騒音が止むケースもあります。

裁判を行なう場合は、騒音が起きた日時や場所など、騒音の証拠をできる限り多く残しておくことが重要です。メモや録音、ビデオ撮影以外にも、db(デシベル)を測定する機器による音の数値化が有効です。

ただし、裁判を起こす費用は自己負担となるため、実際に訴訟に発展するケースは非常に稀です。裁判は、騒音の度合いが明らかに行き過ぎている場合や、話し合いでの解決が難しい場合のみの最終手段と考えましょう。

3-6.マンションを売却する

「騒音からすぐに解放されたい」「騒音主と争いたくない」という場合には、マンションの売却・住み替えを検討してみましょう。

騒音問題で裁判を起こしても、解決までには長い時間を要するのが一般的です。また、訴えが必ず認められるわけではありません。騒音関連のストレスから1日でも早く逃れたいなら、早々にマンションを手放すのも一つの方法です。

マンションを住み替える際は、騒音トラブルの可能性が少ない物件を選びましょう。防音性の高い「鉄筋コンクリート」の物件、隣室が片側だけの「角部屋」、上の階の足音が響かない「最上階」がおすすめです。

4.マンションを売却するなら、騒音についても告知するのが望ましい

マンションを売却する際には、物件に関する問題(瑕疵)について、買い手に告知を行なう必要があります。

告知を行なう瑕疵には、「物理的瑕疵(雨漏り、地盤沈下、シロアリ被害など)」や「心理的瑕疵(自殺、孤独死、殺人事件など)」がありますが、近隣からの騒音は「環境的瑕疵」に該当します。

環境的瑕疵は、騒音以外にも、異臭や排気ガスの問題、付近に墓地やごみ焼却施設、反社会勢力の拠点がある場合も含まれます。

近隣の騒音に関しては、基本的に告知の義務はありません。しかし、騒音がある旨を伝えずに売却すると、のちに契約不適合責任を問われる場合があります。損害賠償を請求されるケースもあるため、十分に注意が必要です。

騒音が原因でマンションを手放す際は、買い手に騒音の内容をあらかじめ伝えておくほうがよいでしょう。この場合、口頭での説明だけでなく、重要事項説明書への記載も忘れずに行なってください。

5.騒音のあるマンションを売却するコツ

売り出し中のマンション

騒音のあるマンションを売却する際は、以下のコツを押さえておきましょう。

  1. 売り主側で防音対策を行なう
  2. 値引き前提の価格設定を行なう
  3. 騒音の詳しい内容をまとめておく
  4. 売却しやすい時期を狙う
  5. 信頼できる不動産会社を見つける

一つずつ順番に解説します。

5-1.売り主側で防音対策を行なう

ドアやサッシに遮音テープを貼る、防音カーテンを設置するなどの対策で、騒音はいくらか軽減されるでしょう。売り手側で防音対策を行ない、防音性を高めてから売却活動をすることで早期売却が期待できます。

防音対策を本格的に行なうなら、リフォームという選択肢もあります。しかし、費用負担が大きいため、どの程度コストをかけるべきか、判断に迷うかもしれません。

防音対策の費用がかさんだ結果、リフォーム代の分を回収できず、かえって損をするケースも多いです。リフォームを実施すべきかどうか、不動産会社と相談しつつ慎重に判断しましょう。

5-2.値引き前提の価格設定を行なう

騒音があるマンションは、騒音を理由に値引き交渉をされるケースが多々あります。そのため、最初から高めの価格設定にしておき、そこから交渉によって値下げしていく形がおすすめです。

値引き交渉に応じることで、買い手側にお得感を感じさせることができます。「多少の騒音はあるけれど、値引きしてもらえたからよしとしよう」と思ってもらえれば理想的です。

5-3.騒音の詳しい内容をまとめておく

騒音が原因でマンションを売るなら、騒音の具体的な内容についてまとめておきましょう。騒音の内容を買い手に説明できるように、聞こえる時間帯や音の種類について整理します。

自分にとっては耐えられない騒音でも、ほかの方にとっては特に気にならないかもしれません。例えば以下のように、騒音がデメリットにならないケースもあります。

  • 上の階の子どもの足音が響く→自分たちにも子どもがいるのでお互い様
  • 幼稚園から園児の声が聞こえる→日中は外で仕事をしているので関係ない
  • 隣の部屋の話し声が大きい→耳が遠いため隣の音が気にならない

騒音の状況をあらかじめ伝えることで、どのような防音対策をすべきなのか、どの時間帯に注意すればよいのかがわかるようになります。

5-4.売却しやすい時期を狙う

マンションが売れるかどうかは、売却する時期にも大きく左右されます。可能であれば、新生活の準備時期である「3月」に売却のタイミングを合わせましょう。

ただしマンションの売却から成約まで、ある程度の時間がかかります。条件が良いマンションなら1ヵ月でも売却できますが、3ヵ月程度の余裕を見ておくほうがよいでしょう。

3月あたりの売却を見据えて、12~1月あたりには不動産会社を見つけておくことをおすすめします。不動産会社選びに時間がかかる可能性もあるので、早めに準備をしておくことが大切です。

5-5.信頼できる不動産会社を見つける

マンションを高値で速やかに売却できるかは、不動産会社の力量に大きく左右されます。売買後のトラブルを避けるためにも、騒音について的確なアドバイスをしてくれる不動産会社を選ぶのが理想です。

騒音があるマンションだからこそ、その物件に合った価格設定を行ない、物件の魅力を上手にアピールする必要があります。信頼できる不動産会社を見つけたいなら、不動産一括査定サイトの「HOME4U」をぜひご活用ください。

また、マンション査定に特化した「HOME4Uマンションプライス」も大変便利です。

まとめ

近隣からの騒音に我慢できないときは、管理組合に連絡して騒音主に対して注意喚起をしてもらいましょう。騒音主に直接苦情を入れるのは、トラブルに発展しやすいため可能な限り避けるのが無難です。

騒音トラブルがキッカケで、マンションの売却・住み替えを行なう方も少なくありません。騒音のあるマンションを売却する際は、買い手に対して騒音の内容を詳細に伝えましょう。騒音について漏れなく告知しておくことで、のちに騒音が問題となった場合にも、契約不適合責任を問われません。

マンション売却を成功させたいなら、信頼できる優秀な不動産会社を見つけることが重要です。

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