マンションで猫を飼う前に確認したい8つのこと|注意点も併せて解説

マンションで猫 飼う前の注意点と確認点

「愛らしい猫をマンションで飼いたい」と考える方は少なくないでしょう。しかし、集合住宅であるマンションでは、持ち家であっても管理組合が定める規約を守る必要があり、自由にペットを迎え入れることができない場合もあります。

そこで本記事では、マンションで猫を飼う前に確認するべきポイントや注意点を解説します。

この記事を読むと分かること
  • 猫はマンションで飼いやすいのは本当か
  • マンションで猫を飼う前に確認するべきポイント
  • マンションで猫を飼う際の注意点
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1.猫はマンションでも飼いやすいのは本当?

笑顔で猫を抱く女性

一般的に、次のような理由から、猫はマンションでも飼いやすいといわれています。

  • 散歩が不要
  • 室内でトイレができる
  • 鳴き声が小さい
  • 体格が小ぶり

ただし、鳴き声や体格については、気質や性格、猫種などによる個体差もあり、一概に「猫はマンションで飼いやすい」とはいえません。

例えば、猫の数ある品種のなかでも、シャムやベンガルはよく鳴き、鳴き声も大きいという特徴があります。

また、犬に小型犬・中型犬・大型犬といった分類があるように、猫にも大型猫に分類される品種がいます。

一般的に、成猫の平均体重は3~5kgですが、大型猫のメインクーンの体長は一般的な猫の約3倍、体重は10kgを超えることも珍しくありません。

「こんな猫が飼いたい」という具体的な希望があれば、猫種ごとの特徴の違いを確認しておくとよいでしょう。

鳴き声が小さく体格が小ぶりで、マンションでの飼育に向いている猫種としては、以下が挙げられます。

  • スコティッシュフォールド
  • ロシアンブルー
  • ペルシャ
  • ブリティッシュショートヘア
  • エキゾチックショートヘア など

なお、近年ではペット飼育頭数が増加する一方で、無責任な飼育放棄が社会問題となっています。

猫をマンションで飼うなら、飼い主としての責任を全うし、マナーを守って適切な飼育をすることが大切です。

2.マンションで猫を迎える前に確認すべきポイント8選

マンションで猫を迎える前に確認すべきポイント8選

マンションで猫を迎える際には、マンション管理規約、使用細則、飼育細則などから、細かなルールを確認することが大切です。

マンション管理規約には、国土交通省のマンション標準管理規約に基づいた基本的なルールが定められており、使用細則や飼育細則では、さらに詳細なルールが定められています。

参考:“マンション管理について”. 国土交通省

いずれもマンションによって内容が異なるため、実際に住んでいるマンションの管理規約や使用細則・飼育細則を確認することが大切です。

マンションのルールと実際の生活環境を考慮して、猫の飼育が可能か検討するとよいでしょう。

ここからは、マンションで猫を迎える前に確認するべきポイントを解説します。

2-1.ペット飼育に関する管理規約・細則

マンション管理規約で、ペット可(相談可)物件であることを必ず確認しましょう。ペット不可物件の場合は、猫を飼うことはできません。

使用細則や飼育細則では、飼育するペットの申請手続きの要否や各種制限、努力義務などがまとめられています。

    例:

  • 1専有部分につき2匹まで(頭数制限)
  • 盲導犬や介護犬を除く犬・猫は体長50cm以内、体重10kg以内まで(サイズ制限)
  • 猫に必要なしつけを行なうこと
  • 不妊去勢手術(繁殖制限措置)を行なうよう努めること
  • 伝染病予防のためのワクチン接種を受けるよう努めること など

2-2.DIYやリフォームに関する管理規約・細則

猫を飼うと、キャットタワーやキャットウォークを設置するなど、猫にとって快適な空間にするためにDIYやリフォームが必要となる場合があります。

DIYやリフォームによる現状変更は、マンションによっては認められていないため、猫を飼う前に専有部分の使用に関する規定を確認しておきましょう。

2-3.退去に関する管理規約・細則

賃貸マンションでは、退去時に原状回復を行なう必要があります。原状回復とは、退去の際に物件を入居時の状態に戻す修繕や補修のことです。

猫は壁や柱などで爪とぎをしてしまう可能性があり、これらの補修費用負担が借主となっている場合、原状回復費用がかさむ恐れがあるため注意しましょう。

2-4.物件が猫の飼育に適しているか

トイレスペースやご飯スペースを確保したうえで、猫が十分に運動したり、遊んだりできる広さ・間取りかどうかを確認してください。

特にキッチンは猫にとって危険が多いため、猫がキッチンに入りやすいワンルームマンションでは細心の注意が必要です。

また、窓の外に野良猫が訪れにくく、外の観察を楽しみやすいことから、2~5階の低層階が望ましいといわれています。

どの階でも飼育自体は可能であるため、完全に室内飼いすることを意識し、脱走対策のしやすさなどを確認しておくとよいでしょう。

2-5.近隣の動物病院の有無

猫を飼うと、健康診断やワクチン接種などで定期的に動物病院へ行く必要があります。緊急時は一刻を争う場合もあるため、近隣に通いやすい動物病院があるか必ず確認しておきましょう。

近くに動物病院がないマンションを選んでしまうと、通院自体が大きな負担になる恐れがあります。

2-6.マンションの防音性能

猫を飼うなら、防音性能に優れたマンションが望ましいため、マンションの防音性能も確認しておきましょう。

日頃から人の声や物音が聞こえてきやすいマンションで猫を飼うと、階下や隣人に迷惑をかけることがあります。前述したように、一般的に猫はマンションで飼いやすいといわれていますが、個体によっては頻繁に室内を激しく走り回ることも珍しくありません。

例えば「夜の大運動会」「トイレハイ」などと呼ばれる行動は、成猫になっても続くことがあります。生まれ持った性格が野性的な個体や、体力がある個体などは、特にその傾向が強いといわれています。

また、猫を飼うと掃除頻度が増えるため、掃除機がけの音が響きやすくなる点にも配慮しましょう。

2-7.近隣住民の状況

猫を飼い始める前に、ペット飼育や猫飼育に理解があるか、近隣住民の状況を確認しましょう。特に、隣人が猫アレルギーの場合は、トラブルに発展することもあるため注意が必要です。

また、猫は聴覚が発達しており、苦手な音が響くような環境ではストレスを抱えてしまいます。猫にとってストレスになり得る環境でないかも、確認しておくとよいでしょう。

    猫が嫌いな音の例:

  • 花火
  • 掃除機
  • ドライヤー
  • 低くて大きい声
  • 金属音
  • 金切り声
  • 破裂音 など

2-8.問題なく飼育・管理を続けられるか

猫の寿命は長寿化しており、子猫のときに迎えれば10~15年以上お世話が続くこともあります。責任を持って飼育を続けるためにも、同居家族に「隠れ猫アレルギー」の方がいないか確認しておきましょう。

また、収支計画を立てることも重要です。猫を飼うのにかかる費用は、最低でも年間10万円以上、生涯では200万円ほどになるといわれています。猫種によっては、寒さや暑さに弱く、電気代がかさむ場合もあり、慎重な計画が欠かせません。

愛らしい猫を飼うことで癒しの時間を得られる一方で、生活の制限や金銭的な負担は確実に増えるでしょう。

猫を迎える前に猫との暮らしをシミュレーションし、自身の生活や飼育を問題なく続けられるか、責任を持って最期までお世話できるか、よく検討することが大切です。

3.猫とのマンション暮らしの注意点

ベランダの猫

マンションで猫と暮らす際は、基本的な飼育管理やマナーだけでなく、マンションならではの注意点を押さえておくことも大切です。

ここからは、猫とのマンション暮らしにおける注意点を解説します。

3-1.脱走・迷子・落下に気を付ける

マンションでは、玄関や窓からの脱走、マンション内での迷子、バルコニーからの落下事故などに注意が必要です。

脱走や迷子はほかの住民に迷惑がかかりやすく、管理組合に飼育届けを出していないケースでは、保護されても飼い主不明となり警察署へ渡ってしまう可能性があります。特に外での生活期間が長かった保護猫は、脱走傾向や外への関心が強いため注意しましょう。

玄関や窓などの脱走しやすいポイントにはフェンスを設けるなど、事前の対策が必要です。

3-2.臭いや抜け毛の飛散に気を付ける

トイレやトイレ砂のゴミなど、臭いが出るものは必ず室内に置くようにしましょう。臭うからといってベランダや玄関ポーチなどに出すと、悪臭によるトラブルの原因となります。

また、衣類や毛布をはたく際は、猫の毛が隣人の敷地まで舞わないように配慮が必要です。粘着シートや毛取りクリーナーなどで、衣類や毛布についた抜け毛をあらかじめ除去しておくとよいでしょう。

こまめなブラッシングで抜け毛を抑えるなど、日々のお手入れも欠かせません。

3-3.猫砂や猫の便をトイレに流さない

マンションのような集合住宅では、トイレ配管が複雑に曲がっている場合があり、猫砂をトイレに流すと詰まってしまう可能性があります。水に流せるタイプの猫砂だとしても、マンションでは猫砂をトイレに流すことは避けましょう。

また、猫の便は水に溶けにくい性質があり、トイレに流すと排水管を詰まらせる危険があります。猫の便はトイレに流さず、自治体の区分に沿ってゴミに出してください。

3-4.大規模修繕は猫にとって大きなストレスになる

大規模修繕のような大きな工事音は、猫にとって大きなストレスになることがあります。

猫にストレスがかかると、体調不良で病院に行く回数が増える、粗相が増えるといった困りごとにもつながります。そのため、修繕工事を予定しているマンションでは、猫を迎えるタイミングに注意しましょう。

マンションの修繕工事のタイミングは、管理規約の長期修繕計画で確認できます。

4.猫とのマンション暮らしを快適にするリフォーム

眠る子猫

猫にとって快適な空間作りをすることで、猫も人もストレスの少ないマンション生活を送れます。

猫とのマンション暮らしを快適にするためには、以下のポイントに着目したリフォームを取り入れるとよいでしょう。

  • 猫の行動範囲を広げる
  • 脱走や事故防止の対策をする
  • 臭いに配慮する
  • 音に配慮する
  • 傷が付きにくい材質を選ぶ
  • 猫の動線を確保する

上記を踏まえた猫向けのリフォームには、以下のようなものがあります。

猫向けのリフォーム

  • キャットウォークやキャットステップの設置
  • 間仕切りやフェンスの設置
  • 消臭機能付きの床材や壁紙への変更
  • 吸音性・防音性に優れた床材への変更
  • 腰壁の設置、または傷に強い壁紙への変更
  • 建具へのペット用ドアの設置 など

5.マンションでどうしても猫が飼いたいときは住み替えを検討しよう

内見の様子

ペット不可物件や、ペット可でも制限により猫を飼えない物件に住んでいる方のなかには、「それでも猫が飼いたい」と考える方もいるでしょう。

「どうしても猫を飼いたいが物件の制限があって飼えない」という場合は、自身のライフステージを考慮して、住み替えを検討してみてはいかがでしょうか。

近年ではペット可の物件が増えており、猫との暮らしを前提に建てられたマンションなどもあります。頭数やDIYなどの制限を受けたくない場合は、戸建てへの住み替えも選択肢の一つです。

猫を飼う前提の住み替えでは、ペット可物件に強い不動産会社や、不動産売買の実績が豊富な不動産会社に相談するとよいでしょう。

さまざまなケースで不動産売買を行なった実績を持つ不動産会社なら、住宅ローンや税金、入居前後のトラブルなど、住み替えにおける幅広い相談が可能です。失敗を避けるためにも、不動産会社選びは慎重に行なうことをおすすめします。

また、気になるマンションの価格を調べる際には、全国に存在する14万棟以上のマンションデータから、相場・価格推移を検索できる「HOME4Uマンションプライス」をご利用ください。

まとめ

猫はマンションで飼いやすいペットとされていますが、個体差があることから一概に飼いやすいとはいえません。

マンションで猫を飼う際には、マンション管理規約や使用細則・飼育細則に隅々まで目を通し、問題なく飼育できる環境かどうかを実際に確かめることが大切です。

猫が飼えないマンションに住んでいるものの、どうしても猫を飼いたい場合には、自身のライフステージを考慮した住み替えを検討するとよいでしょう。

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