マンション住み替え失敗全11例と対策と失敗回避6大ルール

マンション住み替え 失敗例と対策

結婚・出産・子供の成長など、ライフステージの変化に伴い、マンションの住み替えを検討される方も多いでしょう。しかし、マンションの住み替えは、売る・買うに関係した売り手・買い手・不動産会社・金融機関などが同時に関係し、関係者の出している条件が一致しないと取引が成立しないため、トラブルが起きやすい傾向があります。

そこで今回は、マンションの住み替え失敗に関して以下のようにまとめました。

  1. マンションの「住み替え前」によくある5大失敗ケースと対策
  2. マンションを「住み替えた後」に気が付く6大失敗ケースと対策
  3. マンション住み替え失敗回避のための6大ルール

最後までお読みなれば、マンション住み替えをスムーズに行うポイントが理解できます。

マンションの売却を考えているけど、難しい話をたくさん読むのは苦手」「すぐに家を売却したい」という方は、この記事をざっくりと大枠で押さえた上で、まずは「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」を使って複数の不動産会社にまとめて売却査定を依頼してみることをおススメします。
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ぜひ比較して、信頼できる、最適な不動産会社を見つけてください。

1.マンションの「住み替え前」によくある5大失敗ケースと対策

本章では、マンションの住み替えをする際、住み替え前の段階に起こりがちな失敗ケースを取り上げています。よくある失敗ケースは以下の5例です。

ケース1 不動産仲介会社選びに失敗
ケース2 売却価格の設定に失敗
ケース3 住み替えスケジュールを失敗
ケース4 売るタイミングを失敗
ケース5 購入キャンセルによる失敗

1-1.ケース1 不動産仲介会社選びに失敗

マンションの売却を依頼する不動産会社選びに失敗してしまうケースです。仲介を請け負った不動産会社が、マンション売却に関してするべき仕事は、主に以下の6つです。

  1. チラシやサイト掲載などの広告
  2. 顧客リストへの営業活動
  3. 購入希望者や不動産会社からの電話やメール問い合わせへの回答
  4. 店頭・看板などでの案内告知
  5. 内覧案内
  6. 交渉・契約の取りまとめ

など、多岐にわたっています。この中の、どれが手薄になってもマンション売却は成立しにくくなります。特に、宣伝活動である広告と告知を十分にしてもらえないと、マンションを売り出し中であることが周知されないため、必然的に、購入希望者の母数が減ります。その結果、マンションの売却時間に時間がかかる可能性が高くなります。

また、宣伝広告などの周知がしっかりしていても、担当者の対応に問題があるケースもあります。例えば、広告や告知を見た購入希望者から連絡があった時に、電話やメール返信が遅いなどの連絡の悪さがあると、成約する確率は低くなります。仮に契約までこぎつけたとしても、契約の段階で必要な連絡が不十分な場合には、大きな金額を扱うだけに、直前キャンセルなども起きる可能性が高くなり、安心して任せられません。

1-1-1. 不動産仲介会社選びに失敗しないための対策

マンションを売ることを決めたら、一括査定などを利用して複数の不動産会社に売却価格査定をします。すると、複数の不動産会社から査定額見積もりなどが返ってきますので、値段と不動産会社を両方比較して、なるべく多くの候補の中から、信頼できる不動産会社と契約するようにします。

不動産会社比較の際には、査定価格だけで比べるのではなく、以下の項目でも比べてみることをおすすめします。

  • 販売実績数
  • 営業年数
  • ホームページの更新
  • ネット口コミの数
販売実績数

不動産会社が手掛けた販売実績をもとに不動産会社を比較します。基本的に、実績が豊富な会社は、集客や査定基準などを含めた販売・営業方法が明確なため、物件に適した仕事をする傾向があります。販売実績は、不動産会社のホームページや、チラシなどに記載があります。

営業年数

営業年数が長いということは、長期間、不動産の売買で利益を上げ続けている可能性が高いといえます。営業年数は、不動産会社の営業年数もホームページなどに記載されている宅地建物取引業の免許番号で確認します。

免許番号に書かれている()内数字を見てみましょう。免許の更新は5年ごとですので、()内の数字が大きいほど営業年数が長いことが分かります。

ホームページの更新

不動産会社のホームページをよく見てみましょう。最終更新日や、最後に新着物件が掲載されているのがいつかを確認して、活発なサイト更新や情報発信がされているかを確認しましょう。

ネット口コミの数

仲介を依頼しようとしている不動産会社の風評や口コミを確認できます。例えばA不動産の場合ならば、検索窓に「A不動産 評判」と入れると、万が一、良く無い噂などがある場合には、すぐに検索結果として出てきます。同様に、ツイッターなどのSNSの検索窓にも不動産会社名を入れると、その会社に関した個人のつぶやきが出てくることがあります。

すでに媒介契約をしてしまっているケースでも、不動産会社を売り主の希望で変更しても問題ありません。その場合には、次の不動産会社を探すときには、複数の会社を比較して、安心してお任せできる会社選びから再スタートしましょう。

マンションの売却を決めたら、まずは不動産査定の一括査定サイト「不動産売却 HOME4U」を活用して、複数社に査定依頼をしましょう。マンション売却額と同時に、販売実績・営業年数などの不動産会社としての経験値を比較していきます。気になる会社が絞り込めたら、次は訪問査定という、実際にマンションまで不動産会社の担当者に足を運んでもらい、より正確な査定額を出すための本格的な査定をしてもらいます。

その際、不動産担当者の対応や質問への的確さなどを含めて、総合的に判断します。「不動産売却 HOME4U」で紹介する不動産会社はどれも、厳しい審査をクリアした企業ばかりです。

スマホやパソコン画面から、売りたいマンションのエリアと広さなどのかんたんな質問に答えるだけで、わずか1分ほどで全国1,800社の提携企業から、マンション売却に信頼と実績のある不動産会社を最大6社までに絞って紹介しています。

マンションの住み替えで失敗しないためには、不動産会社選びも重要です。「不動産売却 HOME4U」をお役立てください。

1-2.ケース2 売却価格の設定に失敗

マンション売却をスタートさせる時、価格設定を失敗してしまうケースです。価格設定は、高く設定しても、低く設定しても失敗が起きる可能性があります。

・売却価格を高く設定した場合

相場よりも高いので買い手がつかず、売却活動期間が1年近く経過。徐々に値下げをして対応したが、結果的には売却開始時の相場よりも低い金額で売ることになった。こんなことなら、はじめから相場価格で開始するべきだったと後悔。

・価格を低く設定した場合

マンション売却中に、とても気に入った新居を購入したため、新居と売却中マンションの2軒分のローン負担が発生。早く売るために慌ててしまい、大きく価格を下げたが、後で考えると、そこまで安くする必要がなかったと後悔した。

希望している売却価格と、買ってもらえる売却価格の間で、値段設定をするようにしてください。適切な値付けがわからない場合は、担当者に相談しつつ、最終的には売り主が決めることになります。

1-2-1.売却価格の設定に失敗しないための対策

基本的に、マンション価格は売り主の希望が最優先しますので、売り主が売りたい値段で価格設定をしても問題はありません。ただし、やはり相場というものがありますので、なるべく相場に合わせた値段設定にしたほうが、マンションは売れやすくなります。

少しでも高く売りたい場合には、マンション個体の相場を大きく上げるよりも、不動産相場全体が高くなる時期に売買タイミングを合わせるようにしましょう。例えば、

  • 景気上昇や近隣エリアの土地開発があるなどの大きなタイミング
  • 毎年必ずある転勤・新卒の時期は人の移動が多くなるタイミング

には、不動産相場は上昇する傾向にあります。仮に、景気が上向いている状態で、春の移動シーズンに合わせて売り出せば、想定しているよりも高額で売れる可能性は高くなるでしょう。

また、マンションの売却価格設定に失敗しないためには、売り出す物件の相場は、必ずご自分でも調べて相場感を把握した上で「これ以上は下げられない」という売り主としての最低価格も決めておき、担当者に伝えておきましょう。

本項冒頭でも述べましたが、基本的に「マンション売却価格を決めるのは売り主」です。購入希望者から大きな値下げ交渉をされても、売り主本人が値段に納得いかない場合・売り急ぐ必要がない場合には、無理をして売る必要はありません。希望する値段で売却がはかどらない場合には、売却から賃貸に切り替えるなど、別の不動産活用方法も考えましょう。

マンション売却の相場の調べ方は?築年数の目安を知って高く売ろう

1-3.ケース3 住み替えスケジュールを失敗

住み替えのためにマンション売却をする場合には、住んでいるマンションを売るタイミングと、新居を買うタイミングがうまく揃うのが理想です。しかし、実際には、売り手と買い手双方の都合がありますので、マンション売却と新居購入のタイミングがピタッと合うのは難しいでしょう。

その結果、以下のような資金計画・住み替えスケジュールの両方が想定通りに行かなくなることがあります。

・売ってから買う「売り先行」
マンションは売れたものの、気に入った新居がなかなか見つからないパターン

新居が決まらないまま、マンションの引渡になるので家を明け渡すために仮住まいが必要になります。売却したマンション→仮住まい賃貸→新居と、合計2回も引っ越しをすることになります。

・買ってから売る「買い先行」
新居は購入できたが、売り出し中のマンションがなかなか売れないパターン

気に入った新居は購入できたが、なかなかマンションが売れないため、新居のローンと売却中のマンションローンが重なる時期が発生し、一時的に経済的に負担が大きくなることがあります。

マンションの住み替え方法は、「売ってから買う」「買ってから売る」のどちらでもよいのですが、住み替え計画を立てる時点で、どちらかに決める方がスケジュール調整をしやすくなります。

ただし、「買ってから売る」パターンは、よほどの資金力がないと難しいでしょう。「売ってから買う」「買ってから売る」の詳細説明は、以下の関連記事を参照してください。

マンション住み替えはいつする?手順やタイミング、ローン、税金を解説

1-3-1.住み替えスケジュールを失敗しないための対策

新居となる住み替え先では、今住んでいるマンションで不満を感じている部分が解消されていることが理想ですので、マンションの住み替えスケジュールで大事なのは、新居を探す時間がたっぷりあり、妥協の少ない家探しができることです。

そのためには、今住んでいるマンションの売却が終わってから、その売却資金を住み替え先の購入費に充てる、「売ってから買う」住み替えスケジュールが向いています。この方法であれば

  • 必ず、新居の予算を確保できる
  • マンション売却中も新居探しができる
  • 新居探し中にマンションが売れてしまった場合の仮住まい先も探しておく
  • 気に入った新居が見つかってから、仮住まいから引っ越しをする

など、予算の範囲内で、できるだけ多くの時間をかけて住み替え先を探すことができます。

もちろん、仮住まいを探す、引っ越しが2回もあるという手間はありますが、「売ってから買う」方法であれば、マンションの売却代金ですでに予算がついていますので、その予算の範囲内で可能な仮住まい期間を設けることができ、さらに引っ越し費用も確保できます。この状態であれば、自分たちで決めた期間内で、予算の許す限り、妥協の少ない家探しができます。

よりスムーズに住み替えを進めるためには、希望条件のすべてを満たす物件を探すのではなく、先に、新居に求める優先順位をつけておけば、想定スケジュールよりも早く理想の住まいが見つかる可能性が高くなります。

1-4.ケース4 売るタイミングを失敗

売るタイミングというのは、マンションの売り時のことです。マンションは不動産ですので、経年すると市場価値が落ちます。マンション販売価値は、法定耐用年数と比例しますので、鉄筋コンクリート造のマンションであれば、法定耐用年数である47年で法的な資産価値は0円になります。(税法上は0円という意味であり、住めなくなるという意味ではありません)

途中で大規模修繕や大がかりなリノベーションをしていたとしても、基本的に、経年すればするほど売却価格は下がります。以下は、マンションの売り時を築年代別に3段階に分けたものです。

マンション売却の売り時
  • 築1年~10年
    新築・築浅と呼ばれるマンションです。外観・内装・設備とも新しく、売却されるケースが少ないので、出せば高値で売れる可能性が高い時期です。法定耐用年数がたっぷり残っていますので、不動産としての価値も十分あります。
  • 築10~20年
    外観や内装に経年が目立ち始め、1回目の大規模修繕が始まる時期でもあります。ファミリー世帯では子供が大きくなり、1回目の住み替えを考えるタイミングになります。築20年に近い建物は、法定耐用年数の半分近くになっていますので、資産価値は40~50%まで下落することもあります。
  • 築20年以上
  • 外観や内装には手を入れないと古さが目立ち、設備にも不具合が生じ始めます。子供が成人するなどで家族構成に変化が起き、セカンドライフ前の住み替えを計画する人が増えるタイミングでもあります。

上記のように、不動産は新しいほど高く売れる可能性がありますので、住み替えを検討するのであれば、マンションの築年から逆算して、少しでも高く売れるタイミングで住み替えを計画する必要があります。

【参照:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)

1-4-1. 売るタイミングを失敗しないための対策

マンションを売るタイミングで失敗しないためには、今のマンションの築年数をもとに、いつまでに住みかえるべきかを判断する必要があります。公益財団法人 東日本不動産流通機構の調査「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)」によれば、中古マンションは25年以下の物件に需要があることがわかっています。

具体的に、築年別で売れた金額を見てみましょう。先の調査結果からみる築年別の成約価格平均をグラフしてみました。
本調査でのマンション平均延床面積は66平米です。

マンション築年と成約価格推移

【参照:東日本不動産流通機構の調査結果をもとに編集部でまとめたもの】

マンションの売却価格を築年でまとめると、

  • 築10年以下 5,000万円台
  • 築11~20年 4,000万円台
  • 築21~25年 3,000万円台
  • 築25年以上  1,000万円台

となり、築年が長くなるほど値段が下がることがわかります。特に築年が25年以上のマンションは1,000万円台となっており、25年目までと比較して大きく価格が下がります。しかし、ビンテージマンションとして一定の購入層がありますので古い=売れないではありません。ただし、この年数のマンションを購入する買い手は、リノベーションなどで大きく手を加えて住むことを前提にしていますので、相場よりも高い設定をすると敬遠される可能性が高まるでしょう。

このように、売却を検討しているマンションの築年から、売るタイミングがわかります。仮に今お住まいのマンションが、66平米・築19年目なのであれば、まだ4,000万円台で売れる可能性がありますので、この1年以内に住み替えを完了させたほうが良いことがわかります。住み替え計画を立てる時には、かならず、マンションの築年と、値段が下がるタイミングまでを考慮してスケジュールを立てて下さい。

1-5.ケース5 購入キャンセルによる失敗

マンション売買には、売り主都合・買い主都合とも、キャンセルが発生することがあります。

マンションの売却代金を新居の購入費に充てる予定だった場合、買い主にキャンセルをされてしまうと、住み替え予定が大きく狂ってしまうことがあります。特に、マンション売却中に、タイミング良く住み替え先も見つかったケースでは、売り主も新居に手付金を支払ってしまっていることがあります。この場合では購入キャンセルによりマンション売却が白紙に戻るため

  • 新居の資金が無くなるので、住み替え先の購入も白紙に戻る
  • または、新居の資金のために多額の自己資金の持ち出しが必要になる
  • 住み替え先に支払っていた手付金を放棄しなければならない
  • 売買契約時に支払った不動産仲介料の半金が戻ってこない
  • 再度、マンション売却活動をする必要がある
  • 再度、住み替え先探しをする必要がある

など、時間・金銭ともに大きなロスが生じます。特に、マンションの売主は、手付金を受け取ると、ほかの買い主を探すことができなくなりますので、キャンセルされてしまうと、その分の時間をロスすることになります。

1-5-1.購入キャンセルによる失敗をしないための対策

マンション売買は相手があることですので、買い手がキャンセルを申し入れてくる可能性は常にあり、100%防ぐことは難しいでしょう。購入キャンセルによる住み替えの失敗をしないためのリスク対策としては以下の3つがあります。

手付金を高く設定する

一般的な手付金は売却価格の5~10%程度ですが、それよりも少し高く設定をします。買い主都合で購入キャンセルになった場合、売買契約時に受け取った手付金は放棄されますので、売り主のものとなります。放棄する手付金額を普通よりも高くすることで、キャンセルを踏みとどまらせるための抑止剤にはなります。

また、この手付金放棄のルールにより、万が一、住み替え先に手付金を支払っていた場合でも、その分は、マンションの買い主キャンセルによる手付金放棄で補填できることも覚えておきましょう。

売ってから買うに徹する

本記事1章1-3でも詳しく説明しましたが、とにかく「売ってから買う」に徹することです。仮に、売れる前に気に入った住み替え先が見つかったとしても、マンションが売れるまでは内覧程度にとどめ、具体的な申し込みなどはしないでおきましょう。

住み替え先を決めるのは、マンションの引き渡しが終わり、完全にお金が振り込まれてから動くようにすれば、購入キャンセル自体を防ぐことができなくても、住み替え計画自体を台無しにされることにはつながらなくなります。

買取保証サービスを検討する

買取保証とは、一定期間、仲介でマンションの売却活動をしてもマンションが売れなかった場合、最終的に不動産会社がマンションを買い取ってくれることを保証するサービスです。マンションを買う相手が不動産会社ですので、金額に納得がいけば即買取が成立しますので、転勤などで住み替えができる期間に限りがあるケースに向いています。

仲介でのマンション売却ができる期間も設けているので、市場価格で売れる可能性もあり、万が一売れなくても、不動産会社が必ず買い取ってくれるので、安心して住み替えスケジュールを組めます。さらに、買い主が不動産会社ですので仲介手数料も発生しません。

ただし、不動産会社側は、買い取ったマンションにリノベーションなどの手を加えてから再販するための資金が必要になりますので、その分を考慮して、マンション買取額は市場価格の60~70%程度になります。

【マンション売却の流れ】早く・高く売る成功のコツを解説!

2.マンションを「住み替えた後」に気が付く6大失敗ケースと対策

本章では、マンションを住み替えた後に「しまった!」と思った失敗ケースと、その対策をまとめています。

ケース1.土地やエリア条件に関した失敗
ケース2.周辺環境に関した失敗
ケース3.間取りや広さに関した失敗
ケース4.日当たりや風通しなどの失敗
ケース5.家具や家電のサイズに関した失敗
ケース6.住宅ローンに関した失敗

2-1.ケース1 土地やエリア条件に関した失敗

住み替え先の土地条件やエリア条件に関した失敗です。例えば、以下のように、住み替えのために家を探している時にイメージしていた土地やエリアの条件にまつわることと、実際に住んでみて得られた体験が違ってしまうケースです。

ベランダからの見晴らしが広い公園だったので、見晴らしを気に入って住み替えました。数年後に、その公園に高層マンションが建築されてしまいました。

マンションの目の前にあって自分の庭のようにして子供たちが遊んでいた公園もなくなってしまったし、広々とした見晴らしの良い眺望も消えてしまって、台無しです。(36歳・男性)

このようなケースは、住み替え時には「この眺望や公園も値段のうち」と思って購入していますので、両方が消えてしまうと、イメージしていたライフスタイルとはかなり違ったことになり、何となく損をした気分にもなります。

マンションからマンションへの住み替えなら、通勤や通学に便利なところと思ってJR駅前徒歩圏内に絞って探しました。内覧は昼間だったので気が付かなかったのですが、住んでみたら、夜は駅前に酔っ払いも多く、空き缶やゴミが散乱していて、あまり治安が良いとは言えません。

確かに、内覧後に何度か見に行ったときにも、ちょっと町が汚いな………とは感じていましたが「駅前徒歩圏内」に強いこだわりがあったので、見て見ぬふりをしてしまったかもしれません。(40代・女性)

このようなケースでは、駅前で便利という点には変更がありませんが、昼と夜の街のイメージが想定していたものと違い、結果的に、条件は希望通りですが、想定していない暮らしにくさがプラスされた形になります。

2-1-1. 土地やエリア条件に関した失敗をしないための対策

土地やエリア条件で失敗しないためには、住み替えを検討している物件があるエリアの現地確認を徹底的にすることです。例えば

  • 朝昼夜など、時間帯ごとの変化を確認する
  • 休日と平日の違いも確認する
  • 交通量と人通りを確認する
  • 都市開発などの計画を確認する

など、何度も足を運んで自分で体感するしかありません。そのうえで、許容できる範囲のものかどうかを判断します。また、将来の開発予定などを含め、これから購入する住み替え先の土地やエリアで、数年後から数十年後にどのような変化が起きる可能性があるかを把握したうえで、購入を検討します。

例えば、計画進行中の状態だったとしても、住み替え予定のマンション周辺が、10数年後には、高速道路拡張地などのための立ち退き区域・セットバック対象になってる可能性などもあります。これらの情報は、

  • 市区町村の土木課で公共工事予定
  • 「住み替え先の住所+都市計画」などを入れて検索

すれば、計画案の段階でも確認できます。

【参考例:渋谷区 都市計画制度

2-2.ケース2 周辺環境に関した失敗

周辺環境に関した失敗とは、住み替え予定のマンションを取り囲む住環境の問題です。前出の1と似ていますが、こちらはより、ライフスタイルに密着した失敗です。例えば

かなり戸数が多い高層マンションなのに、エレベーターが少ないことに、引っ越して通勤が始まってから気が付きました。朝のエレベーターが電車より大混雑しています。

しかも、高層階から人が大量に乗ってくるため、途中階の私たちは、満員で通過されてしまうので、エレベーターホールも満員です。駅前のマンションのはずが、駅に行くまでに20分くらい余裕を見ないとならないのは計算外です。そのために、毎朝、少し早起きしないとならないのがとてもツライです。 (30代・女性)

総戸数に対して何人乗りのエレベーターが何基あるかなどがわかっていても、朝の時間単にどのくらいの混雑になるかは住んでみて初めて分かるものの一つです。内覧は昼間の空いている時間帯に案内されますので、わかりにくく、担当者も把握していない可能性があります。

そのほかにも、エレベーターの速度が遅い・早いや、高層階に行くためには乗り換えがあるなど、エレベーターが生活に直結するタイプのマンションの場合には、特に注意が必要です。

マンションが高台にあり、遠くには海も少し見えるほどの風光明媚さが気に入って住み替えました。しかし、最寄り駅から帰宅するときには勾配の強い坂道を登らないと家にたどり着かないことに気が付きました。

内覧の時は車だったので「坂があるな」くらいしか気にしていませんでした。夫婦とも車の免許がないので、徒歩か自転車しか解決手段がありません。妻も、駅前のスーパーから重たい荷物を持って帰るのが大変だと言っています。

足腰の運動にはなるのかもしれないが、年取ってからも住み続けるのは無理だなあ………と毎晩思いながら家路を歩いています。(40代・男性)

内覧時には、不動産会社の担当者が車で現地まで案内することが多く、最寄り駅までの距離感などは、一度の来訪ではわかりづらいでしょう。

コンビニやスーパーなどの周辺施設の有無や、外灯の間隔、坂道や道路の道幅、舗装の状態なども、事前にグーグルマップなどのデータで確認はできますが、実際に足で歩いて確認するのとは違う部分も多いでしょう。

2-2-1.周辺環境に関した失敗をしないための対策

前出のエリア条件同様、住み替え予定のマンションに通い、時間帯や曜日などをずらしながら、自分が住むことを想定して、住環境などを細かく確認していきます。

特に駅周辺からマンションまでの経路がいくつあるか、最寄りのコンビニ、バスや地域バスの停車駅、自転車置き場の混雑具合など、実際に自分の足で歩いて確認しないと、わからないことが多いのが実情です。住み始めたときを想定してさまざまなシミュレーションをしながら確認します。

何度かマンション周辺まで足を運ぶうちに、敷地内に住んでいる方々の様子も遠くから確認できます。そこで生活をすることを前提に、将来起きそうな不便や不満、気になった点をリストにして、そこに長期間住んでも受け入れられる内容かを検討していきます。

2-3.ケース3 間取りや広さに関した失敗

住み替え先の広さや間取りに関した失敗です。

住み替え先にはクローゼット代わりとなる収納が少なかったため、持ってきた洋服をすべて収納できませんでした。仕方がないので、壁面収納タンスを買って置いてみたら、前のマンションよりも部屋が狭くなってしまいました。

また、以前のマンションにはあった押し入れが住み替え先になかったため、押し入れにしまっていた大量の荷物やお客様用の布団をしまっておく場所がありません。とても広いと感じていたのは、収納がないせいだったみたいです。(30代・女性)

内覧時はガランドウのお部屋、または以前の住人がいる状態を見ていますので、引っ越しをして荷物を運び終えてからイメージしていたよりも狭いと感じることがあります。

また、引っ越し前に押し入れ・ストッカーなどにしまってあって、普段の生活で見えていなかった荷物は、住み替え先に持っていってはじめて、置き場所がないことに気が付くパターンもあります。特に、家族が増えた場合には、想定以上の荷物量があると思っておいて良いでしょう。

2LDKから3LDKのファミリータイプへと住み替えました。夫婦の寝室と子供部屋、もう一つは夫婦で互いの趣味のための部屋として使おうと夢が広がったのですが、その後、第2子が誕生。

上が女の子、下が男の子となったので、近い将来は、もう一部屋必要になるため、趣味の部屋計画はなくなりました。さらに、子供たちの荷物がどんどん増えていき、現在、趣味の部屋は物置状態です。ちょっと駅から離れても、4LDKにしておけば良かったかな………と後悔しています。(30代・男性)

住み替え先のマイホームのイメージも大切ですが、そこに住む家族のイメージも大切です。子供の成長なども含め、将来のことを想定した住み替え先を探しましょう。

2-3-1. 間取りや広さに関した失敗をしないための対策

住み替え先の広さは、平米数が同じでも室内の収納力や、ベランダにストッカーや倉庫などが設置できるか、マンションに貸倉庫があるかなどでだいぶ違ってきます。すぐに捨てることができないものがたくさんある場合には、内覧時には収納力のチェックもしておくようにします。

また、間取りに関しては、将来の家族構成や子供の成長度合いなどを考慮しながら、10数年、そこに住むつもりで具体的なシミュレーションをし、自分たちの10数年後のライフプランに沿った間取りを選びます。例えば、今3歳のお子さんがいるならば

  • 妹や弟ができる可能性
  • ペットなどを飼う可能性
  • 両親・義両親のどちらかが同居になる可能性

など、将来、家族構成が変わった場合を考慮しておきます。また、住み替え先で部屋数を増やす・減らすなどのリフォーム・リノベーションが可能かも確認しておく必要があります。

2-4.ケース4 日当たりや風通しなどの失敗

住宅はマンション・戸建てに関わらず、実際に住んでみないと、日当たりや風通しのよさなどはわからないものです。

「日当たり抜群です」と説明されて、実際に、内覧の時も日当たりがよく明るい部屋だったので住み替えました。しかし、暮らし始めてみると、あまりにも日当たりが良すぎて、畳やカーペットは色あせしてしまうし、真夏はクーラーをどれほど効かせても室温が下がらず、寝室や子供部屋には使えません。

倉庫にするにも、温度が上がるとダメになるものはおけませんので、結局、秋冬以外は遮光カーテンを閉めっきりで使う、我が家のデッドゾーンになっています。(40代・女性)

内覧時には、明るく感じた部屋も、実際に住んでみたら眩しい・暑いなどのマイナスが発生することもあります。日本では南向きの部屋が最良とされているため、どうしても「日当たり良好」「南向き」と書かれていると、良い物件だと思いこんでしまい、失敗するケースもあります。

住み替え先が高層階で、見晴らしの良い高機能マンションだったので、冬は暖かで夏は冷房がしっかり効くし、見晴らしも良くて「住み替えてよかった!」と思っていたのですが、1年後、部屋のあちこちに黒カビを発見。

原因は、密閉性の良すぎることが原因で、年中結露が発生しているのだそうです。ペットで小型犬を飼っているので、吠え声で近所迷惑にならないよう、玄関ドアや窓もあまり開けないようにしているのも原因の一つなのかもしれませんが、普通に暮らしているだけなのに………(40代・男性)

最近は、魔法瓶のように部屋の中の温度を一定に保ってくれる高機能な住まいが注目されています。確かに熱効率が良くてエコなのですが、その分、風の通り道が計算通りに作られているかも確認が必要です。特に鉄筋コンクリート造のマンションは密閉度が高い傾向があります。

マンションの場合、構造的に角部屋以外は室内に窓のない部屋が発生します。例えば、風呂場・トイレ・以外にも、窓がない部屋が存在し、風通しは戸建てに比べると悪いといえます。

高層マンションの場合は、超高層階になると開放できる窓や角度が限定されていることが多く、建物の向きによっては強風で長時間開けていられないケースもあります。

2-4-1.日当たりや風通しなどの失敗をしないための対策

日当たりや風通しに関して失敗が少ないのは、マンションの角部屋です。室内に窓をたくさん設置しやすいので日照もよく、通気口以外の風通しが期待できます。

高層マンションの中でも、低層階であれば、窓を大きく開放できるので、日当たり、風通しともに良いでしょう。また、どのようなスタイルのマンションであっても、ベランダの奥行がある作りの場合は、どの方角であっても日照が悪くなります。

日本では家は南向きが最良という概念がありますが、入居者のライフスタイルによっては、必ずしも部屋が南に向いている必要がありません。以下は、ライフスタイルを東西南北で振り分けてみたものです。

【東向きの部屋】早起き・共働きライフスタイル

朝方の日当たりが良く、早起き・共働き家庭に向いています。家族全員が揃う朝にたくさん日の光が入ります。洗濯物を朝に干していけば夜には乾いています。日中は日差しが入りませんが、共働き家庭であれば、そもそも日中は室内に人がいませんので、その時間の日当たりは考慮に入れる必要がありません。

【西向きの部屋】シフト勤務・朝ゆっくりライフスタイル

13時ごろからジワジワと日当たりが良くなります。シフト勤務がある、朝はゆっくりで良いライフスタイルに向いています。西日の強い日があるため、昼過ぎに洗濯ものを干しても、当日中に乾きます。午後から夕方まで日が入るので、室内に暖かさが残り、冬は暖房効率が良くなります。

【南向きの部屋】家で仕事・家にいる時間が長いライフスタイル

東西南北の中で、最も日当たり時間が長く、午前も午後も室内が明るいのが南向きの部屋です。小さなお子さんがいる家庭、日中自宅で過ごす人がいる家庭向きです。洗濯物が良く乾き、年間を通して温かいのでエアコン効率が良いお部屋ですが、人気があるので、ほかの方角よりも割高になります。

【北向きの部屋】西欧風インテリア・一定温度が必要なライフスタイル

直接の日光は入りませんが、周辺のビルやマンションよりも高い位置にある階であれば、朝から夕方まで安定した明るさが維持できます。また、夏場はかなり涼しく過ごせます。本・絵画・カメラなど、直射日光を避けたいものがたくさんある家庭は、北向きの部屋が良いでしょう。間接照明やスタンドなどを使ったヨーロッパ調のインテリアやライフスタイルを好む方にも、北向きが向いています。

マンションの風通しに関しては、戸建てのようにはいかないという前提のもと、内覧時に開けられる扉と窓を一旦全開にしてもらい、風抜けを確認します。理想は、窓と窓、窓と玄関ドアなどが直線上にあることです。

また、基本的に、高層マンションで窓に網戸がついていない部屋は、強風が吹くため、窓は景観のためについていると判断したほうが良いでしょう。そのため、住み替え後に窓を大きくあけて暮らすことは難しいかもしれません。

マンションの住み替えを決めたら、まずは、今お住まいのマンションがいくらで売れるのかを確認してみましょう。その際には、不動産の一括査定サイト「不動産売却 HOME4U」をご活用ください。不動産の一括査定では、一度の入力で複数の不動産会社からのマンション査定額が手に入ります。

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2-5.ケース5 家具や家電のサイズの失敗

住み替えて、引っ越し荷物がきてからわかる、家具や家電サイズに関した失敗です。これは住み替え、マンション購入だけではなく、賃貸でも似たような経験がある方も多いでしょう。

お気に入りのアメリカンソファが、住み替え先の玄関ドアを通過できず、搬入するためにはクレーンを使うしかないと言われて、泣く泣く処分しました。

また、冷蔵庫幅が微妙に狭く、本来なら両幅2センチ開いてなければならないところ、ギリギリ1センチくらいです。冷蔵庫の熱効率が悪くなるのではと心配です。(20代後半・女性)

ほとんどのマンションは国内規格品が通るように作られていますが、住んでいたマンションと、住み替え先のマンションの年代が違う、家具が外国製である場合には、サイズが合わないこともあります。

住み替え先には、家具の大きさの確認だけして引っ越しました。いざ、家具を配置してみると、窓の位置などが前のマンションと微妙に違うため、置きたい場所に置くと、せっかくの窓からの眺めをソファの背の高い背もたれでふさいでしまうことになってしまいました。

また、窓の大きさは同じなのですが、設置されていたオシャレなカーテンレールが少し長めだったのか、カーテンが常に5センチほど閉まり切らない状態で、何となく、家具のサイズ感がちぐはぐな感じです。(40代・男性)

前のマンションで使っていた家具は、そのマンションの窓の大きさや高さに合わせて買っているケースが多いので、住み替え先ではサイズ感や高さが微妙に合わなくなることがあります。そのため、家具配置などに工夫が必要になることもあります。

2-5-1. 間取りや広さに関した失敗をしないための対策

どなたも内覧時には、使っている家具が住み替え先に納まるかは確認しますが、それだけではなく、どこに配置するかなども含めて、購入申し込みをする前にいろいろと具体的なシミュレーションをしてみる必要があります。

無料で使える家具配置シミュレーションアプリがありますので、実際に配置したときをイメージすることができます。

配置レイアウト完成後、生活同線のシミュレーションもしてくれます。パソコンかiPadで利用します。

家具メーカーのカタログと連動したシミュレーションアプリですので、かなり正確は配置予想ができます。

スワイプだけで間取りを変えて、家具配置ができます。

また、室内だけではなく、

  • マンション共有部分のエントランス・エレベーター・廊下
  • 玄関ドアの大きさ
  • 各部屋の窓とドアサイズ
  • コンセントの数と位置

なども合わせて確認しておきましょう。とくに、ファミリータイプのマンションからコンパクトなマンションに住み替える場合には、ファミリータイプよりも建物全体がコンパクトに作られている可能性がありますので、配置以前に、運び込みができるかどうかも事前確認が必要です。

2-6.ケース6 住宅ローンに関した失敗

マンション住み替えの際、住み替え計画がうまくいかず、住宅ローン返済で失敗するケースです。例えば、

住んでいたマンションを売ったお金で住宅ローンの残債を清算するつもりでしたが、マンションの売却額が想定よりも低くなってしまい、自己資金から持ち出しで払うことになりました。そのため、住み替え先用の資金が少し減ってしまいました。

(30代・男性)

売り出しをしたマンションが当初の予定よりも低い金額でしか売れない可能性はあります。基本的に、住宅ローンは完済しないと売却することができませんので、マンションの売却額で住宅ローンの残債に足りない場合には、自己資金で追加をして完済し、住み替えをすることになります。

この場合、手持ちの現金が減ることで、補填した金額の大きさによっては、次の住み替え先の資金計画を練り直す必要が出てきます。

とても気に入った住み替え先が見つかったので、まだマンションが売れていなかったのですが、別に用意しておいた購入資金で新居を購入して引っ越しをしました。

すぐに売れるだろうと思っていた前住居のマンションがなかなか売れず、新居ローンとマンションローンの両方を支払い続けていた期間が数か月ありました。最終的には、マンションは売れましたが、「このまま売れなかったら、どうしよう!」と毎月のローン支払日には胃が痛くなりました。(40代・女性)

理想の住み替え先が見つかり、「きっとタイミング良くマンションも売れるだろう」と思って引っ越したものの、なかなか前マンションの購入希望者が現れないケースもあります。その場合には、マンション売却ができるまでの期間は、新居とマンションのふたつの住宅ローンを両方支払い続ける「二重ローン」となり、長引いた場合は、かなりの金銭的な負担になります。

基本的に、住み替えにおける住宅ローンに関した大きな失敗は「二重ローン」です。住み替えで家を売る際、マンションの住宅ローンを完済しないとマンション売却ができませんので、売ってから買う「売り先行」タイプの住み替えでは二重ローンは発生しません。

2-6-1.住宅ローンに関した失敗をしないための対策

二重ローンが発生するのは、買ってから売る「買い先行」タイプの住み替えですので、二重ローンを組まないためには、売ってから買う「売り先行」に徹するか、または慎重に「買い先行」の住み替えを進行させるしかありません。二重ローンが発生するのは

「売却するマンションのローン残債があり、住み替え先の取得日までにマンション売却ができなかった場合」

ですので、この条件に引っかからないように住み替えをします。そのためには、以下のように、お金の出入りに関した防御策をいくつも用意しておく必要があります。

  • 理想の住み替え先が見つかった場合の購入資金を別途用意しておく
  • 売却するマンションの住宅ローン残債がカバーできるだけの金額で売る
  • 売却するマンション価格が予想を下回ったケースを考えて補填する資金を用意する
  • 住み替え先購入はできれば、マンションが売れる(売れそう)タイミングに合わせる
  • 未完成物件やリフォーム中物件など、住み替え先の引き渡しまでに時間があり、代金支払いまで時間がかかる、売買のタイミングが合わせやすい住み替え先を選ぶ

上記のように、万が一のケースを想定すると、かなりの資金力があることが前提ですので、複数の防御策を駆使できない場合には、はじめから「売り先行」を選択しましょう。

住み替えを成功させるための重要ポイントは、ローンの設定における資金計画!

3.マンション住み替え失敗回避のための6大ルール

本章では、マンション住み替え失敗回避のための、6大ルールをまとめています。住み替えは、一定期間に不動産の売る・買うが混在している特殊な状態です。

住み替えの計画がしっかりさえしていれば、失敗のない、スムーズな住み替えも可能です。失敗回避のためのルールはこちらです。

  1. 住み替えスケジュールと売却方法を練る
  2. 住み替え売却期間はできるだけ長く取る
  3. 住み替えが本当に必要かも再検討してみる
  4. 新居は念入りに調べてから決める
  5. 購入と売却は同じ不動産会社にする
  6. 質の良い不動産会社を入念に探す

3-1. ルール1住み替えスケジュールと売却方法を練る

理想的な住み替えスケジュールは以下の図のように、売り買いが同時進行して、タイミングよく揃い、どの段階でも無駄な労力や費用が発生しない流れです。

【理想的な住み替え計画フロー】
マンション売却   住み替え先探し
住みながらマンション売却開始 段階1 新居探し開始
マンションが売れる 段階2 新居が見つかる
売買契約 段階3 売買契約
ローン決済・引渡 段階4 新居引渡し
引っ越し・住み替え完了

しかし、実際の不動産売買は、マンション売却・住み替え先探しとも、相手のあることですので、このような理想的な流れになることはなく、どこかの段階で必ずタイミングがズレる傾向にあります。このタイミングのズレ幅が大きいと、

  • 狙っていた新居をほかの人が契約してしまう
  • マンションだけ売れて住み替え先が決まらない
  • 仮住まいが必要だが、仮住まい先探しが大変
  • 新居は買えたが、マンションが売れずにローンを二重に支払う期間が発生する

など、失敗ケースで説明をした数々の余分な労力や費用が発生します。

住み替えをスムーズに進めるためには、住み替えを決めたら、「マンションを売ってから新居を買う」または「新居を買ってからマンションを売る」のどちらのスタイルにするかを、スケジュールを立てる段階で先に決めてしまい、それぞれのメリットデメリットを活かした計画を立てるようにします。どちらにするかは、資金状況と、住み替え事情によって異なります。

3-1-1.一般的にはマンションを売ってから新居を買う「売り先行」がおすすめ

よほど自己資金に余裕があるケース以外は、今のマンションを売ってから新居を買う「売り先行」で住み替えることをおすすめします。

「売り先行」のメリット 「売り先行」のデメリット
  • 今のマイホームに住んだままマンション売却活動ができる。
  • マンションの売却価格が決まると、自動的に住み替え予算が確定するので、資金計画が立てやすくなります。
  • マンションが売れてから動けばよいので、売却価格、その他条件面の交渉などにも、余裕を持って対応できます。
  • マンションの引き渡し日までに、住み替え先が見つからない場合は、仮住まいをする必要があります。
  • マンション→仮住まい→住み替え先と引っ越しが2回。
  • 新居探し期限は引渡のタイミングまで。仮住まいをしない場合には、新居にある程度の妥協が必要になります。

3-1-2.資金の余裕があるなら「買い先行」の住み替えもアリ

資金に余裕があるならば、新居を買ってからマンションを売る「買い先行」の住み替えも選択できます。

買い先行のメリット 買い先行のデメリット
  • 家族の希望条件に合った住み替え先をじっくり探せる。
  • 住み替え先が先に決まるのでスケジュールが立てやすい。
  • 仮住まいをする必要がない。
  • 転勤などで期限が決まっている場合でも、引っ越した先に新居があるので、安心していられる。
  • 住み替え用購入資金を、準備しておく必要がある。
  • マンション売却価格や、いつ売れるかが確定しない。
  • ローン残債がある場合は、住み替え先の取得日までに売却できないと、新居とマンションのローンを両方支払う、二重ローンの期間が発生する。
  • 資金的に二重ローンが無理な場合は、住み替え先の取得日に間に合うように、値下げをする必要がある。

3-2.ルール2 住み替え期間はできるだけ長く取る

住み替えはマンションを売る・新居を探すという2つのことが同時進行します。その分、手間暇も2倍かかります。納得のいく住み替えをするためには、住み替えのために使える期間をたっぷりとっておく必要があります。

納得のいく金額で売り、納得のいく新居を見つけるのにはある程度の時間が必要です。住み替えは、売却活動と同時に家探しをしますので、内覧対応と自分たちの新居内覧で、土日が毎週潰れてしまう時もあります。特に、新居の内覧には、家族そろって見に行く必要がありますので、時間的・精神的・体力的にもキツイことがあります。

無理のない範囲で住み替えができるように、期間は長めに取りましょう。また、転勤などで住み替えに使える時間が限定されている場合は、売却価格に影響がある、マンションの売却期間だけでも長めに設定できるようにスケジュールしましょう。

3-3.ルール3 住み替えが本当に必要かを再検討する

住み替えを検討する理由には、転勤や転校以外にも

  • 子供が成長したので手狭になった
  • 自宅で仕事をするようになったので、もう一部屋必要になった
  • 子供が成人して独立し、コンパクトな暮らしで良くなった
  • 間取や設備が古くて、今の家具と合わずに使いづらい

など、部屋数や広さの問題が大きく関係しています。

単純に平米数を増やす・部屋数を増やしたい場合は、住み替えが具体的な解決策になりますが、それ以外にも、リフォームやリノベーションで解決できるケースもあります。リフォームは修繕に近い作業、リノベーションは間取りなどの大がかりな変更もできます。例えば

リフォーム リノベーション
  • ユニットバスを追い炊き機能付きにする
  • 汚れた壁クロスやフローリングを変える
  • 畳をフローリングに変える
  • 古くなったシンク・トイレ・バスを新しくする
  • 家族の対話ができる対面キッチンにする
  • 畳の部屋をフローリングにする
  • 洗面所や水回りの位置を変える
  • キッチン・ダイニング・リビングをひとつの部屋にする

このように、住み替えをしなくても、リフォームやリノベーションで十分に対応できます。工事内容にもよりますが、住んだままでリノベーションができれば、住み替えや引っ越しなどの労力と費用をかけずに、新しい暮らしができます。

費用面は首都圏では、1平米あたり約20万円~がリノベーション相場となっており、坪単価は、手を加える範囲・デザイン性・採用する材質などによって変わっていきます。仮に築18年、66平米のマンションをフルリノベーション(内部の全体的な間取り変更、内装、設備の新設をシンプルなデザインで)をした場合には、66平米×20万円=1,320万円~がリノベーション予算*となります。
*見積もり依頼をした工務店やハウスメーカーのプランによっても違いがあります。

本記事1章1-4で説明した、中古マンション価格相場では、築18年66平米のマンションは4,000万円台で売買されていますので、住み替えをするよりもはるかにコストを抑えることができます。

3-4.ルール4 新居は念入りに調べてから決める

住み替え先の新居の中でも、特にエリアと土地条件は念入りに確認をします。家は家具を変える、修繕などで後から手を加えることができますが、土地条件やエリア条件は、個人の努力で変えることができない分、何かあった時に自分で納得のいく対処ができなくなります。例えば、

  • 坂の急こう配がある
  • 道幅が狭く、人や自転車の行き交いでぶつかる
  • 近隣に工場などがある
  • 高速道路と国道に面していて、音がうるさい
  • 飛行機が上空を通る
  • 坂下で、雨の日はエントランスが水浸し
  • 住み替え先周辺の治安が悪い

住んでから「しまった!」と思っても、自力では修正できないタイプの失敗です。何度でも現地に足を運び、納得がいくまで調べてから住み替え先を決めるようにします。

3-5.ルール5 購入と売却は同じ不動産会社にする

マンションの住み替えは、売却と購入を同時にするので、とても忙しい期間です。そのため、仲介をお願いする不動産会社は、なるべく同じほうが、住み替え計画がよりスムーズに進みます。

特に、買取保証サービスを使うケースと、住み替えローンを使うケースでは、マンション売却~住み替えまでの一連の流れを1社で把握してくれているほうが、スケジュールのズレが起きにくく、全体的にスムーズな進行となります。

買取保証サービス

買取保証とは、仲介での売却期間を設け、その期間内にマンション売却ができなかった場合は、不動産会社があらかじめ決めておいた金額で不動産を買い取ってくれるサービスです。この買取保証は、仲介期間と買取金額を決めた後に、新居の引渡し時期を調整しておく必要があるため、購入・売却の不動産会社が同じほうがスムーズです。

家の売却は「買取」で良いの?知らないと損する特徴など解説
住み替えローン

住み替えローンとは、マイホームを買い替える場合に限って利用できるローンのことです。通常、売却するマンションに住宅ローン残債がある場合、完済ができなければマンションは売却できません。しかし、住み替えローンを使うと、マンションを売っても残ってしまったローン分と、新居のローンをまとめて借りることができます。

住み替えローンは、売却するマンションと住み替え先の家を同時に決済・引渡をします。そのため、2つの売買取引がタイミングよく進行しないとなりません。スケジュール管理と資金管理がとても重要になるので、一つの不動産会社で売却と住み替えの両方を扱ってもらう方が、住み替えスケジュールの進行がスムーズです。

住み替えを成功させるための重要ポイントは、ローンの設定における資金計画!

3-6.ルール6 質の良い不動産会社を入念に探す

住み替えの間、最も頼りにしたいのが不動産会社とその担当者です。ほとんどの方は、人生の中で、不動産の売買をする経験は数回もありません。そのため、不慣れなことが多く、また扱う金額が大きいことから失敗はしたくないと思うのは当然です。

仲介をお願いする不動産会社と、その担当者の質が良ければ、基本的に住み替えは満足度の高いものになります。質の良い不動産会社と担当者に巡り合うためには、複数の不動産会社を比較してから、慎重に選択する必要があります。

複数の不動産会社を比較するときには、NTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却 HOME4U」をご活用ください。売却予定のマンションのエリアと広さなどのかんたんな質問に答えていくだけで、およそ1分で、厳しい審査をクリアした全国1,800社もの不動産会社の中から、マンションの住み替え実績が多い、信頼のおける不動産会社を、最大6社にまで絞って紹介します。

気になる会社にチェックを入れると、その会社からのみ、連絡が来ます。マンション査定額と担当者の対応などを同時比較しながら、値段やサービスに納得のいく不動産会社を選ぶことができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。マンションの住み替えの失敗に関する事柄を以下のようにまとめました。

  1. マンションの「住み替え前」によくある5大失敗ケースと対策
  2. マンションを「住み替えた後」に気が付く6大失敗ケースと対策
  3. マンション住み替え失敗回避のための6大ルール

住み替えを検討している段階で気を付けることがわかっていれば、可能な限り失敗を避けることが可能です。また、スムーズなマンション住み替えには、信頼のおける不動産会社と担当者の存在が不可欠です。「不動産売却 HOME4U」を活用し、マンション住み替えのベストパートナーを見つけてください。