不動産売買時にかかる印紙代(印紙税)はいくら?一覧表でわかりやすく解説

不動産売買時にかかる印紙代(印紙税)はいくら?一覧表でわかりやすく解説

不動産売却で契約書を作成する際、印紙税という税金が課せられます。この印紙税(印紙代)は、400円〜60万円と幅があり、不動産の売却価格によって異なります。

不動産売買時の印紙代の基礎知識として

  • 【一覧表】不動産売買契約書にかかる印紙税の金額
  • 不動産売買契約書以外の契約書にかかる印紙税の金額
  • 不動産売却時に売主が負担する印紙税の金額

の3つをおさえておきましょう。

契約書にかかる印紙税について理解しておくことで、不動産売却時の手数料と費用を事前に予測し、資産計画が立てやすくなるでしょう。

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1.印紙税は課税文書に対して課税される税金

1.印紙税は課税文書に対して課税される税金

不動産売却は登記費用抵当権抹消費用不動産鑑定士費用など、さまざまな費用がかかりますが、印紙税も売却時にかかる費用の一つです。

印紙税とは、「課税文書」に対して課税される税金のことです。

課税文書とは、領収書や契約書、借用書や手形、株券、債券などの印紙税法で規定されている文書のことを指します。印紙税は、文書の種類によって税額が異なります。

契約書によっては、課税文書に該当しない「非課税文書」の書類もあり、契約金額が1万円以下であれば印紙税が不要となるケースもあります。

また、電子契約の場合は、「文書の作成」に該当しないため、PDFファイルやメールの電子データでの取引であれば、印紙税が不要です。なお、2022年5月から不動産関連の契約も電子契約が認められるようになっています。

収入印紙を売買契約書や領収書などに貼り付けることで、法律に則った取引であることの証明になります。

ただし、収入印紙を貼り付けただけでは納税したことにはならないため、印鑑または署名にて「消印」を押す必要があります。消印を押すことで、課税文書と収入印紙が再利用不可となり、収入印紙が使用済みであることを示せます。

収入印紙の貼り忘れや、押し忘れが税務署にて発覚した場合は、本来の印紙税分の3倍に相当する「過怠税」が徴収される可能性があるので注意が必要です。

2.不動産売却時にかかる印紙税の金額

1.印紙税は課税文書に対して課税される税金

不動産売却時にかかる印紙税は、以下の2つのケースがあります。

  • 契約書にかかる印紙税
  • 売買契約書以外の契約書にかかる印紙税

以下の章では、一覧表を用いて不動産売却における印紙税の金額を解説します。

2-1.【一覧表】契約書にかかる印紙税の金額

不動産売買契約書にかかる印紙税の金額は、以下のとおりです。

不動産売却価格 本則税率 軽減税率
1万円以下のもの 非課税 非課税
1万円を超え10万円以下のもの 200円 200円
10万円を超え50万円以下のもの 400円 200円
50万円を超え100万円以下のもの 1,000円 500円
100万円を超え500万円以下のもの 2,000円 1,000円
500万円を超え1千万円以下のもの 10,000円 5,000円
1千万円を超え5千万円以下のもの 20,000円 10,000円
5千万円を超え1億円以下のもの 60,000円 30,000円
1億円を超え5億円以下のもの 100,000円 60,000円
5億円を超え10億円以下のもの 200,000円 160,000円
10億円を超え50億円以下のもの 400,000円 320,000円
50億円を超えるもの 600,000円 480,000円

出典:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」

なお、平成26年4月1日〜令和6年3月31日までの期間であれば、「軽減税率」が適用されます。軽減税率とは、標準税率よりも低い税率を適用する措置のことです。

また、契約書に記載されている不動産売却価格は、「税込価格・税抜価格がともに記載されている場合」と「消費税とは分けて記載されている場合」がありますが、そのようなケースでは「税抜価格」を参考にします。

一方で、「税込価格のみが記載の場合」は、税込価格を参考にして印紙税を納税します。

2-2.売買契約書以外の契約書にかかる印紙税の金額

不動産売買契約書以外の契約書にかかる印紙税の金額は、以下のとおりです。

記載された契約金額 工事請負契約書 金銭消費貸借契約書
1万円以下のもの 非課税 非課税
1万円を超え10万円以下のもの 200円 200円
10万円を超え50万円以下のもの 200円 400円
50万円を超え100万円以下のもの 200円 1,000円
100万円を超え500万円以下のもの 100万円超え200万円以下:200円
200万円超え300万円以下:500円
300万円超え500万円以下:1,000円
2,000円
500万円を超え1千万円以下のもの 5,000円 10,000円
1千万円を超え5千万円以下のもの 10,000円 20,000円
5千万円を超え1億円以下のもの 30,000円 60,000円
1億円を超え5億円以下のもの 60,000円 100,000円
5億円を超え10億円以下のもの 160,000円 200,000円
10億円を超え50億円以下のもの 320,000円 400,000円
50億円を超えるもの 480,000円 600,000円
記載金額がないもの 200円 200円

参考:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」

不動産売買契約書以外にも、「工事請負契約書」や「金銭消費貸借契約書」などが不動産に関する契約書として存在します

工事請負契約書とは、依頼主が請負人に対して、建物の新築や増改築などの工事を発注する際に締結する契約書のことです。

金銭消費貸借契約書とは、借主が貸主から金銭を借り入れ、今後同額のお金を返還することを約束する契約書のことです。主に、銀行や金融機関などから住宅ローンの融資を受ける際に交わす契約書です。

なお、工事請負契約書は、不動産売買契約書と同じく、令和6年3月31日まで軽減税率が適用されます。

3.不動産売却時に売主が負担する印紙税はいくらか

3.不動産売却時に売主が負担する印紙税はいくらか

前述のとおり、不動産売却時に売主が負担する印紙税は、不動産の売却価格によって異なります。

たとえば、不動産売却価格が600万円であれば印紙税は5千円、2,000万円であれば印紙税は1万円です。

また、印紙税は契約書1通につき1枚必要です。そのため、売主と買主がそれぞれ1通ずつ契約書を作成し、売主は自身が保管する用の契約書1通分を負担することが一般的です。

なお、不動産売買契約書を複数作成し保管したい場合、契約者の直筆の署名押印があれば課税文書に該当するので、原本同様に印紙税が課税されます。

複製(コピー)して保管する場合は、部数が増えるごとに負担額が増加する点に注意が必要です。

4.収入印紙の入手と納付方法

4.収入印紙の入手と納付方法

収入印紙の入手方法は、収入印紙の種類によって購入可能な場所が異なります

また、印紙税の納付方法は、

  • 売買契約書に収入印紙を貼り付け消印を押す
  • 税務署で事前に印紙税を納付して証明書をもらう

の2通りがあります。

スムーズに印紙税の支払いをするためにも、内容を理解しておきましょう。

4-1.収入印紙の種類によって購入可能な場所が異なる

収入印紙は、印紙の種類によって購入可能な場所が異なります。

収入印紙の種類は、1円〜10万円まで31種類にも及び、必要な金額に応じて、何種類かの収入印紙を組み合わせて貼り付ける場合もあります。

収入印紙が購入できる場所と種類は、以下のとおりです。

購入できる場所 収入印紙の種類
コンビニエンスストア 200円
郵便局 1円〜100,000円(一部店舗を除く)
法務局 1円〜100,000円

金額が低い200円などの収入印紙であれば、コンビニエンスストアで購入が可能です。

ただし、多くのコンビニエンスストアでは、200円の収入印紙が中心に販売されており、他の金額の収入印紙を置いていないことも多いです。

そのため、200円以下の収入印紙、200円以上の収入印紙が目的であれば、郵便局や法務局を選ぶとスムーズです。

郵便局は、一部の店舗を除いて、全31種類の収入印紙の取り扱いがあります。規模の小さい郵便局では、5万円を超える収入印紙の在庫が少なかったり、そもそも置いていなかったりする場合もあるので、事前に連絡してから購入しましょう。

法務局には、「印紙売りさばき所」という売店が設置されており、売店では全31種類の収入印紙を取り扱っています。

郵便局のように、規模の大小関係なく収入印紙を揃えているため、5万円以上の高額な収入印紙が目的であれば、法務局を利用するのが効果的です

4-2.印紙税の納付方法

前述したとおり、印紙税の納付方法は以下の2パターンです。

  • 売買契約書に収入印紙を貼り付け消印を押す
  • 税務署で事前に印紙税を納付して証明書をもらう

一般的なのは、売買契約書に収入印紙を貼り付けて消印を押す方法です。また消印は、通常であれば売買契約者が行いますが、代理人、使用人、従業員が代わりに消印することも可能です。

もう1つは、税務署で事前に印紙税を納付して証明書をもらう方法です。特例によるもので、「税印押なつ」と呼ばれる納付方法です。

税印押なつによる納付方法は、税印押なつ機を設置している全国118署の税務署に限られます。

なお、税印押なつによる納付方法は、不動産売却においては馴染みがなく、株券などで利用されるのが一般的です。そのため、必ず税務署で納付したいという特別な事情がなければ、前者の収入印紙を貼り付けて消印を押す方法が簡単なのでおすすめです。

不動産売買の手続きで不明なことがある場合、信頼できる不動産会社に聞くのもひとつの方法です。不動産査定を検討されている方は、複数社に査定依頼できる「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー) 」などの一括査定サービスを利用して、信頼できる不動産会社を見つけることができます。

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この記事のポイント

不動産売却時にかかる印紙税の金額は?

不動産売却時にかかる印紙税の金額は、以下の2つのケースによってわかれます。

  • 契約書にかかる印紙税の金額
  • 売買契約書以外の契約書にかかる印紙税の金額

詳しくは『2.不動産売却時にかかる印紙税の金額』をご覧ください。

不動産売却時に売主が負担する印紙税はいくらか?

不動産売却時に売主が負担する印紙税がいくらかかるかは、以下のとおりです。

  • 不動産売却価格によって400円〜60万円と異なる
  • 平成26年4月1日〜令和6年3月31日までの期間であれば、「軽減税率」が適用されて、200円〜48万円となる

詳しくは『3.不動産売却時に売主が負担する印紙税はいくらか』をご覧ください。

収入印紙の納付方法は?

印紙税の納付方法は、以下のとおりです。

  • 売買契約書に収入印紙を貼り付け消印を押す
  • 税務署で事前に印紙税を納付して証明書をもらう

詳しくは『4.収入印紙の入手と納付方法』をご覧ください。