【2024年(令和6年)最新】マンションの売却相場と調べ方!売却時の注意点も解説

マンションを高く売るには、売却活動を始める前に売却相場を把握しておくことが重要です。

そこで本記事では、2024年(令和6年)最新の主要都市のマンション売却相場や、自分で相場を調べる方法について解説します。中古マンションの相場に関する知識を深めたい、売り時に悩んでいる、といった方は、ぜひ参考にしてください。

マンションを売却する流れについて詳しく知りたい方は、「マンション売却の流れを9ステップで詳しく解説!」をご覧ください。

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Contents

マンション売却相場の入門書!この記事のポイントまとめ

マンション_売却_相場_1

近年の不動産価格指数の推移を見ると、中古マンションの指数は上昇を続けています。

そのため、現在はマンション売却に適したタイミングだといえるでしょう。

主要エリアごとのマンションの最新売却相場については「2.2024年(令和6年)最新!主要都市のマンション売却相場」で解説しています。

また、マンションの売却相場は、自身で調べることも可能です。マンション売却相場の調べ方については「4.相場を自分で調べる方法」をご覧ください。

マンションを売却するまでの全体の流れは「5.マンション売却までの流れ」で解説しています。売却を検討している方はぜひ一度ご確認ください。

最後に、マンションを相場以下で売却しないために気を付けるべき点を「6.マンションを相場よりも安い金額で売却しないための注意点」で解説しています。ぜひ、最後までご覧ください。

1.マンションの売却価格は高騰傾向にある

2024年(令和6年)最新のマンション売却相場を見る前に、近年の売却価格の推移を簡単に確認しておきましょう。

住宅の価格変動を表す国土交通省の「不動産価格指数(令和5年11月・令和5年第3四半期分)」を見ると、区分所有マンションの不動産価格指数は2013年(平成25年)頃から右肩上がりの傾向にあることが分かります。

例えば、2023年(令和5年)は、戸建て住宅の指数が横ばいの状態からやや低下を見せている一方で、マンションでは上昇が続いています。

不動産価格指数令和5年11月分

出典:“不動産価格指数(令和5年11月・令和5年第3四半期分)”. 国土交通省. 2024-02-29. (参照2024-03-18)

また、マンションの不動産価格指数の推移を具体的に見てみると、2010年(平成22年)の平均価格を100とした場合の不動産価格指数は、2013年(平成25年)11月が110.9なのに対し、2023年(令和5年)11月は193.4となっています。

つまり、この10年間でマンションの価格は約1.7倍になっているということです。

2.2024年(令和6年)最新!主要都市のマンション売却相場

マンションの売却相場は築年数や経済情勢、景気などの影響を受けて常に変動しています。

2024年最新の主要都市のマンション売却相場は、下表の通りです。

マンション_売却_相場_グラフ

主要都市 平均売却価格(※)
東京都 6,018万円
埼玉県 2,981万円
神奈川県 3,973万円
千葉県 2,779万円
北海道 2,270万円
愛知県 2,651万円
大阪府 3,173万円
福岡県 2,598万円

参考:“2024(令和6)年1月度月例速報マーケットウォッチ[全国版]”. 東日本不動産流通機構. 2024-01. (参照2024-03-18)をもとに、HOME4Uが独自に作成

主要都市の中でも、特に東京都は売却価格が圧倒的に高いことが分かります。東京都に次いで売却価格が高かったのは、神奈川県、大阪府でした。

このことから、マンション売却価格は人口が集中する大都市圏で高くなりやすいといえるでしょう。

本章では、以下エリアのマンション売却相場について解説します。

2-1.東京都のマンション売却相場

東日本不動産流通機構の「月例速報マーケットウォッチ」によると、2024年(令和6年)1月の東京都の中古マンションの平均売却価格は6,018万円でした。

前年、2023年(令和5年)1月の売却価格と比較して695万円増となり、13.1%の大幅な上昇が見られます。

2024年1月 2023年1月 前年比
売却価格 6,018万円 5,323万円 +695万円
取引件数 1,499件 1,374件 +125件
専有面積 59.99平米 58.52平米 +1.47平米
築年数 21.97年 22.86年 -0.89年

参考:“2024(令和6)年1月度月例速報マーケットウォッチ[全国版]”. 東日本不動産流通機構. 2024-01. (参照2024-03-18)をもとに、HOME4Uが独自に作成

東京都では、特に新築マンションの価格が大きく上昇しています。

新築マンションの価格高騰を受けて、中古マンションの価格も今後しばらくは上昇傾向が続くことが考えられます。

2024年(令和6年)3月現在でも十分高値で売れるかもしれませんが、売却を急がないのであれば、長期的な目線で考えてみてもよいでしょう。

2-2.埼玉県のマンション売却相場

埼玉県のマンション売却相場は2,981万円で、前年の2,685万円と比較して296万円増、率にして11.0%の大幅上昇となりました。

2024年1月 2023年1月 前年比
売却価格 2,981万円 2,685万円 +296万円
取引件数 288件 298件 +10件
専有面積 68.65平米 67.16平米 +1.49平米
築年数 24.85年 26.12年 -1.27年

参考:“2024(令和6)年1月度月例速報マーケットウォッチ[全国版]”. 東日本不動産流通機構. 2024-01. (参照2024-03-18)をもとに、HOME4Uが独自に作成

埼玉県は、首都圏だと東京都・神奈川県に次いで価格上昇の大きいエリアです。

前年に比べて売却価格や取引件数は上がっているものの、平均の築年数が下がっていることから、築浅物件も含めて中古マンションのニーズが高まっていると考えられるでしょう。

ただし、埼玉県は東京への通勤を目的とした方が暮らす郊外というイメージが強く、都心に比べると減少傾向に転じるのが早くなる可能性があります。

したがって、価格が高くなってきている2024年は、中古マンションの売り時といえるかもしれません。

2-3.神奈川県のマンション売却相場

神奈川県のマンション売却相場も、前年に比べて523万円の増加となっており、15.2%の大幅な上昇を記録しています。

2024年1月 2023年1月 前年比
売却価格 3,973万円 3,450万円 +523万円
取引件数 609件 632件 -23件
専有面積 68.17平米 64.31平米 +3.86平米
築年数 24.22年 24.47年 -0.25年

参考:“2024(令和6)年1月度月例速報マーケットウォッチ[全国版]”. 東日本不動産流通機構. 2024-01. (参照2024-03-18)をもとに、HOME4Uが独自に作成

神奈川県は、地域によって中古マンションのニーズに大きな差があるのが特徴です。

例えば、横浜市や川崎市などでは高いニーズがありますが、人気沿線を外れたり、駅から遠い場所になったりすると一気に売れにくくなる傾向にあります。

横浜市や川崎市、人気沿線の駅前などでは今後もしばらく価格が上昇する可能性があるものの、その他の地域では上昇している2024年(令和6年)のうちに売却を検討するとよいでしょう。

2-4.千葉県のマンション売却相場

千葉県のマンション売却相場も、前年に比べて95万円上昇しており、その上昇率は3.5%となっています。

2024年1月 2023年1月 前年比
売却価格 2,779万円 2,684万円 +95万円
取引件数 305件 287件 +18件
専有面積 70.56平米 73.86平米 -3.3平米
築年数 28.52年 26.76年 +1.76年

参考:“2024(令和6)年1月度月例速報マーケットウォッチ[全国版]”. 東日本不動産流通機構. 2024-01. (参照2024-03-18)をもとに、HOME4Uが独自に作成

千葉県も埼玉県や神奈川県と同じく、都心に通勤する層から人気のエリアです。

周辺の都県と同様に売却価格の上昇は見られるものの、上昇幅はあまり大きくありません。

ただし、専有面積も前年に比べて減少しているため、平米当たりの価格で見ると、他都県に引けを取らないほどの上昇幅となっています。

千葉県も郊外に当たるため、都心に比べると価格が下降に転じる時期が早いと考えられます。

そのため、相場が高い2024年(令和6年)のうちに売却するというのも、選択肢の一つでしょう。

2-5.北海道のマンション売却相場

続いて、北海道のマンション売却相場を見てみましょう。

2024年1月 2023年1月 前年比
売却価格 2,276万円 1,896万円 +380万円
取引件数 179件 166件 +13件
専有面積 77.45平米 76.00平米 +1.45平米
築年数 26.04年 28.36年 -2.32年

参考:“2024(令和6)年1月度月例速報マーケットウォッチ[全国版]”. 東日本不動産流通機構. 2024-01. (参照2024-03-18)をもとに、HOME4Uが独自に作成

2024年(令和6年)1月の売却価格は380万円の大幅プラスとなっており、上昇幅では東京都や神奈川県をも凌駕する20%近い急騰が見られました。

道内で中古マンションの供給が多いのは、札幌市周辺です。

このエリアでは、観光ニーズの高まりや2030年度(令和12年度)に予定される北海道新幹線延伸などを背景に、新築マンションへの投資が加熱しています。実際に、札幌の都心部では、投資目的で購入される「住まないマンション」が増えているというデータもあります。

こうした新築マンションの状況が、首都圏を上回る中古マンションの活況に結び付いているのでしょう。

今後も札幌都心部への投資や駅近マンションの人気は続くと考えられることから、マンションの売却はもう少し時期を見てもいいかもしれません。

2-6.愛知県のマンション売却相場

愛知県のマンション売却相場も、前年に比べて338万円上昇しています。上昇率は14.6%と高い水準です。

2024年1月 2023年1月 前年比
売却価格 2,651万円 2,313万円 +338万円
取引件数 293件 300件 -7件
専有面積 75.21平米 74.76平米 +0.45平米
築年数 23.64年 25.63年 -1.99年

参考:“2024(令和6)年1月度月例速報マーケットウォッチ[全国版]”. 東日本不動産流通機構. 2024-01. (参照2024-03-18)をもとに、HOME4Uが独自に作成

愛知県では、中古マンションの取引件数が2023年(令和5年)から、一部の月を除いて減少傾向にあります。

一方、中部圏不動産流通機構のデータによると、在庫物件の数も2023年(令和5年)の1年間で13~14%程度増えています。今後も在庫が膨らんでいけば、値下がりに転じる可能性があることは否定できません。

名古屋市中心部などの中古マンションのニーズが見込めるエリア以外では、2024年(令和6年)中の売却を前向きに検討することをおすすめします。

参考:“中古マンション(愛知県)成約・在庫価格推移”. 中部圏不動産流通機構

2-7.大阪府のマンション売却相場

大阪府のマンション売却相場も、前年に比べて104万円上昇しています。

2024年1月 2023年1月 前年比
売却価格 3,173万円 3,069万円 +104万円
取引件数 671件 617件 +54件
専有面積 66.24平米 67.67平米 -1.43平米
築年数 25.12年 23.83年 +1.29年

参考:“2024(令和6)年1月度月例速報マーケットウォッチ[全国版]”. 東日本不動産流通機構. 2024-01. (参照2024-03-18)をもとに、HOME4Uが独自に作成

2024年(令和6年)1月こそ、売却価格の上昇率は3%程度にとどまっていますが、2023年(令和5年)11月・12月は前年比で10%以上の上昇を見せており、上昇トレンドにあるといえるでしょう。

特に、大阪府では2025年(令和7年)に万博が開催されることもあり、マンション購入需要は今後さらに高まることも考えられます。

需要が高まれば、マンション価格のさらなる上昇も期待できるため、売却を急ぐ事情がなければ、もう少し市場の状況を見守るのもよいでしょう。

2-8.福岡県のマンション売却相場

福岡県のマンション売却相場は、下表の通りです。

2024年1月 2023年1月 前年比
売却価格 2,598万円 2,318万円 +280万円
取引件数 275件 211件 +64件
専有面積 65.49平米 65.87平米 -0.38平米
築年数 24.14年 23.61年 +0.53年

参考:“2024(令和6)年1月度月例速報マーケットウォッチ[全国版]”. 東日本不動産流通機構. 2024-01. (参照2024-03-18)をもとに、HOME4Uが独自に作成

福岡県も前年に比べて280万円、率にして12.1%の価格上昇となっています。

2023年(令和5年)7月には前年比21.6%の大幅な上昇を記録するなど、前年を大きく上回る月もあり、中古マンション市場は堅調だといえるでしょう。

特に福岡市は人口が増え続けている都市であり、今後も取引件数の増加や売却価格上昇が期待できます。その一方で、北九州市など、人口減少に歯止めがかからない地域もあります。

福岡市やその周辺エリアでは今後も値上がりが期待できるものの、県内の他のエリアでは、2024年(令和6年)のうちに売却を検討してもいいかもしれません。

築年数別の売却相場の変化などを知りたい方は、「築年数別のマンション売却の注意点!築古物件を高く売る方法は?」をご覧ください。

3.マンションを売却すべきタイミング

現在のマンション相場が分かったところで、実際に売却を行うタイミングについて考えていきましょう。

本章では、5つの指標から最適な売却タイミングを考察します。

3-1.市況がいいタイミング

マンションの市場が上昇トレンドの時は売却に適していますが、今後さらに価格が上昇する可能性があるため、急いで売却する必要はないでしょう。

反対に、下降トレンドの場合は、できるだけ早く売却したほうがいいと考えられます。

以下は、国土交通省が発表している不動産価格指数のグラフで、2010年の平均価格を100とした場合の相対的な価格変化を示しています。

不動産価格指数令和5年10月分

出典:“不動産価格指数(令和5年10月・令和5年第3四半期分)”. 国土交通省. 2024-01-31. (参照2024-03-18)

近年の不動産売却市場は、継続的な上昇トレンドであり、未曾有の高値を記録しています。

しかし、日銀による金融政策の変更によって金利上昇が起こるなど、不動産への影響が大きいトピックがあれば、一気に下落へ転じる可能性もあります。

また、中古マンションが高値で売却できるということは、同様に購入価格も高い状態といえます。

マンションへの住み替えを考えている方は特に、市況にこだわらずに売り時を考えても、損益に大きな影響はないでしょう。

金利動向を含め、中古マンション市場がどのように変化するかは、見通しが難しいのが実情です。その上、不動産の売却には時間がかかるため、相場に変化が見られた段階で売却活動に入れるよう、早い段階で不動産査定をしておくことをおすすめします。

不動産の査定は、複数の不動産会社に依頼して比較することが重要です。

複数社の比較には、不動産一括査定サイト「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」が便利です。

全国から厳選した約2,300社の不動産会社のなかから、物件の条件に合った会社がピックアップされるので、信頼できる売却パートナーを見つけられるでしょう。

3-2.新築マンションの価値が上がっている時

2.2024年(令和6年)最新!主要都市のマンション売却相場」でも紹介したように、中古マンションの価格は新築マンション市場の動向に比例します。

新築マンションが高騰すると、予算を抑えるために新築にこだわらず、条件の合う中古マンションを探そうという購入希望者層が増えます。

その結果、立地や利便性の良い物件を中心に、中古マンションの相場も上昇する、ということです。

中古マンションを少しでも早く高く売りたいのであれば、新築マンション価格が上昇トレンドにある時を狙って売却するとよいでしょう。

3-3.5年超の長期保有後

不動産を売却した際には、売却益(正確には譲渡所得)に対して、所得税(復興特別所得税を含む)と住民税が発生し、この2つの税金を合わせて譲渡所得税と呼びます。

譲渡所得税は、売却する物件の所有期間によって税率が異なるため、売却のタイミングを考える際の重要な指標になるでしょう。

税率が所有期間5年を境に以下のように変わるため、5年を超えたタイミングで売却するほうが税金を抑えられます。

所有期間 住民税 所得税 合計
5年以下 9% 30.63% 39.63%
5年超 5% 15.315% 20.315%

ただし、売却益が発生しない取引ではそもそも税金がかからないため、所有期間を気にする必要はありません。

また、税金が発生してもマイホームの売却であれば、譲渡所得から最高で3,000万円を控除できる「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(以降、3,000万円特別控除の特例)」を利用できます。

3,000万円特別控除の特例を利用すると、住み替え先で住宅ローン控除を利用できないといったデメリットもありますが、税金を気にして売却を先延ばしにする必要はなくなるでしょう。

参考:
“No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)”. 国税庁
“No.3302 マイホームを売ったときの特例”. 国税庁

3-4.11月を目安に査定を依頼する

不動産市場には、繁忙期と閑散期があります。賃貸取引と比較すると顕著ではないものの、マンション売買においても意識しておきたいところです。

具体的には、最も取引が盛んになる3月頃が、最も高くマンションを売却しやすい時期といえます。

3月は新年度に向けた住み替えや引越しのシーズンにあたり、マンションへのニーズが高まるためです。

次いで、企業の大規模な人事異動の時期を控えた9月も取引が多くなる傾向にあります。

ただし、同マンション内で別の売り出しがあるなどして、競合物件が増えることで価格競争に巻き込まれる可能性も理解しておきましょう。

シーズン

一方、8月は最も取引量が少なく、12月も市場の閑散期といえます。

閑散期は準備期間と考えて、繁忙期の3月までに売り出しを開始できるよう、11月頃に不動産会社への査定依頼を済ませて、全体的なスケジュールを立てましょう。

不動産会社の一括査定は、20年以上の実績を誇る老舗の不動産査定サイトである「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)にお任せください。

3-5.大規模修繕の後もチャンス

各マンションの大規模修繕後も、売却に適したタイミングです。

大規模修繕で実施する内容は、外壁塗装や屋上防水、エレベーターの更新など多岐にわたります。大規模修繕を行うと見た目がきれいになるだけでなく、住まいの設備も整備・更新され、安心性や快適性も向上するでしょう。

購入希望者に対して良い印象を与えることができれば、高額売却を実現できる可能性も高まります。

また、大規模修繕は10~15年に1回の頻度で行うのが一般的であるため、一度実施するとしばらくは実施する必要がありません。

購入希望者からすれば、購入後しばらくは工事による制限がかからないことも、大きなメリットになるでしょう。

3-6.築年数は20年を超えると黄色信号

築年数が経過する程、建物の価格は下がっていきます。

土地は築年数の影響を受けませんが、地価も下がっている地域では、土地価格も下落が想定されるため、できるだけ早く売ることが大切です。

現在は、マンションの価格が上昇傾向にあるため、基本的には過度に築年数を気にする必要はないでしょう。

しかし、一つの目安として、築20年あたりからはできるだけ早く売却することをおすすめします。

以下のグラフは、2022年(令和4年)の成約物件の築年数別平米単価のグラフで、薄い青色で価値の下落度合いを表しています。

なだらかなグラフではありますが、「築16~20年」と「築26~30年」のデータ間で下落の度合いが大きく、28%も価値が下落しています。

築年別の成約物件平米単価と価格下落の度合

参考:“築年数から見た首都圏不動産流通市場(2022年)”. 東日本不動産流通機構. 2023-01-23. (参照2024-03-18)をもとに、HOME4Uが独自に作成

上のグラフを踏まえると、築20年までを目安に売却を検討するのがよいでしょう。

3-7.競合物件の動向

条件が近い周辺物件や、同マンション内の売り物件の存在は、売却価格に影響を与えます。

購入希望者は、コストパフォーマンスを複数の物件から相対的に判断するので、競合物件の価格や売り方が売却結果に大きく関わります。

例えば、競合物件が相場よりも高い価格で売り出している場合には、一般的な相場価格でも優位性を保つことができるため、比較的売れやすくなるでしょう。

反対に、競合物件が相場よりも大幅に安い価格で売り出している場合は価格競争が起こるため、適宜値下げを考える必要があります。

マンション売却を検討する際は、競合物件の有無や売り出し価格の状況を事前にリサーチしておくことが重要です。

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4.相場を自分で調べる方法

マンションを高値で売却するには、不動産会社に査定依頼する前に、自分で相場を調べ、ある程度シミュレーションしておくことが大切です。

マンションの売却相場は、次の3つのサイトを使って自分で調べることができます。

それぞれの特徴や使い方について詳しく解説します。

4-1.レインズ・マーケット・インフォメーション

レインズ・マーケット・インフォメーションは、不動産流通機構が運営するサイトです。

これまでの売買取引から、一戸建てとマンションの売却価格を調べることができます。

レインズの仕組みや目的、便利な使い方などについては「レインズ(REINS)とは?仕組み・活用メリットと便利な使い方を解説!」を参考にしてください。

4-2.土地総合情報システム

土地総合情報システムは、不動産売買の経験のある方を対象としたアンケート結果をもとに、不動産価格に関するあらゆる情報を公開しているサイトです。

土地総合情報システム

出典:“土地総合情報システム”.(参照2024-03-18)

土地総合情報システムでは、過去のデータから成約価格を調べることができます。取引事例の少ないエリアもありますが、おおよその相場を知りたい時に活用できるでしょう。

4-3.不動産情報サイト

同じようなマンションがどれくらいの価格で売り出されているのかを知りたい時は、不動産情報サイトを活用しましょう。

不動産情報サイトを使うなら、「中古住宅HOME4U(ホームフォーユー)」がおすすめです。

出典:中古住宅HOME4U

中古住宅HOME4U」を利用して価格を調べるには、「相場価格から探す」を選択して「マンション」を選択し、売却する土地の所在地を選びます。

すると、「中古住宅HOME4U」に掲載されている物件のエリアと面積ごとの価格(平均値)が一覧で表示されます。

東京都の相場

ただし、「中古住宅HOME4U」に記載されているのは売り出し価格であるため、成約価格になるともう少し下がる可能性があります。

したがって、売却価格を設定する上での参考と捉えてください。

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5.マンション売却までの流れ

マンション売却の流れ

マンション売却の基礎知識として、売却までの一連の流れを簡単に紹介します。

  1. 全体の流れを把握する
  2. 必要書類の準備
  3. マンション査定を依頼
  4. 付帯設備表と告知書の記載
  5. 不動産会社と媒介契約を締結
  6. 売却活動を開始
  7. 売買契約を締結
  8. 引き渡し
  9. 確定申告

売却に向けた事前準備が、上の画像中の「1.全体の流れを把握する」と「2.必要書類の準備」にあたります。

その後の「3.マンション査定を依頼」から、具体的な活動がスタートします。

複数の不動産会社に査定依頼をした上で、信頼できる不動産会社に出会ったら、「5.不動産会社と媒介契約を締結」し、本格的な売却活動へと移行します。

売却活動には、1~3ヵ月程度かかるのが一般的です。購入希望者が見つかったら、「7.売買契約の締結」を行い、「8.引き渡し」までの間に引越しを完了させます。

そして、売却益が出た場合や特例を利用する場合には、売却した翌年に「9.確定申告」を行います。

売却にかかる期間の目安は、売却活動の1~3ヵ月を含め、全体で約6ヵ月と考えておきましょう。

マンション売却の流れについて、より詳しく知りたい方は、「マンション売却の流れを9ステップで詳しく解説!」を確認してください。

6.マンションを相場よりも安い金額で売却しないための注意点

せっかく売却相場を把握しても、相場より安い金額で売却してしまっては意味がありません。相場よりも安い金額で売却しないためには、以下の点に注意が必要です。

  • 相場よりも高い売り出し価格を設定する
  • 囲い込みに注意する
  • 査定は複数社に依頼する

それぞれの注意点について、詳しく解説します。

6-1.相場よりも高い売り出し価格を設定する

マンション_売却_相場_2

マンションを売却する際は、売り出し価格を相場よりも高く設定しましょう。

マンションの売り出し価格は、あくまで売り出す際の価格であり、最終的な売却価格は買い手との交渉の末に決まります。

最初から相場を売り出し価格に設定してしまうと、買い手から値引き交渉があった場合に相場よりも安い価格で売却することになります。

したがって、売り出し価格は相場よりも高く設定することが重要です。

具体的には、相場よりも一割程度高い価格で売り出すことをおすすめします。

不動産会社と相談した上で、売り出し価格を調整・設定しましょう。

6-2.囲い込みに注意する

マンション売却で注意しなければならないのが、囲い込みです。

囲い込みとは、仲介を依頼する不動産会社が自社で見つけた買主と売買させるために、他社が売買に関する問い合わせをできないよう、意図的に調整する行為を指します。

138_1(囲い込みとは)

囲い込みにより、仲介する不動産会社は両手仲介(仲介を依頼された不動産会社が売主を見つけて売買契約を結ぶこと)の状態となるため、売主と買主の両方から仲介手数料を得られます。

両手仲介自体は宅建業法違反になりませんが、専任媒介契約を締結したにも関わらず、両手仲介をするためにレインズへの報告を意図的に怠った場合には、違法とみなされます。

囲い込みをされると、買主を見つけるのに時間がかかるほか、売却のチャンスを逃してしまうなど、売主にも大きな影響が出ることは避けられません。

販売活動の開始後、内覧希望が極端に少ない、レインズへの登録がないといった場合には、不動産会社に状況を確認しましょう。

6-3.査定は複数社に依頼する

マンション_売却_相場_3

相場よりも安い金額での売却を避けるには、複数社への査定依頼が重要です。

これは、不動産会社がそれぞれに独自の査定基準を設けており、査定結果に差が生じるためです。

中には、査定額に100万円以上の差が生じるケースもあるため、それぞれの不動産会社から提示された査定結果や査定の根拠を確認し、慎重に比較検討しましょう。

少しでも疑問点があれば、不動産会社に問い合わせをして「本当にこの査定結果が妥当なのか」を確認してください。

なお、不動産査定を複数社に依頼する際に便利なのが、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」です。

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7.マンション相場に関するQ&A

最後に、中古マンションの売却相場に関して、よくある質問にお答えします。

7-1.築○○年のマンションの値下がり率はどのくらいですか?

築年数による中古マンションの値下がり率は、下表のようになります。

併せて、新築時の価格が3,000万円の物件、4,000万円の物件で、どれくらい価格が変化するのかをシミュレーションしました。

築年数 築0~5年に対する値下がり率 3,000万円の物件の想定 4,000万円の物件の想定
築0~5年 3,000万円 4,000万円
築6~10年 ▲6.7% 2,799万円 3,732万円
築11~15年 ▲16.5% 2,505万円 3,340万円
築16~20年 ▲20.9% 2,373万円 3,164万円
築21~25年 ▲35.4% 1,938万円 2,584万円
築26~30年 ▲57.3% 1,281万円 1,708万円
築31年以上 ▲67.0% 990万円 1,320万円

参考:“築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)”. 東日本不動産流通機構. (参照2024-03-18)をもとに、HOME4Uが独自に作成

エリアや物件の状況によって値下がり率は異なりますが、上表の通り、築20年頃から値下がり幅が大きくなるのが一般的なため、築20年を目安に売却を検討することをおすすめします。

7-2.マンションの相場(資産価値)はどうやって決まりますか?

マンションの相場を左右する要素としては、主に次のような項目が挙げられます。

  • 周辺の中古マンションの制約状況
  • 周辺環境の良さ
  • 階数・方位・間取り・専有面積の状況
  • 日当たりや風通し、眺望の良さ

ただし、上記以外に個別の要因が資産価値に影響するケースもあるため、一概に「何によって決まる」とは言い切れません。

7-3.築25年のタイミングでマンションの相場が下がる理由は?

築25年のタイミングでマンションの相場が下がるのは、築25年を超えると、住宅ローン控除をはじめとした、買主が受けられる税制優遇が適用されなくなるからです。

なお、住宅ローン控除の改正により、中古マンションにおける適用要件から築年数要件が削除されました。

そして、新たに「1982年(昭和57年)以降に建築された住宅(新耐震基準が適用されている住宅)」という要件が追加されています。

つまり、2024年(令和6年)3月時点で築42年以下の物件であれば、住宅ローン控除を受けられる可能性があるということです。

参考:“住宅ローン減税制度について”. 国土交通省

まとめ

近年、中古マンションの価格は全国各地で高騰しています。

首都圏をはじめとする都市部では、2024年(令和6年)もマンション価格が高い状況が続いています。特に東京都心では、今後もしばらくは上昇傾向が続く可能性が高いでしょう。

一方、郊外や地方の中核都市では、今後価格が下落に転じることも考えられます。

また、金利動向などによって全体的に下落トレンドになる可能性も否定できません。そのため、2024年(令和6年)は中古マンションの売り時といえるでしょう。

今回紹介した売却時の注意点も踏まえて、複数の不動産会社に査定依頼をするところから、マンション売却をスタートしてはいかがでしょうか。

査定依頼の際は、ぜひ「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」をご活用ください。