タワーマンションとは?居住のメリット・デメリットや物件の選び方について全解説

タワーマンション メリット・デメリット解説

従来のマンションよりも際立って高いタワーマンションは、洗練されたデザインや眺望、設備・サービスが充実している点が大きな魅力です。しかし、価格や住み心地が気になる方もいるでしょう。

本記事では、タワーマンションの価格・家賃の目安から項目別ランキング、居住のメリット・デメリット、物件の選び方、高く売るコツまで解説します。

この記事を読むとわかること
  • タワーマンションの定義
  • タワーマンションの価格・家賃の目安
  • 東京のタワーマンションのランキング(高さ、総戸数、販売価格、賃貸価格)
  • タワーマンションに住むメリット・デメリット
  • タワーマンションを高く売却するコツ
「マンションを売りたい」と悩んでいる方へ
  • 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格”を見つけましょう
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます

Contents

1.タワーマンションの定義とは?

タワーマンションとは、従来のマンションより際立って高いマンションのことです。高さや階数に関する法的な定義は存在しませんが、一般的に「高さ60m以上」あるいは「20階以上」の超高層マンションを指します。

建築基準法では、建築物の区分が高さや構造によって定められており、その一つに「高さ60m超」という基準があります。マンションの階高は3m程度であるため、60mの建物は20階程度に相当します。高さ60m(20階)を超える建物は、以前「超高層建築物」という扱いだったこともあり、タワーマンションの定義として応用されているのです。

また、東京都の環境アセスメント条例が適用される条件である「高さ100m超」「延べ面積10万㎡超」「住宅戸数1,500戸以上」を満たすマンションをタワーマンションと定義することもあります。

なお、高層マンションは高さ31m以上で10階以上、低層マンションは高さ10m以下で2~3階建てのマンションを指します。こちらも法的に定義されているわけではないため、あくまで目安として覚えておいてください。

1-1.タワーマンションは国土交通省認定の建物

タワーマンションのような大規模な建築物は、一般的な建築物とは異なり、国土交通大臣から認定を受けたうえで建設されます。

高層の建物ほど、耐震性能や耐火性能、避難安全性能で求められるレベルが上がるため、建築基準法や消防法によって、構造・材料の厳しい基準が定められています。

例えば、はしご車が届かないタワーマンションには、火災発生時でも使える非常用エレベーターを設置する必要があります。また、高さ100m以上のタワーマンションであれば、屋上に緊急用ヘリポートの設置を義務づける、といったルールもあります。

2.タワーマンションの価格・家賃の目安

札束とタワーマンションの模型

タワーマンションの価格・家賃は、立地、階層、設備、築年数などによって変動します。特に立地による影響は大きいため、事前に公示地価を調べておくと、価格・家賃のイメージがつかみやすくなるでしょう。

参考情報として、タワーマンションが多い地域の公示地価を以下にまとめました。

地域 地域詳細 公示地価
東京都中央区 月島3丁目 139万円/平米
晴海5丁目 114万円/平米
佃3丁目 210万円/平米
東京都江東区 辰巳1丁目 52.3万円/平米
南砂2丁目 65.5万円/平米
豊洲4丁目 82万円/平米
東京都港区 赤坂6丁目 291万円/平米
南麻布4丁目 375万円/平米
芝浦2丁目 173万円/平米
川崎市中原区 下小田中2丁目 45.3万円/平米
小杉陣屋町2丁目 42万円/平米
名古屋市中区 栄2丁目 170万円/平米
丸の内3丁目 134万円/平米
大阪市北区 天満1丁目 43.3万円/平米
紅梅町 79.1万円/平米
大阪市中央区 森ノ宮中央1丁目 56.3万円/平米
上町1丁目 81.2万円/平米

詳しい情報は、国土交通省のサイトでご確認ください。

参考:“国土交通省地価公示・都道府県地価調査”. 国土交通省. (参照2024-01-17)をもとに、HOME4Uが独自に作成

2-1.分譲価格の相場

タワーマンションの新築分譲価格は、東京なら4,000万円~2億円、大阪なら5,000万円~2億円程度です。どちらも地域によって差があり、中心地から遠くなると価格が安くなる傾向にあります。

中古物件の場合、東京なら3,000万円~2億円、大阪なら4,000万円~1.5億円程度です。こちらも地域差が大きいものの、新築のマンションとそれほど価格が変わらない物件も多く見受けられます。

また、低層階なら比較的安い価格で購入できます。

2-2.家賃の相場

東京の都心部(港区、新宿区、千代田区など)の賃貸タワーマンションの平均家賃は、30万円~40万円程度といわれています。高層階だと家賃が50万円を超えることもありますが、100万円を超えるケースは稀です。

一方、都心部以外の地域や地方都市であれば、家賃10万円台または10万円以下の物件も多いので、比較的手が届きやすいでしょう。

3.【2023年版】東京のタワーマンションランキング

東京には、数多くのタワーマンションが建てられています。そこで、以下のような項目に分けて、実際に存在するタワーマンションをランキング形式で紹介します。

  • 高さ
  • 総戸数
  • 販売価格
  • 賃貸価格

3-1.東京のタワーマンションランキング【高さ編】

【1位】麻布台ヒルズ森JPタワー 約330m

麻布台ヒルズ森JPタワー

価格:20億円~300億円(予定)
所在地:東京都港区麻布台1丁目
交通:東京メトロ日比谷線「神谷町」駅から徒歩6分
階数:地上64階・地下5階(高さ約330m)
総戸数:約1,400戸
築年月:2023年6月

【2位】虎ノ門ヒルズレジデンス 約247m

虎ノ門ヒルズレジデンス

価格:7,980万円~7億6,000万円
所在地:東京都港区虎ノ門1丁目
交通:東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅から徒歩1分
階数:地上52階・地下5階(高さ約247m)
総戸数:172戸
築年月:2014年5月

【3位】虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワー 約220m

虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワー

価格:9億6,000万円~25億5,000万円
所在地:東京都港区愛宕1丁目
交通:東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅から徒歩2分
階数:地上54階・地下4階(高さ約220m)
総戸数:547戸
築年月:2022年1月

【4位】アークヒルズ仙石山レジデンス 約207m

アークヒルズ仙石山レジデンス

価格:1億8,759万円~43億740万円
所在地:東京都港区六本木1丁目
交通:東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅から徒歩4分
階数:地上47階・地下4階(高さ約207m)
総戸数:243戸
築年月:2012年8月

【5位】THE TOKYO TOWERS 約193m

THE TOKYO TOWERS

価格:7,340万円~4億7,051万円
所在地:東京都中央区勝どき6丁目
交通:都営大江戸線「勝どき」駅から徒歩5分
階数:地上58階・地下2階(高さ約193m)
総戸数:約2,800戸
築年月:2008年1月

3-2.東京のタワーマンションランキング【総戸数編】

【1位】THE TOKYO TOWERS 約2,800戸

THE TOKYO TOWERS

価格:7,340万円~4億7,051万円
所在地:東京都中央区勝どき6丁目
交通:都営大江戸線「勝どき」駅から徒歩5分
階数:地上58階・地下2階(高さ約193m)
総戸数:約2,800戸
築年月:2008年1月

【2位】ワールドシティタワーズ 2,090戸

ワールドシティタワーズ

価格:5,310万円~3億5,520万円
所在地:東京都港区港南4丁目
交通:JR山手線「品川」駅から徒歩14分
階数:地上42階・地下2階(高さ約139m)
総戸数:2,090戸
築年月:2006年3月

【3位】アーバンドック パークシティ豊洲 1,481戸

アーバンドック パークシティ豊洲

価格:6,558万円~5億5,839万円
所在地:東京都江東区豊洲2丁目
交通:東京メトロ有楽町線「豊洲」駅から徒歩6分
階数:地上52階・地下1階(高さ約179m)
総戸数:1,481戸
築年月:2008年3月

【4位】東京フロンティアシティアーバンフォート 1,313戸

東京フロンティアシティアーバンフォート

価格:4,014万円~9,042万円
所在地:東京都荒川区南千住8丁目
交通:東京メトロ日比谷線「南千住」駅から徒歩15分
階数:地上20階・地下1階(高さ約60m)
総戸数:1313戸
築年月:2007年1月

【5位】Wコンフォートタワーズ 1,149戸

Wコンフォートタワーズ

価格:3,696万円~3億9,685万円
所在地:東京都江東区東雲1丁目
交通:東京メトロ有楽町線「辰巳」駅から徒歩7分
階数:地上54階・地下2階(高さ約179m)
総戸数:1,149戸
築年月:2004年10月

3-3.東京のタワーマンションランキング【販売価格編】

【1位】六本木ヒルズレジデンス 9億8,000万円

六本木ヒルズレジデンス

賃料:3億2,490万円~約9億8,000万円
所在地:東京都港区六本木6丁目
交通:東京メトロ日比谷線「六本木」駅から徒歩6分
階数:地上43階・地下2階(高さ約159m)
総戸数:566戸
築年月:2003年4月

【2位】虎ノ門ヒルズレジデンス 7億6,000万円

虎ノ門ヒルズレジデンス

価格:7,980万円~7億6,000万円
所在地:東京都港区虎ノ門1丁目
交通:東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅から徒歩1分
階数:地上52階・地下2階(高さ約247m)
総戸数:172戸
築年月:2014年5月

【3位】パークコート青山ザタワー 5億7,000万円

パークコート青山ザタワー

価格:2億3,325万円~5億7,000万円
所在地:東京都港区南青山2丁目
交通:東京メトロ銀座線「青山一丁目」駅から徒歩3分
階数:地上26階・地下1階(高さ約105m)
総戸数:163戸
築年月:2018年3月

【4位】東京ツインパークス レフトウィング 5億円

東京ツインパークス レフトウィング

価格:5,736万円~5億円
所在地:東京都港区東新橋1丁目
交通:都営大江戸線「汐留」駅から徒歩2分
階数:地上47階・地下2階(高さ約165m)
総戸数:577戸
築年月:2002年9月

【5位】グランドヒルズ恵比寿 4億9,500万円

グランドヒルズ恵比寿

価格:1億1,500万円~4億9,500万円
所在地:東京都渋谷区恵比寿1丁目
交通:JR山手線「恵比寿」駅から徒歩8分
階数:地上23階建・地下2階(高さ約80m)
総戸数:310戸
築年月:2019年3月

3-4.東京のタワーマンションランキング【賃貸価格編】

【1位】六本木ヒルズレジデンス 最高481万円

六本木ヒルズレジデンス

賃料:20万円~481万円
所在地:東京都港区六本木6丁目
交通:東京メトロ日比谷線「六本木」駅から徒歩6分
階数:地上43階・地下2階(高さ約159m)
総戸数:566戸
築年月:2003年4月

【2位】ラ・トゥール渋谷 最高320万円

ラ・トゥール渋谷

最高賃料:56万円~320万円
所在地:東京都渋谷区東1丁目
交通:東京メトロ各線「渋谷」駅から徒歩6分
階数:地上25階・地下3階(高さ約122m)
総戸数:121戸
築年月:2010年09月

【3位】元麻布ヒルズフォレストタワー 最高270万円

元麻布ヒルズフォレストタワー 

賃料:79万円~270万円
所在地:東京都港区元麻布1丁目
交通:東京メトロ南北線「麻布十番」駅から徒歩7分
階数:地上29階・地下3階(高さ約96m)
総戸数:180戸
築年月:2002年05月

【4位】アークヒルズ仙石山レジデンス 最高265万円

アークヒルズ仙石山レジデンス

賃料:35万円~265万円
所在地:東京都港区六本木1丁目
交通:東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅から徒歩4分
階数:地上47階・地下4階(高さ約207m)
総戸数:243戸
築年月:2012年8月

【5位】ザ・パーク・レジデンシィズ・アット・ザ・リッツ・カールトン東京 最高235万円

ザ・パーク・レジデンシィズ・アット・ザ・リッツ・カールトン東京

賃料:55万円~235万円
所在地:東京都港区赤坂9丁目
交通:都営大江戸線「六本木」駅から徒歩3分
階数:地上29階・地下2階(高さ約101m)
総戸数:244戸
築年月:2007年1月

4.タワーマンションに住むメリット

タワーマンションと商業施設

タワーマンションには、以下のようなメリットがあります。

  • 資産価値が高い
  • ステータス性が高い
  • 眺望が良い
  • 日当たりが良い
  • 利便性に優れている
  • 共用設備が充実している
  • セキュリティ対策が充実している
  • コンシェルジュサービスを利用できる
  • 虫が少ない

本章では、各メリットの概要について解説します。

4-1.資産価値が高い

タワーマンションは総じて、資産価値が高い傾向にあります。中古物件でも高値で売却できる可能性が高いため、将来的な売却を考えている方には特におすすめです。

タワーマンションの資産価値が高い理由としては、新築物件が高値で取引されていることが挙げられます。「タワーマンションに住みたいけれど、新築だと高すぎて手が出ない」と考える層が中古のタワーマンションを検討するため、中古物件であっても高い需要が見込めて、資産価値も落ちづらいのです。

4-2.ステータス性が高い

タワーマンションは一般的に「高級で華やか」「お金持ちの家」といったイメージがあり、設備やサービスも非常に充実しています。そこに住んでいるだけで高いステータス性を得られることから、周りから一目置かれる存在になれるでしょう。

実際、高いステータス性に魅力を感じてタワーマンションに住む方も多く、人気や資産価値の向上につながっています。

4-3.眺望が良い

階数や周辺環境にもよりますが、タワーマンションは眺望に優れた物件が多いことも大きなメリットです。

特に、高層階は周りに視界を遮る建物がないので、美しい自然の景色やきらびやかな夜景を存分に堪能できます。場所によっては遠くの山々や海まで見渡せたり、ベストポジションで花火大会を観覧したりすることも可能です。

また、眺望の良さを活かせるよう、大きな窓が取りつけられている物件も少なくありません。大きな窓から眼下に広がる景色を見渡す感覚は、普通のマンションや戸建てだと味わえない、タワーマンションならではの魅力です。

さらに、タワーマンションの高層階は外から部屋を見られることがないため、カーテンを開けたまま生活しても問題ありません。自分たちのプライバシーを保護しつつ、より開放感を得られることもメリットです。

4-4.日当たりが良い

タワーマンションは1階部分に住戸を設けず、天井を高くとっているケースがよく見受けられます。そのため、低層階であっても従来のマンションの3階くらいの日当たりが見込める点もメリットです。

また、タワーマンションは建物の敷地自体が広いので、日が差し込みにくい北向き住戸でも一日中薄暗くなることはなく、十分な明るさを確保できます。

さらに、高層階なら日差しを遮る建物が周囲にないため、日が差しこむ時間がより長くなることも魅力の一つです。

4-5.利便性に優れている

タワーマンションの多くは街の中心部や駅の近くなど、生活環境が整った好立地に建てられています。周辺には、スーパー、コンビニ、病院、保育園といった施設が一通りそろっており、生活の利便性も優れているでしょう。

物件によっては1階部分に商業施設が入っているので、日々の買い物や外食をタワーマンション内で済ませることができます。

また、交通アクセスに優れた物件が多いことも見逃せません。最寄り駅まで徒歩数分で行ける物件に住めば、通勤・通学の負担を減らせます。さらに、物件によっては最寄り駅に直結しているため、雨の日でも傘をささず移動できる、夜遅くに帰っても暗い外へ出ることなく帰宅できるといった点もメリットです。

4-6.共用設備が充実している

タワーマンションには、住人用の共用設備が充実している物件も数多く存在します。ゲストルーム・シアタールーム・パーティールーム・フィットネスジムなどさまざまですが、高級ホテル並の設備を備えている物件も少なくありません。

例えば、パーティールームを貸し切って家族や友人の誕生日パーティーを開催したり、フィットネスジムに通って体を鍛えたりするなど、住人特権で必要に応じて利用できる点は大きな魅力です。

物件によっては眺望の良さを活かし、高層階に展望室、オープンラウンジ、空中庭園などを設けているケースもあり、絶景を堪能することができます。

また、近年はコワーキングスペースを設置している物件も増え、テレワークで働いている場合には、気分を変えて仕事に取り組むことも可能です。

そのほか、各階のゴミ置き場に24時間いつでもゴミ出しできる物件もあるので、ゴミの回収日を意識しなくて済むこともメリットと言えるでしょう。

4-7.セキュリティ対策が充実している

防犯カメラ、防犯センサー、二重オートロック、顔認証など、優れたセキュリティ対策を導入している物件が多いのも、タワーマンションの魅力でしょう。これらのセキュリティ対策をすべて突破することは困難であり、不法侵入や空き巣といった犯罪防止に役立つため、一人暮らしでも安心です。

また、管理人や警備員が24時間常駐したり、定期的にタワーマンション内を巡回したりする「有人管理」を導入している物件も少なくありません。機械と人間による二重の警備体制を敷いている場合には、より大きな安心感を得られます。

さらに、タワーマンションは建物の性質上、窓や屋上から侵入される可能性が低いこともポイントです。

4-8.コンシェルジュサービスを利用できる

タワーマンションによってはホテルと同様に、エントランスの受付にコンシェルジュが常駐している物件もあります。コンシェルジュは、以下のようなサービスで住人のニーズに応えてくれます。

  • 共用設備の予約受付
  • ゲストの案内
  • 宅配便やクリーニング品の受け取り
  • タクシーやハイヤーの手配
  • フードデリバリーやケータリングの手配

常駐のコンシェルジュの存在はセキュリティの観点から見ても、メリットが大きいといえるでしょう。

4-9.虫が少ない

マンションと虫

高層階になればなるほど、蚊、ハエ、ゴキブリといった害虫の数が減ります。高層階は風の勢いが強く、虫は飛んでくることも壁を登ってくることも難しいからです。窓を開けても虫が侵入する可能性は低いので、快適に生活できます。

また、タワーマンションは廊下が屋内にある内廊下方式の物件が多く、そもそも虫が侵入しにくい構造です。さらに、近年は蛍光灯ではなくLED照明を使った物件が多く、虫が寄りつきにくくなっています。

5.タワーマンションに住むデメリット

タワーマンションには、以下のようなデメリットもあります。

  • ベランダに洗濯物を干せない
  • エレベーターの待ち時間が長い
  • 地震や強風で揺れやすい
  • 災害時のリスクが大きい
  • 電波がつながりにくい
  • 管理費が高い
  • 修繕積立金が高い

5-1.ベランダに洗濯物を干せない

タワーマンションは、強風対策や景観維持の観点から、ベランダに洗濯物を干すことを禁止している物件も少なくありません。そもそもベランダ自体を設けていない物件も多いので、基本的に室内で乾かす方法を考える必要があります。

服なら浴室乾燥機や衣類乾燥機で乾かせますが、布団やカーペットといった大きな洗濯物は対処が難しいので、クリーニングなど別の方法を検討しなければなりません。宅配クリーニングを利用する手もありますが、それなりの費用がかかります。

5-2.エレベーターの待ち時間が長い

タワーマンションの昇降には、エレベーターの利用が不可欠です。しかし、階層に比例して総戸数も多くなるため、どうしてもエレベーターが混雑しやすい傾向にあります。

特に、平日朝の通勤・通学時間帯は多くの方がエレベーターを利用するため、待ち時間も長くなりがちです。階数・住戸数が多い分、地上までスムーズに降りることができず、ストレスが溜まるかもしれません。

このような問題を解決するため、近年はエレベーターの台数を多めに設置したり、低層階・高層階でエレベーターを分けて設置したりする物件も増加しています。エレベーター渋滞を避けたいなら、あらかじめ台数や仕組みをチェックしましょう。

5-3.地震や強風で揺れやすい

タワーマンションは高さがあるので、普通のマンションに比べると地震や強風の影響を強く受けます。高層階になるほど大きく揺れやすいため、転倒・落下しないよう家具や家電を固定する、重量物や割れものを高い位置に置かないといった対策が欠かせません。

また、タワーマンションには、振動や衝撃を受け止めて揺れを吸収する「制震構造」や、建物と地盤を切り離して揺れを逃がす「免震構造」を採用している物件もあります。地震や強風による揺れを最小限に抑えられるため、建物の構造も物件選びの際にチェックしましょう。

5-4.災害時のリスクが大きい

先述のように、タワーマンションにはエレベーターが不可欠ですが、地震や台風によって停電するとエレベーターも停止するので、階段で昇り降りしなければなりません。停電とともに断水が起こった場合、階段を使って水を運ぶ必要がありますが、高層階になるほど負担は増大します。

また、断水時はトイレも長時間使えなくなる可能性が高いため、衛生状態が悪化しやすいこともデメリットです。

災害時のリスクに備えて、普段から水や食糧を備蓄しておくことが大切です。

5-5.電波がつながりにくい

タワーマンションの高層階に住んでいる場合、携帯電話やWi-Fiの電波がつながりにくくなるケースもあります。これは基地局のアンテナの高さが20m~50m程度、なおかつ電波が下向きに発せられ、基地局のアンテナより高い階層だと電波をキャッチしづらいためです。

電波状況が悪い場合、通信会社から電波改善装置を無料レンタルできる可能性があります。また、物件によっては電波対策を講じていることもあるので、不動産会社などに確認しましょう。

5-6.管理費が高い

タワーマンションは設備やサービスが充実している反面、管理費が高くなりやすいというデメリットもあります。これは管理人・警備員・コンシェルジュなどの人件費、各階の設備費などがかさむことが原因です。

国土交通省の「平成30年度マンション総合調査結果」によると、20階建以上のマンションにおける管理費の平均は1万5,726円でした。これは、20階建未満のマンションの1.5倍ほどであるため、その点も踏まえて居住を検討する必要があります。

参考:“平成30年度マンション総合調査結果〔データ編〕 2.管理組合向け調査の結果 P186”. 国土交通省

5-7.修繕積立金が高い

タワーマンションの設備は特注品が多く、不具合が起こっても量産品とすぐ交換できないので、普通のマンションより修繕積立金も高くなる傾向があります。

国土交通省の「平成30年度マンション総合調査結果」によると、20階建以上のマンションにおける修繕積立金の平均は1万2,305円でした。これは全体平均の1.1倍程度の金額です。

参考:“平成30年度マンション総合調査結果〔データ編〕 2.管理組合向け調査の結果 P211”. 国土交通省

また、タワーマンションの多くは築年数が浅く、大規模修繕の工事内容を予測しづらいため、どのくらい費用がかかるか算出しにくいことも難点です。

6.失敗しないタワーマンションの選び方

内見を行なう夫婦

タワーマンションを選ぶ際には、以下のようなポイントを押さえることが大切です。

  • 必ず内覧を行なう
  • 立地条件に問題がないか確認する
  • 共用設備の充実度を確認する
  • 資産価値が下がりにくい物件を選ぶ

それぞれのポイントについて解説します。

6-1.必ず内覧を行なう

内見のチェックポイント

タワーマンションは設備やサービスが充実しているので、どことなく安心感があります。しかし、現地でしかわからないことも多いため、購入(賃貸借)の際は遠方であっても必ず内覧(内見)を行なうべきです。

特にエレベーターの数や昇降スピード、携帯電話の電波状況などはしっかりチェックする必要があります。

ただし、新築物件は青田売りが多く、購入前に実物をチェックできないケースもあるでしょう。そのような場合には、不動産会社の担当者などに質問して、疑問を解消するようにします。

6-2.立地条件に問題がないか確認する

タワーマンションの建物部分だけではなく、立地条件も重要なチェックポイントです。部屋から最寄りの駅・バス停までの距離、スーパーや病院の位置などを調べる必要があります。インターネットや地図だけではなく、実際に周辺を歩きながら調べると、移動時間や距離感をつかみやすいでしょう。

現地確認が可能な場合は、部屋からエントランスに降りるまでの時間、エントランスから敷地外までの距離なども併せてチェックしたいところです。

6-3.共用設備の充実度を確認する

タワーマンションを選ぶ場合、共用設備がどれだけ充実しているかも要チェックです。タワーマンションの醍醐味とも呼べるポイントなので、自分に必要な設備がそろっているか、ホームページやパンフレットの内容と相違はないかといった点を、よく確認しましょう。

また、共用設備そのものだけではなく、利用ルールや利用状況も調べておくことが大切です。物件によっては連続での予約を禁止したり、予約回数に上限を設けていたりすることもあります。

6-4.資産価値が下がりにくい物件を選ぶ

将来的にタワーマンションの売却や賃貸運用を考えているなら、資産価値を考慮することも重要です。資産価値が下がりにくい物件を選べば、売却や賃貸運用の際に、売却価格や家賃を高く設定できます。

特に、立地条件が良い物件や管理組合がきちんと機能している物件は、ニーズの高さから資産価値も下がりにくい傾向にあります。

7.タワーマンションを高額売却するコツ

タワーマンションは普通のマンションより高額で手が届きにくく、洗濯物や電波に関するデメリットもあるため、やや売却しにくいと言われています。

しかし、以下のコツを押さえれば、高額売却できる可能性も高まるでしょう。

7-1.売却に適したタイミングで売る

タワーマンション売却に使える特例

タワーマンションを高額売却するには、売却に適したタイミングを見極めることが大切です。

売却しやすいタイミングとしては、以下の2つが挙げられます。

  • 住まなくなってから3年以内
  • 購入してから5年を超えるとき

転勤・介護・住み替えなどで別の家に住んでいる場合、タワーマンションに住まなくなった日から、3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却すると「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」が適用されます。これは、売却価格から諸費用を差し引いて売却益が発生しても、最高3,000万円まで非課税になる特例です。

また、タワーマンションの購入から5年を超えるタイミングで売却すると、売却益にかかる所得税・住民税の税率が39.63%から20.315%へと下がるため、結果的に節税が可能です。

7-2.複数社に査定を依頼する

不動産を売却する場合、複数の不動産会社に査定を依頼すれば、査定額を比較検討できます。最初の1社の査定額だけで決めてしまうと、その査定額が適正かどうか判断しづらく、安く買い叩かれるリスクがあるためです。

また、査定額だけではなく、各社の実績や得意物件についても調べておきましょう。タワーマンションの売却が得意な会社を見つけることで、高額売却につながります。

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まとめ

タワーマンションに法的な定義はありませんが、一般的に「高さ60m以上」あるいは「20階以上」の超高層マンションのことを指します。資産価値やステータス性が高いうえ、眺望・共用設備・セキュリティ・サービスといった面でのメリットが大きいのが、タワーマンションの魅力です。

一方、エレベーターの待ち時間が長い、携帯電話やWi-Fiの電波がつながりにくいなど、タワーマンション特有のデメリットも存在します。したがって、自身のライフスタイルや経済状況などを踏まえて、慎重に物件を選ぶことが大切です。

タワーマンションの売却を考えている場合は、複数社への査定依頼が高額売却につながります。NTTデータグループが運営する不動産一括査定依頼サービス「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」なら、厳選された約2,100社の不動産会社のうち、最大6社の査定価格をまとめて取り寄せできるので、ぜひご利用ください。