【2022年】今後のマンション価格は?上がる要素・下がる要素を徹底解説

マンション売却を予定している場合、「できるだけ高く売れるタイミングで売りたい」と思っていらっしゃる方も大勢いると思います。
そこでこの記事では、2022年にマンションの売却を予定している方に向けて、「今後の中古マンション価格の変動」について解説します。

2022年のマンション価格を読み解くポイントについて紹介し、上がる可能性と下がる可能性の両面から動向を探っていきます。
ぜひ最後までおつきあいいただき、マンション売却成功に向けてお役立てくださいね。

マンションは価格が下がる前の今が売り時です。
売却を検討しているなら、かんたん一括査定で複数の査定価格を取り寄せて価格を比較してみてください。

カンタン1分入力
あなたの マンション いくらで売れる?
STEP1
STEP2
この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.2021年までのマンション価格の動向について

2021年7月の都道府県地価調査で、全国平均の土地価格が2年連続下落傾向にあることが発表されました。新型コロナウイルスによって2年連続で下落してしまいましたが、2020年に比べ下落の幅は縮小しています。

2021年は2020年に比べ、マンション価格が上昇傾向にあったといえます。

2. 今後のマンション価格は?2022年マンション市場を予想

2022年のマンション市場価格は暴落するのでしょうか。住宅ローン減税の縮小、生産緑地法、オリンピックの影響、新型コロナウイルスの影響など、価格が下がりそうな要素が多くあります。しかし、大きな変動は見られないでしょう。理由をご紹介します。

2-1.住宅ローン減税の影響

2022年度に、住宅ローン減税が変わります。2022年度の税制改正では控除率が0.7%に引き下げられるのです。2021年までの住宅ローン減税では、ローン残高の1%控除されてきました。
控除対象のローンの最高額は4,000万円でしたが、段階的に縮小される見込みです。

控除対象の住宅ローン限度額
2022~2023年に入居 2024~2025年に入居
認定住宅 5000万円 4500万円
省エネに配慮した住宅 4500万円または4000万円 3500万円または3000万円
それ以外の住宅 3000万円 2000万円

また、住宅ローン減税を受けられる人の所得制限も縮小されます。現在は所得が3000万円以下の方が対象でしたが、今後は2000万円以下に変わるため注意が必要です。
しかし、急に大幅な縮小があるわけではないので、マンション価格に大きく影響されることはないと見込まれます。

住宅ローン減税など、住み替えをするときに利用できる減税制度とは?

2-2. 生産緑地法の影響

2022年度、税金の優遇を受けてきた生産緑地法の期限が切れます。今後は宅地と同じ税率が生産緑地にも課せられるため、農地を手放す方が多く出ると予想されていました。これが「生産緑地の2022年問題」です。
しかし、「特定生産緑地」の制度の新設、生産緑地に認定される面積の要件の緩和、農地の建築制限の緩和など、農家が大至急土地を手放さなくてもいいように対策されています。

国土交通省:生産緑地制度

2-2-1.東京の生産緑地

生産緑地があるのは、東京都内だと山手線の外側にあたる地域です。その上、駅から近い場所には多くの生産緑地はありません。便利な場所はすでに農地ではないのです。そのため、駅チカの物件に関しては土地価格の急激な下落はないでしょう。

2-2-2.大阪の生産緑地

大阪の生産緑地は東京の次に多いです。大阪でも中心部にはほとんど生産緑地はありませんが、郊外の戸建て物件には影響が出ることも予想されます。しかし、東京にも言えることですが、大規模なマンションを建てられるほどの大きな生産緑地は数が限られているため、マンション価格にはさほど影響は見られないでしょう。

大阪市:マップなびおおさか

「マンションを売りたい」と悩んでいる方へ
  • マンションを売りたいけど、どうしたらいいか分からない方は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」なら複数社に査定依頼でき”最高価格”が見つかります
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます

2-3.東京オリンピックの影響

2021年の東京オリンピックに向けて、東京の一部地域では土地価格が緩やかに上昇傾向にありました。
しかし、オリンピックが終了したからといって大きな影響はないといえるでしょう。東京オリンピックがあるからといって、バブル期のような爆発的な経済成長を見せたわけではないからです。
新型コロナウイルスの影響によるオリンピックの延期も、緩やかな経済成長に影響しました。そのため、急激な地価の暴落はないと考えられます

2-4.新型コロナウイルスの影響

2022年に入り、オミクロン株が流行していますが、デルタ株が流行していた時期と比べ、生活様式や働き方に大きな変化は出ていません。

2020年から多くの企業で実施されたテレワークの影響で、住宅のニーズに変化が見られましたが、2022年になったからといって急に住宅の価値観が変わることはないと思われます。
テレワークが今後も定着していけば、郊外や地方の面積が広いマンション、部屋数の多いマンションは今後も需要が増える可能性はあります。

逆に、都心のオフィスビルや面積が狭いマンションは手放す人が増えるかもしれませんが、会社や都心に近い物件を求めている方がいなくなるわけではありません。

コロナウイルスとの付き合いも3年目に入り、2022年になったからといって土地価格やマンション価格に大きな影響はないといえるでしょう。

2-5.マンション価格が上がる要素はあるのか?

東京オリンピックは終わってしまいましたが、次は2025年に大阪万博が予定されています。万博に向けて景気が上昇傾向になれば、マンションの価格も上がっていくのではないでしょうか。
しかし、2022年も住宅ローン減税や生産緑地法、新型コロナウイルスが及ぼす経済的な影響がまったくないとは言い切れません。情勢を見て売りぬくことが大切です。

「マンションを売りたい」と悩んでいる方へ
  • マンションを売りたいけど、どうしたらいいか分からない方は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」なら複数社に査定依頼でき”最高価格”が見つかります
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます

3.2022年はマンションの売り時か?

2021年はマンション価格が上昇傾向にありました。国土交通省の不動産価格指数(令和3年8月・令和3年第2四半期分)のグラフを見てみましょう。

令和2年(2020年)8月のマンションの不動産価格指数が152.6であったのに対し、令和3年(2021年)8月は168.8と上昇しています

過去に、コロナウイルスに対する緊急事態宣言が発令された2020年3月から12月までの数値と比較しても伸びています。

【2020年3~12月】マンション(区分所有)全国の不動産価格指数
3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
151.8 152.7 154.4 152.0 150.8 152.6 155.6 154.8 155.6 157.6

国土交通省:「不動産価格指数、住宅は前月比 1.3%上昇、商業用は前期比 0.6%上昇~不動産価格指数(令和3年8月・令和3年第2四半期分)を公表~」より

一番コロナウイルスの影響があったと思われる2020年でも、大きな下落もなく、緩やかにマンション価格指数は上昇していきました。

2022年も現状のまま、コロナウイルスの影響や経済状況に変化が見られないなら、売ってもいいでしょう。「もっと上の価格を狙いたい」「生産緑地の影響が心配」という場合は、様子見する手もあります。

4.今後のマンション価格を読み解くポイント

中古マンション市場は、新築マンションや土地の価格の動きに連動して動きます
今後の中古マンション価格を読み解く上では、連動する他の価格の動き方を知ることがポイントです。
連動する主な項目として、「新築マンション価格」「土地価格」「長期金利」「土地の取引件数」の4つがありますので、順番に見ていきましょう。

4-1.中古マンション価格は新築マンション価格と連動している

中古マンション価格は新築マンション価格と連動しているという特徴があります。
以下に、首都圏における過去20年間の中古マンションと新築マンションの平均価格の推移を示します。

青い線が中古マンション価格、赤い線が新築マンション価格です。

中古マンション価格は新築マンション価格と連動している 中古マンションと新築マンションの平均価格の推移

出典:中古マンション価格「東京カンテイ」
https://www.kantei.ne.jp/report/c2009.pdf
https://www.kantei.ne.jp/report/c2019.pdf
新築マンション価格「株式会社不動産研究所」
(https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/414/z2019.pdf)

中古マンション価格の動き方は、新築マンション価格の値動きとほぼ同調しています。
新築マンション価格が上がれば中古マンション価格も上がり、新築マンション価格が下がれば中古マンション価格も下がるという関係になります。

なぜなら、まずマンションを買おうとする人は、新築マンションを希望する人が多いです。
ところが、新築マンションの価格が上がって手が出なくなると、人々は中古マンション市場に流れてきます。
そうなると自然と中古マンションの方の価格も上がっていきます。
つまり、新築マンションが高くなると、中古マンションの購入希望者が増え、中古マンション価格も高くなる、という構図です。

よって、新築マンション価格の動向を知れば、今後の中古マンション価格の予測ができることになります。

4-2.新築マンション価格は土地価格と連動している

では、新築マンションは何に連動して値動きしているのでしょうか。

新築マンション価格は土地価格と連動しているという性質があります。
新築マンションを建てるには、土地を仕入れて建物を建てる必要があります。
特に人気が高い都市部のマンションの場合、建物建築費よりも土地価格の方が大きいため、土地価格はマンション価格に影響を与える最大の要因です。

首都圏における新築マンションの価格と、東京圏の住宅地の地価公示価格の過去20年間の推移を示すと以下のようになります。
青の線が新築マンション価格で、赤の線が土地価格になります。

新築マンション価格は土地価格と連動している 新築マンションの価格と東京圏の住宅地の土地価格の推移

出典:新築マンション価格「株式会社不動産研究所」
(https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/43/z2010.pdf)
(https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/414/z2019.pdf)
土地価格「国土交通省」
(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000043.html)

新築マンション価格と土地価格は概ね連動しています。
特に、2005年あたりからは、似たような軌跡を辿って推移しています。

マンションディベロッパーは、土地の仕入れ値をマンションの販売価格に転嫁しますので、土地価格が上がれば必然的に新築マンション価格も上がっていくのです。

よって、土地価格の動向を知れば新築マンションの値動きがわかり、さらには中古マンションの値動きも予測することができます。

マンション価格における生産緑地売却の影響を注意すべきなのは、郊外の広い農地がある場所です。売却したい物件の近くに大型マンションが建つような生産緑地がなければ、土地価格に大きな値動きは見られないでしょう

「マンションを売りたい」と悩んでいる方へ
  • マンションを売りたいけど、どうしたらいいか分からない方は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」なら複数社に査定依頼でき”最高価格”が見つかります
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます

4-3.土地価格は長期金利と反転している

では、土地価格は何に連動して値動きしているのでしょうか。

土地価格は金利と反転して値動きするという性質があります
不動産を購入する際、個人もマンションディベロッパーも銀行からお金を借ります。

金利が安くなればお金借りやすくなり、不動産を購入しやすくなります。
不動産を購入しやすくなれば、需要者が増えるため、自然と不動産価格が上がっていくのです。

以下に、10年長期国債利回りと東京圏の住宅地の地価公示価格の過去20年間の推移を示します。
青の線が10年長期国債利回りの年間平均金利、赤の線が東京圏の住宅の地価公示価格の平均値となります。

土地価格は長期金利と反転している 金利と土地価格の推移

出典:金利「財務省
土地価格「国土交通省

過去20年間の推移を見ると、金利と土地価格の関係はきれいに反転しているわけではありません。

顕著に反転した動きを見せているのは、2013年以降になります。
2013年というのは、日銀が異次元金融緩和と呼ばれる超低金利政策を開始した年です。

2008年9月のリーマンショックにより土地価格が下落し始めたことを受け、景気のテコ入れ策として超低金利政策が実行されました。

2013年以降からは格段に金利が安くなったことから、個人やマンションディベロッパーが借入金を組みやすくなり、その結果、土地価格の上昇が続いています。

よって、今後は金利の動向を見れば、土地価格と新築マンション価格の動向が読め、中古マンション価格も予測することができるのです。

4-4.土地価格は土地の取引件数に遅れて動く

土地価格は、金利以外にも直接的に値動きを予測できる指標があります。
その指標は、「土地の取引件数」です。

土地の取引件数は、土地価格の先行指標と呼ばれており、土地価格は土地の取引件数に遅れて動くという性質があります。

以下に、首都圏の住宅地における土地の取引件数と価格の20年間の推移を示します。
青の線が取引件数で、赤の線が価格(面積が100~200平米の土地)です。

土地価格は土地の取引件数に遅れて動く

出典:土地取引件数および土地価格「公益財団法人東日本不動産流通機構」
(http://www.reins.or.jp/pdf/trend/sf/sf_2010.pdf)
(http://www.reins.or.jp/pdf/trend/sf/sf_2019.pdf)

取引件数と価格は似たような動き方をしていますが、1~2年ほど土地価格が遅れて動いています。

例えば、2006年から2007年にかけて取引件数が下落していますが、土地価格は2007年から2008年にかけて下落しています。
一方で、2011年から2012年にかけて取引件数が上昇していますが、土地価格は2012年から2013年にかけて上昇しています。

このように、土地価格は土地の取引件数に1~2年遅れて動くため、取引件数の動きを見れば、次の年の土地価格が予想できるのです。

「マンションを売りたい」と悩んでいる方へ
  • マンションを売りたいけど、どうしたらいいか分からない方は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」なら複数社に査定依頼でき”最高価格”が見つかります
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます

5.マンション価格はまだ上がる!?チェックすべき3つの要因

マンション価格は上がると想定している専門家は多数います。
この章では、価格はまだ上がると考えられる3つの要因を解説します。

5-1.新型コロナウイルスの影響が限定的だったこと

マンション価格がまだ上がる理由としては、新型コロナウイルスの影響が限定的だったことが挙げられます。

以下に首都圏における2019年10月~2020年9月にかけての中古マンションの取引件数の価格の前年比を示します。

新型コロナウイルスの影響が限定的だったこと 中古マンションの取引件数の価格の前年比

出典:中古マンションの取引件数と価格の前年比「公益財団法人東日本不動産流通機構

2020年4月と5月には緊急事態宣言が発令されたことにより、取引件数が大幅に落ち込みました。
2020年4月は、価格についても前年比でマイナスとなっています。

取引件数については、2020年6月以降も前年と比較すると少ない状況が続いています(2020年8月を除く)。

ところが、価格については、2020年5月以降は前年比よりもプラスとなっている月が連続しています。
つまり、価格は2019年よりも上がっているということです。

新型コロナウイルスの影響は限定的であり、中古マンション価格はまだ上がっていることから、マンション価格はまだ上がるであろうと考えることはできるのです。

5-2.金利がまだ低いこと

マンション価格がまだ上がる理由として、金利がまだ低いことが挙げられます。
新型コロナウイルスによって、景気が後退したことから、当面、金利が上がる見込みはなくなったと思われます。

低金利が継続されれば、個人が住宅ローンを組んでマンションを購入しやすい状況が続きます。
また、マンションディベロッパーの用地の仕入れ合戦も衰えません。

そのため、土地価格が上がる要因はまだ存在することから、マンション価格はまだ上がるという予測ができるのです。

5-3.建築費が高止まりしていること

マンション価格がまだ上がる理由として建築費が高止まりしていることも挙げられます。
マンション価格を引き上げる要因は主には土地価格ですが、建築費も無視できない存在です。

以下に、建築費の値動きを示す建築工事費デフレーターの過去20年間の推移を示します。

建築費が高止まりしていること 建築工事費デフレーターの推移

出典:建築工事費デフレーター「政府統計

建築費については、2009年以降から概ね上昇傾向が続いています。
建築費の上昇が続いている理由としては、景気変動というよりは業界的な人手不足が原因になっている部分が大きいです。

多くの職人が高齢化によって退職してしまっていることから、今後も人手不足が続き、建築費は簡単には下がらないであろうと考えられています。

低金利が続くことに加え、建築費の上昇も続くと見込まれることから、マンション価格は上がるという説には一定の説得力があるのです。

「マンションを売りたい」と悩んでいる方へ
  • マンションを売りたいけど、どうしたらいいか分からない方は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」なら複数社に査定依頼でき”最高価格”が見つかります
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます

6.マンション価格が下がる原因は?知っておくべき3つの事象

マンション価格は下がるのか?知っておくべき3つの事象 3つの住宅模型一方で、マンション価格は下がると予想する専門家もいますので、その裏付けとなっている事象を説明します。

6-1.新築マンションの供給が調整段階に突入

不動産に関わる業界人の間では数年前から新築マンションはもう下がると囁かれています。
理由としては、新築マンション価格は数年前から既に調整段階に突入しているためです。

ここ数年、確かに新築マンション価格の上昇は続いていますが、それはマンションディベロッパーが供給量を抑えて値崩れを阻止している工夫をしていることも背景にあります。

以下に首都圏における過去20年間のマンションの価格と販売戸数の推移を示します。
2013年以降、新築マンションの価格は上昇を続けていますが、実は供給量は減っています。

新築マンションは既に調整段階に突入していること 新築マンションの販売戸数と価格の推移

出典:新築マンションの販売戸数と価格の推移「株式会社不動産経済研究所

近年は、マンションディベロッパーは1つのマンションを「第1期分譲」、「第2期分譲」のように分散して売るようになってきました。
分散して売る理由としては、一気に売ってしまうと地域のマンション価格が値崩れしてしまう可能性があるからです。
新築マンション価格は、既に供給量を調整しないと値崩れしてしまう段階にあり、油断すれば一気に値崩れしてしまう状況となっています。

ここ数年は特に綱渡り状態の販売状況が続いていることから、今後のマンション価格が下がる可能性は大いにあるのです。

しかし、「可能性」の話なので、自分でマンション売却時期を決断することも大切です。投資用物件ではなく、マイホームの売却なら大きな価格上昇に期待せず、売却損が出ない範囲で手放すことも選択できます。

実際の不動産業界の傾向については、不動産会社に相談するのが一番です。NTTデータが20年以上運営する「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」なら無料でマンションの一括査定が受けられます。一括査定を通じて、相談できる不動産会社とつながり、マンション売却時期を見定めてください。

6-2.オリンピック延期でHARUMI FLAGの引渡が遅れたこと

オリンピック延期でHARUMI FLAGの引渡が遅れたこともマンション価格が下がると思われる理由です。
HARUMI FLAGとは東京オリンピックの選手村跡地のマンションになります。

HARUMI FLAGでは、4,145戸の分譲マンションが供給される予定ですが、オリンピック延期によって、手付金が返ってこないなどのペナルティがあってもキャンセルしたいと思った方もいるでしょう。
2021年には引き渡しの延期について、民事訴訟も起こっています。

HARUMI FLAGのキャンセルが相次げば、マンションディベロッパーが思い切って値引きしてくることも考えられますが、HARUMI FLAGは戸数が多いため、値引きが東京のマンション価格に影響を及ぼすといわれています。

価格の頂点に位置する東京のマンション価格が下がれば、首都圏のマンション価格も下がり、さらに波及して地方のマンション価格も下がってしまう可能性があるのです。

6-3.土地の取引件数と取引価格が減少し始めていること

土地の取引件数と取引価格が減少し始めていることもマンション価格が下がると考えられる理由です。
2019年10月から2020年9月にかけての首都圏における土地(面積が100~200平米の土地)の取引件数と価格の前年比を示します。

土地の取引件数と取引価格が減少し始めていること 土地の取引件数と価格の前年比

出典:土地の取引件数と価格の前年比「公益財団法人東日本不動産流通機構

実は土地の取引件数は、新型コロナウイルスの影響が出る前から前年を下回っている状況が続いていました。
加えて、2020年4月と5月は緊急事態宣言の影響により大幅に取引件数が減っています。

価格についても、前年比を下回っている月が多いです。
2020年の土地の取引件数は減ったため、セオリーからすれば2021年の土地の価格は下がります。

土地の価格が下がれば新築マンションの価格も下がり、ひいては中古マンションの価格も下がることが予想されるのです。

2021年11月の情報でも、土地の取引件数は下がり続けています。ただし、生産緑地が売りに出されることを考えると、これから土地の取引件数が増加する可能性もあるので注意して動向を見守りたいところです。

参考:公益財団法人東日本不動産流通機構「2021(令和3)年11月度Market Watch 〔全国版〕

「マンションを売りたい」と悩んでいる方へ
  • マンションを売りたいけど、どうしたらいいか分からない方は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」なら複数社に査定依頼でき”最高価格”が見つかります
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます

7.マンション価格は下がる前に売却を!

マンション価格は下がる前に売却を! マンション模型今後のマンション価格は、残念ながら誰にも上がるとも下がるとも断言ができませんが、下がる要因がゼロでない以上、売りどきを逃さないよう常にアンテナを張っておくことをおススメします。

特に、新築マンション価格は土地価格の影響が大きいことから、土地の取引件数と取引価格が減少し始めていることは下落に動く最大の不安要素と考えられます。

土地価格の下落の影響はすぐに出るわけではありませんが、今後、1~2年のうちに中古マンション価格が下がっていくことは考えられます。

マンションの売却を考えていている場合には、価格が下がる前に売却することをおススメします。
下落局面に入ってしまうと、マンションは高く売れないだけでなく、購入希望者がなかなか現れない等、売却そのものが難しくなってしまいます。
そのため、マンションを売るのであれば、今のうちに売却してしまった方が良いのです。

とはいっても、せっかく売るなら「マンション売却に強い不動産会社」に依頼しないと、あとになって「もっと高く売れたかも…」「もっとスムーズに売れたかも…」と後悔することになりかねません。

そこで、マンション売却に強い不動産会社を見つけるなら、「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」がおススメです。

高く売るなら査定価格をまず比較!

不動産売却 HOME4U」には、マンション売却を得意とする不動産会社が多く登録されています。

最大6社の不動産会社に査定を依頼することができますが、中には他社よりもグンと高い査定価格を提示してくれる不動産会社もありますので、できるだけ複数の会社から査定してもらうと良いでしょう。

以下のグラフは都内のとある物件を、A社からD社の異なる不動産会社が査定した時の額ですが、不動産会社によりこれだけの差が生じることもあるのです。

異なる不動産会社が査定した時の額

今後、マンションを売却するには高く売ってくれる不動産会社を探すことがますます重要となってきます。

最初の査定はマンション売却の成否を決める重要なポイントとなりますので、必ず複数の不動産会社に査定を依頼するようにしてくださいね。

まとめ

いかがでしたか。
今後のマンション価格について解説してきました。

中古マンション価格は新築マンション価格と連動しており、その新築マンション価格は土地価格と連動しています。
土地価格は長期金利と反転した動きをし、さらに土地の取引件数に遅れて動きます。
よって、土地価格の動きを見れば中古マンション価格の今後がわかります

マンション価格がまだ上がるかもしれない理由としては、金利がまだ低いことや建築費が高止まりしていることが挙げられます。

一方で、マンション価格はもう下がるかもしれない理由としては、土地の取引件数と取引価格が減少し始めていることが挙げられます。

いずれにしても、今後のマンション価格は下がっていく可能性は否定できません。
マンション価格が大きく下がる前に、「不動産売却 HOME4U」を使って賢くマンション売却を実行していただければと思います。

この記事のポイント まとめ

2021年までのマンション価格の動向は?

2021年までのマンション価格の動向は以下の通りです。

  • 全国平均の土地価格が2年連続下落傾向にある
  • 2020年に比べ下落の幅は縮小
  • 2021年は2020年に比べ、マンション価格が上昇傾向にあった

詳細は「1.2021年までのマンション価格の動向について」をご覧ください。

今後のマンション価格はどうなる?

2022年マンション市場の予想は以下通りです。
2022年はマンション市場に影響を及ぼす事柄が5つあります。

  1. 住宅ローン減税の影響
  2. 生産緑地法の影響
  3. 東京オリンピックの影響
  4. 新型コロナウイルスの影響
  5. 2025年の大阪万博の影響による景気の上昇

これらの影響で、今後のマンション価格は上がる可能性も下がる可能性も両方持ち合わせています。
詳しくは「2. 今後のマンション価格は?2022年マンション市場を予想」をご覧ください。

今後のマンション価格を読み解くポイントは?

今度のマンション価格を予想するポイントは以下の通りです。

  • 中古マンション価格は新築マンション価格と連動している
  • 新築マンション価格は土地価格と連動している
  • 土地価格は長期金利と反転している
  • 土地価格は土地の取引件数に遅れて動く

詳しいリストは「4.今後のマンション価格を読み解くポイント」をご確認ください。