マンション価格の高騰はいつまで続く?少しでも高く売りたい方は必読

マンション 価格 高騰

東京オリンピックが終了し、新型コロナウイルスは終息していないにもかかわらず、マンション価格の高騰が続いています。

オリンピックが価格のピークと考えられていた予想は裏切られた結果となり、売主にとっては売りどきがまだ続く見込みがでてきました。
では、なぜいまだにマンション価格は高騰し、今後も上昇が続く見込みなのでしょうか?

この記事では、手持ちのマンションの売却を検討している方に向けて、

  • 新築マンションと中古マンションの価格推移
  • 新型コロナウイルスの市況への影響
  • マンション価格の高騰の背景
  • 売りどきを逃さずに高く売る方法

などについて解説します。

マンション売却を成功させるための情報満載でお伝えしますので、ぜひこの記事で紹介する手順を実践して、少しでも高く売るための足掛かりにしてください!

マンション・不動産売却について基礎から詳しく知りたい方は『【完全版】マンション売却の注意点』『不動産売却の入門書!売り方の基礎・全体像』をご覧ください。

マンションは価格が下がる前の今が売り時です。
売却を検討しているなら、かんたん一括査定で複数の査定価格を取り寄せて価格を比較してみてください。

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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.新築マンションと中古マンションの価格推移

まずは、直近の新築マンションと中古マンションの価格推移を見てみましょう。

ここ10年間における首都圏の「新築マンション価格」と「中古マンション価格」の推移は、以下の通りです。

首都圏の「新築マンション価格」と「中古マンション価格」の推移

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「中古マンション
不動産流通推進センター「新築マンション

新築マンションも中古マンションも、新型コロナウイルスが世界的に拡大した2020年においても上昇傾向が見られました。

特徴としては、新築マンションも中古マンションも価格の動き方がほぼ同じ であるという点があります。

新築マンションと中古マンションの値動きが同じになる理由は、一般的に新築マンション価格が高くなると、新築マンションを諦めた人たちが中古マンションを購入するようになるからです。

逆に新築マンションが値下がりすれば、中古マンション市場から購入者が新築マンション市場へ流れるため、中古マンション価格も下がります。

売却を進めたい方は、不動産会社に査定を依頼して、詳しいマンションの価格を把握しましょう。

2.新型コロナウイルスの影響

2021年に入り、新型コロナウイルスの影響はほぼ脱した印象があります。
以下に2020年1月からの東京23区と大阪市の中古マンション価格の値動きを示します。

東京都区部と大阪市の中古マンションの成約単価の推移

出典:東京都区部「公益財団法人東日本不動産流通機構(2021年1月度)
公益財団法人東日本不動産流通機構(2021年7月度)
大阪市「公益財団法人近畿不動産流通機構(2021年1月度)
公益財団法人近畿不動産流通機構(2021年8月度)

東京も大阪も、第一回の緊急事態宣言が出された2020年4月と5月あたりに価格が下落しました。
その後、2020年9月あたりから、緩やかに上昇傾向が続いていることが確認できます。

東京も大阪も複数回にわたって緊急事態宣言が出されましたが、2回目以降の緊急事態宣言の影響はほとんど受けていない ことがわかります。

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3.マンション価格の高騰の背景

では、なぜマンション価格の高騰が続いているのでしょうか?
本章では、価格高騰の3つの背景を解説します。

  1. 低金利の状況が続いているから
  2. 新築マンションの供給量が調整されているから
  3. 実需以外の購入目的も多いから

それではひとつずつ見ていきましょう。

3-1.低金利の状況が続いているから

マンション価格の高騰が続いているのは、低金利の状況が続いているからという理由があります。
金利が低くなると住宅ローンの金利も低くなり、住宅を購入する人たちが増え、結果的にマンション価格が上がります。

以下に、中古マンション価格と金利の代表的な指標である10年国債利回りの推移について確認します。

中古マンション価格と金利の推移

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「中古マンション
財務省「金利

日本の金利が低くなったのは、2013年頃より日銀は異次元金融緩和政策という超低金利政策を開始したからです。

異次元金融緩和により住宅ローンの金利も低くなり、不動産を購入する人が増えました。
新築マンション価格が高騰し、それに引きずられて中古マンション価格も高騰しています。

経済学的には、金利と物価は同じ動き方をするのが本来です。
物価が上昇すればインフレ加熱を抑えるために中央銀行が金利を引き上げ、物価が下落すれば景気刺激策として中央銀行が金利を引き下げます。

しかしながら、昨今の日銀は政策的に金利を低く抑え込んでいるため、不動産価格が上昇しても金利が上がらなくなっているのです。

日銀の金利政策は不動産価格に重要な影響を与えており、金融緩和政策が今後も続くようであれば、売りどきは継続するものと予想されます。

3-2.新築マンションの供給量が調整されているから

マンション価格の高騰は、新築マンションの供給量が調整されているからという点も理由です。

中古マンション価格は新築マンション価格に連動するため、新築マンション価格が高止まりすれば中古マンション価格も維持されます。
新築マンション価格を維持するには、供給量を減らすという方法があります。

以下に、過去5年間における首都圏の新築マンションの供給量を示します。

過去5年間における首都圏の新築マンションの供給量

出典:株式会社不動産経済研究所「首都圏マンション市場動向(2020年まとめ)

マンションディベロッパーは、分譲マンションの販売期を分けることで、供給量を調整することが可能です。
同じ分譲マンションを第1期分譲、第2期分譲と時期をずらすことで、供給量を減らすことができるのです。

2020年はマンションディベロッパーが新型コロナウイルスの影響を懸念して、供給量をかなり減らしました。
その結果、新築マンション価格が維持され、中古マンション価格も上昇傾向が続いたのです。

3-3.実需以外の購入目的も多いから

マンション価格の高騰は、実需(自分が住む)以外の購入目的も多いからという理由もあります。
例えば、新築タワーマンションなどは概ね3分の1の戸数が投資目的で購入されているともいわれています。

タワーマンションは投資以外にも、資産家が相続税対策目的に上層階を購入するケースも多いです。

投資家や資産家等の富裕層は新型コロナウイルスの影響をあまり受けていないとされており、2020年においても購入需要が減退しませんでした。

ここ数年、新築のタワーマンションは一番価格が高い部屋から売れていくという現象が見られますが、このような投資家や資産家の購入スタイルは今後も続くものと見込まれます。

4.低金利はいつまで続くのか?

新型コロナウイルスにより、低金利はしばらく続く見込みが強くなりました
日銀が2021年7月に行われた金融政策決定会合において、大規模な金融緩和策を維持することを決定したのです。

日銀が低金利を維持することを明確に示したため、低金利の状況はしばらく続くものと見込まれます。

今まで日銀は低金利を維持するかどうか態度をはっきり示してこなかったことを踏まえると、金融緩和策の維持の決定は低金利が今後もしばらく続くという強いメッセージとも考えられます。

日銀が低金利を維持せざるを得なくなった背景には、新型コロナウイルスの影響があります。

2020年は新型コロナウイルスで緊急事態宣言が発令したことで、多くの企業が打撃を受け、借入金をすることで緊急避難的に資金繰り悪化を回避する企業が続出しました。

以下に、企業の倒産件数と企業が融資を受ける際の債務の保証債務残高の推移を示します。
保証債務残高とは、中小企業の融資に対して保証会社(信用保証協会)が保証している債務の残高です。

企業の倒産件数と企業が融資を受ける際の債務の保証債務残高の推移

出典:株式会社東京商工リサーチ「倒産件数
一般社団法人全国信用保証協会連合会「保証債務残高

2020年は企業の倒産件数が減ったものの、中小企業の借入金が大幅に増える結果となりました。

苦しい企業が借り入れを行ったため、このタイミングで金利を上げてしまったら、返済できずに倒産する企業が後を絶たなくなってしまいます。

借入金の残高が一気に膨らんでしまったことで、日銀としては金利を上げられない状況となってしまったのです。

2021年7月の金融政策決定会合の決定は、オリンピックとは無関係に行われました。
低金利が継続されるに至った原因は新型コロナウイルスであり、オリンピック終了とは関係がありません。

オリンピック終了とは関係なく今後も住宅ローンの低金利が続く見込みであるため、マンションの売りどきもまだ続くことが予想されます。

5.売りどきを逃さずに高く売る方法

マンション売却を予定している方なら、誰しもが「できるだけ高く売りたい」と思いますよね。
本章では、売りどきを逃さずに高く売る方法について、以下の3点を解説します。

  1. スケジュールに余裕を持つ
  2. 複数の不動産会社に査定を依頼する
  3. なるべく築25年以内に売る

それではひとつずつ見ていきましょう。

5-1.スケジュールに余裕を持つ

マンションを高く売るには、まずはスケジュールに余裕を持つことが鉄則です。
最初の価格査定から引渡までは、余裕をもって6ヶ月程度見込んでおくことが適切といえます。

マンション売却の一般的な流れは以下の通りです。

マンション売却では、最初に不動産会社に依頼して価格査定を行います。

査定の結果を踏まえつつ、「この不動産会社に売却活動をお願いしよう」と思える企業を選んだら、媒介契約の締結です。
媒介契約とは、不動産会社に依頼する仲介の契約になります。

媒介契約を終えたら、いよいよ売却活動のスタートです。
価格査定から売却活動の開始まではスムーズに行けば2週間程度ですが、不動産会社の選定に迷ったり、家の掃除や片付けに時間がかかったりすると1ヶ月くらい過ぎてしまうこともあります。

売却活動を経て買主が見つかったら、売買契約の締結です。
売却活動の開始から売買契約の締結まで、一般的には3ヶ月程度の時間がかかります。

3ヶ月は買主が見つかるまでの標準的な市場公開期間とされ、市場公開期間が短すぎると購入検討者が少なすぎて高く売れない原因となってしまいます。

市場公開期間が短く、焦って安く売ることを「売り急ぎ」と呼びます。
売り急ぎを防ぐ最大の対策は、売却スケジュールに余裕を持っておくということです。

売買契約を締結したら、その1ヵ月後くらいに引渡を行います。
売主は引渡までの間に引っ越しを行います。

5-2.複数の不動産会社に査定を依頼する

本章では3つのポイントをお伝えしますが、マンションを高く売りたいなら、一番重要なのは、複数の不動産会社に査定を依頼することになります。

なぜなら、査定価格というのは、不動産会社により数十万円、時には100万円以上の差が出ることもありえるからです。

以下のイラストは、都内のとあるマンションをA社からD社の不動産会社が査定した額ですが、A社とC社では590万円の差があります。

マンション査定額比較

これは、もともと「あのエリアのマンションが売り出されたら教えてほしい」と不動産会社に依頼している、いわゆる“見込み客”をその不動産会社が抱えているか、といったことに左右されます。

すぐに買いそうな見込み客を抱えていれば、不動産会社は強気の査定額を提示することができます。
ただ、“見込み客”をどの企業が抱えているか売主にはわかりませんので、幅広く複数の不動産会社の査定額を比べてみることが重要になってくるのです。

とはいえ、不動産会社には「賃貸の仲介を専門にしている企業」や「土地売買を得意としている企業」などが存在するため、マンション売買を得意とする企業を一般の方が探すのは難易度が少し高いかと思います。

そんな方に便利なのが、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」です。 

HOME4Uマンションプライスの売却査定

お持ちのマンションの所在地や間取りなどを入力するだけで、システムが自動で適切な不動産会社をピックアップしてくれ、最大6社の不動産会社に無料で査定依頼ができるサービスとなっています。

「高く売るならスケジュールに余裕をもって」とお伝えしましたが、不動産会社探しに時間をかけるのはもったいないので、ここは「不動産売却 HOME4U」で手早く見つけ、上手に時間を節約しながら、高く売ってくれそうな不動産会社を見つけていただければと思います。

5-3.なるべく築25年以内に売る

マンションを高く売るなら、なるべく築25年以内に売ることがコツとなります。
理由としては、築25年を超えたマンションは売りにくくなるからです。

以下に首都圏における中古マンションの成約物件と在庫物件の築年数別の割合を示します。
成約物件とは実際に売却がなされた物件のことです。

首都圏における中古マンションの成約物件と在庫物件の築年数別の割合

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構
築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)

成約物件の割合は、築25年以内の物件に集中しています。
それに対して、在庫物件の割合は特に築31年以上の物件に集中しています。

築年数別の割合の見ると、築25年以内は成約物件の割合が在庫物件の割合を上回っている状況です。

それに対して、築25年を超えると在庫物件の割合が成約物件の割合を上回る状況になります。

つまり、築25年以内の物件は成約が在庫を上回る「品薄状態」にあり、築25年超の物件は在庫が成約を上回る「過剰状態」にあるということです。

築25年超のマンションが売りにくくなる原因の1つとして、マンションは築25年を超えると買主が原則として住宅ローン控除を利用できなくなる ことが挙げられます。

住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んで自宅を購入すると買主が所得税等を節税できる制度のことです。

売りどきであっても築25年を超すとマンションは売りにくくなってしまいますので、売るならなるべく築25年以内に売ることをおススメします。

まとめ

いかがでしたか。
マンション価格の高騰の背景や、少しでも高く売る方法についてご紹介しました。

マンション価格は新型コロナウイルスの影響を脱し、上昇トレンドが再開しています。
日銀が超低金利政策を継続することを公表したことから、今後も低金利は継続され、売りどきがしばらく続く見込みが強いです。

売りどきを逃さすに高く売るなら、複数の不動産会社の査定額を比べることは必須ですので、「不動産売却 HOME4U」を上手に活用して、最適な不動産会社を見つけてください。

マンションの売りどきは今後もしばらく続きますが、できるだけ高く売れるように、好機を逃さず売るようにしてくださいね。