買い替え時の「住宅ローン」の選び方|住み替えの流れや方法

住み替えたいと思った時、頭に浮かぶのが「住宅ローン」の問題ではないでしょうか。

住宅ローンが残っている家から住み替える場合は、売却代金によって住宅ローン残債を返済できます。住宅ローン残債が売却額よりも大きい場合は、「住み替えローン」を利用することによって、買い替えを行うことができます。

この記事では、以下のポイントについて解説いたします。

  • 住み替える際の住宅ローンの選び方
  • 「住み替えローン」の概要や利用方法、注意点
  • 住み替えで失敗しないポイント

“住み替えを成功させるローンの選び方”について、詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。

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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

Contents

1. 家を買い替えるには?住み替えの基本的な流れ

家の住み替えをするためには「今住んでいる家を売却」と「住み替える新しい家の購入」の2つの取引を行う必要があります。最初に全体の流れを把握しておくとスムーズな取引が可能です。家の売却を先行する「売り先行新居の購入を優先する「買い先行 についてご紹介します。

1-1.売り先行の流れ

今住んでいる家を売却してから、新しい家を購入する買い替えのことを「売り先行と」いいます。売り先行の売却の流れは以下の通りです。

売り先行時の売却の流れ

  1. 自宅の価格査定
  2. 媒介契約の締結
  3. 売却活動の開始
  4. 契約条件の交渉
  5. 売買契約の締結
  6. 引っ越し
  7. 引渡(残代金受領)

売り先行の場合、不動産会社に自宅の価格査定を依頼するところから始まります。少しでも高く売りたい場合は、一括査定サービスを利用して複数の不動産会社に査定を依頼することがポイントです。

物件が売れてから、新しい家を探しましょう。新しい家が見つかるまでは、賃貸物件や実家などに住むことになります。

1-2.買い先行の流れ

買い先行の場合は、先に買い替えして引っ越し先を決めます。住み替える物件が決まったら、今住んでいる住居を売却しましょう。買い先行の時に物件を探す流れは以下の通りです。

買い先行で物件を探す流れ

  1. 資金計画
  2. 情報収集・現地見学
  3. 契約条件の交渉
  4. 売買契約の締結
  5. 住宅ローンの申し込み
  6. 引渡(残代金支払い)
  7. 引っ越し

買い先行の場合は、資金計画を立てるところから始まります。新規の住宅ローンを組める条件をそろえるか、貯金で購入してください。

買い先行の場合、賃貸住宅や実家への一時的な引っ越しがないことが特徴です。

1-3.売り先行と買い先行の選び方

「売り先行」はある程度の売却額の目途が立ってから新居の資金計画を立てます。売却したお金を、住宅ローン残債の返済や新居の購入資金に充てたい場合は、「売り先行」を選択するとよいでしょう。

一方で「買い先行」は住宅ローンを完済しており、さらに新居の購入資金に十分な見込みがある場合におすすめです。新居の計画を慌てずにゆっくり決めることができるというメリットがあります。

売り先行と買い先行を選ぶときは、資金を目安に選びましょう。

住み替えを成功させるコツ~売却と購入のタイミング

2.住宅の買い替えに使える住宅ローンの種類

住宅を住み替える際に使える主な住宅ローンは「住宅ローン」「住み替えローン(買い替えローン)」「ダブルローン(二重ローン)」の3つの選択肢があります。

2-1.住宅ローン

すでにローン残債がない(ロ-ンを完済している)場合は、新しく通常の住宅ローンを組むとよいでしょう。住み替えをする際は、貯蓄や現在住んでいる家の売却額を考慮して資金計画を立ててください。

住宅ローンの概要は以下の通りです。

ローンの種類 解説
住宅ローン 一般的な住宅ローン
利用するべきケース
  • 住んでいた家の残債(住宅ローンの残り)が無い場合
  • 貯蓄や住んでいた家を売却した金額でローンを一括返済できる場合に利用できる

2-2.住み替えローン(買い替えローン)

住み替えローンはローン残債があり、さらに新居の購入にもローンを組みたいいケースで利用します。

自己資金に余裕がない場合は売り先行を選び、「住み替えローン(買い替えローン)」を活用する のがおすすめです。

買い替えローンの概要は以下の通りです。

ローンの種類 解説
住み替えローン(買い替えローン) ローン残債と新しい家のローンを合算して組む住宅ローン
利用するべきケース
  • まだ住んでいる家のローンの残債があるが、住んでいる家を売却した利益でもローンの残りを完済できず、さらに新しい家の物件購入資金のローンも組みたい場合

2-3.ダブルローン(二重ローン)

基本的に買い先行の場合はダブルローン(二重ローン)になりますが、ローンの審査が厳しく、返済額も大きくなるというデメリットがあります。

また、ダブルローンは誰にでも組めるローンではありません。年収と返済額の割合が「返済比率30%」までに収まることがポイント です。返済が終了する年齢も関係あります。返済完了時期が70歳を超えている場合は、ダブルローンの対象外になることもありますので、注意しましょう。

ダブルローンの概要は以下の通りです。

ローンの種類 解説
ダブルローン(二重ローン) 今まで住んでいた家と住み替える新しい家のローンを二重に組むローン。
利用するべきケース
  • (買い先行の場合)まだ住んでいる家のローンの残債がある状態で、住み替えのために物件を購入する場合
住み替えを成功させるための重要ポイントは、ローンの設定における資金計画!

3.住み替え(買い替え)ローンのメリット・デメリット

この章では、住み替えローン(買い替えローン)の概要とメリット・デメリットについて解説します。

3-1.オーバーローンでも住み替えを検討できる

住み替えローンとは、買い替えを行う場合、次に購入する物件の住宅ローンに返済しきれなかったローン残債を上乗せして借りることができるローンです。

オーバーローンとは、住宅ローン残債が売却額を上回る状態のことを指します。それに対して、アンダーローンは住宅ローン残債が売却額を下回る状態のことです。住み替えローンは、オーバーローンのときに利用します。

まず、家を売却する場合は、抵当権を外すことが条件です。抵当権とは、銀行が住宅ローンを貸し出す際に設定した担保権のことを指します。抵当権を抹消するには、住宅ローン残債を一括返済しなくてはいけません。

住宅の売却代金に貯金等を加えたり、親族からお金を借りたりして一括返済できれば抵当権を抹消することは可能です。しかしながら、貯金等が十分でない場合もあります。そのようなときに利用できるのが「住み替えローン」です。

3-2.住み替えローンのメリット

住み替えローンの利用には以下のメリットがあります。

  • オーバーローンでも住み替えができる
  • 貯金を減らさなくて済む
  • 引っ越し費用など住み替えにかかる諸費用に余裕がもてる

住み替えローンの最大のメリットは、本来なら住み替えできない状況でも、住み替えを可能としてくれる点にあります。ローン残債を完済するのを待たず、住み替えができます。

また、住み替えローンを利用すれば、いたずらに貯金を減らさなくて済むというメリットがあります。貯金は不測の事態に備え、ある程度残しておくことが必要です。

また、引っ越し費用や一時的な住まいを確保する費用など、住み替えには新居費用以外にもお金がかかります。住み替えローンを使うことで、そうした諸費用の出費に貯金を回すこともできます。

オーバーローンの場合、貯金で残債を返済できるとしても、貯金を枯渇させるような返済方法はかえってリスクが生じる可能性があります。その場合は、住み替えローンの活用を検討しましょう。

3-3.住み替えローンのデメリット

住み替えローンの利用には以下のデメリットがあります。

  • 過剰な債務を抱えることになる
  • 融資審査が通りにくい

住み替えローンの最大のデメリットは、過剰な債務を抱えることになるという点です。住み替えローンでは、購入物件で物件価格以上のローンを借りることになります。つまり、購入物件では最初からオーバーローン状態ということです。

万が一、住宅ローンを返済できず売却するような事態となった場合、今度は返済しきれない残債がもっと多く残ります。

住み替えローンは、返済できない状態を先送りしているだけなので、オーバーローンの問題を解決していることにはならないのです。

2つ目としては、住み替えローンは融資審査が通りにくいという点があります。銀行にとっては、担保価値以上に融資をすることになるため、融資姿勢は厳しくなります。

住み替えローンでは、銀行は経年で変動する物件や土地の担保価値は最初から当てにしておらず、主に「人の返済能力」を見て融資を行います。

借りる方の収入や、職業、勤務先、勤続年数等が一層重視され、条件が良くないと融資を受けることができません。住み替えローンは誰でも利用できるローンではないことを事前に留意しておきましょう。

4.住み替えローンの利用方法

この章では、住み替えローンの利用方法について解説します。

4-1.売却と購入の決済を同日にする

住み替えローンでは、1つ悩ましい問題があります。それは、売却と購入の決済を同日にする必要があるという点です。

住み替えローンも、通常の住宅ローンと同様に融資実行日は購入物件の引渡日になります。銀行は引渡と同時に融資しないと、物件に抵当権を付けることができないからです。

一方で、売却物件は抵当権を外さないと売却することができません。抵当権を外すには、売却物件で住宅ローンを完済することが必要です。住み替えローンの融資を受けないと売却できないことになります。

つまり、住み替えローンを利用するには、購入物件の融資実行日に売却物件の引渡日を合わせなければいけないということです。住み替えローンを利用する方は、購入と売却の全体スケジュールを計画的に調整していくことになります。

4-2.買い替え特約がおすすめ

住み替えでは、売却物件と購入物件の決済日(引渡日)を同日に調整するのは非常に難しいので、買い替え特約を利用することをおすすめします

買い替え特約とは、住み替えをする買主が、自分の家が期限までに売却できなかった場合に、購入の売買契約を解除できるという特約です。

買い替え特約を図式化すると以下のようになります。

Aさんは、住み替えローンを利用する「本人」です。買い替え特約では、先に購入物件の売買契約を締結します。この時点ではAさんの家は売れていません。

そして、購入物件の売り主であるBさんとの売買契約で、「Aさんの家が○○年〇月〇日まで売れなかったら契約を解除する」という買い替え特約の条件を付けます。

これによって、Aさんの売却物件が売れなければ購入物件の契約は解除できることになります。

買い替え特約とは、購入物件を先に条件付きで押さえておくということです。購入物件を先に抑えておけば、Aさんの売却物件がCさんと売買契約ができた時点で、Bさんと引渡日を同日に調整することができます。

買い替え特約を利用すれば、先に購入物件をじっくり選ぶことができますし、日程調整も格段に簡単になります

4-3.買い替え特約を最も利用しやすい物件とは

買い替え特約は、購入物件に利用しやすい物件と利用しにくい物件があります。買い替え特約を利用しやすい物件とは、売主が不動産会社の物件です。

売主が個人である中古物件を購入したい場合、売主が買い替え特約の条件を応諾してくれないことは少なくありません。

個人の方が売主の場合、売主自身も住み替えを前提としているケースが多く、買い替え特約を付けてしまうと、売主は自分の物件がいつ売れるか分からなくなるという立場に追い込まれます。売主自身が購入物件の購入タイミングを計りにくくなってしまうのです。

一方で、不動産会社が売主の物件なら、基本的に売り切って終わりです。不動産会社が売主となっている物件では、買い替える目的としていないため、買主の物件が売却できることを待つことができます。

そのため、不動産会社が売主の物件であれば、「買い替え特約をつけてほしい」という依頼が通りやすい傾向にあります。

不動産売却塾 コラム

“不動産会社が売り主の物件の探し方”

新築物件であれば、基本的に売主は不動産会社です。また、中古物件でも不動産会社が売主の物件はあります。

中古物件では、物件広告の取引態様という部分をチェックします。取引態様とは、物件広告を出している不動産会社の立場を表したものです。

取引態様には、「売主」「媒介」「代理」の3種類がありますが、「売主」と書かれていたらその物件広告を出している不動産会社が売主の物件ということになります。

住み替えローンを利用する場合には、購入物件を「新築物件」または「不動産会社が売主の中古物件」に絞り、買い替え特約を付けてもらうと上手く買い替えができます。

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5.住み替えの計画する際に調べておくべきこと

この章では、住み替えを計画する際に調べておくべきことを解説します。

5-1.住み替えにかかる費用

住み替えの計画を立てる前に、以下の経済状況や住み替えにかかる費用について整理しておきましょう。

  • 現在のローン残債(住宅、車など)
  • 家の売却にかかる諸経費
    • 仲介手数料
    • (利益が生じた場合)所得税と住民税
    • 引っ越しや一時的な住まいのお金
    • 印紙税や登記変更費用(名義変更や抵当権抹消)
  • 家の購入/建築にかかる費用
    • 家の購入費用/建築費用
    • 仲介手数料(不動産仲介で建売、中古住宅を購入する場合)
    • 印紙税
    • ローン手数料
    • 登記にかかる費用(所有権移転、抵当権の設定)
    • 火災保険料や地震保険料
    • 固定資産税

ローンを組む場合は、毎月の返済額の可能範囲まで考えておくとよいでしょう。基準を設けておくことで、判断をする基準となります。逆に、判断基準を持たずに検討を始めてしまうと、予算が大きくオーバーしてしまい、返済が苦しくなるリスクがあります。

住み替えにかかる費用については、以下の関連記事などをご参照ください。費用面については、将来に向けた貯金を含めて、十分に考慮しておきましょう。

マンションの住み替えのメリット・デメリット!失敗しない住み替え手順とは

5-2.不動産の一括査定を依頼

住み替えローンを利用するか否かに関わらず、不動産を売却するには、まずは不動産会社に相談することが必要です。具体的には、まず不動産会社に無料査定を依頼します。

査定を依頼することで、オーバーローンなのか、アンダーローンなのかをしっかり把握します。

住み替えローンはオーバーローンのときにはじめて利用するローンのため、査定額がアンダーローンである場合は利用する必要がありません。

5-3.査定額の比較が重要となる理由

査定額は、あくまでも不動産会社による売却予想価格に過ぎないため、複数の不動産会社の査定額をしっかり比較検討することが重要となります。

例えば、1社だけ査定を取ってみて、オーバーローンだからすぐに住み替えローンを利用すると考えるのは、早合点過ぎます。

不動産会社を変えてみたら、アンダーローンで売却してくれる不動産会社が見つかるかもしれません。

住み替えローンは過剰な債務を抱えるリスクがあるため、安易に利用せず、本当にオーバーローンとなってしまうのかしっかり検証することが非常に重要です。

複数の不動産会社に査定を依頼する場合には、「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」を利用することをおすすめします。

不動産売却HOME4U

不動産売却 HOME4U」は、対象エリアで不動産売却を得意とする最大6社の実績豊富な不動案会社に無料で査定依頼できるからです。

実績豊富な不動産会社同士の査定比較であれば、高く売ってくれる不動産会社を見つけやすくなります。仮にオーバーローンであってとしても、できるだけ高く売却することが重要となります。

高く売却すれば、残る住宅ローン残債を少なくすることができるため、住み替えローンの過剰な債務リスクを減らすことができます。オーバーローンとなる場合は、少しでも高く売ることを心がけてください。

また、「不動産売却 HOME4U」は、全国約1,800社、大手や地元の力のある不動産会社と提携しています。自ら売主となっている物件を扱っている不動産会社も多数あります。

「買い替え特約ができる物件を紹介して欲しい」と依頼すれば、自社物件を喜んで紹介してくれます。「不動産売却 HOME4U」を使うことで、売却とともに良い購入物件も見つかる可能性がありますので、ぜひ一括査定サービスをご利用ください。

6.住み替え(買い替え)ローンを利用の注意点

この章では住み替えローンを利用する際の注意点について解説します。

6-1.収入合算できる銀行も探す

住み替えローンを提供している銀行の中には、連帯債務連帯保証によって夫婦の収入合算ができるメニューを備えた銀行もあります。


連帯債務

夫婦でマンションを共有し、夫も妻もそれぞれ住宅ローンを返済するパターンの債務関係です。

連帯保証

主たる債務者がマンションを単独所有し、主たる債務者が1人で住宅ローンを返済し、他方が連帯保証人となるパターンの債務関係になります。

単独の収入では住み替えローンの審査に通らない方でも、夫婦の収入を合算した世帯収入にすると審査に通る場合があります。

単独で審査を通すことに不安のある方は、住み替えローンで連帯債務や連帯保証も認めてくれる銀行も探しておきましょう。

6-2.将来の教育費・介護費用・老後の生活資金を考慮する

住み替えローンを利用する場合は、将来の子供の教育費や親の介護、老後の資金を考慮するようにしてください。

住み替えローンは過剰債務を抱えますので、返済額が大きくなりがちです。子供が高校生や大学生になると教育費が膨らみますので、その時期を考慮した住宅ローンの返済額を設定することが重要となります。

返済額の設定の指標となるのが、返済比率です。以下の計算式で求めることができます。

返済比率 = 年間返済額 ÷ 額面年収

住宅ローンの適切な返済比率は20%以内と言われています。借り過ぎには注意し、将来、教育費などが上がっても返済できる無理のないローンを組むようにしましょう。

7.住み替え時にお得な税金特例

住宅の住み替えの際には様々な税金がかかります。節税特例という制度を利用すれば、税金の負担を減らせることがあります。

住宅ローン減税など、住み替えをするときに利用できる減税制度とは?

7-1.利益が生じた場合:3,000万円特別控除

今所有しているマイホームが、買ったとき(実際には経年による減価償却費を差し引いたもの)よりも高い価格で売却されると、売却利益が発生します。

発生した利益に対しては「譲渡所得税」が課税されますが、「3,000万円特別控除」の適用条件を満たすと、最高3,000万円まで非課税となる特別控除を受けることができます。

主な適用条件は以下です。

3,000万円特別控除を受けるための主な条件

  1. 控除を受ける方が実際に住んでいる(住んでいた)マイホームであること
  2. 住み替える前の家に住まなくなってから、3年以内に売却すること
  3. その家を売却するまでに、他の土地を活用して利益を得ていない
  4. 家を売ってから3年前までにこの特例を受けていない
  5. 家の売主と買主が、「親子や肉親」「生活を共にしている親族や内縁関係」などといった特別な関係ではない

詳細の条件については、参考URLをご確認ください。

参考・引用元:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例

7-2.利益が生じた場合:買い替え特例

住んでいる家を売却し、利益が出た場合は譲渡所得税を納める必要があります。買い替え特例は、譲渡所得税の納付を先送りできる制度です。

買い替え特例の適用により、売却した年に課税はされず、新しく買い替えた住居を売却したときに初めて課税されます。逆に言うと、売却をしなければ払う必要はないということです。

この特例の条件は以下となります。詳細の条件については、参考URLと関連記事をご確認ください。

売却した住宅の要件

  1. 売却した年の1月1日の時点での所有期間が10年を超える居住用財産であること
  2. 売却価格が1億円以下であること
  3. 居住期間が10年を超えていること

買い替えた(住み替えた)住宅の要件

  1. 住宅の床面積が50平米以上で、専有面積が500平米であること。マンションの場合は、登記された専有部分の面積で判定される
  2. 中古マンション購入の場合には、築年数が25年以内であること

参考・引用元:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例

マイホーム(居住用財産)買い換え時の税金特例|節税のポイントとは

7-3 損失が生じた場合の税金特例

損失が出た場合にも適用される特例があります。この特例を「譲渡損失の損益通算」と言います。住宅を売却して損失が発生した場合、一定の条件を満たすと、その損失をその年の他の所得から相殺できます。

オーバーローンで売却をし、住み替えを行う場合、以下の2つの税金特例が利用できる可能性があります。

  1. 居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
  2. 居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

これらの特例は、いずれも払い過ぎていた源泉徴収税の還付を受けることができる特例です。

不動産売却塾 コラム

“税金特例は有利な方を選ぶ”

結論からすると、上記の2つの特例では「1. 居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を使った方が節税効果は大きく有利となります。

両特例は、給与所得等と損益通算(プラスの所得とマイナスの所得を合算すること)するために、繰越控除限度額を計算します。

「1.」の特例は譲渡損失(譲渡価額から取得費と譲渡費用を控除したもの)の全額が繰越控除限度額となります。一方で、「2.」の特例はオーバーローンの額が繰越控除限度額となりますが、その上限は譲渡損失までと定められています。

「1.」の特例の方が繰越控除限度額は大きくなるため、節税効果は「1.」の特例の方が高いといえます。

各特例の適用条件については、以下の国税庁HPで詳しい要件をご確認ください。

参考:国税庁「No.3370 マイホームを買換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)
No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)

8.住み替えで起きた失敗例と対策

住宅の住み替えをしようと検討されている方の中には、「住み替えに失敗したくない」「新たなローンを抱えることに不安がある」などと考え、なかなか踏み出せずにいる方もおられるでしょう。

そこで、この章では、住み替えに失敗する例を挙げ、どうすれば失敗を避けられるのかを解説します。

8-1.住み替えた中古物件が税金特例の適用外だった

住み替えローンや住宅ローン減税など、中古物件でも適用できる税金特例はいくつかあります。しかし、適用条件に当てはまっているかどうかをしっかりと確認する必要があります。

例えば、「住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)」を活用しようと思っていた場合です。この減税制度は中古の住宅購入にも適用されますが、ポイントとなる2つの条件があります。

  • 木造住宅は「築20年以内」であること
  • 木造以外の住宅の場合は「築25年以内」であること

この条件を満たさない住宅を購入してしまうと住宅ローン減税の適用外となり、せっかくの制度が利用できないため注意が必要です。

また、税金特例は、それぞれに適用条件が異なるため、必ず確認したうえで資金計画を立てるようにしましょう。

参考:国土交通省 すまい給付金サイト「住宅ローン減税制度の概要」・国税庁「No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)

8-2.引っ越し後に騒音・振動などのトラブルが発覚した

明るい時間帯に内見したときや、周辺を見て回ったときは気がつかなかったのに、実際に住み始めて、休日や夜間の騒音に気がつくというケースがあります。

住み替えの際には、以下のようなトラブルが発生しないかどうかを確認しておきましょう。

  • 近隣施設に訪問客が多くて騒音が発生する
  • 隣人の騒音や子供の騒音が多い
  • 交通量が多く、騒音や振動が発生する
  • 近隣に宗教施設や反社会的な組織の施設がある

こうしたトラブルを未然に防ぐには、購入を決める前に、以下の対応をしておくことが必要です。

  • 物件近隣の住民に様子を聞く
  • 時間帯や曜日を変えて何度か出向く
  • 周辺を散策したりする

8-3.耐震基準を満たしていなかった(瑕疵が発覚した)

住宅ローン減税の適用を受ける条件に「耐震基準」があります。この基準は、1978年に発生した宮城県沖地震がきっかけとなって見直されたもので、震度6~7程度の地震でも建物が倒壊しないことが基準となっています。

中古住宅で築年数の古い住宅の場合、この耐震基準を満たしていない建物もあります。中古住宅を購入する際には、耐震基準を満たしているかを確認しておくことが大事です。

また、中古住宅の場合は、耐震以外にも雨漏りやシロアリ被害など見た目ではわからない瑕疵(かし)に注意する必要があります。

購入前に建物状況調査(インスペクション)を行ってもらうように、売主に依頼してみましょう。また、瑕疵が発覚した際の対応について、売買契約書でしっかり定めておきましょう。建物状況調査(インスペクション)の詳細は、以下の関連記事をご参照ください。

インスペクションとは?不動産売却で役立つ基礎知識を解説

9.【中古住宅・新築別】住み替えるメリット比較

この章では、住み替え先が中古住宅である場合、新築である場合のメリットを解説します。

9-1.中古住宅に住み替えるメリット

「中古住宅」と言うと10年、20年経過した家屋を想像しがちですが、中には築2年程度のほぼ新築同様の住宅が見つかる場合もあります。中古住宅を購入するメリットは以下の通りです。

9-1-1.新築よりも安い

住み替えの際に中古住宅を購入するメリットは、なんといっても新築よりも安い費用で購入できることです。住み替える立地によっては、中古であってもそれなりの価格で販売されている物件もありますが、それでも新築物件に比べれば割安な価格で購入できるのが中古住宅のメリットであり、大きな魅力です。

9-1-2.立地条件が良い

中古住宅の中には、立地の良いエリアに立てられている物件が多く見られます。中古住宅と言っても、もとは新築で販売されていた物件です。販売する以上は、不動産会社も購入者の購買意欲に訴える好条件なエリアを選んで建築します。そのため、築年数は古くても、立地エリアに恵まれた物件も多く見らます。

9-1-3.実際に生活するイメージがしやすい

住宅を新築する場合や、注文住宅を購入する場合には、実際の建物が建つまでは、パンフレットやモデルハウスで住み替えた際の生活をイメージするしかありません。

中古住宅の場合は、すでに建物が建っており、内覧で建物を確認できるため、実際の生活をよりリアルに確認することができるメリットがあります。

9-2.新築に住み替えるメリット

新築の戸建て住宅、マンションに住み替える際のメリットは以下の通りです。

9-2-1.家が広くなる

新築の戸建て住宅、マンションに住み替える場合、主に「家族が増えるから」「部屋を増やしたいから」という理由で決断する方が多数です。また、新築の場合、長く住むことを前提にしているケースも多いのも、一つの大きな特徴といえるでしょう。

9-2-2.家を自由に設計できる

注文住宅を建てる場合、一番のメリットとして挙がるのが「家を一から設計できる」点です。個々のこだわりを発揮することができるため、「自分の家」の実感を強く持つことができます。

9-2-3.固定費が下がる

マンションには修繕積立金や管理費などが毎月発生しますが、新築の戸建ての場合は、発生しません(新築マンションは発生します)。そのため、毎月の固定費が下がることになります。

しかし、家の劣化による修繕に備えて、自分で貯金をしておく必要があるため、まったくかからないわけではありません。将来を見越して、計画的な修繕計画を立てておきましょう。

まとめ

この記事では、住み替え時に活用できる住宅ローン(買い替えローン)について解説してきました。

住み替えローン(買い替えローン)はオーバーローンでも住み替えを可能にしてくれるローンです。ただし、過剰債務を抱えることになるというリスクがあります。

売却と購入の決済を同日にするには、買い替え特約の利用が効果的です。買い替え特約を利用したい場合は、購入物件に売主が不動産会社の物件を狙うのがコツです。

住み替えの第一歩となるのが不動産の査定です。そこでおすすめしたいのが、一括査定サービス「不動産売却 HOME4U」のご利用です。

早い段階で住み替えを希望していることを伝え、買い替え特約の利用についても相談しておくとよいでしょう。

この記事のポイント まとめ

家を買い替える方法や流れは?

家を買い替える場合、今住んでいる物件を売却してから買い替える「売り先行」と、先に住み替え先の物件を購入する「買い先行」があります。それぞれの流れは以下の通りです。

売り先行時の売却の流れ

  1. 自宅の価格査定
  2. 媒介契約の締結
  3. 売却活動の開始
  4. 契約条件の交渉
  5. 売買契約の締結
  6. 引っ越し
  7. 引渡(残代金受領)

※物件が売れたら住み替え先の物件を探します。

買い先行で物件を探す流れ

  1. 資金計画
  2. 情報収集・現地見学
  3. 契約条件の交渉
  4. 売買契約の締結
  5. 住宅ローンの申し込み
  6. 引渡(残代金支払い)
  7. 引っ越し

詳細は「1.家を買い替えるには?住み替えの基本的な流れ」をご覧ください。

住宅の買い替えに使える住宅ローンの種類は?

住宅の買い替えに使える住宅ローンの種類は以下の3種類です。

買い替えに使える住宅ローンの種類

  1. 住宅ローン
  2. 住み替えローン(買い替えローン)
  3. ダブルローン(二重ローン)

それぞれのローンの詳細は「2. 住宅の買い替えに使える住宅ローンの種類」をご覧ください。

住み替え(買い替え)ローンのメリット・デメリットは?

住み替え(買い替え)ローンのメリット・デメリットは以下の通りです。

住み替え(買い替え)ローンのメリット

  • オーバーローンでも住み替えができる
  • 貯金を減らさなくて済む
  • 引っ越し費用など住み替えにかかる諸費用に余裕がもてる

住み替え(買い替え)ローンのデメリット

  • 過剰な債務を抱えることになる
  • 融資審査が通りにくい

詳細は「3.住み替え(買い替え)ローンのメリット・デメリット」をご覧ください。