住み替えローンとは?流れやメリット、注意点まで詳しく解説

住み替え 住宅ローン

住み替えローンとは、住宅を売却してもローンの残債がでる場合に、ローンの残債と新しい住宅の購入資金を一緒に借りることができる住宅ローンの一種です。

古い住宅のローンも完済しつつ、新しい物件も入手できる魅力的なローンですが、メリットだけではなく把握しておくべき注意点もあります。

この記事では、住み替えローンの基礎知識から住み替えで知っておきたい税制特例まで、詳しく解説していきます。ぜひ最後までお読みください。

住み替えをしたいので、すぐにでも相談したい」「なるべく早く売却したい」という方は、まずは「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」を使って複数の不動産会社にまとめて売却査定を依頼してみることをおすすめします。複数の企業をまとめて比較できるから、信頼できる、最適な不動産会社がきっと見つかります。
この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.家の売却時に残債があっても利用できる住み替えローンとは?

住み替えローンとは、住宅ローンの残債があっても新たな家に住み替えたい方のために、旧居と新居のローンを一緒に借り入れできる便利なローンです。金融機関によっては、買い替えローンとも呼ばれています。

住み替えローンの例を図にすると、以下のようになります。

住み替えローン

借り入れの条件は、借りる方の収入、職業、勤続年数など、返済能力が重視される傾向にあります。ただし具体的な条件は各社異なるため、「5.住み替えローンを取り扱う主な金融機関」から気になる金融機関を調べてみましょう。

また、住み替えの売買には、旧居の売却を先に行う「売り先行」と、新居の購入を優先して行う「買い先行」があります。それぞれのメリットとデメリットを関連記事で詳しく紹介していますので、併せてお読みください。

なお、マンションの住み替えについて詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。

2.住み替えローンのメリット

住み替えローンのメリット

この章では、住み替えローンの概要と、以下の3つのメリットについて解説します。

  1. 旧居の残債があっても新居を購入できる
  2. 住み替え費用の持ち出しを抑えられる
  3. ダブルローンを組まなくてもよい

以下、ひとつずつ説明していきます。

2-1.旧居の残債があっても新居を購入できる

住宅ローン残債が、家の売却額を上回る状態を、オーバーローンといいます。

家を売却する際、通常、ローンが残っている状態では売ることができません。住宅には、銀行が住宅ローンを貸し出す際に設定した抵当権(担保権)が設定されており、「抵当権を抹消するには住宅ローンを一括返済しなくてはならない」というルールがあるからです。

そこで、オーバーローンの場合、預貯金を返済に充てたり、親族からお金を借りたりして住宅ローンの残債を一括返済し、抵当権を抹消する必要があります。しかし、そのような手段を誰もがとれるわけではありません。

このように、住宅ローンの一括返済が難しく、家を売却してもオーバーローンになりそうな場合、住み替えローンが有効な手段となります。住み替えローンを利用すれば、残債があっても新しい家を購入することができます。

2-2.住み替え費用の持ち出しを抑えられる

住み替えローンを利用すれば、貯金からの持ち出しを最低限に抑えられるというメリットもあります。

預貯金は不測の事態に備え、ある程度残しておきたいと考える方も多いでしょう。

また、住み替えには引っ越し費用や一時的な仮住まいを確保する費用など、新居の購入費以外にも意外とお金がかかります。住み替えローンを使うことで、そうした諸費用に預貯金を回すこともできます。

オーバーローンの場合、貯金で残債を返済できるとしても、貯金を枯渇させるような返済方法はかえってリスクが生じる可能性があります。まずは家計の状況を整理して、住み替えローンの活用を検討するのが賢い方法です

2-3.ダブルローンを組まなくてもよい

住んでいた家と住み替える新しい家のローンを二重に組むことを、ダブルローンといいます。

ダブルローンは、所有している家に住みながら新たな家を購入する「買い先行」のケースで利用されることが多いのですが、ローンの審査が厳しく、返済額も大きくなるというデメリットがあります。

住み替えローンを利用して、旧居と新居のローンをひとつにまとめることができれば、ダブルローンの負担は回避しつつ、新しい住居を購入することができます

3.住み替えローンの注意点

住み替えローンの注意点

住み替えローンには大きなメリットがある一方、気を付けなければならない3つの注意点があります。

  1. 審査のハードルが高い
  2. 売却と購入の決済を同日にする必要がある
  3. オーバーローンの返済負担が重い

以下より、詳しく解説していきます。

3-1.審査のハードルが高い

銀行にとっては、新居の担保価値に加えて旧居の残債分にも融資をすることになるため、住み替えローンの審査は厳しいのが一般的です。

住み替えローンでは、銀行は経年で変動する物件や土地の担保価値よりも、主に「人の返済能力」を見て融資を行います。

借りる方の収入や、職業、勤務先、勤続年数等が、前回の住宅ローンより重視され、条件が良くないと融資を受けることは厳しくなります。

3-2.売却と購入の決済を同日にする必要がある

住み替えローンを実行する上で注意したい2つ目のポイントは、売却と購入の決済(引き渡)を同日にする必要があるという点です。

上記の流れの通り、旧居の住宅ローンの引渡日と新居の住み替えローンの決済日は、同日になります。

旧居の物件は抵当権を外さないと売却することができません。抵当権を外すには、旧居を売却して住宅ローンを完済することが必要です。また、住み替えローンの融資を受けないと旧居の完済も、新居を購入することもできません。

つまり、住み替えローンを利用するには、購入物件の融資実行日に売却物件の引渡日を合わせなければいけないということです。住み替えローンを利用する方は、購入と売却の全体スケジュールを計画的に調整していくことになります。

3-2-1.決済日に困ったら、売却条件付きの住み替え特約

売却物件と購入物件の決済日(引渡日)を同日に調整するのが難しい場合は、住み替え(買い替え)特約を利用することおすすめします。

住み替え特約とは、住み替えをする買主が、自分の家が期限までに売却できなかった場合に、購入の売買契約を解除できるという売却条件付きの特約です。

住み替え特約を図式化すると以下のようになります。

売却条件付きの住み替え特約

Aさんは、住み替えローンを利用する「本人」です。住み替え特約では、先に購入物件の売買契約を締結します。この時点ではAさんの家は売れていません。

そして、購入物件の売り主であるBさんとの売買契約で、「Aの家が〇〇年〇月〇日まで売れなかったら契約を解除する」という住み替え特約の条件を付けます。

このように、売却条件付きの特約を設定することで、購入物件を先に抑えておき、Aさんの売却物件がCさんと売買契約ができた時点で、Bさんと引渡日を同日に調整することができます

3-2-2.住み替え特約が適用されやすい物件

住み替え特約は、購入物件に利用しやすい物件と利用しにくい物件があります。

この住み替え特約を利用しやすいのは、以下の図のように、家の売主が不動産会社のケースです。

住み替え特約が適用されやすい物件

個人の方が売主の場合、売主自身も住み替えを前提としているケースが多く、住み替え特約を付けてしまうと、売主自身が購入物件の購入タイミングを計りにくくなってしまうのです。

一方で、不動産会社が売主であれば、売り切って終わりです。不動産会社は、住み替えを目的としていないため、買主の物件が売却できることを待つことができます。

そのため、不動産会社が売主であれば、「住み替え特約をつけてほしい」という依頼が通りやすい傾向にあります。

3-3.オーバーローンの返済負担が重い

住み替えローンの最大のデメリットは、過剰な債務を抱えることになるという点です。

住み替えローンでは、購入物件で物件価格以上のローンを借りることになります。つまり、最初からオーバーローン状態ということです。オーバーローンとは、住宅ローンの残債が、家の売却額を上回る状態のことです。

さらに、通常の住宅ローンより金利の相場が高く、総じて毎月の返済額も高額になりがちです。

万が一、住宅ローンを返済できず売却するような事態となった場合、残債がさらに増えるリスクがあるということを理解し、返済計画をしっかりと立てて利用するようにしましょう。

住み替えローンの注意点については以下の関連記事もご参考ください。

4.住み替えローンの流れ

住み替えローンを利用したいと考えたら、まずは大まかな流れについて押さえておきましょう。住み替えローンの申し込みから融資を受けるまでは、主に以下の5つのステップで進めていきます。

住み替えローンの流れ

4-1.ローン残債を確認・事前準備をする

まずは、現状を把握することからスタートです。住み替え計画の第一歩として、以下のような洗い出しをしておくとよいでしょう。

  1. 住宅ローンの残債を確認する
  2. 家の売却相場を確認する
  3. 自己資金から、ローン返済や新居の頭金にいくら充てられるか検討する
  4. 前年度の収入がわかる源泉徴収票などを集めておく

など

【2】の家の売却相場は、レインズマーケットインフォメーションや中古住宅の不動産サイトを利用して実際の成約価格や売り出し価格の相場感をつかんでおきましょう。次のステップで不動産会社に査定依頼をした際に、査定額か適正であるか判断がしやすくなります。

住み替えの成功のためには、資金計画が非常に大切です。以下の関連記事も、ぜひ併せてお読みください。

4-2.不動産会社を探す

つぎに、現在の住居を売却してくれる不動産会社を探します。

住み替えは売却と購入が同時に進行するため、不動産会社選びは重要です。住み替えローンのプランや融資してくれそうな銀行を提案してくれる不動産会社もあります。事前に住み替え希望であることを伝え、ローンも含めたサポートしてくれる不動産会社か確認してみましょう。

不動産会社選びは、「不動産売却 HOME4U」などの一括査定サービスを介して複数社に依頼し、査定額や各社の対応を比較することが大切です。販売活動の進め方や、もし、住み替えローンを組んでも売れない場合どうするのか、買取サービスがあるかなどを確認し、各社のレスポンスの速さや回答を比較・検討しましょう。

4-3.住み替えローンを扱っている金融機関を探す

住み替えローンはメガバンクから地方銀行まで、さまざまな銀行が取り扱っています。

住み替えローンは一般の住宅ローンよりも金利が高く、融資条件も厳しくなりますが、各社ごとに金利のキャンペーンを実施していたり、審査基準が異なったりするため、条件を比較することが大切です。住み替えの融資額がシミュレーションできるサイトがある銀行もあるので、活用してみましょう。

なお、住み替えローンの取り扱い金融機関一覧は「5.住み替えローンを取り扱う主な金融機関」で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

4-4.住み替えローンを申し込む(事前審査)

利用したい銀行を絞り込んだら、事前審査に申し込みます。事前審査とは、収入・勤務先・頭金の有無・借入希望額などをもとにして、返済能力があるか判断するための審査で2~3日ほどかかります。

住み替えローンの審査基準は各金融機関によって異なるため、複数社を候補としておき、万が一、住み替えローンに通らない場合に備えておくとよいでしょう。

なお、先に家を売る「売り先行」にすると、ローンをいくら返済できるか、新居にいくらかけられるか、具体的な住み替えローンの計画が立てやすくなります。一方、新居の購入を先にする「買い先行」にすると、新居を担保としてローンを組めるため、借り入れの見通しがたてやすくなります。

住み替えに関する売り先行・買い先行のメリット・デメリットは、以下の記事で詳しく解説しています。住み替えローンを決める前の基礎知識として読んでおくことをおすすめします。

4-5.融資を受ける

事前審査が通り、新居の購入が決まれば、信用保証会社による本審査が行われます。

本審査では、雇用形態や勤続年数、家族構成や、新居の担保評価など、事前審査よりさらに厳しく返済能力をチェックされます。審査期間は2~3週間ほどかかるのが一般的です。

こうして、晴れて本審査が通ると、指定の銀行口座に融資が振り込まれます。住み替えの場合、この融資の実行日に、旧居の売却と新居の決済を行う必要があるので注意が必要です。

しかし、同日に行うのは大変ハードルが高いため「住み替え特約」を利用するのが得策です。詳しくは「3-2-1.決済日に困ったら、「住み替え特約」がおすすめ」をご覧ください。

5.住み替えローンを取り扱う主な金融機関

住み替えローンは、メガバンクから住宅ローン専門の金融機関まで、幅広い金融機関が取り扱っています。ただし、一部の銀行で取り扱いがないため、旧居の住宅ローンとは別の金融機関を利用するケースも珍しくありません。

以下は、おすすめの住み替えローンの一覧です。それぞれの特徴を確認して、最適なローンを選びましょう。

各金融機関の住み替えローン 特徴
三井住友銀行 WEB申し込み専用住み替えローン 共働き夫婦に安心のクロスサポート、8大疾病保障、自然災害時返済一部免除特約など、もしもの時の保障が充実
りそな住み替えローン 前年の税込年収が100万円以上、給与所得者の場合は勤続年数1年以上と、比較的受け入れの幅が広い
みずほ買い替えローン 8大疾病補償プラスがんサポートプランなど、希望により4つのプランから選択が可能
ARUHI住み替え実現ローン 売却活動の一定期間内に売却が成立しなかった場合、あらかじめ提示した金額でアルヒ不動産テクノロジーズが買取りするサービスがある
ろうきん買替ローン(不動産担保型) 労働組合員や生協の組合員は保証料が安くなり、年収の条件も比較的やさしい。ただし地域によって金利が異なるため事前に要確認
横浜銀行 住宅ローン(お住み替え) インターネットバンキングを利用すれば、一部の繰り上げ返済と金利種類変更の住宅ローン⼿数料が無料
千葉銀行 住み替えコース 住み替えにともなう火災保険料や事務手数料などの融資も可。千葉銀行の住宅ローンを利用していれば、乗り換えることもできる

6.住み替えローンのシミュレーション│費用・返済比率

住み替えローンのシミュレーション│費用・返済比率

住み替えローンを利用する場合、具体的にどのくらい費用が発生して、いくら借り入れが必要となるのでしょうか。必要となる費用の洗い出しや具体的な条件をもとに、住み替えローンのシミュレーションをしてイメージをつかみましょう。

6-1.住み替えにかかる費用

住み替えローンのシミュレーションの前に、現在の経済状況や住み替えにかかる費用について整理しておきましょう。

旧居の売却時に確認しておきたい資金・費用
項目 内容
ローン残債や預貯金 ローンだけでなく、預貯金も調べて、自己資金としていくら捻出できるか確認しておく
ローン残債や預貯金 ローンだけでなく、預貯金も調べて、自己資金としていくら捻出できるか確認しておく
旧居の売却見込み価格 レインズ一括査定サービスなどを利用して、いくらで売却できるか見込をたてる
売却の諸費用 売却時の諸費用は4~6%。内訳は仲介手数料や印紙税・固定資産税、登記費用、金融機関への事務手数料など
引っ越し代 家族が多い場合やオンシーズンだと、意外にかかるので必ず確保しておく
仮住まい代 売り先行の場合、必要になる可能性がある
新居の購入時に確認しておきたい資金・費用
項目 内容
新居の購入予定額 新居の購入にいくらかけられるかは、旧居がいくらで売却できるかによるため、一括査定サービス等を利用して見通しをたてておく
購入の諸費用 新築の場合5~7%、中古物件の場合は8~10%の諸費用がかかるとされている。内訳は売却時と同様に仲介手数料や各種税金など
火災保険・地震保険料 マンション、一戸建てを問わず住宅購入の際には必ず加入しておきたい。2022年10月には全国的な値上げが予定されているため事前に要確認(※)

(※)参考:損害保険料算出機構「火災保険参考純率改定のご案内

住み替えにかかる費用については、以下の関連記事もご参照ください。費用面については、将来に向けた貯金を含めて、十分に考慮しておきましょう。

6-2.住み替えローンのシミュレーション

必要な費用を洗い出したところで、以下の条件にそって、シミュレーションをしていきましょう。

住み替え条件
年収(額面) 700万円
年齢 43歳
自己資金 200万円
旧居のローン残債 2,500万円
旧居の売却見込み額 2,100万円
新居(新築)の購入予定額 3,000万円
返却期間 35年
金融機関の金利 2.0%

国土交通省の「令和3年度住宅市場動向調査報告書」によると、住み替え住宅の取得年齢層は、分譲戸建て住宅では40代が多く、マンションや注文住宅への住み替えは60代が多い傾向があります。

また、自己資金は購入資金の1割前後あることが望ましいのですが、自己資金ゼロのフルローンも利用できる金融機関は増えています。

以上の条件をもとに、住み替えに必要な費用や融資額をシミュレーションしていきましょう。

住み替えに必要な金額
売却の諸費用(4%で算出) 84万円
購入の諸費用(5%で算出) 150万円
旧居のローン残債 2,500万円
新居の購入予定額 3,000万円
旧居の売却見込み額 2,100万円
新居(新築)の購入予定額 3,000万円
合計 5,734万円

さらに、住み替えに必要な金額から、旧居を売却して得られる金額と自己資金を差し引きます。
5,734万円 - (売却見込み額2,100万円 + 自己資金200万円) = 3,434万円

以上の計算から、必要な資金は、3,434万円と算出されます。

6-3.住み替えローンは返済比率に注意

各金融機関では、無理のない返済ができるよう、年収に占める住宅ローンの比率に制限を設けています。この割合を返済比率といい、一般的には年収に対して20%以内に収めるとよいとされています。

返済比率は以下の計算式で求めることができます。

返済比率 = 年間返済額 ÷ 額面年収

前章の条件とシミュレーションをもとに、
【1】返済総額→【2】年間返済額→【3】返済比率
の順に算出していきます。なお、金融機関の金利は2%固定で元利均等法、端数切捨てとします。

【1】返済総額: 必要資金3,434万円 × 金利2% = 返済総額4,777万円
【2】年間返済額: 返済総額4,777万円 ÷ 返済期間35年 = 年間返済額136万円
【3】返済比率: 年間返済額136万 ÷ 年収700万円 = 返済比率19.42%

住み替えローンは旧居と新居両方のローンなため金額が膨らみがちです。借り過ぎには注意し、インフレによる生活費や教育費、老後資金の上昇が起きても無理なく返済できるローンを組むようにしましょう。

7.住み替え時にお得な税金特例

住宅の住み替えの際には様々な税金がかかります。節税特例という制度を利用すれば、税金の負担を減らせることがあります。

7-1.利益が生じた場合:3,000万円特別控除

今所有しているマイホームが、買ったとき(実際には経年による減価償却費を差し引いたもの)よりも高い価格で売却されると、売却利益が発生します。

発生した利益に対しては「譲渡所得税」が課税されますが、「3,000万円特別控除」の適用条件を満たすと、最高3,000万円まで非課税となる特別控除を受けることができます。

主な適用条件は以下です。

3,000万円特別控除を受けるための主な条件

  1. 控除を受ける方が実際に住んでいる(住んでいた)マイホームであること
  2. 住み替える前の家に住まなくなってから、3年以内に売却すること
  3. その家を売却するまでに、他の土地を活用して利益を得ていない
  4. 家を売ってから3年前までにこの特例を受けていない
  5. 家の売主と買主が、「親子や肉親」「生活を共にしている親族や内縁関係」などといった特別な関係ではない

詳細の条件については、参考URLをご確認ください。

参考・引用元:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例

7-2.利益が生じた場合:買い替え特例

住んでいる家を売却し、利益が出た場合は譲渡所得税を納める必要があります。買い替え特例は、譲渡所得税の納付を先送りできる制度です。

買い替え特例の適用により、売却した年に課税はされず、新しく買い替えた住居を売却したときに初めて課税されます。逆に言うと、売却をしなければ払う必要はないということです。

この特例の条件は以下となります。詳細の条件については、参考URLと関連記事をご確認ください。

売却した住宅の要件

  1. 売却した年の1月1日の時点での所有期間が10年を超える居住用財産であること
  2. 売却価格が1億円以下であること
  3. 居住期間が10年を超えていること

買い替えた(住み替えた)住宅の要件

  1. 住宅の床面積が50平米以上で、専有面積が500平米であること。マンションの場合は、登記された専有部分の面積で判定される
  2. 中古マンション購入の場合には、築年数が25年以内であること

参考・引用元:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例

7-3 損失が生じた場合の税金特例

損失が出た場合にも適用される特例があります。この特例を「譲渡損失の損益通算」と言います。住宅を売却して損失が発生した場合、一定の条件を満たすと、その損失をその年の他の所得から相殺できます。

オーバーローンで売却をし、住み替えを行う場合、以下の2つの税金特例が利用できる可能性があります。

  1. 居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
  2. 居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

これらの特例は、いずれも払い過ぎていた源泉徴収税の還付を受けることができる特例です。

不動産売却塾 コラム

“税金特例は有利な方を選ぶ”

結論からすると、上記の2つの特例では「1. 居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を使った方が節税効果は大きく有利となります。

両特例は、給与所得等と損益通算(プラスの所得とマイナスの所得を合算すること)するために、繰越控除限度額を計算します。

「1.」の特例は譲渡損失(譲渡価額から取得費と譲渡費用を控除したもの)の全額が繰越控除限度額となります。一方で、「2.」の特例はオーバーローンの額が繰越控除限度額となりますが、その上限は譲渡損失までと定められています。

「1.」の特例の方が繰越控除限度額は大きくなるため、節税効果は「1.」の特例の方が高いといえます。

各特例の適用条件については、以下の国税庁HPで詳しい要件をご確認ください。

参考:国税庁「No.3370 マイホームを買換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)
No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)

この記事のポイント

住み替え(買い替え)ローンのメリットは?

住み替え(買い替え)ローンのメリットは以下の通りです。

  • 旧居の残債があっても新居を購入できる
  • 住み替え費用の持ち出しを抑えられる
  • ダブルローンを組まなくてもよい

詳細は「2..住み替えローンのメリット」をご覧ください。

住み替えローンの流れは?

家の住み替え、住み替えローンの流れは以下の通りです。

  1. ローン残債を確認・事前準備をする
  2. 不動産会社を探す
  3. 住み替えローンを扱っている金融機関を探す
  4. 住み替えローンを申し込む(事前審査)
  5. 融資を受ける

詳細は「4.住み替えローンの流れ」をご覧ください。

住み替えローンでかかる費用は?

住み替えにはさまざまな費用がかかります。具体的な条件をもとにシミュレーションをして、イメージをつかみましょう。詳しくは「6.住み替えローンのシミュレーション│費用・返済比率」をご覧ください。