年収400万円で住宅ローンを組むには?借入額や返済期間の決め方も紹介

住宅ローン 年収400万円で組める?

マイホームを住宅ローンで購入するにあたり、「自分の年収でも借り入れはできる?」と不安を抱えている方もいるでしょう。

そこで本記事では、年収400万円の方が住宅ローンを組むときに、押さえておきたいポイントをわかりやすく紹介します。住宅ローンの仕組みや種類を把握して、自身に無理のない範囲で借入額や返済期間を決めましょう。

この記事を読むと分かること
  • 年収400万円の方の住宅ローン借入額と返済額
  • 住宅ローンの主な種類
  • 住宅ローンを組む際のポイント
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1.年収400万円でも住宅ローンは組める?

年収400万

住宅ローンの借入には、審査が必要です。審査に通るかどうかは、年収の額だけでは明言できませんが、年収400万円以下の場合でも、住宅ローンが組める可能性を示すデータがあります。

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査」によると、2022年10月から2023年3月までに住宅ローンを利用した世帯のうち、7.3%が年収400万円以下でした。

出典:“住宅ローン利用者の実態調査”. 住宅金融支援機構

また、国税庁の「民間給与実態統計調査(2022年分)」によると、給与所得者の平均給与は458万円です。

出典:“民間給与実態統計調査”. 国税庁

つまり、平均給与より少し低い年収400万円の場合、審査はやや厳しいかもしれませんが、住宅ローンを組むことは可能といえます。

2.年収400万円の住宅ローンの借入額と返済額

住宅ローンで借入可能な金額と月々の返済額には、年収による目安があります。ここでは、年収400万円の場合に、それぞれいくらになるのかを見ていきましょう。

2-1.借入額の上限

住宅ローンで借入可能な金額の上限は、ローンを組む際の条件によって異なります。例えば、利用する金融機関や金利、返済期間の長さなどです。

上限の目安を簡単に知りたい場合は、「年収倍率」が参考になるでしょう。年収倍率とは、借入額が年収の何倍に相当するかを示す指標のことです。

住宅ローンの借入では、年収倍率10倍程度が目安とされています。年収400万円なら、最大で4,000万円程度まで借入が可能ということです。

ただし、必ずしも上限まで借り入れできるわけではありません。年収400万円の場合、新築物件では年収の6.5~7.5倍、つまり2,600万~3,000万円程度が一般的な上限といわれています。中古物件の購入では、年収の5~6倍、つまり2,000万~2,400万円程度が上限です。

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2-2.返済額の目安

借入上限まで住宅ローンを組んでしまうと、返済の負担が大きくなり家計が圧迫されることもあるため、「返済比率」を指標として、無理のない借入額の目安を知ることが大切です。

返済比率とは、年収に対する年間返済額の割合のことです。目安となる返済比率は年収によって異なり、年収400万円の場合は30~35%が一般的な上限とされています。

これにより、返済額の上限は次のように計算できるでしょう。

400万円×30~35%=120万~140万円

上記は年間返済額なので、月々の返済額は10万円程度が目安だとわかります。

ただし、返済を無理なく進めていくためには、住宅ローン以外の借入も合算して、返済比率を計算する必要があります。自動車ローンや教育ローンのほか、スマートフォンの分割払いなども含めて考えましょう。

3.住宅ローンの仕組み

住宅ローンのシミュレーションをする手元

住宅ローンの借入では、融資の仕組みを理解し、返済総額を意識することが重要です。ここでは、住宅ローンの仕組みを以下の3つの観点から解説します。

  1. 金利タイプ
  2. 返済期間
  3. 返済方法の種類

3-1.金利タイプ

金利には、大きく分けて「変動金利」と「固定金利」の2種類があります。住宅ローンの金利タイプは、これらを組み合わせることによって、以下の4つに分けられます。

  • 変動金利型:定期的な見直しにより金利が変わる
  • 全期間固定金利型:完済まで金利が変わらない
  • 固定金利期間選択型:一定期間ごとに変動金利か固定金利か選べる
  • ミックス型:変動金利と固定金利に分けてリスクを分散できる

変動金利と固定金利のどちらがよいかは、一概には決められません。

変動金利のメリットは、金利が固定金利より低めに設定されている点です。ローン完済まで金利の低い状態が続くとすれば、返済総額は固定金利よりも少なくなります。ただし、将来的に金利が上昇すると、月々の返済額が増えてしまうリスクがあります。

これに対して、固定金利は完済まで金利が変わらないため、金利上昇のリスクがありません。返済総額もあらかじめ把握でき、返済計画を立てやすい点がメリットです。ただし、金利は変動金利よりも高く設定されているのが一般的です。

変動金利と固定金利について詳しく把握したい方は、「変動金利とは?固定金利との違いやメリット・デメリット、今後の金利の動向などを解説」や「固定金利とは?メリット・デメリット、向いている方の特徴を解説」も併せてご覧ください。

3-2.返済期間

住宅ローンの返済期間は、どのように決めるのがよいのでしょうか?

同じ金利でローンを組んだ場合でも、返済期間が長くなるほど返済総額は増えてしまいます。反対に、返済期間を短く設定すると返済総額は減りますが、月々の返済額は増えてしまいます。

返済期間は原則、あとから延ばすことはできません。そのため、期間を長めに設定して月々の出費を抑えるのが、住宅ローンを組む際の基本的な考え方です。また、完済時の年齢から逆算して返済期間を決める方法も考えられるでしょう。

なお、返済総額を減らすためには、繰り上げ返済が効果的です。借入の際には返済期間を長く設定することで月々の返済額を抑えておき、繰り上げ返済によって完済までの期間を短縮していきます。この方法なら、金利上昇のリスクもある程度抑えられるでしょう。

繰り上げ返済については、「住宅ローンの繰り上げ返済とは?メリット・デメリットや損をしないコツを解説」や「住宅ローンの繰上返済手数料を徹底比較!繰上返済をしないほうがいいケースについても解説」をご覧ください。

3-3.返済方法の種類

返済方法には、以下の2種類があります。

16_返済の方式(元利均等、元金均等)

  • 元利均等返済方式:月々の返済額が一定
  • 元金均等返済方式:月々の返済額のうち元金の部分が一定

元利均等返済方式には、返済計画を立てやすいというメリットがあります。しかし、元金部分の返済が遅いため、元金均等返済方式と比較すると、返済総額が増えるのがデメリットです。

元金均等返済方式は、返済総額を減らせるのがメリットです。ただし、借入当初の返済額が増える点に注意しましょう。

無理のない返済のためには、元利均等返済方式を選び、月々の負担を抑えるのが基本的な考え方です。可能なタイミングで繰り上げ返済を行ない、元金を返済していけば、返済総額を効果的に減らすことができます。

詳しくは「元利均等返済と元金均等返済、どちらがお得?メリット・デメリット、返済シミュレーションを紹介」をご覧ください。

4.住宅ローンの種類

さまざまなローン商品

住宅ローンには、さまざまな種類があります。ここでは、「どこから借りるか」という観点から、住宅ローンを以下の3種類に分けて解説します。

  1. 公的ローン
  2. 民間ローン
  3. フラット35

4-1.公的ローン

国や自治体などの公的機関が提供している融資を「公的ローン」と呼びます。「財形住宅融資」などは、公的ローンの代表例です。

財形住宅融資とは、給与からの天引きによる貯蓄である財形貯蓄を1年以上続けており、貯蓄の残高が50万円以上の主に会社員を対象とした融資です。金利は固定されていますが、5年ごとに見直しが行なわれます。

また、財形住宅融資を受けるには、購入する物件が一定の条件を満たしている必要があります。以下の3つのケースごとに具体的な条件が異なるため、注意が必要です。

  • 新築住宅建設
  • 新築住宅購入
  • リ・ユース(中古)住宅購入

参考:“ご利用条件(財形住宅融資)”. 住宅金融支援機構

公的ローンは、民間ローンよりも審査に通りやすい傾向にあるとされています。条件に当てはまる場合には、選択肢の一つとして考えてみるとよいでしょう。

4-2.民間ローン

金融機関や生命保険会社などの民間機関が提供する融資が「民間ローン」です。融資の具体的な条件は、提供元によって異なります。

金利タイプ・返済期間・返済方法の組み合わせにより、民間ローンにはさまざまな選択肢が存在します。財形住宅融資のような、購入する物件が満たすべき条件はほとんどありません。

また、「提携ローン」も民間ローンの一種です。提携ローンには、不動産会社やハウスメーカーが金融機関と提携し、通常よりも優遇された金利を適用するなどの例があります。

さらに、企業が福利厚生の一環として、従業員が勤務している企業から融資を受けられる「社内融資(従業員貸付制度)」を提供していることもあるでしょう。金融機関と提携して企業が利息の一部を補助している場合などは、民間ローンの一種といえます。

4-3.フラット35

「フラット35」は、独立行政法人である住宅金融支援機構が提供している住宅ローンです。民間の金融機関との提携による融資であるため、公的ローンと民間ローンの中間にあたるものと考えればよいでしょう。

フラット35の金利タイプは、最長35年の全期間固定金利型です。一定の省エネルギー性・耐震性を備えた物件や、一定の要件を満たすリフォームをした中古物件を対象とする借入の際には、金利を一定期間引き下げる制度を利用することもできます。

金利上昇のリスクに左右されることなく、堅実な返済計画を立てたい方に適した住宅ローンだといえるでしょう。

5.年収400万円で住宅ローンを組む際のポイント

不動産会社での相談

年収400万円前後の方が無理なく住宅ローンを組むためには、押さえておきたいポイントがあります。ここでは、以下の3点について解説します。

  1. 頭金を用意する
  2. 住み替えの場合は売却と併せて検討する
  3. 複数の金融機関・不動産会社を比較検討する

5-1.頭金を用意する

住宅ローンの返済期間は、長期にわたることが少なくありません。無理のない返済を続けるためには、なるべく家計の負担を減らすことが大切です。

近年は、頭金なしのフルローンを選ぶ方も増えていますが、頭金を用意して借入額を減らす選択肢もあります。頭金を用意すると、月々の返済額を少なくできるだけでなく、審査も通りやすくなります。

4_頭金と借入額の関係

頭金を用意する場合は、購入する物件価格の1~2割程度(2,400万円の物件なら240万~480万円)あると安心でしょう。具体的な金額は、返済額のシミュレーションも参考にしながら決めるのがおすすめです。

なお、賃貸物件から戸建てに住み替えるケースでは、月々の返済額が現在の家賃以下に収まるように頭金を用意すると返済しやすいでしょう。

5-2.住み替えの場合は売却と併せて検討する

マイホームの購入を検討している方のなかには、すでにマンションなどを所有しているケースもあるかもしれません。

マンションから戸建てへの住み替えでは、売却と購入をセットで考えることが重要です。マンションの売却価格を、購入する戸建ての頭金に充てれば、借入額を減らせます。

ただし、マンションのローンが残っている場合には、完済しなければ売却できません。売却金で一括返済ができない場合は、「買い替えローン(住み替えローン)」の利用を検討するとよいでしょう。

詳細な条件は金融機関によって異なりますが、マンションの残債を完済するのに必要な金額と、戸建ての購入資金を1つのローンにまとめられます。

買い替えローン(住み替えローン)を検討中の方は、「住み替えとは?住み替え時の手続きやリスク、成功させるポイントを全解説」や「住み替えローンとは?流れやメリット、注意点まで詳しく解説」も併せてご覧ください。

5-3.複数の金融機関・不動産会社を比較検討する

住宅ローンを組む際の条件は、金融機関によって異なります。金利や返済期間のほか、選択可能な返済方法や繰り上げ返済の手数料などは、後悔しないためにも事前に確認しておきたいポイントです。

また、最初から金融機関を1ヵ所に絞ってしまうと、ローンの審査に落ちた場合に時間がかかってしまうことがあります。複数の金融機関に、同時に審査依頼を出すのがよいでしょう。

現在、住んでいるマンションを売却する場合も、不動産会社によって、査定額に数百万円もの差が出ることがあるため、複数の不動産会社に相談するのがおすすめです。

売却価格が期待よりも低いと、思ったとおりに頭金を用意できず、新居の住宅ローン返済計画に影響が出てしまうかもしれません。複数の不動産会社に査定を依頼をすることで、自宅が実際にいくらくらいで売れるのかを把握してからローンを組みましょう。

不動産を売却する際の不動産会社の選び方や依頼方法などについて詳しく知りたい方は、「「不動産売却はどこがいい」と悩んだときの判断基準や依頼方法」、「不動産買取業者の正しい選び方│買取・仲介の違いと利用すべきシーン」も併せてご覧ください。

まとめ

年収400万円でも、住宅ローンを組むことはできます。借入額の上限は、年収の5~7.5倍が目安で、月々の返済額は10万円程度に抑えるとよいでしょう。

返済方法には、元利均等返済方式と元金均等返済方式があり、両方にメリット・デメリットがあります。住宅ローンの種類は多岐にわたるため、自分の状況に合ったものを選ぶことが重要です。「繰り上げ返済を活用する」「頭金を用意する」などの方法で、無理のない返済ができるようにしましょう。

また、住み替えの場合は、売却と購入をセットで考えることをおすすめします。不動産の売却をお考えの方は、NTTデータグループが運営する不動産一括査定サイト「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」をぜひご利用ください。

不動産会社には得意不得意があり、査定額に数百万円もの差が出るケースも珍しくありません。「不動産売却 HOME4U」の一括査定で旧居を少しでも高く売却できる不動産会社を見つけて、住み替えを有利に進めましょう。