更新日:2024.10.17 不動産売却の基礎講座, 不動産売却のノウハウ 元利均等返済と元金均等返済、どちらがお得?メリット・デメリット、返済シミュレーションを紹介 住宅ローンには、毎月の返済額が変わらない元利均等返済と、毎月の元金返済額が一定の元金均等返済があります。住宅ローンの借り入れにあたり、どちらを選択するか悩んでいる方もいるでしょう。 本記事では、それぞれのメリット・デメリットのほか、返済方法ごとのシミュレーション結果も解説しますので、住み替えなどの際にぜひ参考にしてください。 この記事を読むと分かること 元利均等返済と元金均等返済の特徴 元利均等返済と元金均等返済のメリット・デメリット 元利均等返済と元金均等返済それぞれの返済イメージ 「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格(※)”を見つけましょう※依頼する6社の中での最高価格 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート Contents1.元利均等返済、元金均等返済とは?2.元利均等返済のメリットとデメリット3.元金均等返済のメリットとデメリット4.元利均等返済と元金均等返済の返済シミュレーションを比較5.元利均等返済と元金均等返済、どちらを選ぶべき?6.返済総額を減らすなら、繰上返済も検討しようまとめ 1.元利均等返済、元金均等返済とは? 住宅ローンを返済する方法には、元利均等返済と元金均等返済の2種類があります。まずは、それぞれの特徴を押さえておきましょう。 1-1.元利均等返済は、返済額が毎月一定 元利均等返済とは、毎月の住宅ローン返済額が一定になる返済方法のことです。毎月の返済額は同じですが、元金返済額と利息額の内訳が毎回異なります。 例えば、毎月の返済額が10万円の場合、以下のように元金返済額と利息額の割合が変わります。 1回目返済:元金返済額5万円+利息額5万円=10万円 250回目返済:元金返済額8万円+利息額2万円=10万円 返済当初は毎月の返済額に占める利息額の割合が大きく、完済に向かうにつれて元金返済額の割合が増えていくのが特徴です。 1-2.元金均等返済は、元金返済額が毎月一定 一方、元金均等返済とは、毎回一定の元金返済額に、利息額を上乗せして返済する方法です。完済に向かうにつれて着実に借入残高(元金分)が減少し、それに伴って利息額も徐々に減っていきます。 例えば、毎月の元金返済額が8万円の場合、以下のように毎月の返済額が次第に減少していきます。 1回目返済:元金返済額8万円+利息額5万円=13万円 250回目返済:元金返済額8万円+利息額2万円=10万円 2.元利均等返済のメリットとデメリット 元利均等返済のメリット・デメリットについて、それぞれ詳しく解説します。 メリット デメリット 毎月の返済額が変わらないため返済計画が立てやすい 返済当初の返済額が元金均等返済よりも少ない 元金均等返済より審査基準が緩い 借入残高(元金分)の減りが遅い 元金均等返済よりも返済総額が多い 【無料】一括査定依頼スタート 2-1.元利均等返済のメリット 元利均等返済は、変動金利における「返済額見直し」がない限り、毎月の返済額が完済まで変わりません。そのため、長期にわたる住宅ローン返済において、返済計画が立てやすい点が大きなメリットです。 また、住宅ローンを組んで間もない頃の返済額は、元金均等返済よりも少額であるため、返済期間前半の負担を軽減できます。教育資金などの出費が多いタイミングの借り入れでも、現金を手もとに残しておくことが可能です。 さらに、元利均等返済の審査基準は、元金均等返済よりも緩い傾向にあります。借入審査の際に確認される「返済負担率(年収に対して返済額が占める割合)」は、返済当初における返済額から算出するのが一般的です。その点、返済当初の返済額が少ない元利均等返済は、返済負担率が元金均等返済より低く算出されるため、審査において有利といえるでしょう。 年収に対する住宅ローンの借入額の目安はどのくらい?年収ごとのシミュレーションも紹介 住宅の購入や住み替えの際、住宅ローンの検討にあたり、自分の年収だとどの 2-2.元利均等返済のデメリット 元利均等返済のデメリットは、借入残高(元金分)の減りが遅く、返済総額が多くなってしまうことです。返済当初は、毎月の返済額に占める利息額の割合が大きいため、借入残高(元金分)の減り方は元金均等返済よりも緩やかになります。 また、元利均等返済の利息額は、借入残高(元金分)をもとに計算するため、返済総額は元金均等返済よりも多くなってしまいます。詳細な返済総額の差は、後ほど詳しく紹介します。 3.元金均等返済のメリットとデメリット 元金均等返済のメリットとデメリットを、以下の表にまとめました。それぞれ詳しく解説していきます。 メリット デメリット 返済総額を抑えられる 毎月一定額で元金分を返済するため、借入残高(元金分)の減りが早い 返済が進むにつれて返済負担が軽くなる 返済当初の負担が重く、家計に余裕がないと難しい 取り扱いのない金融機関もある 3-1.元金均等返済のメリット 元金均等返済のメリットは、返済総額が元利均等返済よりも少額に抑えられる点です。 住宅ローンの利息額は借入残高(元金分)をもとに算出されるため、返済開始月は借入金全額に対して利息が課され、返済額が多くなります。元金均等返済では、毎月一定額の元金分を返済していくため、結果的に借入残高(元金分)の減りが元利均等返済よりも早いのが特徴です。 また、返済が進むにつれて毎月の返済額も減り、将来的な返済負担を軽減できます。 3-2.元金均等返済のデメリット 元金均等返済のデメリットは、返済当初の負担が重いことです。先述のとおり、借入残高(元金分)をもとに利息額が算出されるため、返済開始月の返済額は元利均等返済よりも割高です。住宅ローン契約者は、返済額に応じた返済能力を求められるため、元金均等返済を選ぶ場合、住宅ローンの審査が厳しくなる傾向にあります。 また、元金均等返済はすべての金融機関で取り扱っているわけではありません。元金均等返済を希望する場合は、事前に金融機関が提供している住宅ローンの内容を確認するようにしましょう。 4.元利均等返済と元金均等返済の返済シミュレーションを比較 金融広報中央委員会が運営するサイト「知るぽると」の借入返済額シミュレーションでは、返済総額や毎月の返済額をシミュレーションできます。本記事では以下の条件で、元利均等返済と元金均等返済の返済額をシミュレーションしてみます。 【シミュレーション条件】 借入金額:3,000万円 借入期間:35年 ボーナス返済なし 借入金利:1%(固定金利) 元利均等返済 元金均等返済 初回の返済額 8万4,685円/月 9万6,427円/月 10年0ヵ月目の返済額 8万4,685円/月 8万9,344円/月 20年0ヵ月目の返済額 8万4,685円/月 8万2,201円/月 30年0ヵ月目の返済額 8万4,685円/月 7万5,058円/月 返済総額 3,556万7,700円 3,526万2,009円 支払利息総額 556万7,700円 526万2,009円 上記の結果によると、返済総額および支払利息総額の差は「30万5,691円」です。元金均等返済のほうが、元利均等返済よりも返済総額が低いことがわかります。 また、毎月の返済額を見てみると、初回の返済額は元金均等返済のほうが高額です。しかし、元金均等返済の返済額は10年で約7,000円ずつ減少し、20年目には元利均等返済よりも毎月の返済額が少なくなっています。 【無料】一括査定依頼スタート 5.元利均等返済と元金均等返済、どちらを選ぶべき? ここからは、それぞれの返済方法の向き・不向きについて解説します。 5-1.元利均等返済が向いている方 将来的に物件を売却する予定がなく、ライフイベントによる出費の増加が予想される方は、元利均等返済が向いているでしょう。元利均等返済は適用金利の変更がない限り、毎月の返済額が一定です。そのため、出産や子どもの教育費、親の介護などで出費が増えても、返済計画を立てやすいです。 また、住宅ローンの借入時点で、家計にあまり余裕がない方にも適しているでしょう。元利均等返済は返済当初の返済額を抑えられるため、収入が低くても比較的安心して返済できます。 「住宅ローン返済が苦しい…」現状を打破する5つの対処法とNG行為 住宅ローンを借り入れる時は問題ないと感じていた契約内容でも、長期的に返 5-2.元金均等返済が向いている方 収入や貯蓄に余裕のある方や、将来的に物件の売却を検討している方には、元金均等返済が向いています。家計に余裕がある場合、返済当初の返済額が多い時期を乗り越えやすいためです。 また、物件を売却する際には、住宅ローンの残債を物件の売却益により完済するのが一般的ですが、物件の売却額によっては、残債を完済できない「残債割れ」が発生するケースもあります。その点、元金均等返済は元金分の減少が早く、元利均等返済よりも残債割れを防げる可能性が高くなります。仮に物件を売却しない場合でも、元利均等返済よりも返済総額を抑えることができるでしょう。 不動産売却の入門書!売り方の基礎・全体像と後悔しないための知識を知ろう 不動産売却は、不動産会社に依頼することで専門知識のない方でも進められま 不動産売却時にかかる税金と計算方法|税金対策の方法も解説 不動産を売って利益が生じると、原則として不動産売却の譲渡所得税が課せら 自宅の売却で使える「3,000万円控除」とは?必要書類や要件を解説 「3,000万円特別控除」は、自宅の売却益のうち最高3,000万円まで所得税・住 6.返済総額を減らすなら、繰上返済も検討しよう 住宅ローンの返済総額を減らすなら繰上返済を検討するのがおすすめです。ここでは、繰上返済の概要とメリットを解説します。 6-1.住宅ローンの繰上返済とは? 繰上返済とは、毎月の返済とは別に、住宅ローンの元金の一部もしくは全部を前倒しで返済することです。元金分の減少により利息額も少なくなり、元金均等返済を選択しなくても返済総額を減らすことが可能です。 繰上返済には、返済期間は変えずに毎月の返済額を軽減する「返済額軽減型」と、毎月の返済額は変えずに返済期間を短くする「返済期間短縮型」があります。どちらも利息額を少なくできますが、より効果が高いのは「返済期間短縮型」です。 住宅ローンの繰上返済手数料を徹底比較!繰上返済をしないほうがいいケースについても解説 住宅ローンを比較するなかで「将来的には繰上返済したい」と考えている方も 6-2.元利均等返済で繰上返済をするメリット 前述のとおり、元利均等返済は、返済当初の利息額の割合が高く、返済総額は元金均等返済より多くなります。しかし、繰上返済で元金分を減らせば、効果的に返済総額を減らすことができます。つまり、繰上返済を行なうことで、元利均等返済のデメリットを打ち消すことができるのです。 繰上返済は、早い段階で行なうほど元金分の減りも早くなるため、長期的に見て利息額や返済総額の軽減効果も大きくなります。 【無料】一括査定依頼スタート まとめ 元利均等返済は、毎月の返済額が一定であるため、返済計画が立てやすい点や、返済当初の返済額が少なく済む点がメリットです。 一方、元金均等返済は返済総額が少なく、返済負担が徐々に軽くなるのが利点といえます。なお、住宅ローンの返済総額を抑えるには、繰上返済の活用も有効です。 どちらの返済方法にもメリット・デメリットがあるため、一概にどちらの返済方法が良いとはいえません。家計の状況や返済シミュレーションを踏まえて、比較検討を行ないましょう。 不動産の売却をお考えの方は、NTTデータグループが運営する不動産一括査定サイト「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」をぜひご利用ください。