【マンション売却】住宅ローンの残債状況から見る4つの売却方法!フローチャート付

【マンション売却】住宅ローンの残債状況から見る4つの売却方法!フローチャート付

マンションの売却では、多くの方が住宅ローンがある状態で売却活動を開始しています。

住宅ローンが残っているマンションでも売却は可能ですが、原則として売却物件の決済時に完済する必要があります。
そのため、住宅ローン残債やマンションの価値に応じて、売却の方法が異なります。

この記事では、住宅ローンの状況事に適切な売却方法を紹介します。
1章で解説する状況と照らし合わせて、売却方法を見分けましょう。

この記事の結論

住宅ローンが残っていても売却できるパターンは以下4つ。

  • 売却金額で住宅ローンが完済できる
  • 売却金額と自己資金を合わせて住宅ローンを完済できる
  • 住宅ローンを完済できないが住み替えを行う
  • 住宅ローンを完済できない+住宅ローン滞納中

状態を把握するためには、住宅ローン残債の確認査定依頼が必要。

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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.マンションの住宅ローン残債状況で異なる4つの売却方法

原則的に、マンションは住宅ローンを完済しなければ売却できません
住宅ローンの完済は物件の売却決済時に行えればいいので、売却金額と自己資金を合わせた額が、住宅ローン残債を超えていれば売却可能です。

ただし、住み替えや住宅ローンが支払えない状況などの場合は、例外的に売却できる場合もあります。

まずは住宅ローン残債を確認し、不動産会社によるマンションの査定をうけ価値を把握しましょう。
査定額と売却金額は必ずしも等しいわけではありませんが、この時点では住宅ローン残債と査定額の関係を確かめて、以下のどの状況に当てはまるか確認してください。

※住宅ローン残債より査定額が高い状態をアンダーローン、査定額が低い状態をオーバーローンといいます。専門用語ですが、この記事でも使われるためご留意ください。
売却方法を判断するフローチャート

※上の状態に当てはまらない場合は、マンションを売却することができません。

次の章からは、それぞれの状況に応じた売却方法について解説します。
上のリストから該当するものをクリックすると、適した解説へジャンプします。

2.売却金額で完済できる(アンダーローン)なら『決済時に一括返済』

売却金額で住宅ローンが完済できる方は、住宅ローンがない方とほとんど変わらない方法で売却をします。

まずは不動産会社に査定をしてもらい、不動産会社の仲介のもと売り出して行きます。
買い手が見つかり無事に売却金額の決済が行われると、同時に住宅ローンを完済し、引き渡しをします。

住宅ローンが完済できる場合のマンション売却の流れ

住宅ローンのある不動産には抵当権(不動産を担保とするために金融機関が設定する権利)がついているため、引き渡しの前に抵当権の抹消手続きを行います。
住宅ローン完済後すぐ手続きを行わないと売却できないため、司法書士に依頼して迅速に手続きしてもらうい必要があります。

司法書士へ抵当権抹消を依頼すると、報酬を合わせて1~2万円の支払いが発生します。

なお、売却益が発生した場合は、譲渡所得税がかかるため確定申告の義務が発生します。
マンション売却における確定申告について詳しくはこちらをご覧ください。

3.オーバーローン+自己資金あるなら『決済時に一括返済』

マンションの住宅ローン残債より査定額が低い(売却金額で住宅ローンを完済できない)場合でも、自己資金を合わせて完済が可能なら問題ありません。
物件の売却決済時に住宅ローンを完済し、引き渡しを行いましょう。

住宅ローンを完済したあとは引き渡しの前に、土地と建物部分についている抵当権を抹消する手続きを行う必要があります。
抹消手続き(登記)には、土地と建物それぞれ1,000円ずつかかります。
引き渡し前に住宅ローンを完済する場合は、抹消手続きをスムーズに進めなくてはいけないため、司法書士に依頼するのが一般的です。

売却を進めていきたい方は、さっそく不動産会社へ査定を依頼しましょう。
NTTデータグループの運営する不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)を利用すれば、全国から厳選された優良不動産会社にだけ、まとめて査定依頼ができます。

4.オーバーローン+住み替えするなら『住み替えローンを利用する』

住み替えローンとは、現在の住まいの住宅ローン残高と、住み替え先の購入費用分をまとめて借り入れられるローン商品です。

住み替えローンの図説

大前提として、住み替え目的でしか利用できません

また、売却と購入の引渡日を同日にする必要があります。これは、融資実行日が新しい物件を購入する日となるためです。
スケジュール管理が難しく、場合によっては買い手に即決してもらうために、値下げ要求などに答える必要もあるでしょう。

住み替えローンを使う際の売却と購入の流れ

条件が合えば、住み替え時に便利なローンではありますが、取り扱っている銀行も少なく、変動金利しか選べないといった特徴があります。
「借入額が高額になる」「金利が高くなる」「審査が難しい」といったデメリットにも目を向けながら検討しましょう。

売却計画を詳しくたてていきたい方は、信頼できる不動産会社を探しましょう。
不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)なら、1分程の入力で、最大6社の不動産会社に査定が依頼できるため、会社を簡単に比較し、選ぶことができます。

5.オーバーローン+住宅ローン払えないなら『任意売却をする』

任意売却とは、債権者(お金を貸している人)の合意を得て行う売却方法です。

住宅ローンを滞納している方が、競売を避けるための手段として使うのが一般的です。
競売は、相場価格の6~7割程の安い価格で取引される傾向にありますが、任意売却であれば通常の売却相場に近い価格で取引できためです。

住宅ローンを3~6カ月程度滞納し、ローンを分割で支払う権利(期限の利益)を失った時点で、金融機関と任意売却の交渉をしやすくなります。
言い換えれば、住宅ローン滞納などの事情がなければ同意を得ることはできません。

なお、任意売却の条件ともいえる住宅ローン滞納の過程で、ブラックリスト登録(信用情報機関による事故情報登録)されてしまうので注意しましょう。

【ブラックリストに登録によって制限されること】

  • 新規の住宅ローンやカードローンが組めない
  • 既存のクレジットカードの利用限度額が減額される場合がある
  • クレジットカードの更新ができない場合がある

住宅ローンの滞納によるブラックリスト登録は、5~7年程度残ります。

昨今はキャッシュレス化が進んでいるため、クレジットカードに一定の制限がかかるデメリットは大きいといえます。

まとめ

いかがでしたか。
マンション売却の残債について解説してきました。

アンダーローンのマンションであれば、引渡時に残債を一括返済することで普通に売ることが可能です。

少しでも高く売るために、上手に「不動産売却 HOME4U」を活用して、複数の不動産会社の査定額をしっかり比べるようにしてください。

オーバーローンのときの売却方法としては、「貯金等を切り崩して返済する」や「住み替えローンを使う」、「任意売却を選択する」等があります。

自分に無理のない方法があるのかを熟考した上で、売却活動を進めるかどうかの判断をするようにしてください。
皆さんの売却活動が、スムーズに進むことをお祈りしています。