築10年以内のマンション売却!損せず売る方法と注意点を解説!

築10年以内のマンション売却!損せず売る方法と注意点を解説!

築10年以内のマンションは、条件が良いのでとても売却しやすいです。
元々売るつもりで買ったマンションを売る予定であれば、築10年以内でさっと売ってしまうのもいい選択といえます。

一方で、築10年以内の物件は住宅ローンの返済が十分に進んでいないことから、住宅ローン残債が売却額を上回っているオーバーローンの状態となっていることも多いです。
オーバーローンとならないようにするためにも、築10年目のマンションはしっかりと高く売る必要があります。

この記事では、これから築10年前後のマンション売却を検討している方のために、

  • 売却するメリットとデメリット
  • 適切な売却の流れ
  • 少しでも高く売る方法
  • 売却における注意点

などについて、簡潔に解説していきます。

ぜひ最後までおつきあいいただき、上手に売却活動を進める一助としてください。

マンションの売却を礎から詳しく知りたい方は『【完全版】マンション売却の注意点』もご覧ください。

「マンションを売りたい」と悩んでいる方へ
  • 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格”を見つけましょう
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます
この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.築10年のマンションは売りやすい!売却の傾向

まずは基礎知識として、築10年前後のマンション売却の傾向をざっくり押さえてください。
築10年以内のマンションは高く売却でき、売りやすい傾向があります。

以下に、首都圏における築年数別にマンション単価の変化と築年数別の成約率を示します。

中古マンションの築年帯別平均㎡単価

中古戸建住宅の対新規登録成約率

東日本不動産流通機構.”築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)”.REINS TOWER.(参照2024-04-17)」をもとに、HOME4Uが独自に作成

「築0~5年」の価格を100%とした場合、「築6~10年」目の物件は約10%の値下がり率で売却できています。

また、成約率に関しては、特に「築6~10年」が高いです。
「築6~10年」のマンションは非常に売りやすいことがわかります。

売却を決めている方は、不動産会社に査定を依頼し、正しい価値を把握しましょう。
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2.築10年以内でマンション売却を行うメリット

せっかく売るなら、築浅マンションを売却するメリットを十分に享受したいですよね。
この章では「築10年以内でマンション売却を行うメリット」について、以下の2点を解説します。

  1. 早く高く売れる
  2. ほぼ修繕することなく売れる

それではひとつずつ見ていきましょう。

2-1.早く高く売れる

築10年以内でマンションは、早く高く売れる点が最大のメリットです。
マンションは、基本的に「築25年以内の物件」に人気が集中します。

築10年以内の物件はあまり市場に出回らず、常に品薄状態の傾向があるため、早く売却できることが多いのです。

2-2.ほぼ修繕することなく売れる

築10年以内のマンションは、ほぼ修繕することなく売れる点もメリットです。
マンションは、築15年を過ぎると設備に故障や不具合が出始めますが、築10年以内であれば設備の故障等はほとんどないことが一般的となっています。
売却のために余計な修繕費用等が発生することも少ないため、売りやすいといえます。

3.築10年以内でマンション売却を行うデメリット

前章で「売れやすい」「修繕費がかからない」というメリットを紹介しましたが、残念ながらデメリットも存在します。

マンション売却で損をしないよう、この章では「築10年以内でマンション売却を行うデメリット」について、以下の2点を解説します。

  1. 住みながらの売却となることが多い
  2. 売却価格が高いので諸費用も高くなる

それではひとつずつ見ていきましょう。

3-1.住みながらの売却となることが多い

築10年以内のマンションは住宅ローンが完済していないことが多いため、住みながらの売却となることが多いです。

住宅ローンが残っている物件を買い替える場合、売却よりも先に購入を行ってしまうと売却物件と購入物件で二重にローンが発生してしまいます。

二重ローンを避けるために、住宅ローンが残っている物件は、先に売却を行い、後から購入を行うことが通常です。

そのため、住宅ローンが残っている物件は先に売却を行うことから、通常は住みながらの売却となります。

住みながらの売却の場合、家の中の片付けや清掃に手間がかかります。
生活中の状態のため、インターネット広告用の写真を撮影するのもそれなりの準備が必要です。

また、売却期間中に内覧対応も必要となります。
内覧とは、購入希望者に家の中を見せる販売行為です。

内覧は土日に集中し、売主はその度に対応しなければならないことからストレスを溜めてしまう人もいます。
住みながらの売却は空き家の売却よりも苦労が多く、デメリットといえるのです。

3-2.売却価格が高いので諸費用も高くなる

築10年以内のマンションは、売却価格が高いので諸費用も高くなる点がデメリットです。
売却価格に連動する諸費用は、仲介手数料と印紙税の2つです。

仲介手数料は売却価格が400万円を超えると「売却価格×3%+6万円」となります。
印紙税は、売買価格が「1,000万円超5,000万円以下」なら1万円ですが、「5,000万円超1億円以下」となると3万円になります。

特に仲介手数料はインパクトが大きいため、予算を確保しておくことが必要です。

「マンションを売りたい」と悩んでいる方へ
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  • 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格”を見つけましょう
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます

その他のマンション売却で失敗しやすいポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

4.築10年以内のマンション売却の流れ

初めて不動産を売却する方だと、「何から始めたら良いのかわからない」という方もいらっしゃることでしょう。
この章では、「築10年以内のマンション売却の基本的な流れ」を紹介します。
ざっくりで構わないので、頭の隅に入れておくようにしてください。

マンション売却では最初に査定を行います。
査定では、複数の不動産会社にコンタクトをとりながら、高く売ってくれる不動産会社を探すことがポイントです。

査定が終わったら、不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約とは、不動産会社に依頼する仲介の契約のことです。

媒介契約を締結すると、不動産会社はすぐに売却活動を開始してくれます。
マンションは売りに出してから2.5~3ヶ月程度で買主が決まり、売買契約を締結することになります。

売買契約時は、買主から手付金を受領します。
手付金の相場は、売買金額の10%程度です。

売買契約が締結したら、その後、1ヶ月程度の期間を空けて引渡となります。
引渡では買主から手付金を除いた残金が振り込まれます。

住宅ローンは、残金が入金された売買代金をもって一括返済を行います。
よって、住宅ローンの完済と引渡は同日に行うことになります。

マンションを売却する流れについてより詳しくは『マンション売却の流れを9ステップで詳しく解説!』をご覧ください。

査定依頼の際は、NTTデータグループが運営する

を利用すると便利です。
全国から厳選された不動産会社の中から、最大6社にまとめて査定依頼ができます。
より正しい査定額の把握と、信頼できる不動産会社選びが簡単になります。

5.築10年以内のマンションを高く売る方法

前章で基本的な売却の流れを紹介しましたが、「少しでも高く売る方法を知りたい!」という方もたくさんいらっしゃいますよね。
この章では、「築10年以内のマンションを高く売る方法」について、以下の3点を解説します。

  1. 高く売ってくれる不動産会社を探す
  2. 時間に余裕があればチャレンジ価格で売り出してみる
  3. 一般媒介で売却してみる

それではひとつずつ見ていきましょう。

5-1.高く売ってくれる不動産会社を探す

マンションを高く売るには、高く売ってくれる不動産会社を探すことが最も重要なプロセスです。

査定価格とは、3ヶ月程度で売却できると考えられる売却予想価格になります。
あくまでも予想ですので、査定結果は不動産会社によって異なります。

場合によっては、数十万円~百万円の幅で査定額に差が出ることもあるので、損せず売却するなら、不動産会社選びだけは手を抜かないようにしてください。

とはいっても、どうやって不動産会社を選んだら良いのかわからない方も多いと思いますが、そんな時に便利なのが、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」です。

HOME4Uマンションプライスの売却査定


マンションの所在地や間取りなどを入力するだけで、最大6社の不動産会社に同時に査定を依頼でき、スピーディーに高い査定額の不動産会社を見つけることができます。

マンション売却に強い不動産会社をシステムが自動的にピックアップしてくれ、手間をかけずに実績豊富な複数の不動産会社を比べることが可能なので、ぜひ上手に活用してベストな不動産会社を見つけてください。

5-2.時間に余裕があればチャレンジ価格で売り出してみる

築10年以内の物件は高く売れる可能性がありますので、時間に余裕があればチャレンジ価格で売り出してみるという方法も検討の価値があります。

チャレンジ価格イメージ図

チャレンジ価格とは、ストライクゾーンの中で目一杯高めの金額で設定した売り出し価格のことです。

若干、「少し高いかな」という印象を与えるような価格ではありますが、築10年以内の物件は希少性が高いので、上手くハマってそのまま売れるときもあります。

ただし、チャレンジ価格はその価格では売れない可能性もありますので、売却期間に余裕のある人が選択できる売却方法です。
仮に3ヶ月経っても売れない場合には、価格を下げる見直しも必要になってきます。

5-3.一般媒介で売却してみる

築10年以内の物件は条件が良いので、一般媒介で売却してみることも高く売る方法の一つです。

媒介契約には、「一般媒介契約」、「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3種類があります。

一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時に売却を依頼できますが、専任媒介契約または専属専任媒介契約(以下「専任媒介等」と略)は1社の不動産会社にしか売却を依頼できない契約です。

専任媒介契約は自己発見取引もできますが、専属専任媒介契約は自己発見取引も禁止されているという違いがあります。
自己発見取引とは、売主が自ら買主を見つけてくることです。

一般媒介契約を利用するときは、同時に2社以上の不動産会社に売却を依頼することがコツとなります。

不動産会社が受領できる仲介手数料は、成功報酬であるという決まりがあります。
そのため、不動産会社は一般媒介で複数社に依頼されると、「他社よりも早く、かつ、高く」売らないと仲介手数料をもらえないことになります。

築10年以内の物件は、売却価格も高いため、不動産会社が得られる仲介手数料も大きいです。

不動産会社にとってはぜひとも仲介したい物件であることから、一般媒介で複数社に依頼すると不動産会社の間に競争原理が働きます。

そのため、築10年以内のような条件の良いマンションは、一般媒介で依頼すると早く高く売れる可能性が高まるのです。

尚、仲介手数料は成功報酬であるため、売主が負担する仲介手数料も売却を決めてくれた1社だけに支払えば良いことになります。

よって、売主が負担する仲介手数料は一般媒介で複数社に依頼しても、専任媒介等で1社だけに依頼しても同じです。

3つの媒介契約の違いは、主に以下の表のとおりです。

媒介契約名 専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
何社と契約できる? 不動産会社1社のみと契約それ以外の会社と契約した場合は違約金が発生する 不動産会社1社のみと契約それ以外の会社と契約した場合は違約金が発生する 複数の不動産会社と契約できる※
自ら買い手を見つけていい? 売主が買い手を見つけて契約する場合は、違約金が発生する 売主が買い手を見つけて契約する場合は、媒介契約の履行のために要した費用を支払う 売主が買主を見つけて契約できる
【不動産会社の義務】売状況の報告頻度は? 1週間に1回以上、売主へ販売状況を報告 2週間に1回以上、売主へ販売状況を報告 報告義務なし
【不動産会社の義務】レインズへの登録は? 媒介契約締結の後、5日以内にレインズへ登録 媒介契約締結の後、7日以内にレインズへ登録 登録義務なし。売主の希望による

さらに詳しい情報は「媒介契約は3種類!メリット・デメリットと有利な契約について解説」をご覧ください。

6.築10年以内のマンション売却の注意点

基本的には売りやすい築10年以内のマンションですが、売却における注意点があります。

  1. 火災保険の解約返戻金をもらうのを忘れない
  2. オーバーローンとなっていることもある

それではひとつずつ見ていきましょう。

6-1.火災保険の解約返戻金をもらうのを忘れない

築10年以内のマンションを売却するときは、火災保険の解約返戻金をもらうのを忘れないことが注意点です。

火災保険は、複数年契約によって一括で保険料を支払うと掛金が安くなります。
火災保険は最長で10年の複数年契約ができますので、築10年以内で売却すると残存期間が残っていることがあります。

マンションを売却しても火災保険は自動で解約されません。
そのため、残存期間が残っている場合には、自分で保険会社に解約する旨を伝える必要があります。

解約日は引渡日とすることが鉄則です。
引っ越ししたとしても引渡日までは所有権は売主にあり、引渡日までに起こり得る火災等の災害は売主がリスクを負うことになります。

火災保険を解約すると、わずかですが残存期間分の掛金が返戻金として戻ってきます。
地震保険も加入している場合には、残存期間があれば地震保険の返戻金も戻ります。

6-2.オーバーローンとなっていることもある

築10年以内のマンションは、オーバーローンとなっている可能性もある点が注意点です。

オーバーローンとは住宅ローン残債が売却額を上回っていることを指します。
それに対して、アンダーローンとは住宅ローン残債が売却額を下回っていることです。

築年数の浅い物件がオーバーローンとなりがちなのは、住宅ローンの減り方とマンション価格の下がり方が異なるカーブを描いて減少していくことが理由となります。

住宅ローンの元本は、返済当初はなかなか減らず、後半になるとグングンと減っていきます。
よって、住宅ローンの元本は上に凸のカーブを描いて減少していくことが通常です。

一方で、中古マンションの価格は、新築直後に急激に下がり、その後は緩やかに下がっていきます。
よって、中古マンションの価格は下に凸のカーブを描いて減少していくことが一般的です。

両者は減少の仕方が異なることから、築年数が浅い状態では住宅ローン残債が売却額を上回り、オーバーローンとなってしまうことがよくあります。
そのため、築年数の浅い物件ほどオーバーローンか否かを意識する必要があるのです。

オーバーローンで売却せざるを得ないときは、以下の2つの対処法があります。

  • 住み替えローンを利用する
  • 任意売却を選択する

住み替えローンとは、売却で返済しきれなかったローン残債を、次に購入する物件に上乗せする形で借りるローンのことです。

次に購入する物件の価格以上のローンを組むことになるため、審査も厳しく、また返済額も大きくなります。

任意売却とは、基本的に住宅ローンを返済できない人が債権者(銀行のこと)の了解を得て行う売却方法のことです。

住宅ローンを完済できなかったという債務不履行を発生させるため、ブラックリスト(信用情報機関の事故情報名簿)に載ってしまうデメリットがあります。

ブラックリストに載ると、その後、5~7年程度は新たに住宅ローンが組めない等のデメリットがあります。
このように、オーバーローンで無理矢理売却するのは支障があることから、オーバーローンの状態では売却は基本的に避けるべきです。

オーバーローンは返済が進めばいずれは解消される問題ですので、アンダーローンになってから売却することをおススメします。

住宅ローンが払えない場合の対処法については、下記の記事で詳しく解説しています。

オーバーローンを把握するために、住宅ローン残債と査定額を確認しましょう。

まとめ

いかがでしたか。

売りやすい築10年以内のマンションでも、高く売るにはコツがありました。
まずは一番重要な不動産会社選びで失敗しないよう、「不動産売却 HOME4U」で複数の不動産会社をしっかりと比べた上で、契約する不動産会社を絞り込んでください。

その上で「チャレンジ価格で売り出してみる」、「一般媒介で売却してみる」といった方法で、さらに高く売るための挑戦もしてみてください。

この記事の情報が、皆さんのマンション売却の成功に向けて役立つことを願っています。

この記事のポイント

1.築10年のマンション売却の傾向は?

築10年以内のマンションは高く売却できる傾向があります。

詳しくは「1.築10年のマンション売却の傾向」をご覧ください。

2.築10年以内にマンションを売却するメリットは?

築10年以内にマンションを売却するメリットは以下の通りです。

  • 早く高く売れる
  • ほぼ修繕することなく売れる

詳しくは「2.築10年以内でマンション売却を行うメリット」をご覧ください。

3.築10年以内にマンション売却を行うデメリットは?

築10年以内にマンションを売却するデメリットは以下の通りです。

  • 住みながらの売却となることが多い
  • 売却価格が高いので諸費用も高くなる

詳しくは「3.築10年以内でマンション売却を行うデメリット」をご覧ください。