更新日:2024.10.21 不動産売却の基礎講座, 不動産売却のノウハウ 年収700万円の住宅ローン事情|借入額の上限や無理なく返済するコツを解説 マイホームの購入や住み替えの際、「年収700万円の世帯が組める住宅ローンの上限はいくら?」「無理なく返せる金額は?」といった疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。 本記事では、年収700万円の借入額の上限や返済額の目安のほか、無理なく返済するためのポイントを解説します。返済計画を立てるうえで重要な知識を身につけて、住宅ローンを利用しましょう。 この記事を読むと分かること 年収700万円の住宅ローンの借入額と返済額の目安 年収700万円の返済シミュレーション 年収700万円で無理なく住宅ローンを返済するためのポイント 「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格(※)”を見つけましょう※依頼する6社の中での最高価格 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート Contents1.年収700万円の住宅ローンの借入額と返済額2.住宅ローンの借入額を左右する3つの要素3.【借入額別】年収700万円の返済シミュレーション4.年収700万円で住宅ローンを組む際のポイントまとめ 1.年収700万円の住宅ローンの借入額と返済額 はじめに、年収700万円の住宅ローン借入額の上限と、返済額の目安について解説します。 1-1.年収700万円の借入額の上限 借入額の上限を知りたいときは、「年収倍率」という指標が役立ちます。 年収倍率とは、購入する物件の価格が年収の何倍にあたるかを示す数値のことで、一般的には年収の7~10倍が目安とされています。 住宅金融支援機構の「2022年度 フラット35利用者調査」によると、平均的な年収倍率は新築で7~8倍、中古物件で6倍前後でした。 つまり、年収700万円の方の借入額の目安は、新築物件で4,900~5,600万円、中古物件で4,200万円程度になります。ただし、借入額の上限は金融機関や返済期間によっても異なるため、あくまで参考程度にとらえておきましょう。 1-2.年収700万円の無理のない返済額の目安 無理なく返済できる金額を知りたいなら、「返済負担率」を計算するとよいでしょう。 返済負担率とは、年収のうち、住宅ローンの年間返済額が占める割合のことです。一般的に、返済負担率が20~25%に収まるようにすると、余裕をもって返済できるといわれています。 年収700万円の場合、年間返済額で140~175万円、つまり月額で約11万7千円~約14万6千円なら、無理なく返済できると考えられます。 ただし、より現実的に考えるなら手取り額で計算するようにしましょう。年収そのものと、税金や社会保険料などを引かれた手取り額では、大きな差が生まれるためです。 手取り額の目安は「年収×0.75~0.85」とされていることから、年収700万円の手取り額は525~595万円、無理なく返済できる金額は年間105~149万円、月額で約8万7千円~12万4千円程度になります。 また住宅ローン以外のローンの支払いがある場合は、その金額を差し引いて計算することも忘れないようにしましょう。 2.住宅ローンの借入額を左右する3つの要素 ここでは、住宅ローンの借入額や毎月の返済額を左右する3つの要素について解説します。 2-1.金利タイプ 住宅ローンの金利タイプには、以下の3種類があります。 全期間固定金利型(固定金利型):完済するまで金利が変わらない 変動金利型:半年ごとに金利が、5年ごとに返済額が見直される 固定金利期間選択型:一定期間は金利が固定され、その後は固定金利にするか変動金利にするかをその都度選べる 固定金利は金利が高めではあるものの、完済まで金利が変動しないため、返済計画を立てやすいのが特徴です。変動金利は借入当初の金利が低めである一方、のちに金利が上昇すると返済額が増加するリスクがあります。 そのほか、異なる金利タイプを組み合わせた「ミックスローン」という商品を提供する金融機関もあります。 なお、固定金利については「固定金利とは?メリット・デメリット、向いている方の特徴を解説」で、変動金利については「変動金利とは?固定金利との違いやメリット・デメリット、今後の金利の動向などを解説」で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。 2-2.返済期間 同じ借入額でも、返済期間が長いほど月々の返済額は減ります。そして、毎月同じ返済額に設定した場合、返済期間が長いほど借りられる金額も大きくなります。 ただし、返済期間を長く設定するほど利息が増え、返済総額も増えていく点には注意しましょう。利息を少しでも抑えるためにも、まとまった資金ができた際はなるべく繰上返済をしていくことをおすすめします。 繰上返済のメリット・デメリットや各社の手数料について知りたい方は、「住宅ローンの繰り上げ返済とは?メリット・デメリットや損をしないコツを解説」「住宅ローンの繰上返済手数料を徹底比較!繰上返済をしないほうがいいケースについても解説」も併せてご覧ください。 2-3.返済方法の種類 住宅ローンの返済方法には、主に以下の2種類があります。 返済方法 特徴 元利均等返済 月々の返済額(元金+利息)が一定である元金均等返済よりも返済総額が増える 元金均等返済 元金を返済期間で均等に分け、その金額に応じた利息を上乗せして支払う返済当初の負担が大きい それぞれ異なるメリット・デメリットがあるため、返済額や今後のライフプランなどに合わせて選択しましょう。 2つの返済方法について詳しく知りたい方は、「元利均等返済と元金均等返済、どちらがお得?メリット・デメリット、返済シミュレーションを紹介」も参考にしてください。 3.【借入額別】年収700万円の返済シミュレーション ここでは、年収700万円の返済額や返済負担率を、借入額ごとに紹介します。 金利タイプや返済方法によっても金額は異なるため、一つの目安として考えてください。 3-1.借入額3,500万円の場合 世帯年収700万円で3,500万円の借入を行なう場合、返済額や返済負担率は下表のようになります。 【全期間固定金利0.6%、元利均等返済の場合】 返済期間 年間の返済額 月々の返済額 返済負担率(※) 20年 185万7,528円 15万4,794円 26.5% 25年 150万7,968円 12万5,664円 21.5% 30年 127万5,096円 10万6,258円 18.2% 35年 110万8,920円 9万2,410円 15.8% (※)小数点第二位を四捨五入して計算 【全期間固定金利1.5%、元利均等返済の場合】 返済期間 年間の返済額 月々の返済額 返済負担率(※) 20年 202万6,680円 16万8,890円 29.0% 25年 167万9,724円 13万9,977円 24.0% 30年 144万9,504円 12万792円 20.7% 35年 128万5,968円 10万7,164円 18.4% (※)小数点第二位を四捨五入して計算 3-2.借入額4,000万円の場合 世帯年収700万円で4,000万円の借入を行なう場合、返済額や返済負担率は下表のようになります。 【全期間固定金利0.6%、元利均等返済の場合】 返済期間 年間の返済額 月々の返済額 返済負担率(※) 20年 212万2,896円 17万6,908円 30.3% 25年 172万3,392円 14万3,616円 24.6% 30年 145万7,256円 12万1,438円 20.8% 35年 126万7,332円 10万5,611円 18.1% (※)小数点第二位を四捨五入して計算 【全期間固定金利1.5%、元利均等返済の場合】 返済期間 年間の返済額 月々の返済額 返済負担率(※) 20年 231万6,216円 19万3,018円 33.1% 25年 191万9,688円 15万9,974円 27.4% 30年 165万6,576円 13万8,048円 23.7% 35年 146万9,676円 12万2,473円 21.0% (※)小数点第二位を四捨五入して計算 3-3.借入額4,500万円の場合 世帯年収700万円で4,500万円の借入を行なう場合、返済額や返済負担率は下表のようになります。 【全期間固定金利0.6%、元利均等返済の場合】 返済期間 年間の返済額 月々の返済額 返済負担率(※) 20年 238万8,252円 19万9,021円 34.1% 25年 193万8,816円 16万1,568円 27.7% 30年 163万9,416円 13万6,618円 23.4% 35年 142万5,756円 11万8,813円 20.4% (※)小数点第二位を四捨五入して計算 【全期間固定金利1.5%、元利均等返済の場合】 返済期間 年間の返済額 月々の返済額 返済負担率(※) 20年 260万5,740円 21万7,145円 37.2% 25年 215万9,652円 17万9,971円 30.9% 30年 186万3,648円 15万5,304円 26.6% 35年 165万3,384円 13万7,782円 23.6% (※)小数点第二位を四捨五入して計算 3-4.借入額5,000万円の場合 世帯年収700万円で5,000万円の借入を行なう場合、返済額や返済負担率は下表のようになります。 【全期間固定金利0.6%、元利均等返済の場合】 返済期間 年間の返済額 月々の返済額 返済負担率(※) 20年 265万3,620円 22万1,135円 37.9% 25年 215万4,240円 17万9,520円 30.8% 30年 182万1,576円 15万1,798円 26.0% 35年 158万4,168円 13万2,014円 22.6% (※)小数点第二位を四捨五入して計算 【全期間固定金利1.5%、元利均等返済の場合】 返済期間 年間の返済額 月々の返済額 返済負担率(※) 20年 289万5,264円 24万1,272円 41.4% 25年 239万9,616円 19万9,968円 34.3% 30年 207万720円 17万2,560円 29.6% 35年 183万7,104円 15万3,092円 26.2% (※)小数点第二位を四捨五入して計算 4.年収700万円で住宅ローンを組む際のポイント 住宅ローンを組むうえで最も重要なのは、無理のない返済計画を立てることです。借入当初は問題がなくても、仕事の状況やライフイベントによっては、返済が難しくなる可能性も考慮しておかなければなりません。 ここでは、年収700万円で住宅ローンを無理なく返済していくための5つのポイントを解説します。 4-1.頭金を用意する 頭金を用意して借入額を少なくすれば、返済総額を減らすことができます。 近年では、頭金なしで住宅ローンを組む方も多いため必須ではありませんが、物件価格の10~20%程度の頭金を用意できると安心です。例えば、4,500万円の物件を購入する場合は、450~900万円の頭金があるとよいでしょう。 とはいえ、頭金の入れすぎにも注意が必要です。自己資金をすべて頭金に充ててしまうと、万一の病気やケガ、失業など、不測の事態に対応できなくなってしまいます。今後の生活を考えつつ、どの程度の頭金を用意するか家族でよく話し合っておきましょう。 4-2.現在の収入・支出から返済額を決める いくら借りるべきか、無理のない返済額がいくらなのかイメージがつきにくい場合は、現在の収入・支出から考えてみるのがおすすめです。 はじめに、手取り額◯円、生活費◯円、教育費◯円のように現在の収支を見える化します。このとき、住宅ローンの月々の返済額が現在の家賃+余剰資金の範囲内に収まっていれば、問題なく返済していけるでしょう。 ただし、不動産を購入すると、固定資産税、都市計画税、火災保険料などの支払いが必要になります。年間で10万円以上支払うことになる可能性もあるため、住宅ローン以外の支出も考えたうえで、返済額を決めることが重要です。 4-3.変動金利の場合は金利上昇を考慮する 金利タイプで変動金利型を選ぶ方は、金利上昇のリスクを考慮したうえで返済計画を立てましょう。 変動金利型は、全期間固定金利型よりも借入時の金利が低いのがメリットです。しかし、借入後に金利が上昇した場合は、返済額が大きく増加するリスクもあります。 なお、変動金利には以下の2つのルールが設けられているため、翌月から急に返済額が増加することはありません。とはいえ大幅な金利上昇にも対応できるよう、ある程度余裕をもたせた金額に設定することが大切です。 5年ルール:たとえ金利が上昇しても、5年間は返済額が変わらない 125%ルール:金利見直し後の返済額は、見直し前の125%までに抑えられる 4-4.長期的なライフプランを考える 住宅ローンは20年、30年と返済期間が長期にわたる借入契約であり、その期間内にはさまざまなライフイベントが起こると想定されます。借入額を決める際には、「子どもは何人欲しいか」「自動車を購入する予定があるか(購入する場合は何年後か)」など、将来のイベントもよく考えておくことが重要です。 ライフプランによっては、毎月の返済額が多少高くても問題ない方もいれば、かなり生活が厳しくなる方もいるでしょう。 大切なのは10年後、20年後、30年後も払い続けられる返済額を設定することです。 「住宅ローン返済が苦しい…」現状を打破する5つの対処法とNG行為 住宅ローンを借り入れる時は問題ないと感じていた契約内容でも、長期的に返 住宅ローン滞納するとどうなる?滞納1日目から競売までの流れと対策 住宅ローンを滞納し続けると最終的には不動産を競売にかけられてしまいます 4-5.金融機関は比較して選ぶ 金利タイプや金利の高さ、サービス内容などは金融機関によって異なります。したがって、さまざまな金融機関を比較し、自身に適した金融機関を選ぶようにしましょう。 その際はスムーズに手続きを進められるよう、複数の金融機関に相談・申し込みすることをおすすめします。住宅ローンの審査には仮審査と本審査の2種類があり、本審査の結果が届くのは1~2週間後(場合によっては3~4週間後)であるためです。 また、住み替えやマンションの売却を考えている方も、複数の不動産会社に相談することが成功の秘訣です。不動産会社によっては、査定額に数百万円の差が出ることもあるため、十分に比較検討しましょう。 不動産売却をお考えの方は「「不動産売却はどこがいい」と悩んだときの判断基準や依頼方法」の記事を、不動産会社選びに悩んでいる方は「不動産買取業者の正しい選び方│買取・仲介の違いと利用すべきシーン」の記事をご覧ください。 【無料】一括査定依頼スタート まとめ 年収700万円の方の借入額の上限は、新築物件で4,900~5,600万円、中古物件で4,200万円程度が目安です。また無理なく返済できる金額は、手取り額をもとに計算した場合で年間105~149万程度といえます。 しかし毎月の返済額は、金利タイプや返済期間、返済方法などによって異なります。そのため、上記の数字は参考程度にとらえ、金融機関を比較検討するとともに、各家庭の状況を考慮して慎重に判断するようにしましょう。 また、不動産の売却をお考えの方も、会社によって査定額が大きく異なる場合があることから、不動産会社の比較が欠かせません。NTTデータグループが運営する不動産一括査定サイト「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」なら、1回の入力で最大6社の査定価格を取り寄せられます。 「思い入れのある旧居を少しでも高く売りたい」「新生活をスムーズに始めるための資金を十分に確保したい」という方は、ぜひ不動産売却 HOME4Uご活用ください。