築20年のマンション売却の相場は?上手な売却方法の手順を伝授

マンション売却 相場 20年

築20年のマンションは、売却するには適切な時期です。
首都圏において実際に売買されている中古マンションの平均築年数は20.19年(過去10年平均)となっており、統計上も築20年の物件が多く売買されていることがわかります。

では、売りごろである築20年の中古マンションの相場はどの程度なのでしょうか?
また、この機を逃してしまった場合、どんなリスクがあるのでしょうか?

この記事では、築20年前後のマンション売却を検討している方に向けて、相場や上手な売り方などを中心に解説していきます。

ぜひ最後までおつきあいいただき、マンション売却成功への足掛かりとしてください。

マンションの売却を基礎から詳しく知りたい方は『【完全版】マンション売却の注意点』や『マンション売却の流れを9ステップで詳しく解説!』もご覧ください。

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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.売られている中古マンションの平均築年数はほぼ20年

取引されている中古マンションの平均築年数は、「ほぼ20年」です。
以下に首都圏における成約物件(実際に取引された物件のこと)の平均築年数と売り出し物件の平均築年数の推移を示します。

首都圏における成約物件の平均築年数と売り出し物件の平均築年数の推移

国土交通省.”首都圏不動産流通市場の動向(2020年)”.REINS TOWER.2021-01-22.(2024-04-09)」をもとに、HOME4Uが独自に作成

過去10年間を平均した築年数は成約物件が「20.19年」、売り出し物件が「22.74年」となっています。

特徴としては、売り出し物件に比べると成約物件の方が常に築年数が浅いという点です。
売り出し物件の中に売却しにくい築年数の古い物件が多く残っていることから、売り出し物件の平均築年数の方が高くなっています。

売り出し物件の成約物件も年々築年数が上昇傾向にありますが、成約物件の築年数はあまり上昇していないことも特徴です。
築年数は、10年前と比べると成約物件は20%しか上がっていませんが、売り出し物件は37%も上がっています。

理由としては、売れやすい物件は常に築25年以内の物件に集中していることから、売り出し物件の平均築年数が上がっても成約物件の平均築年数は上がりにくいというためです。



築20年に近いマンションや、築20年を超えてしまったマンションを所有しているか方は、さっそく不動産会社へ査定を依頼してみましょう。
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2.築20年の中古マンションの相場

続いて、「築20年の中古マンションの相場」について解説します。

中古マンションは築年数が経過すると、価格が下落する点が特徴です。
以下に首都圏における2020年の築年数別価格推移を示します。

首都圏における2020年の築年数別価格推移

不動産経済研究所.”全国マンション市場動向”.(2024-04-09)」「東日本不動産流通機構.”築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)”.REINS TOWER.(2024-04-09)」をもとに、HOME4Uが独自に作成

2020年の首都圏の新築マンションの平均価格は「6,083万円」でした。
築16~20年の平均価格は「4,174万円」で新築からの下落率は▲31.4%です。
築21~25年の平均価格は「3,202万円」で新築からの下落率は▲47.4%となっています。
よって、築20年になると、新築から3~5割程度の価格が落ちるという状況です。

また、同じ築20年の物件でも売却時期によって価格の相場は異なります。
首都圏における過去10年間の「築16~20」と「築21~25年」の価格の推移は以下の通りです。

首都圏中古マンション価格推移

東日本不動産流通機構.”首都圏不動産流通市場の動向(2020年)”.REINS TOWER.2021-01-22.(2024-04-09)」をもとに、HOME4Uが独自に作成

青線グラフに付されている年数は、成約物件の全体平均築年数を示します。
2020年においては、成約物件の全体平均築年数は「築21.99年」で平均価格は「3,599万円」です。
築16~20年が「4,179 万円」、築21~25年が「3,202万円」となっていることから、首都圏における築20年のマンション売却相場としては「概ね3,600万円」程度と推測されます。

さらに、築20年のマンション相場は地域によっても異なります。
地域別の築20年前後のマンション売却相場は以下の通りです。

築20年前後の中古マンション相場

※築20年推定相場=(「築16~20年」+「築21~25年」)÷2

公益財団法人東日本不動産流通機構. 公益財団法人中部圏不動産流通機構. 公益財団法人近畿圏不動産流通機構の情報をもとに、HOME4Uが独自に作成

築20年の推定相場は、各不動産流通機構が公表している「築16~20年」と「築21~25年」の数値の平均値より求めています。
築20年の相場は東京都区部が最も高く、「4,800万円」程度です。

自身のマンションの価値を正しく知るには、不動産会社の査定が必須です。
ただし、査定額は絶対的なものでなく、査定を実施する不動産会社によって異なります。
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3.マンション売却で意識すべきは築20年ではなく築25年

マンション売却で意識すべきは、「築20年」ではなく「築25年」です。
中古マンションは築25年以内の物件に人気が集中し、築25年超になると一気に売却しにくくなります。

以下に、首都圏における築年数別の成約物件と在庫物件の件数の割合を示します。

首都圏における築年数別の成約物件と在庫物件の件数の割合

東日本不動産流通機構.”首都圏不動産流通市場の動向(2020年)”.REINS TOWER.2021-01-22.(2024-04-09)」をもとに、HOME4Uが独自に作成

築25年以内の物件は、成約物件の割合が在庫物件の割合よりも大きいです。
それに対して、築25年超の物件は、在庫物件の割合が成約物件の割合を上回っています。

つまり、実際に売れている成約物件は築25年以内の物件が多く、築25年超の物件は在庫がだぶついて売りにくくなっているということです。

築25年超のマンションが急に売りにくくなる理由としては、築25年超のマンションは原則として買主が以下の税制優遇を受けられなくなることが理由となります。

  • 住宅ローン控除
  • 登録免許税の軽減措置
  • 特定居住用財産の買換え特例
  • 贈与税の住宅取得等資金の非課税制度
  • 相続時精算課税制度の特例

特に、住宅ローン控除が利用できなくなるデメリットは大きいです。
住宅ローン控除とは、年末の住宅ローン残高に一定率を乗じた額を所得税から控除できる制度となります。

築25年超になると途端に売りにくくなりますので、築20年のマンションをお持ちの方で売却を検討されているなら、今のうちに売ってしまうことをおススメします


4.築20年のマンションの上手な売却方法

築20年以内ならまだ買い手は見つけやすいですが、中古マンションには「上手な売却方法」が存在します。
マンション売却で失敗しないよう、本章では、中古マンションの上手な売却方法の5つのステップをご紹介します。

  1. 高く売ってくれる不動産会社を探す
  2. リフォームは不要
  3. ハウスクリーニングは検討したい
  4. 設備等の不具合の告知をしっかり行う
  5. 修繕すべきところは直してから売る

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

4-1.高く売ってくれる不動産会社を探す

できるだけ高く売りたいなら、なんといっても「高く売ってくれる不動産会社を探す」ことが不可欠です。

築20年のマンションの購入者のターゲットとしては、同じマンション内や近隣に住む「近所の人」と、県外や市外に住む「遠方から引っ越してくる人」の両方が存在しえます。

築20年のマンションには新築から20年間住んでいる人がいますので、同じマンション内に「娘夫婦のためにもう一部屋欲しい」、あるいは「年老いた親を呼び寄せるためにもう一部屋欲しい」といった住人が、意外と多くいるものです。

このような人は同じマンション内の物件を強く切望しているため、物件が売り出されると即決して購入してくれますし、相場も熟知しているので適切な相場で売り出せば、値引きを要求されることもほとんどありません。

そのような近所の人がどうやって売り出しを待っているのかというと、多くの場合は地元の不動産会社に「あのマンションが売りに出たら教えて」と頼んでいます。
ですので、その人たちを取りこぼさないためには、地元の不動産会社を探す必要があります。

一方で、築20年のマンションは住宅ローン控除等の税制優遇が使えることから、遠方から引っ越してくる人も十分にターゲットとなります。

遠方から引っ越してくる人は、地元の不動産会社のことを良く知らないため、大手の不動産会社を経由して探してくることが多いです。

つまり、高く売ってくれる不動産会社を探すには、大手にも地元の不動産会社にもアタックすることが必須です。

とはいえ、どの不動産会社が適切なのかを一般の方が判断するのは、とても難しいですよね。

そんな時に便利なのが、「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」です。

HOME4Uマンションプライスの売却査定

マンションの所在地や広さなどを入力するだけで、適切な不動産会社が瞬時にピックアップされます。

ここで複数の不動産会社に査定を依頼することで、「どの会社が一番高く売ってくれそうか」を客観的に判断することができるようになります。

登録されているのはいずれも売却実績が豊富な不動産会社ですので、間違って「賃貸を主業とする不動産会社」に査定を依頼してしまうこともなく、初めて売却する方でも手間なく売却が得意な企業を見つけることができます。

「少しでも高く早く売りたい」という方は、ぜひ「不動産売却 HOME4U」を上手に活用して、売却に強い不動産会社の中からベストな企業を選ぶようにしてみてください。

4-2.リフォームは不要

築20年のマンションを売却する時、「リフォームした方が良いのかな」と悩む方がいらっしゃいます。
結論を言うと、基本的にリフォームは不要です。

築20年のマンション相場は、首都圏で概ね3,600万円程度と推測され、相応に高い金額です。
3,600万円もすれば手持ち資金だけで購入できる人はほとんどおらず、多くの人が住宅ローンを組まざるを得ない価格となります。

仮にリフォームして売却すれば、価格が4,000万円前後となってしまい、購入希望者が手を出しにくい金額となってしまいます。

購入希望者にとって中古マンションの魅力の一つは「価格の安さ」です。
リフォームによって下手に価格を高くしてしまうと、中古マンションの魅力が大きく減ってしまいます

築20年のマンションは元々の金額が相応に高いことから、リフォームによって購入希望者が買いにくくなる値段にしてしまうことは、むしろ避けるべきなのです。

4-3.ハウスクリーニングは検討すべし

築20年のマンションを売却するなら、ハウスクリーニングは検討したいところです。
ハウスクリーニングとは、プロの清掃会社による家の掃除のことを指します。

築20年になるとマンションも徐々に古さが見え隠れするようになります。
古さを感じさせる部分は、特にキッチンやバス、洗面所、トイレといった水回りの部分です。

ハウスクリーニングは家全体を行う必要はありません。
水回りの部分だけでも行うと、各段に見栄えが良くなります。

ハウスクリーニングを実施するタイミングは、「内覧前」です。
内覧とは、購入希望者に対して家の中を見せる販売行為のことを指します。

不動産会社と媒介契約(仲介の契約のこと)を締結した後に実施すると、売却後の確定申告でハウスクリーニング代を譲渡費用にすることができます。
査定前に行う必要はありませんので、実施するタイミングは「媒介契約締結後、かつ、内覧前」が適切です。

参考までに、水回りのハウスクリーニング費用の相場を下表に示します。

清掃箇所 金額 清掃箇所 清掃箇所
キッチン 1.5~1.7万円程度 バスルーム 1.4~1.6万円程度
キッチン+汚れ防止コーティング 1.6~1.8万円程度 バスルーム+汚れ防止コーティング 1.7~1.9万円程度
レンジフード 1.4~1.6万円程度 鏡の水垢除去 0.4~0.5万円程度
ガスコンロ 0.6~0.8万円程度 エプロン内清掃 0.4~0.5万円程度
魚焼きグリル 0.4~0.5万円程度 洗面所 0.8~1.0万円程度
オーブンレンジ 0.5~0.7万円程度 トイレ 0.8~1.0万円程度

4-4.設備等の不具合の告知をしっかり行う

築20年のマンションを売却するには、設備等の不具合の告知をしっかり行うことがポイントです。

室内にある住宅設備は一般的に15年程度が寿命であることから、築20年のマンションは自然と故障した設備も多くなっています。

マンション売却では、売主は不動産会社から「付帯設備表」と「告知書」の記載を求められます。

付帯設備表とは設備の撤去の有無や不具合状況を記載する書類です。
告知書とは、設備以外の問題点について記載する書類となります。

付帯設備表」と告知書

マンション売却では、売主に契約不適合責任という売主責任が課されます。
契約不適合責任とは、「契約の内容に適合しない場合の売主の責任」のことです。

契約内容とは異なるものを売った場合、売主は売却後に買主から追完請求(主に修繕の請求)または契約解除および損害賠償のいずれかを追及されるという責任になります。

契約不適合責任を問われないようにするには、物件の不具合を契約書に記載し、買主の了承を得て売却することが重要です。

不動産会社は付帯設備表と告知書の記載内容に基づいて売買契約書を作成します。
付帯設備表と告知書に売主が知っている事実の記載が漏れていると、売買契約書に反映されず、売主が契約不適合責任を負ってしまうリスクが発生します。

売主が知りながら告知しなかった不具合は、契約不適合責任を免れないことになっていますので、売主自身を守るためにも把握している不具合はしっかりと告知するようにしましょう。

4-5.修繕すべきところは直してから売る

築20年のマンションは、リフォームは不要ですが「修繕すべきところは直してから売る」方がおススメです。

例えば、「カーペットの目立つ染み」や「床の大きなへこみ」等は売却を阻害する要因や値引きの要因となってしまいます。

築20年もなると、目立つキズや染みがある物件も存在します。
目立つキズや染みがある物件は、査定価格にもマイナスに影響するため、通常の相場で売るなら修繕してから売った方が望ましいです。

気になるキズや染みがある場合、まずはその状態で不動産会社の査定を受けてみてください。
実際に不動産会社にキズや染みを見てもらい、修繕が必要かどうかの意見を聞いてから実施した方が無駄は生じないからです。

また、不動産会社は、安くきれいに修繕してくれる会社も知っています。
適切な修理会社を紹介してもらえますので、修繕は不動産会社に見てもらった上で実施することが無難です。

まとめ

いかがでしたか。
築20年のマンション売却相場や上手な売り方について解説してきました。

中古マンションの売却では、築25年を超えると一気に売れにくくなるため、その前のタイミングでアクションを起こすことをおススメします。

マンションの上手な売却方法としては、「高く売ってくれる不動産会社を探す」ことから始めるのが賢明です。
不動産売却 HOME4U」を上手に活用し、ぜひ良い条件での売却を実現してくれる不動産会社を見つけてください。

皆さんの売却活動が、スムーズに進むことを願っています。