更新日:2025.01.14 不動産売却の基礎講座, 不動産売却のノウハウ 長期金利と住宅ローン金利の関係は?金利の現状や最適な金利タイプの選び方を解説 住宅ローンの固定金利は、長期金利に連動しています。金利が増減すると住宅ローンの返済額は大きく変わるため、マイホームの購入や住み替えで、住宅ローンを契約する際は、住宅ローン金利を左右する要因と将来の金利の動きについて知っておくことが大切です。 本記事では、長期金利と住宅ローン金利の概要を紹介するとともに、両者の関係性について解説します。 この記事を読むと分かること 長期金利の概要と長期金利が変動する主な要因 住宅ローンの概要と住宅ローン金利の種類 住宅ローン金利と長期金利の関係性 「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格(※)”を見つけましょう※依頼する6社の中での最高価格 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート Contents1.長期金利とは?2.住宅ローン金利に関する基本情報3.住宅ローン金利と長期金利の関係4.住宅ローン金利・長期金利の現状5.自分に合った住宅ローン金利の選び方6.金利上昇リスクへの対処法まとめ 1.長期金利とは? 長期金利と住宅ローンの関係性を解説する前に、それぞれの概要について見ていきましょう。 1-1.長期金利と短期金利の違い 長期金利は、1年以上にわたって金融機関が貸付を行なう際に適用される金利で、長期資金の需給関係をもとに決定されます。 長期金利は景気の状況によって上下するため、景気の動向を予測する重要な指標の一つだといえるでしょう。なお、テレビや新聞などで取り上げられている長期金利の数値は、10年物国債(10年満期の国債)の利回りを指します。 また、金利には1年未満の資金の貸し出しで適用される、短期金利もあります。 短期金利の代表的な指標とされているのは、無担保コールレート(オーバーナイト物)です。無担保コールレートとは、短期的な資金を金融機関同士がお互いに融通する市場において、短期資金を無担保で借り入れて翌日には返済する、といった短期取引のことを指します。 日本銀行が短期金利を操作することで金融市場の調節をするため、短期金利は事実上の政策金利だといえるでしょう。 1-2.長期金利が変動する主な要因 長期金利は社会のさまざまな要素の影響を受けて変動しますが、その主な変動要因には以下の4つが挙げられます。 変動要因 概要 国内景気 景気が良いとモノが売れ、企業がその需要に対応しようと資金を投入して生産体制の強化をするため、資金需要が高まり金利が上昇する。 国内物価 物価が上昇すると金銭の価値が低くなり、金銭をモノに換えるための消費活動が活発化する。その結果、資金の需要が高まるため、一般的に金利は上昇する。 為替 円安になると国内の物価が上昇し、円から外貨へと資金が流れるため金利は上昇する。 海外金利 海外の金利が上昇すると、海外の国債を購入する日本の投資家が増えるため、日本の債券の購入者が減り、国内金利は上昇する。 今後の長期金利を予測する際は、これらの変動要因にも注目してみましょう。 2.住宅ローン金利に関する基本情報 続いて、住宅ローンの概要と住宅ローンにかかる金利について解説します。 2-1.そもそも住宅ローンとは? 住宅ローンとは、住居の購入時や改築時などに利用できるローンです。自治体融資や財形住宅融資といった公的ローンと、提携ローンや非提携ローンといった民間ローンがあります。 ローンを申し込むと返済能力の有無などを問う審査が行なわれ、審査に合格すればローンを利用でき、元本と利息の合計額を返済します。 返済方式には、元利均等返済と元金均等返済の2種類があります。 元利均等返済は、返済期間中の元金と利息の合計額(返済額)が一定になる返済方式であり、元金均等返済は返済期間中の元金の割合は一定で、返済が進むと返済額が徐々に減っていく返済方式です。 なお、住宅ローンを利用して一定の要件を満たしていれば、年末のローン残高の0.7%を所得税から最大13年間控除する住宅ローン控除(住宅ローン減税)を利用できます。 参考:“住宅ローン減税”. 土交通省 住宅ローン控除を受けるには?住宅購入時の確定申告のやり方 住宅を購入した場合、要件を満たせば税金が軽減される制度があります。住 住宅ローン控除には確定申告が必要!必要書類や還付金について詳しく解説 住宅ローンを借り入れてマイホームを新築、購入、増改築したり、住み替えた 住宅ローン控除を受けるには年末調整が必要?2年目以降の手続きについて詳しく解説 住宅を購入したり、住み替えたりする際には、住宅ローンを利用する方が多い 2-2.住宅ローン金利の種類 住宅ローンにかかる金利には、大きく分けて全期間固定金利型、変動金利型、固定金利期間選択型の3種類があります。 2-2-1.全期間固定金利型 全期間固定金利型は、借入時に契約した金利が、返済期間中ずっと変わらないタイプの金利です。金利が変動しないため、将来にわたって返済金額も変わらず、返済計画を立てやすいのが特徴です。 常に金利が一定で、市場の金利上昇に伴って金利が上がるリスクを抑えられますが、市場金利が下がったときは、ほかの金利タイプに比べて金利負担が増えてしまいます。また、固定金利は変動金利よりも、高めに金利が設定される傾向にあります。 全期間固定金利型の詳細については、「固定金利とは?メリット・デメリット、向いている方の特徴を解説」で紹介しています。 2-2-2.変動金利型 変動金利型とは、金融情勢の変化に応じて金利が変わる金利タイプです。基本、金利は年に2回見直され、返済額は5年ごとに変更されます。 変動金利は固定金利より金利が低めに設定されていますが、市場金利が上昇すれば住宅ローン金利も上昇し、返済額が増えてしまうリスクがあります。 変動金利型を選択する場合には、金融情勢の動向を確認し、金利上昇のリスクをどの程度許容できるかをふまえて返済計画を立てましょう。 変動金利型については、「変動金利とは?固定金利との違いやメリット・デメリット、今後の金利の動向などを解説」も参考にしてください。 2-2-3.固定金利期間選択型 固定金利期間選択型は、借入の当初は3年・5年・10年などの一定期間で固定金利となり、期間終了後に固定金利と変動金利のどちらかを選択できる金利タイプです。固定金利の期間終了時点で金利が見直されるため、ローンの返済額も変化します。 ローンの返済計画に合わせて金利の組み合わせを選びやすく、ほかの金利タイプよりも自由度は高いといえるでしょう。ただし、市場金利の上昇により金利負担が増加するリスクがあり、当初の想定より返済額が増えてしまう可能性もあります。 なお、住宅ローン金利については「購入する前に知っておきたい住宅ローンの種類や借入条件、住宅ローン控除を解説」も併せてご一読ください。 3.住宅ローン金利と長期金利の関係 住宅ローンの固定金利は長期金利に連動しており、住宅ローンの変動金利は短期金利に連動しています。指標となる金利が異なるため、住宅ローン金利を選ぶ際は、長期金利と短期金利の違いや今後の見通しについても知っておくことが大切です。 しかし、長期金利や短期金利の変動を正確に予測するのは困難です。金利が上昇するリスクもふまえたうえでキャッシュフロー表を作成し、無理のない返済計画を立てましょう。 なお、住宅ローンを取り扱う金融機関等のなかには、住宅ローンの返済額をシミュレーションできるサービスを提供しているところもあります。このようなサービスは、返済計画を立てる際に役立つでしょう。 参考:“住宅ローンシミュレーション”. 住宅保証機構 年収に対する住宅ローンの借入額の目安はどのくらい?年収ごとのシミュレーションも紹介 住宅の購入や住み替えの際、住宅ローンの検討にあたり、自分の年収だとどの 4.住宅ローン金利・長期金利の現状 住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)」によると、住宅ローン利用者の7割以上が、変動型(変動金利型)を選択していることがわかります。 出典:住宅ローン利用者調査(2023年4月調査). 住宅金融支援機構. 2023-06-30. (参照2024-04-01) また、民間金融機関の住宅ローン金利(中央値)は、以下のように推移しています。2023年(令和5年)2月時点では、固定金利選択型(10年)が年3.8%、変動金利型が年2.475%、固定金利期間選択型(3年)が年3.27%となっています。 出典:“民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)”. 住宅金融支援機構. (参照2024-04-01) 過去には、変動金利が1年間で2%ほど上昇したこともありましたが、直近の20年間では金利の変動は小さくなっており、年2~4%程度で推移しています。 なお、日本銀行が金融政策の運用を柔軟化したことから、近年の長期金利は上昇傾向にあります。10年国債の利回りは、2024年(令和6年)2月6日現在で0.725%です。 5.自分に合った住宅ローン金利の選び方 「住宅ローン金利の違いは理解できたものの、どのように選択すればよいのかわからない」という方もいるでしょう。そこで本章では、住宅ローン金利の選び方を解説します。 5-1.今後の生活が予測しにくいなら、全期間固定金利型 変動金利は固定金利よりも金利が低めですが、将来的に金利が上昇する可能性は否定できず、返済計画を立てづらいというデメリットがあります。金利上昇リスクを極力避けたいなら、全期間固定金利型を選択しましょう。 特に、子どもがまだ幼く、将来の出費を予測しにくい場合や家計に余裕がない場合は、返済計画を立てやすい固定金利を選ぶのがおすすめです。 5-2.生活の見通しが立っているなら、固定金利期間選択型、変動金利型 家計に余裕がある場合には、固定金利よりも比較的金利が低い変動金利がおすすめです。変動金利には金利の上昇リスクがありますが、あらかじめ金利が上昇する可能性をふまえて返済計画を立てておけば、将来返済に困る可能性は低いでしょう。 教育費の負担が大きい時期は固定型、教育費の負担が落ち着いたら変動型に変えられる固定金利期間選択型を選ぶのもよいでしょう。 6.金利上昇リスクへの対処法 変動金利を選択すると、金利が上昇し返済額も増加する可能性があります。そこで、可能な限り繰り上げ返済をして、金利上昇リスクの影響を最小限に抑えるのも一つの方法です。 繰り上げ返済には、返済期間を短くする「返済期間短縮型」と、毎月の返済額を減らす「返済額減額型」があるため、状況に合わせて選択しましょう。 また、金利の高いローンから低いローンへと借り換えれば、返済総額を減らせます。各社の住宅ローン商品を比較して、より良い条件で借入ができそうなところがあれば、借り換えを検討しましょう。 ただし、借り換えには手数料や諸費用が発生するため、このあたりも考慮したうえで慎重に判断しましょう。 住宅ローンの繰り上げ返済とは?メリット・デメリットや損をしないコツを解説 不動産の購入や住み替えの際、住宅ローンを利用するにあたり、返済の負担を 住宅ローンの繰上返済手数料を徹底比較!繰上返済をしないほうがいいケースについても解説 住宅ローンを比較するなかで「将来的には繰上返済したい」と考えている方も 住宅ローンを借り換えるメリット・デメリットとは?今後の金利の動向も考察 住宅ローンの借り換えによって、返済の負担を軽減できる可能性があります。 【無料】一括査定依頼スタート まとめ 住宅ローンの金利タイプには、全期間固定金利型、変動金利型、固定金利期間選択型の3種類があり、固定金利は長期金利に、変動金利は短期金利にそれぞれ連動しています。 金利はさまざまな要因で変動するため、その変動を正確に予測するのは困難です。住宅ローンの金利タイプは、メリット・デメリットを考慮し、無理のない返済計画を立てられるかよく確認して選びましょう。 住み替えに伴う不動産の売却をお考えの方は、NTTデータグループが運営する不動産一括査定サイト「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」をご利用ください。 不動産売却 HOME4Uは、23年の実績を誇る老舗の不動産査定サイトで、全国約2,500社の優良不動産会社のなかから、最大6社の査定価格をまとめて取り寄せできます。不動産の査定価格には、数百万円以上の差が出ることも珍しくないため、複数社の査定を慎重に検討することをおすすめします。 一括査定を利用して旧居を少しでも好条件で売却し、新居の購入資金を確保しましょう。