DINKSマンションとは?メリットや選び方、購入時の注意点を解説

DINKSマンション メリットと購入時の注意点

住み替えを検討するにあたり、「DINKSマンションについて詳しく知りたい」という方もいるでしょう。DINKSマンションは、多様化するライフスタイルに合った住居として人気のあるマンションです。

本記事では、DINKSマンションの特徴やメリット、選ぶときのポイント、購入時に注意したい点などについてわかりやすく解説します。

この記事を読むと分かること
  • DINKSマンションの特徴やメリット
  • DINKSマンションを選ぶ際のポイント
  • DINKSマンション購入時の注意点
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1.DINKSマンションとは?

DINKSマンションとは、DINKS(ディンクス)世帯向けに暮らしやすく作られたマンションのことです。

「DINKS」は「Double Income No Kids」の頭文字をとった言葉で、理想とするライフスタイルや経済的な理由などから、共働きで子どもを持たない選択をした夫婦のことを指します。もともとは欧米で広まった考え方ですが、日本でも1990年代から増加傾向にあります。

厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」によると、1992年(平成4年)の時点では「夫婦のみの世帯」(DINKSを含む)は約707万1,000世帯であり、全世帯の17.2%でした。その後、2022年(令和4年)には約1,333万世帯まで増えています。これは、全世帯の24.5%にあたる割合です。

72-1

出典:“国民生活基礎調査の概況”. 厚生労働省. (参照2024-03-29)をもとに、HOME4Uが独自に作成

上記のデータから、「結婚してもお互いの仕事や時間を大切にしたい」「経済的な余裕がほしい」と考える夫婦が年々増えていることがうかがえます。DINKSマンションとは、こうした価値観を持つ夫婦をターゲットとした住まいのことだと考えればよいでしょう。

2.DINKSマンションの特徴

内見中の夫婦

DINKSの価値観を重視する夫婦のライフスタイルはさまざまです。

例えば、近くにレストランが多いことを望む夫婦もいれば、夜遅い時間でも買い物ができる食料品店が必須だと考える方もいるでしょう。または、パートナーと一緒にゆっくり過ごせる広いリビングが欲しい、夫婦がそれぞれの仕事に集中するための部屋が必要、といった要望もあるかもしれません。

このように多様なライフスタイルを持つDINKS世帯向けのマンションとは、どのようなものなのでしょうか。ここでは、DINKSマンションの特徴を以下の5つの視点から説明します。

  • 広さ
  • 間取り
  • 設備
  • 立地
  • 価格

2-1.広さ

DINKSマンションの広さは、30~60平米が中心です。一般的にシングル向けなら20平米程度、ファミリー向けでは70平米以上のマンションが多いことを考えると、その中間にあたる広さだといえます。これらのことから、DINKSマンションは、二人暮らしに適した広さの物件だといえるでしょう。

なお、DINKSマンションは「コンパクトマンション」と呼ばれることもあります。ファミリー世帯が好むマンションと比較するとコンパクトで、価格がお手頃であることから、DINKS世帯や単身世帯に人気です。

コンパクトマンションについて、より詳しく知りたい方は、「コンパクトマンションとは?メリットや物件の選び方、売却のコツなどを解説」もご覧ください。

2-2.間取り

DINKSマンションの間取りは、1LDK~2LDKが一般的です。

1LDKというとシングル用のように感じるかもしれませんが、部屋が広々としていればDINKS世帯の方にも適しています。一方で、3LDKのようなファミリー世帯向けの物件では、2人で使うには部屋数が多すぎるという方もいます。

こうしたニーズをふまえ、多くのDINKSマンションは夫婦の二人暮らしに合わせた間取りになっているのです。

2-3.設備

共働きの夫婦は、家事にかける時間がなかなか取れなかったり、不在の日が多くなったりすることもあるでしょう。そのため、DINKSマンションは、家事の時間を短縮できる設備が比較的充実しているのが特徴です。

例えば、室内に食器洗浄乾燥機や生ごみのディスポーザー、浴室暖房乾燥機などを備えた物件もあります。共有設備の例としては、宅配ボックスや24時間いつでもゴミ出しができるステーションなどの設備が挙げられます。いずれも、家事の効率化、生活の最適化に役立つでしょう。

なかには、敷地内にフィットネスジムや飲食店などの施設が入っているマンションもあります。

2-4.立地

DINKSマンションは、利便性の高い立地にある物件が多いのも特徴です。

前述のとおり、DINKSマンションは「コンパクトマンション」とも呼ばれ、立地の良い場所を選んで建てやすいのです。

通勤に便利な駅前や、深夜まで営業している商業施設の近くなどにも、多くのDINKSマンションが見られ、選択肢の幅は広いでしょう。

2-5.価格

マンションの価格は、広さや設備だけでなく、立地の利便性や不動産全体の相場によっても変わります。そのため、ひとくちにDINKSマンションといっても、物件によって価格はさまざまです。

しかし、DINKSマンションはファミリー世帯向けのマンションに比べるとコンパクトな設計になっており、マンションとしては比較的購入しやすい価格帯のものが多いでしょう。

3.DINKSマンションのメリット

青空とカップル

新たな住まいとしてDINKSマンションを選ぶことには、さまざまなメリットがあります。本章では、以下の3つのメリットについて深掘りします。

  • ライフスタイルに合わせやすい
  • 住居費の負担を抑えやすい
  • 資産価値が下がりにくい

3-1.ライフスタイルに合わせやすい

共働きのライフスタイルは世帯によって異なり、働き方や生活のリズムはさまざまです。

例えば、夫婦ともに会社勤めをしているのなら、平日の日中は自宅を空けることが多くなります。どちらも在宅ワークがメインなら、それぞれの仕事部屋が必要になるかもしれません。夫婦によっては、同じ空間で仕事をし、食事のタイミングを合わせたい、というニーズもあるでしょう。

DINKSマンションを選べば、これらの希望を実現しやすいといえます。二人暮らしに適した間取りや充実した設備、通勤や買い物、外食などに便利な立地の良さなどが、DINKSマンションの特徴だからです。

首都圏においては、DINKSマンションのシェアは2018年(平成30年)頃から増加傾向にあります。市場拡大の背景には、共働きのライフスタイルが多様化している点が挙げられるでしょう。

DINKSマンションの人気は、今後も高まっていくことが予想されます。

3-2.住居費の負担を抑えやすい

マンションの販売価格は、土地と建物の値段に大きく左右されます。DINKSマンションはコンパクトな設計になっているため、比較的お手頃な価格で購入可能です。

これまでファミリー世帯向けのマンションでは高すぎて手が出なかったという場合でも、DINKSマンションであれば借入額を抑えて住宅ローンを組みやすいでしょう。

借入額を少なくできれば、その分家計に占める住居費の割合を減らすことが可能です。同程度の間取りや設備を備えた賃貸マンションに入居する場合の家賃と比べても、月々の返済額を低くできる可能性があります。

また、部屋数が必要十分である点も、DINKSマンションの強みです。管理や修繕にかかる月々の費用が抑えられるため、経済的な余裕が生まれやすくなるでしょう。

3-3.資産価値が下がりにくい

コンパクトマンションという別名があることからもわかるとおり、DINKSマンションにはDINKS世帯以外からも幅広い需要があります。その世代は幅広く、単身者のほか子どもがまだ小さい3人家族、仕事を引退して子育てを終えたシニア夫婦などさまざまです。

これは、住み替えを検討している世帯のニーズがDINKSマンションに多く集まっていることを意味します。そのため、物件として資産価値が下がりにくい傾向があることも、DINKSマンションのメリットの一つだといえるでしょう。

DINKSマンションを選ぶ際に、いずれ住み替える可能性があることを念頭に置いている方も少なくありません。設備や立地が良く、需要が高い物件であれば、将来的には売却せずに貸し出して、家賃収入を得る方法も考えられます。

この点をふまえれば、DINKSマンションは住まいとして使用するだけでなく、投資の対象として見ることもできます。いわゆる「半投半住」の考え方です。これは、住んだあとに売却したり、賃貸にしたりすることを見越して住宅を購入することをいいます。

4.DINKSマンションを選ぶときのポイント

マンションのエントランス

ここからは、夫婦の価値観に合うDINKSマンションを選ぶ際にポイントとなる、以下の6つの観点について紹介します。

  • 生活のリズム
  • 夫婦それぞれの空間
  • 物件の設備
  • 立地の利便性
  • 周辺の治安
  • 防犯・防災

4-1.生活のリズム

DINKSマンションを選ぶときには、自分たちの生活に合いそうな間取りかどうかを確認しましょう。生活のリズムの違いによって、どのような間取りであれば快適に暮らせるかは変わってくる場合があります。

まずは、以下の質問に答えるつもりで、夫婦それぞれが出勤・帰宅する時間帯をイメージしてみるとよいでしょう。

  • 出かけたり帰ってきたりする時間はいつも同じか、それともタイミングがバラバラになる日が多いか?
  • キッチンや洗面所、寝室などの各部屋は、夫婦のどちらがどの時間帯に使うことが多いか?

これらの質問の答えによって、室内での動線が変わってきます。また、間取りのどの部分を重視すべきなのかも見えてきます。

例えば、平日の日中は主に職場で過ごすという方は少なくないでしょう。その場合は、自宅で過ごす時間の多くを睡眠時間が占めているかもしれません。生活のリズムに合わせることを考えれば、寝室の快適さを重視した間取りの物件を選ぶのが良いといえます。

4-2.夫婦それぞれの空間

夫婦のそれぞれに自分だけの空間が必要になりそうかどうかも、間取りを決める際のポイントです。

テレワークが普及したことにより、近年では在宅でできる仕事も増えてきました。仕事の内容によっては、リビングに2人でいても、それぞれの作業ができるかもしれません。しかし、リモート会議が多いなど、周囲に人がいない静かな空間が必要になる在宅ワークもあります。

また、趣味のための作業部屋を重視したいという方もいるのではないでしょうか。その場合は、専用の道具を収納できる納戸や、コレクションを飾るためのスペースなどについても検討しておくのがおすすめです。

DINKSマンションの間取りは1LDKか2LDKが主流ですが、なかには「サービスルーム」と呼ばれる小部屋が付いている場合もあります。サービスルームとは、日当たりや換気が不足しているために通常の居室として扱われない部屋のことです。

サービスルーム

居室ではないとはいえ、用途を絞れば十分に使えるケースもあるので、活用方法を検討してみるのもよいでしょう。

4-3.物件の設備

DINKSマンションの多くは、時間を効率的に使うための設備を備えています。宅配ボックスや食器洗浄乾燥機、浴室暖房乾燥機などはよく見られる例ですが、これら以外に独自の設備を備えた物件も少なくありません。どのような設備があると便利そうか、あらかじめイメージしておくのがおすすめです。

例えば、大きめのパントリーがあれば、1週間分の食品をまとめてストックしておけます。買い物の頻度などによっては便利に使えるでしょう。

洗面台は、ダブルボウルになっていれば夫婦で並んで使えます。出勤時間が重なる日が多くても、スムーズに身支度を整えることが可能です。

掃除はロボット掃除機でという方もいるのではないでしょうか。その場合は、段差が少なく掃除機が隅々まで入っていける構造になっているかどうかを確認しておくとよいでしょう。水拭きもできるタイプの掃除機を使う予定であれば、フローリングが対応しているかどうかもポイントです。

また、近年では共有部にリモートワークができるワークスペースがある物件も増えてきました。在宅ワークの有無に応じて、チェックしておきたいポイントです。

4-4.立地の利便性

DINKSマンションの多くは、好立地に建てられています。しかし、立地は一般的な良さばかりにとらわれず、自分たちの生活に合っているかどうかを考えることが重要です。

例えば、一般的には最寄り駅から近いほうが、周囲に便利な施設が多いため立地が良いといえます。一方で、駅から少し離れた閑静な立地を好む方も少なくないでしょう。その場合は、駅までのアクセス手段は何になるのか、どれくらいの距離であれば通勤に問題がなさそうかなどもチェックしておくことが大切です。

また、外食することが多い方は、歩いて行ける距離に飲食店が少ないと不便かもしれません。帰宅時間が遅くなりがちなら、近くにあるコンビニエンスストアに加えて、食料品店やドラッグストアが夜間も営業しているかどうかを確認しておくとよいでしょう。

ほかにも、クリーニング店やフィットネスジムなどの施設をよく利用する場合は、自宅から通いやすい場所にあるほうが利便性は高いといえます。銀行や郵便局、病院など、生活に欠かせない施設の場所も忘れずにチェックしておきたいポイントです。

4-5.周辺の治安

DINKSマンションのなかには、駅前などの繁華街に位置するものも多数あります。近くに便利な施設が多い反面、居酒屋などが集中していることなどから、住環境に不安を感じる方もいるかもしれません。そのような場合には、事前に周辺の治安を確認して、不安を払拭しておくことが重要です。

繁華街にある物件を検討するのであれば、万が一の場合に備えて、最寄りの交番がどこにあるのかを確認しておくと安心です。

一方、駅から少し離れた静かな立地にある物件を選ぶ場合には、帰り道が明るいか、夜間でも人通りがあるかなどをチェックしておくと安心でしょう。

4-6.防犯・防災

安心して暮らせるDINKSマンションを選ぶには、防犯を意識した物件になっているかチェックすることも重要です。まずは、建物正面の出入り口が道路などに面した見通しの良い位置にあることを確認しましょう。

エントランスにオートロックが採用されているかどうかも、重要なポイントです。オートロックになっていれば、関係者以外がマンションの敷地内に立ち入ることは難しくなります。エントランスホールに防犯カメラが設置されているか、廊下などの共用部分がいつでも明るいかなども、事前にチェックしておくと安心です。

そのほか、外部からの侵入経路がないか、確認しておくとよいでしょう。構造によっては、建物の裏手やゴミ置き場の屋根などから、簡単に侵入できてしまうかもしれません。

また、防犯に加えて、防災について考えることも大切です。地域のハザードマップなどから、災害時にどのような危険があるのかを把握しておくとよいでしょう。自然災害の発生は避けられるものではありませんが、あらかじめリスクの程度を知っておくことは可能です。

なお、防災の観点は、DINKSマンションを投資の対象として考える際にもポイントとなります。災害リスクが低い立地にある物件のほうが、資産価値は下がりにくいと考えられるためです。

5.DINKSマンションの持分割合と住宅ローンの種類

ブタの貯金箱

マンションを購入するために、住宅ローンを利用する方は多いでしょう。住宅ローンを組む際には、ローンの仕組みや返済方法などについて理解しておくことが大切です。

加えて、夫婦でDINKSマンションを選ぶのであれば、「持分割合」について知っておくことも重要でしょう。そこで本章では、DINKSマンションの持分割合と住宅ローンの種類について解説します。

5-1.持分割合とは?

持分割合とは、不動産における所有権の割合のことです。購入資金の割合に応じて登記されるものであるため、夫婦でDINKSマンションを購入する際には、しっかりと検討して決めることをおすすめします。

例えば、夫婦で半分ずつ資金を出し合ってマンションを購入するケースを考えてみましょう。この場合は、それぞれの所有権が「2分の1」であることを登記します。1つの不動産を2人の名義で所有し、一緒に使うということです。

また、固定資産税や都市計画税、住宅ローン控除などの金額は、登記された持分割合から計算されます。共働き世帯の家計に与える影響は少なくないため、夫婦でよく話し合って決めましょう。

5-2.夫婦で組める3種類の住宅ローン

持分割合をどのように決めるべきかは、住宅ローンの組み方によっても変わってきます。DINKSマンションを購入する際に利用できる住宅ローンは、一般的に以下の3種類に分けられます。

ローンの種類 契約の方法 借り入れ可能額
連帯保証型 1人の名義で契約 比較的少ない
連帯債務型 2人の連名で1つの契約 中間
ペアローン 2人それぞれが契約 比較的多い

それぞれのローンについて、詳しく見ていきましょう。

5-2-1.連帯保証型

「連帯保証型」は、住宅ローンを1人の名義で組む方法です。

夫婦のどちらか一方が債務者(=契約者)となり、もう一方が連帯保証人になります。2人分の収入を合算した借り入れも可能ですが、その場合でもローン部分については債務者が全額拠出したことになります。

連帯保証型では、債務者に万が一の場合があったときは、団体信用生命保険(団信)によってローンを完済できますが、連帯保証人への保障はありません。

また、後述する「連帯債務型」や「ペアローン」と比べると、借り入れ可能な金額は少ない傾向にあります。

5-2-2.連帯債務型

「連帯債務型」は、住宅ローンを2人の連名で組む方法です。

夫婦の収入を合算し、2人で1つのローンを組むイメージだと考えればわかりやすいでしょう。ただし厳密には、夫婦のいずれか一方が「主債務者(契約者)」であり、もう一方は「連帯債務者(契約者ではない)」になります。

団体信用生命保険(団信)は、ローンを契約した本人にしか適用されません。そのため、主債務者に万が一のことがあれば完済となりますが、連帯債務者については保証がない点は、連帯保証型と同様です。

連帯保証型に比べると借り入れ可能な金額が多い傾向にありますが、連帯債務者に万が一のことがあった場合にも返済を続けられるかどうか、よく検討する必要があるでしょう。

5-2-3.ペアローン

「ペアローン」は、夫婦それぞれが1つずつローンを組む方法です。

ペアローンでは2人ともが「債務者(契約者)」となり、1つの不動産を共有します。このとき、お互いが相手の連帯保証人になるのが一般的です。

団体信用生命保険(団信)は夫婦それぞれに適用されますが、どちらかに万が一の場合があったとしても、完済となるのは本人のローン契約分のみである点には注意が必要です。

また、2人分の契約により借り入れ可能な金額は、連帯保証型や連帯債務型よりも多い傾向にあります。

5-3.持分割合の決め方

持分割合を決める際は、住宅ローンの種類と併せて考えることが大切です。適切な割合にしないと、確定申告の際に贈与とみなされてしまうケースもあります。

そこで本章では、不動産の名義を1人にするか2人の共有名義にするかによって、持分割合の決め方がどのように変わるのかを解説します。

5-3-1.名義が1人の場合

連帯保証型によって1人の名義で住宅ローンを組むと、借り入れの負担割合は契約者が100%となります。

一方で、持分割合は物件の購入資金を誰がどれだけ負担するかによって変わります。頭金を2人で用意した場合は、その分を持分割合に反映させなければなりません。

例えば、5,000万円の物件を購入するケースについて考えてみましょう。頭金を用意せず、夫の名義で5,000万円分のローンを組むとすれば、持分割合は夫が100%となります。

これに対して、夫婦それぞれが1,000万円ずつ頭金を用意し、残額は夫名義でローンを組んだ場合、夫婦それぞれの持分割合は以下のように計算できます。

  • 夫:5分の4(5,000万円のうち、頭金とローンを合わせて4,000万円)
  • 妻:5分の1(5,000万円のうち、頭金1,000万円)

5-3-2.共有名義の場合

連帯債務型やペアローンで住宅ローンを組むときは、自宅が共有名義となるため持分割合を計算しなければなりません。

連帯債務型では2人の収入を合算してローンの審査を受けるため、年収の割合に応じて持分を決めるのが一般的です。例えば、夫の年収が600万円、妻が400万円だと仮定しましょう。この場合の持分割合は、年収と同じ比率で夫が「10分の6」、妻が「10分の4」と計算されます。

ペアローンについては、借入額の割合に応じて持分が決まります。例えば、5,000万円の物件を購入するケースを考えてみましょう。このとき、それぞれが2,500万円ずつのローンを組んだとすれば、持分割合は両者とも「2分の1」となります。

なお、頭金の分も持分割合に反映させる必要がある点は、名義が1人の場合と同様です。

6.DINKSマンションを購入する際の注意点

スタイリッシュなDINKSマンション

DINKSマンションの購入に際しては、いくつかの注意点があります。ここでは、以下の4つの注意点について紹介します。

  • 住宅ローン控除の額はローンの組み方で変わる
  • 将来の備えを意識する必要がある
  • 価値観やライフスタイルは変わる場合がある
  • 新築よりも中古物件が適している可能性もある

6-1.住宅ローン控除の額はローンの組み方で変わる

個人が住宅ローンを組んで自宅を取得すると、住宅ローン控除の対象になります。住宅ローン控除とは、年末の借り入れ残高の0.7%(条件により最大14~35万円)を10年または13年にわたって所得税額から控除できる制度のことです。

連帯保証型(1人の名義)による借り入れでは、ローンを契約した本人のみが控除の対象となります。もともとの税額によっては、全額まで控除しきれない場合も出てくるでしょう。

共働きの夫婦世帯では、2人ともが控除の対象となるように工夫すると戻ってくる(軽減される)金額が増える可能性があります。それには、夫婦それぞれに債務がある連帯債務型かペアローンを選ぶ必要があります。

住宅ローン控除については、「住宅ローン控除を受けるには?住宅購入時の確定申告のやり方」も併せてご確認ください。

6-2.将来の備えを意識する必要がある

夫婦2人だけで暮らしていくことには、将来的な不安も少なからずあるでしょう。仕事をリタイアしたあとのための備えが必要になるほか、怪我や病気でどちらか1人の収入が減ってしまうケースも考えられます。

一方で、家計に比較的余裕があり、外食や旅行などを気軽に楽しめるのはDINKSの良いところでもあります。しかし、浪費しがちになって貯蓄を後回しにしてしまうと、次第に住宅ローンが重荷になっていくかもしれません。

DINKSだからこそ、万が一の場合も想定して貯蓄を増やしていくための計画を慎重に練ることが大切だといえるでしょう。

6-3.価値観やライフスタイルは変わる場合がある

DINKSというライフスタイルを選択したカップルの価値観が、今後もずっと変わらないとはいい切れません。例えば、子どもを持ちたいと思うようになれば、DINKSマンションではいずれ手狭になると考えられます。

また、仕事の都合でライフスタイルが変化する可能性もあります。将来的に転勤になったり、転職を希望したりすることもあるでしょう。結果として、より通勤に便利な場所に転居したくなるかもしれません。

DINKSマンションを選ぶ際には、自分たちの価値観やライフスタイルが将来的に変化する可能性もある程度想定しておくことをおすすめします。

6-4.新築よりも中古物件が適している可能性もある

怪我や病気のリスク、価値観やライフスタイルの変化などは、どのようなカップルにもあり得ることです。したがって、DINKSマンションはいずれ売却することも視野に入れて検討するとよいでしょう。

将来のさまざまな状況を想定して、新築だけでなく、中古物件も含めて検討するのがおすすめです。資産価値が下がりにくいDINKSマンションであれば、比較的安価な中古物件を購入して、生活の変化に併せて住み替えることもできます。

新築と中古のどちらが自分たちに適しているか、夫婦で話し合ってみるとよいでしょう。

7.DINKSマンション売却・購入には、HOME4U(ホームフォーユー)の活用を

DINKSマンションの売却をご検討の際には、NTTデータ・スマートソーシングが運営する不動産一括査定サイト「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」をぜひご活用ください。

また、「HOME4U(ホームフォーユー)」は、不動産の売却・購入・資産活用のための情報サイトです。DINKSマンションの購入はもちろん、住み替えの際の売却にも役立つでしょう。

さらに、「HOME4Uマンションプライス」では、全国に存在する14万棟以上のマンションデータをもとに、マンションやエリアごとの相場価格・販売価格の推移がわかります。

不動産売却 HOME4U」は、22年の実績を誇る老舗の不動産一括査定サイトで、2023年(令和5年)11月時点での査定実績は、累計55万件に上ります。プライバシーマーク取得済みの万全のセキュリティで、お客様の個人情報を保護しているので、安心してご利用ください。

まとめ

DINKSマンションとは、共働きで子どもを持たない夫婦のニーズに合うコンパクトマンションのことです。充実した設備を備え、好立地にある物件が多いのが特徴で、ファミリー世帯向けのマンションに比べて住居費を抑えやすく、資産価値も下がりにくいメリットがあります。

DINKSマンションを選ぶ際には、ぜひ本記事で紹介したポイントを参考にしてください。住宅ローンを利用する場合は、持分割合を考慮しながらローンの組み方を検討するとよいでしょう。また、将来的にライフスタイルが変化する可能性も視野に入れながら、夫婦でよく話し合うことも大切です。

DINKSマンションの売却をお考えの方は、NTTデータグループが運営する不動産一括査定サイト「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」をぜひご利用ください。