マンション1階に住むと後悔する?メリット・デメリット、物件選びのチェックポイントを紹介

マンションの1階 住むと後悔するって本当?

防犯面の問題や日当たりなどを心配して、マンションの1階を敬遠する方は少なくありません。しかし、マンションの1階には、ほかの階にはないメリットも数多く存在します。

そこで本記事では、マンションの1階に住むメリット・デメリットのほか、マンションの1階に住むのがおすすめな方、物件を選ぶ際のポイントなどについて解説します。

この記事を読むと分かること
  • マンションの1階に住むメリットやデメリット
  • マンション1階に住むのがおすすめな方
  • マンション1階の物件を選ぶ際のポイント
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1.マンション1階に住むメリット5選

部屋ではしゃぐ子ども

はじめに、マンション1階に住むメリットを5つ紹介します。

1-1.下の階の方への配慮がいらない

マンションに住む場合には、大きな足音や物音などをたてないよう、基本的に下の階の住人への配慮をしながら暮らすことになります。

特に、小さな子どもがいる家庭では、子どもの足音が階下に響いていないか、気になる瞬間も多々あるでしょう。しかし、1階に住むなら、こうした配慮は必要ありません。

もちろん、過度な騒音を立てるのはよくありませんが、足音や生活音などを必要以上に気にしなくて良い点は、マンションの1階に住む大きなメリットといえるでしょう。

1-2.専用の駐車場や庭がある物件が多い

マンションの1階には、専用の庭や駐車場が付いている物件もあります。庭がある場合には、家庭菜園やガーデニングをしたり、子どもや犬を遊ばせたり、プールを設置したりと、ほかの階ではできないような楽しみ方ができます。ただし、マンションの規約によっては使用方法に制限があるため、できること・できないことについて事前に確認するようにしましょう。

また、専用の駐車場が付いている場合は、重い荷物があっても駐車場から部屋まですぐに運べるため、とても便利です。

このように、マンションでありながら一戸建て感覚で住める点も、マンション1階の魅力といえます。

1-3.エレベーターを使わずに生活できる

高層階に住んでいると、朝の通勤や通学の時間帯にエレベーターがなかなか来ず、イライラしてしまうこともあるでしょう。しかし、1階であればエレベーターに乗らず、そのまま外に出ることが可能です。

もちろん、点検や故障、災害などでエレベーターが止まっても、困ることはありません。

さらに、ポストやごみ置き場、共用設備に関しても、1階に集約されていることがほとんどです。つまり、マンション1階に住めば「エレベーターがなかなか来ない」「ゴミを持って1階まで降りなければならない」といった小さなストレスから解放されるでしょう。

1-4.お手頃な価格で住める

比較的お手頃な価格で住めるのも魅力といえるでしょう。

基本的にマンションは、同じ間取りでも高層階になればなるほど、販売価格・家賃が上がります。したがって、購入価格や家賃を抑えたい場合には、1階の物件が狙い目といえます。

上階よりも安価で、さらに専用の駐車場や庭まで付いているとなれば、お得感に惹かれる方も少なくないでしょう。

1-5.災害時に避難しやすい

マンションの1階は、災害が起きた際に避難しやすいというメリットもあります。

災害でエレベーターが使えなくなった場合、高層階の住民は階段での避難を余儀なくされます。一方、1階の場合はエレベーターを使うことなくすばやく避難できるため、マンションに取り残される可能性は低いでしょう。

特に、階段での避難が難しい高齢の方にとっては、マンションの1階に住む方が安心かもしれません。

2.マンション1階に住むデメリット9選

ここからは、マンションの1階に住む際に想定されるデメリットを紹介します。

2-1.防犯面の不安がある

まずデメリットとして挙げられるのは、防犯面での不安です。

空き巣などの犯罪者からすれば、当然、最上階よりも1階の方が侵入しやすくなります。わかりやすい場所に窓やドアがある場合には、特に注意が必要でしょう。

警察庁によると、2022年(令和4年)に発生した侵入窃盗(空き巣)の件数は、4階建て以上の共同住宅が1,587件だったのに対し、3階建て以下の共同住宅は2,866件でした。

また、3階以下の共同住宅で無施錠のマンションに侵入されるケースは、全体の51.5%と半数以上を占めています。

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出典:“手口で見る侵入犯罪の脅威”. 住まいる防犯110番(警察庁). (参照2024-03-29)

もちろん、高層階に住んでいるからといって空き巣の心配がまったくないとはいえません。しかし、3階以下に住む方の被害が多いのは事実です。1階に住むことを検討しているなら、防犯への意識がより重要になることは認識しておきましょう。

2-2.プライバシーを確保しにくい

マンションの1階は、外を歩く人の目線と同じ高さになる場合が多いため、プライバシーの確保が難しくなりがちです。

道路に面している場合も多く、物件によっては外から室内が丸見えになる可能性もあります。プライバシーを確保するため、一日中カーテンを閉めなければいけないこともあるでしょう。

ただし、1階を駐車場にしたり、植物やフェンスを設置したりして、外から見えないよう配慮された物件も多くあります。人目が気になる場合には、こういった物件を検討することをおすすめします。

2-3.景観が良くないケースが多い

1階に住む場合、よほど高台に建っているマンションでなければ、窓からの美しい景色はあまり期待できないでしょう。景観を売りにしている物件でも、1階を含む低層階では、景色はそれほど良くないケースがほとんどです。

また、マンションの目の前に道路や建造物があることも少なくありません。特に住宅街にあるマンションの場合は、周囲が建物や塀に囲まれているケースが多く、景色を楽しむことは難しいでしょう。

2-4.日当たりや風通しが良くない可能性がある

家の前に高い建物などがあると、風通しや日当たりが悪い可能性もあります。

たとえ南向きの間取りであっても、近隣に少しでも高い建物があれば日光が遮られ、日中でも暗く感じてしまうことがあるでしょう。

また、防犯の観点から窓を開けっぱなしにすることが難しく、換気がしにくいというデメリットもあります。

2-5.結露やカビが発生しやすい

マンションは一戸建てに比べると気密性が高く、さらに1階は地面から近いため、結露やカビが発生しやすい傾向にあります。

1年のうちで特にカビや結露が発生しやすいのは、梅雨と冬の時期です。梅雨の時期は湿度が高く、冬は室内と外の寒暖差から結露が発生しやすくなります。特に水回りやクローゼット、窓周辺などは、入念に結露やカビ対策を行なう必要があるでしょう。

2-6.虫が侵入しやすい

1階は高層階に比べるとアリやハエ、ゴキブリなどの虫が部屋に侵入しやすい傾向にあります。特に、周囲に飲食店が多い、近隣に林や森がある、といった環境では、虫に悩まされる可能性が高まるため、注意が必要です。

1階に住む場合には、防虫剤を使う、こまめに掃除するなどの虫対策をしっかりと行なうようにしましょう。

2-7.落下物が落ちてくる可能性がある

マンションの1階に住んでいると、上の階から洗濯物やホコリ、ゴミなどが落ちてくることがあります。危険物や汚物が落ちてくる可能性も否定できません。

たとえ洗濯ばさみのような小さなものでも、上から落ちてくると重力も加わり、人に当たると大きなケガにつながる場合もあるでしょう。

ほとんどのマンションでは規約によりベランダに危険物を置かないように注意喚起していますが、もし上からの落下物が多い場合は、大家や管理組合に相談するようにしてください。

2-8.洪水により浸水する可能性がある

大雨や台風、河川の氾濫などによって、マンションの1階部分が浸水してしまう可能性もあるでしょう。

地面から50cm以上浸水することを、床上浸水と呼びます。この床上浸水が起こると家だけでなく、家具や電化製品などにも被害がおよびます。

またマンションの1階は、トイレの排水が逆流してくる可能性もあるため注意が必要です。

2-9.上の階や周辺の騒音が気になる

マンションの1階は道路が近いため、ほかの階と比べて騒音に悩まされるケースが多い傾向にあります。特に、車通りが多い、線路や病院が近い、といった場合には注意が必要です。

また、上階に住んでいる方の足音や生活音が気になってしまうこともあるかもしれません。

できるだけ静かな環境で過ごしたい場合は、事前にマンションの周辺環境や物件の防音性能を確認しておきましょう。

3.マンションの1階に住むのがおすすめな方とは?

家族の団らん

マンションの1階への入居を特におすすめしたいのは、子育て世代と高齢者世代です。生活の利便性や騒音対策を考慮すると、1階が最も適しているといえるでしょう。

ここでは、子育て世代と高齢者世代にマンションの1階をおすすめする理由を解説します。

3-1.子育て世代

下の階に子どもの足音が響く心配がないため、マンションの1階は子育て世代に人気です。

また専用の庭が付いている場合は、子どもと一緒にボールやプールなどで遊ぶこともできます。加えて、1階であればマンションのバルコニーから子どもが転落してしまう心配もありません。

さらに、多くのマンションでオートロックや防犯カメラが設置されていることから、戸建てと比較した際のセキュリティ面の安心も大きなメリットです。

3-2.高齢者世代

できるだけバリアフリーに近い生活がしたい高齢者世代にも、マンションの1階は大きな需要があります。

ごみ置き場やポストなどの共有設備は、1階に集約されていることがほとんどです。年齢を重ねてからは、足腰への負担がかかりにくい1階での生活が楽です。また車いすを利用している場合も、1階であれば比較的移動がしやすいでしょう。

高齢者を狙った空き巣や悪質な訪問販売が不安な方もいるかもしれませんが、オートロックが完備されていたり、管理人が常駐していたりと、セキュリティ面が充実した物件なら、1階であってもそれほど心配はありません。

4.マンションの1階を選ぶ際にチェックすべきポイント

ここからは、マンションの1階を選ぶ際にチェックすべきポイントを紹介します。

4-1.防犯対策

マンションの1階に住む際は、事前に防犯面をしっかりと確認しておくようにしましょう。

マンション周辺の犯罪に関しては、住むことを決める前に警視庁や各都道府県警の犯罪発生マップを確認するのがおすすめです。周辺地域で、過去にどのような犯罪がどれくらい起こっているかをチェックできます。

また、マンションにオートロックシステムや防犯カメラ、電子錠などの設備があると安心して住めるでしょう。さらに、管理人が常駐しているマンションであれば、人目を嫌う不審者の侵入を防げます。

4-2.ハザードマップで周辺の災害について確認する

過去に起きた物件周辺の災害に関しては、ハザードマップを確認しましょう。

特に、河川周辺のマンションで1階に住む場合は、浸水被害が発生する可能性もあるため注意が必要です。

国土地理院が提供する重ねるハザードマップでは、洪水だけでなく土砂災害や津波、高波のリスクなどを調べることが可能です。

4-3.騒音や日当たりなどの周辺環境

マンションを購入する前に、日当たりに問題はないか、騒音問題がないかも確認しておきましょう。

日当たりに関しては、1階の場合でも地面よりも高くなっていたり、窓側に大きな道路や街路樹などがあったりすれば良く感じられるでしょう。反対に、周辺に高い建物や影を作ってしまうようなものがある場合、日当たりの良さはあまり期待できません。

また騒音に関しては、道路と購入したい部屋がどの程度接しているか、部屋の前の道路は人通りが多いか、周辺にどのようなお店があるのかなどを確認するとよいでしょう。

4-4.マンションの規約を確認する

マンションの規約についても、購入前にきちんと確認しておくようにしましょう。

実際に住み始めたあとに、防犯対策やプライバシー保護の目的でフェンスや目隠しを設置したいと思っても、マンションによっては規約で設置を禁止されている場合もあります。

また専用の庭付きの場合も、あらかじめ規約を確認しておきましょう。BBQや花火のように火気を使用したり、庭に池を作ったりするなどの行為は、近隣の住民に配慮して禁止になっているマンションが多いです。

「庭に物置を設置したい」「窓際に目隠しをしたい」といったこだわりがある場合は、あらかじめ規約を確認して、希望を叶えられる物件を探すことをおすすめします。

5.マンションの1階はなかなか売れない?

高齢夫婦と不動産会社のスタッフ

結論からいうと、1階のマンションでも売れないことはありません。

専用の庭があったり、シェードやテラスなどが設置できたりする場合は、需要が高い傾向にあるため、早めに売れるケースが多いでしょう。

また、相場と比べて物件価格がお得だったり、駅近の便利な立地だったり、セキュリティがしっかりしていたりする場合にも、問題なく売却できることがほとんどです。

マンションの1階を敬遠する方がいるのは事実ですが、子育て世帯や高齢者には一定の需要があるため、あまり心配する必要はないでしょう。

まとめ

マンションの1階には、下の階に住む方への配慮がいらない、お手頃な価格で住めるといったメリットがあります。一方で、日当たりや景観はあまり期待できず、ほかの階と比較して虫が侵入しやすい、といったデメリットも理解しておきましょう。

上記のようなさまざまな要素を考慮すると、マンションの1階は子育て世代や高齢者の方におすすめです。子どもが元気よくはしゃいでも迷惑がかかることが少なく、ベランダから転落してしまう危険もありません。

また、エレベーターを使わずにゴミ捨て場やポストを行き来できる物件が多いことから、バリアフリーな生活を求める方にも人気です。

マンションの1階の物件を検討する際には、防犯面や防災面、騒音や日当たり、マンションの規約などを事前に確認しましょう。

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