【2024年最新版】投資用マンションの売り時は今!高く売る3つのコツ

投資用マンション 売却

投資用マンションの所持は、タイミングを見て売却や買い替えを行うとメリットがあります
賃貸経営は一般的に築年数が古くなるほど難しくなっていきますので、空室や修繕費が増える前に物件を手放し、新しい物件に買い替えていくと賃貸経営が安定するからです。
この記事を読むと投資用マンション売却について以下のことが分かります。

  • 売却するタイミングの計り方
  • 売却の流れ
  • 売却価格の決まり方、など

ぜひ最後までお読みいただき、投資用マンション売却でより多くの収益をあげるための第一歩としてください。

「マンションを売りたい」と悩んでいる方へ
  • 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格”を見つけましょう
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます

1.【2024年】投資用マンションの売り時は今!

国土交通省では、2010年の各不動産価格を100とした、相対的な価格指標である「不動産価格指数」を公表しています。
全不動産が価格を上げているなか、マンションはひときわ急激な上昇を続けています。
2023年11月時点のマンション(区分所有)の価格指数は193.4。2010年の価格から約2倍も上昇しています。

不動産価格指数

出典:国土交通省.“不動産価格指数”.2024-02-29.(2024-03-07)

2024年は地価も上昇傾向です。
新型コロナウイルスの影響で弱気だった相場も、2022年頃から回復の傾向にあり、今日にかけて全国的に上昇率を拡大しています。

一方で、マンションの新規登録件数は上昇傾向にあり需要と供給のバランスが変化しています。
これまでの売り手が強い相場から、買い手が強い相場に移行していくと、マンション価格も伸び悩む状況になると考えられます。

また、価格の伸び悩み、あるいは下落の流れは、郊外に強く現れるでしょう。
20243月現在は極めて円安の状況にあるため、都市部では億を超える新築マンションでも、海外投資家を中心に買われやすい状況です。
新築マンション価格が上昇する地域の周辺では、中古マンション相場も上昇しやすくなるため、都市部でのマンション価格相場は底堅く推移していくと予想できます。

少なくとも、現在のマンション価格は高値圏で、今後の需給バランスの変化も加味すると、2024年は投資用マンションの売り時と言えます。

2.売却するタイミングを計る4つのポイント

投資用マンションを「高く売る」ために気を付けていただきたいのが「売却するタイミング」です。
タイミングが適切でないと、上手に節税ができなくなる等、もったいないことが起きてしまうので、ぜひ今からお伝えする「投資用マンションを売却するタイミングを計る4つのポイント」を押さえておいてください。

2-1.金利が安いときに売る

投資用のマンションを売却するタイミングを計るなら、金利の変動に注目することがポイントです。
投資用マンションは金利が低いときに売るのが高値で売却するコツです。

収益還元法で用いるNOI利回りは、金利と不動産リスクプレミアムの合計で構成される概念とされています。

NOI利回り = 金利 +不動産リスクプレミアム

不動産リスクプレミアムとは、立地や築年数等によるリスクを投資家が見積った概念的な数値です。

例えば、都内の新築ワンルームマンションならリスクプレミアムは3%、地方の築古アパートならリスクプレミアムは8%といった数値になります。

リスクプレミアムが3%の物件なら、金利が2%のときはNOI利回りが5%となり、金利が1%のときはNOI利回りが4%になります。
NOI利回りは、金利が低くなると連動して低くなり、金利が高くなると連動して高くなるのが特徴です。
NOI利回りは収益還元法の分母であるため、NOI利回りが小さくなれば収益価格は高くなる関係になります。
収益還元法について詳しくは、4章で解説します。

日本では、2013年頃から日銀が異次元金融緩和と呼ばれる超低金利政策を継続しており、2%インフレ目標が未達成のまま超低金利の状態が10年経った今でも続いています。ただ異次元金融緩和にあまり効果は出ておらず、いつまで続くかはわかりません。
売却を考えている方は、低金利のうちに行動を起こすようにしてください。

2-2.所有期間が5年超になってから売る

投資用マンションの物件の所有期間に注目してください。所有してすぐの物件と、5年以上所有した物件では、売却後のお金にかかる所得税率が異なります。
そのため、売却による利益を増やしたい方にとって、物件の所有期間は売却するタイミングを計る大切なポイントです。

税金面からすると投資用マンションは、所有期間が5年超になってから売却することが適切です。
投資用マンションの売却では、譲渡所得がプラスになると税金が生じます。
つまり、売却して利益が出ると税金がかかってしまいます。

譲渡所得の求め方は以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

譲渡価額は売却価額です。
取得費とは、土地については購入額、建物については購入額から減価償却費を控除した価額になります。
譲渡費用は、仲介手数料や印紙税などの売却に直接要した費用です。

ここで、税金は譲渡所得に税率を乗じることで求めます。

税金 = 譲渡所得 × 税率

税率は、売却する年の1月1日時点において所有期間が5年超のときは「長期譲渡所得」、1月1日時点において所有期間が5年以下のときは「短期譲渡所得」という扱いになります。

長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率は以下の通りです。

所得の種類 所有期間 所得税率 住民税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9%
長期譲渡所得 5年超 15% 5%

復興特別所得税の税率は、所得税に対して2.1%を乗じます。

税率は長期譲渡所得の方が低くなるため、所有期間が5年超となると税金が安くなります。

ただし、譲渡所得がマイナスの場合には、税金は発生しないのがルールです。
そのため、譲渡所得がマイナスとなってしまうようなケースでは、5年超を待たずに売却しても損はしないことになります。

投資用マンションを売却しても利益が出ないのであれば、5年を待たずに売却するか、そのまま保有し続けるかという判断になるため、一度マンションの査定をして検討してみることがおすすめです。

2-3.大規模修繕が行われた後に売る

投資用マンションを高く売却したい方は、大規模修繕が行われた後に売ることも、高額売却を叶えるためのポイントの一つです。
もし、最近、大規模修繕が実施されていたら、物件が以前よりも良くなっているはずですので、「売り時」と言えます。

ただし、大規模修繕の実施を待ってしまうとどんどん築年数が古くなっていきますので、浅い築年数を重視するという意味であれば、大規模修繕を待たずに売った方が良いことになります。

無理に大規模修繕を待つ必要はありませんので、最近たまたま大規模修繕が終わったばかりであれば、売却する一つのタイミングと考えれば良いでしょう。

2-4.減価償却が終了する前に売る

減価償却が終了する前に売ることも、おすすめのタイミングの一つで、減価償却が終了する日を基準に売却のタイミングを計ることが可能です。

減価償却とは、建物や備品、車両等の固定資産(土地以外の資産)の価値を減少させていく会計上の手続きを指します。
減価償却の手続きによって計上される費用が「減価償却費」です。

減価償却費は、実際に支出を伴う費用ではありませんが会計上の費用であるため、最終的に計算される利益が小さくなります。

税金は利益に対してかかるため、利益が小さくなれば税金も少なくなります。
よって、減価償却費は、支出を伴わないにもかかわらず、税金を小さくしてくれる節税効果があるのです。

減価償却費は建物の耐用年数の期間内だけ計上されます。
耐用年数を過ぎてしまうと、減価償却費が計上されなくなるため、税金が途端に上がることになります。

税金が上がればキャッシュフロー(手残りのこと)が悪くなりますので、投資用マンションを売るなら耐用年数が終了する前に売却した方が良いのです。

マンションは、一般的に鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造で建てられているため、法定耐用年数は47年となります。
新築で購入している場合には、47年以内に売却した方が良いということです。投資用マンション売却のタイミングは、減価償却とのバランスも考えましょう。

3.投資用マンション売却の流れ

投資用マンション売却も、一般的な不動産の売却の流れとほとんど変わることはありません。ただし、売却後、「賃貸人の地位承継通知」を行うことが特殊な部分です。

投資用マンション売却の流れは以下の通りです。

投資用マンション売却の流れ

3-1.価格査定

投資用マンションの売却も、通常のマンション売却と同様に、まずはマンションの査定を複数の会社に依頼します。査定依頼の際には、投資用物件の売却が得意な不動産会社に依頼してください。

投資用マンションでは、利回りや税金だけではなく、賃貸契約の継承といった投資用マンションならではの手続きもあります。
投資用マンションの売買実績が豊富な不動産会社を選ぶことで、より利益を出すための売却タイミングについて相談も可能です。

投資用マンションの価格査定でも、通常の不動産売却と同様に会社によって査定額にかなりの差が出てきます。
複数の不動産会社に査定を依頼して、しっかりと比較検討してください。実績のある、信頼できる会社を選ぶようにしましょう。
不動産会社の査定額を比較するためには、自分でマンションの売却相場を調べることも大切です。

NTTデータグループが運営する不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)を使えば、全国から厳選された不動産会社の中から、最大6社に一括で査定依頼ができます。
売却を決めている方は、さっそく査定を依頼してみましょう。

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3-2.媒介契約の締結

査定を複数社に依頼した後は、その中から1番信頼できる不動産会社に投資用マンション売却の仲介を依頼し、契約を締結してください。
媒介契約の種類は、一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約の3種類があります。
それぞれの媒介契約のメリット・デメリットは以下の通りです。

種類 メリット デメリット
一般媒介契約
  • 複数の会社に同時に依頼可能
  • 売主が買主見つけて契約可能
  • 積極的に売却活動をしてくれないこともある
  • 販売状況報告義務なし
専任媒介契約
  • 積極的な販売活動が期待できる
  • 販売状況の報告がある
  • 不動産会社1社のみの契約
専属専任媒介契約
  • 積極的な販売活動期待できる
  • 販売状況の報告頻度が3つの中で一番多い
  • 他の不動産会社と契約不可
  • 売主が買主をみつけることはできない

投資用マンションでも、築年数が経過していて売り手がつかない場合は、通常の不動産売却と同様に「買取」を利用する方法もあります。ただし、買取の場合は、買取価格は市場価格より1~3割程安くなってしまうのが一般的です。

3-3.売却活動の開始

不動産会社と媒介契約を結んだ後に、売却活動がスタートします。投資用マンションの売却と一般のマンション売却では買主が見るポイントも違い、投資目線で判断します。
「投資用マンションを購入することでどんなメリットがあるのか」という点をアピールできるようにしましょう。

アピールするポイントの具体例は、以下の通りです。

  • 賃貸需要はどのくらいあるのか
  • 利回りはどのくらいか
  • 節税対策はできるか
  • 近隣で大規模開発の予定があるか

また、投資用マンションに入居者がいる場合は、通常のマンション売却で行う「内覧」ができないため、修繕履歴やインスペクション結果報告書、新耐震基準の適合証明書など物件の価値をあげる書類をあらかじめ用意して、物件のアピールポイントを増やすようにするといいでしょう。

3-4.契約条件の交渉

売却活動をはじめて、購入希望者がいた場合には契約条件の交渉に入ります。条件交渉での値下げ交渉をあらかじめ想定して、売却価格を設定してください。

マンション売却ではなかなか契約条件に折り合いがつかず、想定外のことも起こりえます。
そのような状況になってから慌てるのではなく、事前に値下げの最低ラインを決めておくことがポイントです。
価格や売却活動の内容に納得がいかない場合は、仲介会社の変更も視野に入れます。

投資用マンション売却によって、資産形成にも影響してくるため、妥協をせず慎重に売却を検討しましょう。

3-5.売買契約の締結

購入希望者と条件面で折り合いがつけば、売買契約を締結します。この時に、手付金も受領します。
売買契約時には以下のような書類が必要です。契約関係書類はすべて不動産会社で用意するため、売主は印鑑や身分証明書などを用意します。

売主が用意するもの
  • 実印
  • 認印
  • 顔写真付き身分証明書
  • 印鑑証明書
  • 収入印紙(印紙代だけのときもある)
不動産会社が用意するもの
  • 媒介契約書
  • 買付証明書
  • 売買契約書
  • 生産関係書類
  • 鍵受領書
  • 物件引渡確認書

売買契約書に貼る収入印紙の負担は、売主・買主双方が負担するのが一般的です。収入印紙の代金は売買契約の金額によって変わります。2024年3月31日までは軽減税率が適用され印紙税が軽減されます。

契約金額 本来の税額 軽減税率適用の税額
2024年(令和6年)3月31日まで
1万円以下 非課税 非課税
1万円以上~10万円以下 200円 200円
10万円以上~50万円以下 400円 200円
50万円以上~100万円以下 1千円 500円
100万円以上~500万円以下 2千円 1千円
500万円以上~1千万円以下 1万円 5千円
1千万円以上~5千万円以下 2万円 1万円
5千万円以上~1億円以下 6万円 3万円
1億円以上~5億円以下 10万円 6万円
5億円以上~10億円以下 20万円 16万円

不動産売却の必要書類について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。

3-6.引渡(残代金受領)

売買契約の際に手付金を受領しますが、引き渡しの際に残代金を受領します。

その後、鍵やその他の関係書類を買主に渡し売買契約は完了です。すべて終了した後に所有権の移転登記を行います。

3-7.賃貸人の地位継承通知

賃貸人の地位承継通知とは(賃貸人変更通知書ともいう)、投資用マンション売却の際に必要な手続きで、入居者に対して所有者が変わったことを知らせる通知になります。
投資用マンションの売却は、入居者に対して事前に了解を取ることは不要です。
売却後、通知だけすれば良いことになっています。
賃貸人の地位承継通知は、新所有者(買主)と旧所有者(売主)の連名で行うことが必要です。

3-8.確定申告

確定申告は、売却した年の翌年に行います。
不動産売却で譲渡所得が出た際には、確定申告が必要となります。

損失が出た場合、居住用マンションであれば確定申告を行えば損益通算ができますが、投資用マンションでは損失控除をすることはできません。

不動産売却後の確定申告については、こちらの記事もご覧ください。

4.投資用マンションの売却価格の決まり方

投資用マンションの売却価格の決まり方について解説します。

4-1.収益還元法

投資用マンションの査定価格は、収益還元法と呼ばれる計算方法で決まります。
収益還元法とは、対象不動産が生み出す純収益を一般的な投資家が期待する利回りで割って求める査定方法です。

収益還元法の計算式は以下の通りです。

不動産価格(収益価格) = 純収益(NOI) ÷ 利回り(NOI利回り)

収益還元法では、分子にNOI(Net Operating Income:ネットオペレーティングインカムの略)と呼ばれる純収益を用います。
NOIは、年間の家賃収入から、固定資産税や管理費等の年間費用を控除した金額のことです。

分母の「NOI利回り」は、NOIから投資額を割ることで求められます。
NOI利回りは、収益還元法の分母の数値であるため、NOI利回りが小さければ小さいほど収益価格が高くなるという関係になります。

4-2.利回りの動向

NOI利回りが算出できない状況では、期待利回りを活用して概算できます。

期待利回りは、「投資家の総意」のようなもので決定されています。
期待している値のようなものなので、必ずしも厳密なものではなく、一定の相場観によって存在している数値です。

期待利回りは、一般財団法人日本不動産研究所が不動産投資家へのアンケートをもとに作成しており、半年に一度『不動産投資家調査』で公表しています。

以下のグラフは、不動産投資家調査のデータを参考に作成した、城南地区のワンルームマンションにおける過去7年の期待利回り推移です。

城南地区のワンルームマンション期待利回り

近年、投資家の期待利回りは下がり続けています。
還元収益法で収益価格を計算する場合、分母の利回りが下がっているということは、収益価格が高くなっているということを意味します。
実際1章でも解説したように、投資用マンションを含めた、各種マンションの売買価格は急上昇しています。
例年に比べると、投資用マンションを高く売れるのに適したタイミングと言えます。

5.投資用マンション売却に必要な費用

あらかじめ必要となる費用を把握しておくと、スムーズに売却活動を進めることができます。
この章では、投資用マンションの売却で必要となる費用を紹介していきます。
ぜひ、事前の準備にお役立てください。

5-1.仲介手数料

仲介手数料とは、買主を決めてくれた不動産会社に対して支払う報酬です。
仲介手数料は、不動産会社が受け取ることのできる上限の規定があります。

仲介手数料の上限額は、取引額に応じて以下のような速算式で求められます。

取引額 (売買金額) 速算式(上限額)
200万円以下 5%
200万円超から400万円以下 4%+2万円
400万円超 3%+6万円

仲介手数料には別途、消費税が生じます。

投資用マンションの売却では上限額が仲介手数料の相場となっていることが一般的です。

5-2.印紙税

印紙税とは、不動産の売買契約書に貼る印紙のことです。
不動産の売買契約書は、印紙を貼らなければいけない課税文書となっていますので、印紙は貼らなければいけないことになっています。

印紙税の額は、下表の通りです。
軽減税率適用期間内であれば、表中の軽減税率の額の印紙を貼ります。

契約書に記載する売買金額 本則 軽減税率※
1万円未満 200円 非課税
1万円以上10万円以下 200円 200円
10万円超50万円以下 400円 200円
50万円超100万円以下 1,000円 500円
100万円超500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円 30,000円
1億円超5億円以下 100,000円 60,000円
5億円超10億円以下 200,000円 160,000円
10億円超50億円以下 400,000円 320,000円
50億円超 600,000円 480,000円
金額の記載のないもの 200円 200円

※2014年4月1日~2024年3月31日まで

5-3.抵当権抹消関連費用

投資用マンションに抵当権が設定されている場合、抵当権抹消関連費用が必要です。
抵当権抹消関連費用には、「抵当権抹の登録免許税」と「司法書士手数料」の2つがあります。

抵当権抹消の登録免許税は、不動産1個につき1,000円です。
一般的に、マンションは土地1つ、建物1つで構成されていますので抵当権抹消の登録免許税は2,000円となります。

司法書士手数料は、抵当権抹消のために司法書士へ支払う手数料のことです。
司法書士手数料の相場は1.5万円程度となっています。

6.投資用マンション売却で生じる税金

この章では、投資用マンション売却で生じる税金について解説します。

6-1.所得税および住民税

投資用マンションの売却では、譲渡所得が生じているかどうかを計算する必要があります。
譲渡所得の計算式は以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

取得費は、土地は購入額、建物は購入額から減価償却費を控除した価額です。
投資用マンションは毎年確定申告を行っていますので、建物の取得費は確定申告に記載されている年初未償却残高となります。

よって、投資用マンションの取得費は以下のように求めます。

取得費 = 土地購入価額 + 建物年初未焼却残高
    = 土地購入価額 + (建物購入価額 - 前年までの減価償却費累計額)

ここで、以下の条件で税金を計算します。

(条件)

譲渡価額:3,000万円
取得費:2,500万円
譲渡費用:97万円
所有期間:8年(5年超なので長期譲渡所得)

(税金計算)

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用
     = 3,000万円 - 2,500万円 - 97万円
     = 403万円

所得税 = 403万円 × 15%
    ≒ 60.5万円

復興特別所得税 = 60.5万円 × 2.1%
        ≒ 1.3万円

住民税 = 403万円 × 5%
    ≒ 20.2万円

税額 = 所得税 + 復興特別所得税 + 住民税 
   = 60.5万円 + 1.3万円 + 20.2万円
   = 82万円

不動産売却塾 コラム
“売却損が出たときの確定申告は必要か?”

譲渡所得がマイナスと計算されたときのことを「売却損」と呼ぶことにします。
売却損が生じたときは、所得が発生していないことになりますので、確定申告は不要です。

少し不安に感じるかもしれませんが、特に何もしなくて大丈夫です。
ただし、税務署は法務局と連携していますので、確定申告をしなくても投資用マンションを売却した人のことを把握しています。

そのため、税務署が「この人はひょっとしたら売却益が出ているのではないか?」と思っている人に対しては、後で「お尋ね」と呼ばれる確認アンケートを送付してきます。

お尋ねが来たら、売却損が出ていることを正直に答えれば問題ありません。
また、お尋ねが来なければ、税務署も怪しんでいないということですので、特に何もしなくても良いことになります。

6-2.消費税

投資用マンションは、売却時点で建物価格に消費税が生じています。
そのため、消費税の課税事業者であれば、消費税を納税する義務があります。

課税事業者とは、基準期間における課税売上高が1,000万円を超える事業者を指します。
基準期間は、法人なら原則前々事業年度、個人事業主なら前々年です。

一方で、基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は免税事業者と呼ばれます。
免税事業者は消費税を納税する義務はないことになります

課税事業者は、毎年消費税の確定申告を行っていますので、自分が課税事業者であることを認識しているはずです。

消費税の確定申告をしたことのない方であれば、免税事業者ですので売却した年は消費税を納税しなくても大丈夫です。

ただし、売却した建物価格が1,000万円以上であれば翌々年には消費税の課税事業者となります。

もし翌々年に消費税が生じる課税売上(例えば自動販売機設置料等)がある場合には、その年は消費税を課税事業者として納税することが必要です。

7.投資用マンションを高く売る3つのコツ

投資用のマンションを売却するなら、誰もが「少しでも高く売りたい」と考えますよね。
この章では、投資用マンションを高く売るために外せない5つのコツを紹介していきます。
ぜひ実践して、高額売却を実現させてください。

7-1.高く売却してくれる不動産会社を探す

投資用マンションを高く売るために一番重要なことは、ズバリ、高く売却してくれる不動産会社を見つけることです。

自宅として使っているマンションの場合、近所の方が購入する確率が高いため、地域密着の中小の不動産会社にも依頼すると高く売却できる確率が上がります。

しかしながら、投資用マンションは、遠方の投資家が購入する可能性も十分に高いため、必ずしも地域密着の不動産会社が高く売却できる構図ではありません。

投資用マンションは投資家に信頼されている不動産会社の方が高値で売却できる確率が上がることから、投資物件を専門的に扱っている不動産会社に依頼することが大切なポイントです。

ちなみに、投資用マンションを複数の不動産会社に査定をしてもらうと、不動産会社により査定額にかなりの差が出ることがあります。

以下は実際に都内のワンルームマンションで査定を行ったときのイメージですが、同じ物件を依頼したのに各社で査定額に大きく差が出ています。
一番高く査定したC社と一番安く査定したA社で、その差はなんと500万円です。

高く売却してくれる不動産会社を探す 都内のワンルームマンションで査定を行ったときのイメージ

もし、A社にしか査定を依頼していなかったら、高く売れるチャンスを逃していたところです。
もっと高く売れることを知らずに売却活動を進めると、後で大きな後悔することになってしまうので、何としても避けましょう。
複数の不動産会社に査定をしてもらうことは、高く売却するためには「必須」と心得てください。

複数の不動産会社に査定を依頼するなら「一括査定サービス」が便利ですが、投資用マンションの売却なら、「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」がおススメです。

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不動産売却 HOME4U」は、投資物件の売買に精通した不動産会社が多数参画しており、物件の所在地や間取りなど簡単な項目を入力するだけで、対応できる不動産会社をシステムが自動的にピックアップしてくれ、最大6社に一括で査定を依頼することができます。

ぜひできるだけ多くの不動産会社から査定を受け、高額売却への足掛かりとしてください。

7-2.入居者を埋めた状態で売る

投資用マンションは入居者を埋めた状態で売ると、高額売却につながります。

空室状態で投資用マンションを売る際は、「想定賃料」で収益価格を試算し売値を決定します。
しかしながら、空室の状態では、投資家に「本当に想定賃料で埋まるのか?」と疑心暗鬼されるのが一般的です。

想定賃料に疑念を抱く投資家は、賃料を保守的に見積もって、収益価格を低く試算する傾向があります。
また、空室は投資家に値引き交渉の余地を与えてしまうという点もデメリットです。

保守的な賃料設定や値引き交渉の余地を与えないためにも、入居者が埋まっている状態で売却するようにしましょう。

7-3.外国人投資家も視野に入れて売る

外国人投資家も視野に入れて売る投資用マンションは、外国人投資家も視野に入れて売ることをおススメします。

具体的には、中国や台湾等のアジア系の投資家が高く購入してくれる可能性があります。
中国や台湾の収益物件の利回りは「金利をほんの少し上回る程度」なので、アジア系の投資家にとっては日本の物件は高利回りで割安に感じられます。
そのため、アジア系の投資家は、日本人の投資家よりも低い利回りで物件を購入しても良いと考えるため、日本人投資家よりも高い価格を提示できることが多いのです。

買主を日本人だけにこだわる必要はないので、高く売るなら外国人投資家も含めて検討するようにしましょう。

まとめ

複数の高層マンションを見上げるいかがでしたか。
投資用マンションの売却について解説してきました。

2024年は、期待利回りが下がり、中古マンション価格が上昇しています。投資用マンションを売るタイミングとしておすすめできる時期です。

投資用マンションを高く売る最も重要なコツは、高く売却してくれる不動産会社を探すことです。
査定額は不動産会社により異なりますので、「不動産売却 HOME4U」を使って複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額をしっかり比較するようにしてください。

この記事で紹介したコツを実践して、ぜひ高額売却の実現につなげてください。

この記事のポイント

2024年は投資用マンションの売却のタイミング?

2024年は投資用マンション売却におすすめの年です。理由は以下の通りです。

  • 中古マンション価格が上昇傾向
  • 利回りも下がっていない

詳しくは「1.【2024年】投資用マンションの売り時は今!」をご覧ください。

投資用マンションの売却の流れは?

投資用マンションの売却の流れは以下の通りです。

  1. 価格査定
  2. 媒介契約の締結
  3. 売却活動の開始
  4. 契約条件の交渉
  5. 売買契約の締結
  6. 引渡(残代金受領)
  7. 賃貸人の地位承継通知
  8. 確定申告

詳しくは「3.投資用マンション売却の流れ」をご覧ください。

投資用マンション売却価格の決まり方は?

投資用マンション売却価格の決まり方は以下通りです。

  • 収益還元法
  • 利回りの動向

詳しくは「4.投資用マンションの売却価格の決まり方」をご覧ください。

投資用マンションを高く売る3つのコツは?

投資用マンションを高く売るコツは以下の通りです。

  1. 高く売却してくれる不動産会社を探す
  2. 入居者を埋めた状態で売る
  3. 外国人投資家も視野に入れて売る

詳しくは「7.投資用マンションを高く売る3つのコツ」をご覧ください。