築50年の売れないマンション、うまく売る5つの解決策とは!?

日本のマンションの歴史は60年程度となってきており、築50年を超えるマンションも少しずつ増えてきました。

ただ、築年数の古いマンションは、売却しにくいものです。
すでに売却活動を始めた方の中にも、「なかなか売れなくて困っている」という方もいらっしゃるでしょう。

築50年超のマンションは、どうすればうまく売却できるでしょうか?
秘訣を知りたいですよね?

そこでこの記事では、築50年超のマンション売却について、

  • 売れない理由
  • 売れるマンションに見られる特徴
  • 売却活動をスムーズに進める方法

などを紹介していきます。

ぜひこの記事で得た知識を活かして、築古マンションの売却成功を目指してください!

マンションの売却を基礎から詳しく知りたい方は『【完全版】マンション売却の注意点』や『マンション売却の流れを9ステップで詳しく解説!』もご覧ください。

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1.「築50年のマンション」は、ほぼ土地値しかない

築50年のマンションは、「ほぼ土地値」で取引されています。
マンションの価格は、普通は「建物価格」と「土地価格」で構成されています。

マンションには敷地利用権と呼ばれる所有権または借地権といった権利を有しており、その敷地利用権もマンション価格の一部です。

以下に、首都圏における中古マンションの築年数別の平均単価を示します。

首都圏中古マンション築年数別単価

公益財団法人東日本不動産流通機構.”築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)”.REINS TOWER」をもとに、HOME4Uが独自に作成

中古マンションの価格は築年数が経過するほど下がっていることがわかります。
ただし、築30年を過ぎた以降はほとんど下がっていません。

マンションの建物価格は、およそ40年程度でゼロ円となります。
そのため、築40年を過ぎると建物価格はゼロとなり、ほぼ土地価格のみで取引されることになります。

築50年のマンションでも土地価格の価値は残るため、ゼロ円にはなりません。
土地価格相当で売りに出せば適正な価格であり、売り出し価格が高過ぎない限り、築50年超のマンションでも売却は可能です。

確かに築浅マンションよりは売却しにくいのは事実ですが、絶対に売却できないわけではありません。

売却を決めている方は、不動産会社に査定を依頼して、より正確な家の価値を把握しましょう。

2.「築50年のマンション」が売れない理由

築50年のマンションをスムーズに売るためには、「なぜ売りにくいのか(買い手が付きにくいのか)」を知っておくことが大切です。
理由を知り、それが自分のマンションに該当するのかどうかを、しっかり理解しましょう。
理由がわかれば、対策も講じることができるので、後々プラスに作用します。

築50年のマンションが売れない理由は、主に以下の5つです。

  1. 旧耐震のマンションだから
  2. 住宅ローン控除が利用できないから
  3. 建物の仕様が古いから
  4. 修繕積立金が割高だから
  5. 管理組合が機能していない物件も多いから

それではひとつずつ見ていきましょう。

2-1.旧耐震のマンションだから

築50年のマンションが売れないのは、「旧耐震のマンションだから」という点が大きな原因の一つです。
旧耐震基準のマンションとは、昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された建物のことです。

1981年築は、2021年時点においては築40年の物件になります。
よって、築50年超の物件は、2021年時点では旧耐震の建物に分類されてしまうのです。

マンションは高層建築物であることから、耐震性に不安のある建物の需要は低くなります。
基本的には、耐震性などはあまり気にしない人が購入者のターゲットとなり、購入希望者全体の中では少数派です。

なお、旧耐震時代のマンションでも、マンション全体で耐震診断を行って耐震性を証明しているか、または耐震改修を行って現行の耐震基準を満たしている物件もあります。

現行の耐震基準を満たしている場合には、売却時にしっかりアピールしてください。

2-2.住宅ローン控除が利用できないから

築50年のマンションが売れない理由としては、住宅ローン控除が利用できないからといった点も挙げられます。

住宅ローン控除とは、一定の要件を満たす住宅ローンを組んで住宅を購入すると、所定の額が所得税から控除できる制度のことです。

マンションは、築25年超の物件になると原則として買主が住宅ローン控除を利用できなくなります。

住宅ローン控除が利用できない物件は、買主が節税できなくなることから人気が下がり、売却がしにくいのです。

築25年超のマンションで住宅ローン控除を利用できるようにするには、瑕疵担保保険を付保して売る必要があります。

瑕疵担保保険とは、売却後、物件に瑕疵が発見された場合、その補修費用の一部を保険料によってまかなうことができる保険のことです。

瑕疵とはキズという意味になります。

ただし、瑕疵担保保険を付保するには、マンションが現行の耐震基準を満たしていることが要件の一つです。
築50年のマンションは、旧耐震のマンションであるため、基本的に現行の耐震基準を満たしておらず、瑕疵担保保険を付保できない状況となっています。

そのため、築50年超の物件は、原則として住宅ローン控除を利用できる物件にはならないことから、資産価値が劣り売却が難しいのです。

2-3.建物の仕様が古いから

築50年のマンションが売れない理由としては、建物の仕様が古いからといった点も挙げられます。

セキュリティがあまり重視されていない時代に建てられた物件が多く、築50年超の物件はエントランスがオートロックですらない物件も多いです。

また、エレベーターが隔階にしか停まらないスキップ方式といったシステムを採用している物件もあります。
さらに、5階建て以下となるとエレベーターすらない物件も多いです。

築50年のマンションは、近年の新築マンションでは考えにくいような仕様のマンションもあり、市場ではなかなか受け入れがたくなっています。

エントランスのセキュリティやエレベーター等の共用部の古さは、専有部をフルリフォームしたとしても解消されません。
築50年のマンションは解消しがたい古さもあることから、売却しにくいのです。

2-4.修繕積立金が割高だから

築50年のマンションが売れない理由としては、修繕積立金が割高だからといった点も挙げられます。

修繕積立金は、築年数が古くなるほど高くなることが一般的です。
建築年次別の平均修繕積立金の額は下表の通りです。

建築年次 修繕積立金平均額(月/戸)
昭和44年以前 25,348円
~昭和49年 11,306円
~昭和54年 13,112円
~昭和59年 11,673円
~平成元年 12,154円
~平成6年 12,760円
~平成11年 13,447円
~平成16年 12,649円
~平成21年 12,386円
~平成26年 9,846円
平成27年以降 6,928円

出典:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果

修繕積立金は築年数が古くなればなるほど増える傾向にあることがわかります。
古いマンションは、購入後のランニング費用が高くなることから、売却しにくくなるのです。

2-5.管理組合が機能していない物件が多いから

築50年のマンションが売れない理由としては、「管理組合が機能していない物件が多いから」といった点も挙げられます。

築年数の古いマンションには、相続をきっかけに所有者が不明となった住戸が増え、修繕積立金や管理費の徴収が十分でない物件も一部に存在します。

このようなマンションは高齢化の進んだ地域の「限界集落」の名前を模して、「限界マンション」とも呼ばれています。

限界マンションは、資金不足から管理が行き届いていない物件が多く、損壊した部分も修繕できずに放置されたままであり、共用部の清掃も不十分となっています。
限界マンションは、売却がかなり難しい物件の一つです。

築浅のマンションに比べて、築年数が古いほど売却は難しくなります。
マンションの売却が得意で、築古マンション売買の実績が豊富にある不動産会社を選べると、いい条件での売却も現実的になります。
査定を受ける際は、複数の不動産会社を比較して、信頼できる会社、担当者を選びましょう。

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3.築50年超でも売れるマンションの特徴

フルリフォームされているマンション前章を読んで、「何をやっても売れないのでは?」と不安に感じた方もいることでしょう。
でも、世の中には、築50年でも売れているマンションがあるのは事実です。

では、どんな特徴のマンションが売れやすいのでしょうか?
築50年超でも売れるマンションの特徴は、以下の3点です。

  1. 立地が良い
  2. 管理が行き届いている
  3. フルリフォームされている

それではひとつずつ見ていきましょう。

3-1.立地が良い

立地が良いマンションは、築50年超でも問題なく売却できます。
築50年超のマンションの中には、立地がかなり良い物件も多いです。

マンションの黎明期は、ディベロッパーにもマンションは立地が良くないと売れないという意識が強かったため、古いマンションほど立地が良い傾向があります。
立地が良い物件であれば、土地価格も高いため、高く売ることができます。

3-2.管理が行き届いている

管理が行き届いているマンションも、築50年超でも売却できます。

特に立地の良いマンションは、限界マンションにはなりにくく、管理組合がしっかり機能している傾向があります。
古いマンションは、立地が良いほど管理もきちんとなされており、売却しやすいです。

3-3.フルリフォームされている

フルリフォームされている物件も、売却しやすいです。
売却のためにフルリフォームをする必要はありませんが、例えば直近の過去5年間以内にフルリフォームしているような物件であれば、売却しやすいといえます。

4.築50年のマンション、うまく売る5つの解決策

ハウスクリーニングでは、実際に売却活動を行うにあたり、売り手としてどのような策を講じれば良いのでしょう?
本章では、築50年のマンションを売る方法について、以下の5つの策を紹介します。

  1. 賃貸して収益物件として売る
  2. 温水洗浄便座だけ新品にして売る
  3. 水回りをハウスクリーニングしてから売る
  4. リフォーム工事もできる工務店系不動産会社に依頼して売る
  5. 買取も検討してみる

それではひとつずつ見ていきましょう。

4-1.賃貸して収益物件として売る

築50年超のマンションの売り方として、賃貸して収益物件として売る方法があります。

築50年超のマンションはほぼ土地値で取引されているため、今後、値段がほとんど下がらないという特徴を持っています。
また、賃料についても下げ止まっており、今後、賃料が下がっていく見込みは低いです。

価格も賃料も下がる心配がない物件であることから、資産運用がしやすい不動産となっています。

築50年超の区分の賃貸マンションは、物件価格も安いことから不動産投資の初心者に人気のある商品です。

元本価格が下がる懸念が低いため、投資家としては「銀行に現金を預けておくよりマシ」という判断がしやすくなります。

築50年超のマンションは自分で住む需要者にとっては人気の低い物件ですが、収益物件に仕立て上げると一部の投資家から支持を集めることができるという特徴を持っています。

築50年超のマンションの中には立地の良い物件も多いので、駅から徒歩5分圏内の物件であれば賃貸物件にしてから売り出すことをおススメします。

4-2.温水洗浄便座だけ新品にして売る

築50年超のマンションの売り方として、温水洗浄便座だけ新品にして売る方法があります。

築50年超のマンションでは、多くの人が購入後に買主がリフォームを行います。
下手に売主側でリフォームしてしまうと、買主のセンスに合致せず、むしろ売却できなくなってしまうリスクもあるため、売主側でリフォームをする必要はありません。

買主が購入後に行うリフォームは、買主の予算に合わせて行われます。
フルリフォームをする人もいますし、ほとんどリフォームしない人もいます。

ただし、ほとんどリフォームしない人でも、温水洗浄便座だけは新品に交換する人が多いです。

そのため、温水洗浄便座だけでも新品になっていると、購入者にとってはありがたいリフォームとなります。

温水洗浄便座だけの交換であれば、買主とのセンスのミスマッチの懸念は少ないです。
チラシやインターネット広告に「温水洗浄便座新品!」と書かれていると、反応が良くなります。

4-3.水回りをハウスクリーニングしてから売る

築50年超のマンションの売り方として、水回りをハウスクリーニングしてから売る方法があります。
ハウスクリーニングとは、清掃の専門会社による家の掃除のことです。

築50年超のマンションは、キッチンやバス、トイレ、洗面所等の「水回り」の汚れが古臭さを感じさせる原因となっています。

水回りの汚さは物件の印象を下げてしまうため、水回りだけでもハウスクリーニングをしておくと売却しやすくなります。

ハウスクリーニングは、内覧前に実施することがポイントです。
内覧とは、購入希望者に対して家の中を見せる販売行為になります。

ハウスクリーニングは1回だけで良いので、その後の販売期間中は美観を維持するようにしましょう。

4-4.リフォーム工事もできる工務店系不動産会社に依頼して売る

リフォーム工事もできる工務店系不動産会社に依頼して売るという方法もあります。
不動産会社の中には、工事を行う工務店が宅地建物取引業者として営業している店舗もあります。

工務店系の不動産会社には、「リフォーム工事がしたい」、「物件を探して欲しい」という相談がセットで舞い込みます。

築50年超のマンションの需要者は、自分で自由にリフォームした家に住みたいという人が多いので、工務店系不動産会社に相性の良い物件になります。

リフォームしたい人は、予算を「物件価格+リフォーム代金」のトータルで考えていますので、その場で予算内に合った物件を提案できる工務店系不動産会社は、築古物件の販売力が高いです。

工務店系不動産会社は、リフォームとセットで予算に合う物件を探している顧客を多く抱えています。

よって、工務店系不動産会社に売却を依頼すると、価格が手頃な築50年超のマンションは売却しやすいのです。

4-5.買取も検討してみる

築50年超のマンションを売却するには、買取も検討してみることも一つです。
買取とは、転売を目的とした不動産会社への売却のことを指します。

築50年超のマンションは、価格が手頃であることからリフォームして転売をするビジネスを行っている不動産会社に需要があります。

規模が大きい工務店系不動産会社ならリフォーム転売も行っていますので、仲介だけでなく買取の相談をすることができます。

大手の不動産会社の場合、リフォーム転売を行っていないケースも多いため、築50年超のマンションなら中小の不動産会社の方が買ってくれる可能性は高いです。

買取は不動産会社が下取り価で購入することから、売却額は安くなります。
一般的には、買取価格の相場は仲介の80%程度です。

ただし、買取の場合、すぐに売却できるというメリットがあります。
なかなか売却できずに困っている物件であれば、買取も検討してみてください。

まとめ

いかがでしたか。
売れない築50年のマンションについて解説してきました。

築50年のマンションは、「耐震性が低い」、「建物の仕様が古い」といった理由で売却しにくくなっています。

ただし、築古でも「立地が良い」「管理が行き届いている」といった特徴を備えたマンションは売却しやすい傾向にあります。

築50年のマンションを売却する際は、不動産会社選びに力を入れて、信頼できるパートナーを探すことが重要です。
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余裕を持ったスケジュール感で、売却を進めていきましょう。