借入とは?種類や仕組み、利用手順などをわかりやすく解説

借入とは 種類・仕組み・利用手順を解説

金融機関等から資金を借りる「借入」は、個人や法人が行なえる資金調達法の一つです。ローン商品の種類や特徴は提供する金融機関等によって異なるため、よく比較検討して、自分に合った借入先を選びましょう。

本記事では、借入の概要や種類のほか、主な借入先、借入手順、借入先を選ぶポイントについてわかりやすく解説します。

この記事を読むと分かること
  • 借入の種類
  • 主な借入先とその特徴
  • 自分に合ったローンの借入先を選ぶポイント
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1.そもそも借入とは?

コインと人

個人や企業が、金融機関等からお金を借りることを「借入」と呼びます。資金を借り入れたあとは、借入金額に利息を合わせた額を返済します。

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借入の条件や内容は金融機関によって異なるため、各社をよく比較検討し、目的や現状に合わせて借入先を選ぶことが大切です。

なお、事業のためにお金を借りるときは「融資」、生活などのためにお金を借りるときは「ローン」と呼ぶ場合もあります。

2.知っておきたい借入の基本

はじめに、借入に関する基礎知識をおさらいしましょう。

参考:“貸金業法のキホン”. 金融庁

2-1.借入には審査がある

貸金業法では、貸金業を営む会社に対して返済能力の調査を義務付けているため、借入時には借入先(金融機関等)による審査が行なわれます。そして審査の結果、申込者に返済能力がないと判断されると、資金を借り入れることはできません。

参考:“貸金業法”. e-Gov法令検索

審査では、現在の借入状況や返済能力の有無、過去の取引履歴などの情報をもとに、申込者が問題なく借入を返済していけるかどうか、といった点が判断されます。金融機関等のなかには、ある程度、審査基準を公表しているところもあるため、借入時に参考にするとよいでしょう。

審査に落ちた場合には、ほかの金融機関での借入を検討したり、借入条件を見直したりしてみてください。

2-2.借入元金と、金利によって決まる利息を返済する

借入後は、借り入れた金額と利息を合わせた金額を返済します。利息が借入元金に占める割合を「金利」や「利率」と呼び、金利は利息制限法の範囲内(15.0%~20.0%)であれば、金融機関等が自由に設定できます。

参考:“利息制限法 第一条(利息の制限)”. e-Gov法令検索

一般的に、借り入れを希望する額が大きいほど、借入の審査は厳しくなります。借入の際には、金利の最低値だけでなく最大値も確認し、無理せず返済できる範囲内で借り入れましょう。

2-3.借り入れられる金額には限度がある

ローンの種類やローン申込者の支払い能力などに応じて、借り入れられる限度額が設定されており、その設定基準は金融機関によって異なります。

また、過度な借入を防ぐために、貸金業を営む会社からの借入の合計額は、年収の3分の1までと定められています。これを「総量規制」と呼び、例えば、年収600万円の方は、その3分の1の200万円までしか資金を借り入れられないということです。

なお、総量規制について、貸金業を営む会社に該当しない銀行や労働金庫、信用金庫、信用組合などは対象外になります。さらに、住宅ローンのように低金利で返済期間が長い一部の貸し付けについても、総量規制は適用されません。

参考:
“貸金業法”. e-Gov法令検索
“貸金業法Q&A 【総量規制に関する質問】”. 金融庁

3.借入の種類

借入の主な種類には、目的別ローン、フリーローン、カードローンなどがあります。

3-1.目的別ローン

目的別ローンとは、特定の目的にだけ利用できるローンのことです。使途が制限されているため利用や返済の計画を立てやすく、ほかのローンよりも低金利で借りられるという特徴があります。

代表的な目的別ローンには、以下のような種類があります。

ローンの種類 ローンの概要
住宅ローン 住宅の購入や改築のためのローン
住み替えローン 旧居の住宅ローンの残債分と新居を購入する資金とをまとめて借り入れるローン
マイカーローン 車の購入や修理、関連商品の購入、車検などに利用するためのローン
ブライダルローン 挙式や披露宴、結婚指輪や家具・家電の購入など、結婚資金のためのローン
教育ローン 入学金や授業料など、教育費をまかなうためのローン
事業ローン 開業資金や事業資金など、事業用の資金のためのローン

3-2.フリーローン

フリーローンとは、使途が限定されていない個人向けのローンです。資金使途の自由度が高いものの、事業や投資の資金としては利用できない点に注意しましょう。

また、フリーローンは審査に1週間以上かかることもあり、融資が実行されるまでに時間がかかる傾向にあります。さらに、フリーローンを提供する金融機関の審査内容によっては、借り入れ時に用途の申告を求められたり、連帯保証人が必要になったりするケースもあります。

3-3.カードローン

カードローンは、フリーローンと同様に使途が限定されていないタイプのローンです。

ただし、フリーローンは資金を一括で借りたあとに追加で借り入れられないのに対し、カードローンは限度額の範囲内で借入と返済を繰り返し行なえます。

4.ローンの主な借入先

銀行看板

ローンの主な借入先には、以下の3つが挙げられます。

  1. 銀行
  2. 貸金業を営む会社
  3. 公的機関

それぞれの特徴を見ていきましょう。

4-1.銀行

銀行は、個人向けのローンを幅広く取り扱っている金融機関です。貸金業を営む会社と比べて借入の上限金利が低く、借入上限額が高いものの、審査は厳しい傾向にあります。

銀行独自のサポートを受けられる場合もあるため、複数の銀行を比較して、自分に合ったサービスを提供するところを選ぶとよいでしょう。

4-2.貸金業を営む会社(クレジットカード会社、消費者金融、信販会社)

クレジットカード会社や消費者金融、信販会社などを、貸金業を営む会社と呼びます。貸金業を営む会社の取り扱っているローンは審査などの手続きが早く、即日での借り入れも可能な場合があるのが特徴です。

ただし、貸金業を営む会社からの借入は、銀行と比較して金利が高めに設定されている傾向にあります。したがって、一時的に少額を借り入れたいときのみ利用することをおすすめします。

4-3.公的機関

国や地方自治体などの公的機関も、個人を対象にさまざまなタイプの融資を提供しています。借入の条件は制度によって異なり、自治体によっては独自の融資制度を用意している場合もあるため、どのような制度があるのか自治体に問い合わせてみてください。

参考として、公的機関の融資制度をいくつか紹介します。

制度の名称 制度の概要
生活福祉資金貸付制度 低所得者世帯や高齢者世帯、障害者世帯に対して、生活費用や住宅入居費などを支援する制度
緊急小口資金 新型コロナウイルス感染症により、緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった方を支援する制度
求職者支援資金融資 職業訓練受講給付金を受けていても、生活費が不足している方を支援する制度
教育一般貸付 融資対象となる学校に入学・在学する方の保護者に、入学金や授業料、通学費などを支援する制度
奨学金制度 経済的な理由で修学が困難な方向けの支援制度。返済が必要な貸与型と、返済不要の給付型がある

参考:
“生活福祉資金貸付制度”. 厚生労働省
“生活福祉資金の特例給付 緊急小口資金について”. 厚生労働省
“求職者支援資金融資のご案内”. 厚生労働省
“教育一般貸付(国の教育ローン)”. 日本政策金融公庫
“奨学金”. 日本学生支援機構. (参照2024-04-01)をもとに、HOME4Uが独自に作成

公的機関の融資制度は、借入金の使途が限られるうえに借入上限額が低いといったデメリットはあるものの、ほかの借入先のローンより比較的金利が低く、連帯保証人が不要なものも多いというメリットがあります。

5.ローンを借り入れする際の流れ

契約

借入から返済までの手順は、おおむね以下のとおりです。

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  1. 借入先に申し込む
  2. 必要書類を提出する
  3. 金融機関等が審査する
  4. 審査に通過したら契約し、資金を借り入れる
  5. 返済する

申込方法や必要書類、審査にかかる時間などは、借入先によって異なります。借入の申し込みをする前に手続き方法を確認しておき、余裕を持って資金を調達できる方法を選択しましょう。

6.自分に合ったローンの借入先を選ぶポイント

自分に合ったローンの借入先を選ぶためには、以下の3つのポイントに注意しましょう。

  1. 借り入れる目的を明確にする
  2. 無理なく返済できるか確認する
  3. 違法な貸金会社を利用しない

6-1.借り入れる目的を明確にする

借入先を選ぶ前に、どのような目的で、いつまでに、どの程度の資金が必要なのかを明確にしておきましょう。借入の目的が明確であれば、自分に合ったローンを選びやすくなります。

前述したように、借り入れるためには審査に合格しなければなりません。審査に落ちてしまうと、そもそもの資金計画が破綻することになるため、審査に通過できそうか、ある程度見通しを立てておくことが大切です。

また、審査に通りたいからといって、虚偽の申告をしてはいけません。金融機関の審査は非常に厳重で、虚偽の申告は高確率で見破られてしまいます。虚偽の申告が発覚するとその段階で審査落ちが確定するケースが多いでしょう。

6-2.無理なく返済できるか確認する

自身の返済能力を過信して借り入れてしまうと、スムーズに返済できず遅延損害金が発生するかもしれません。そして、返済のために別の資金を借り入れると、返済がさらに苦しくなるでしょう。

借り入れる金額は、無理なく返済できるかをしっかりとシミュレーションしたうえで決めることが大切です。

6-3.違法な貸金会社を利用しない

借入のしやすさや融資限度額の高さなどを目玉に、違法な取引を行なっている会社(通称ヤミ金)もあります。このような会社と一度でも取引してしまうと、将来的に返済が苦しくなる可能性が非常に高いでしょう。

被害に遭わないためにも、借入条件だけを見て借入先を選ばないよう、十分に注意しましょう。また、貸金業を営む会社として、都道府県に登録されたところのみを利用することが大切です。「登録貸金業者情報検索サービス」で確認しましょう。

参考:“違法な金融業者にご注意!”. 金融庁

まとめ

借入には目的別ローンやフリーローン、カードローンといった種類があり、借入先には銀行や貸金業を営む会社、公的機関などがあります。返済計画を立てて、自分の目的に合った金融機関・サービスを選択しましょう。

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