【FP監修】住宅ローンが払えないとどうなる?7つの解決策とNG行動

住宅ローン 払えない

近年、住宅ローンの支払いに悩む人が増えています。一般社団法人 住宅ローン問題解決支援機構.”住宅ローンの支払い遅延に関する調査(2022年)”の調査によると、住宅ローンの支払いに1日でも遅れたことがある人は9.3%。
そのうち、支払いが遅れた原因の第1位は「収入減少(63%)」でした。
多くの方が収入の減少た物価上昇などに悩まされており、今後も住宅ローンの支払いが難しくなる方は増えてくると考えられます。

今回は、住宅ローンの滞納で起こることと、そうしたリスクへの対策について、ファイナンシャルプランナー監修のもと詳しく解説します。

住宅ローンが支払えなくなる原因は多岐に渡ります。共働きを前提にローンを組んで、出産・子育てで収入が減る場合も多いですし、変動金利の場合は金利上昇によってローンの返済額自体が増える可能性もあります。

安定的な収入が入る前提でプランを組んでいたら想定外の出来事で収支が悪化したり離婚したりすることもあるので、もし支払えなくなった場合の対処法を事前に検討していきましょう。

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生


この記事の監修者

1. 住宅ローンを払えないとどうなるの?

住宅ローンの返済が難しくなると、「家を手放すことになるのでは…」と不安になりますよね。
最終的には競売に進む可能性がありますが、実際は滞納期間の長さによって状況が段階的に変化します。以下で全体像を確認したうえで、期間ごとのリスクと注意点を解説します。

滞納期間(目安) 実際の流れ
1か月前後
  • 督促状が届く
    (入金で解消できれば大きな問題にならない)
2~3か月
  • 督促状や催告書が届く
  • 電話で、催促の連絡がある
5~6か月
  • 期限の利益の喪失予告通知(最終督促)が届く
  • 代位弁済の予告通知が届く
  • 期限の利益が喪失し一括返済を求められる
  • 信用情報機関の事故情報に記載される(ブラックリスト)
8~9か月
  • 保証会社が裁判所に競売申し立て
  • 差し押さえ通知書が届く
  • 裁判所から競売開始決定通知書が届く
10~11か月
  • 裁判所の執行官による現況調査
13~16か月
  • 競売の期間入札通知書が届く
  • 競売完了後に強制立ち退き要求がなされる

住宅ローンを滞納するとどうなるか、こちらの記事もご覧ください。

以下で、滞納期間ごとに詳しく解説します。

1-1. 2~3か月の滞納

この段階では、銀行から督促状催告書が届いたり、電話での連絡が増えます。返済遅延の理由と入金予定を誠実に伝え、銀行との信頼関係を損なわないことが重要です。
まだこの時点では競売などの法的措置はありませんが、延滞が続くと信用情報に記録が残るリスクが高まります。早めの相談や支払い計画の立て直しを行いましょう。

1-2. 5~6か月程度の滞納

5~6か月の滞納で、「期限の利益の喪失予告通知(最終督促)」や「代位弁済予告」が届きます。これは保証会社が金融機関に返済を肩代わりする前段階の最終警告です。
この時点で返済が再開できなければ、保証会社による代位弁済が現実味を帯びてきます。代位弁済後は金融機関ではなく保証会社が債権者となり、支払い義務が残ります。

1-3. 6か月程度の滞納

6か月を超えると期限の利益の喪失が確定し、分割返済の権利を失います。結果として残りの住宅ローン全額を一括で求められ、支払い不能の場合は保証会社が代位弁済します。
代位弁済後は「代位弁済通知書」が届き、以降は保証会社が債権回収を担当します。この段階で信用情報には「延滞・代位弁済」の記録が登録され、新たなローンやクレジット契約が困難になります。
さらに、代位弁済後は保証会社による競売の準備が進み始めます。競売は通常の売却よりも価格が下がる傾向があり、売却後に残債が発生するケースが多いため注意が必要です。

1-4. 8~9か月程度の滞納

保証会社が裁判所に競売の申し立てを行い、「差押え通知書」や「競売開始決定通知書」が届きます。これにより自宅は法的に差し押さえられ、競売の準備が正式に始まります。
この段階では、新聞やインターネットに住所や物件情報が公開され、周囲に競売の事実が知られてしまうリスクがあります。プライバシー面での精神的負担も大きく、生活への影響が現実的になります。

1-5. 10~11か月程度の滞納

裁判所の執行官による現況調査が行われ、物件の写真や間取りが記録されます。これらの情報は競売公告として公開され、インターネット上でも閲覧可能になります。
そのため、知人や近隣住民に知られるリスクがさらに高まります。競売が進むと、落札者が決まったあとに強制的な立ち退き要求が行われるため、この段階での自主的な売却(任意売却)を検討するのが現実的です。

1-6. 13~16か月程度の滞納

裁判所から「競売の期間入札通知書」が届き、入札期間や開札日(落札者決定日)が明記されます。競売が完了すると、落札者による引渡命令が出され、最終的には強制退去を求められます。
この段階では引越し費用の確保も難しく、残債務も支払義務が残るため、生活再建へのダメージが大きいのが実情です。

競売のデメリット

  1. 通常の売却より安くなる可能性が高い
  2. 残債は競売後も支払義務が残る
  3. 競売の準備のために調査官が家に来る
  4. 競売物件として新聞やインターネットに住所等が公表される
  5. 立ち退きを要求されたら拒めない
  6. 競売の落札代金から、引っ越し費用などを確保してもらえない

住宅ローンを滞納した場合、滞納期間が長くなればなるほど状況が悪化していきます。概ね6ヶ月での代位弁済がターニングポイントとなり、競売手続きが進んでいきます。競売にかけられると上記のように多くのデメリットがあるため、避けるために手を売ったほうが良いでしょう。

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生

競売にかけられる前に、早めに売却するのも有効な選択肢です。

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住宅ローンが残る家を高く売る方法については、下記の記事でも解説しています。

2.住宅ローンを払えないときに検討すべき7つの解決策

この章では、住宅ローンの支払いが厳しいと思ったときにできる7つの解決策をご紹介します。

2-1.保険が下りるかどうか確認する

病気やケガ等で住宅ローンを支払えなくなってしまった場合、以下の保険が適用できるかもしれません。

契約内容を今一度確認してみてください。

2-1-1.団体信用生命保険(団信)

団体信用生命保険(団信)とは、加入者に万が一のことがあった場合に、残りの住宅ローンが全額弁済される保障制度です。万が一のケースとは、死亡または所定の高度障害状態を指します。

そのため、病気になって収入が下がった場合は、団信で特定の病気になったら払わなくて良い特約や、就業不能特約がないかを確認しましょう。

団信への加入は、金融機関で住宅ローンを利用する際に、義務付けられていることがほとんどです。

団信には「三大疾病保障特約付」や「八大疾病保障特約付」の契約内容があり、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)が原因で一定の要件に該当すれば、残りの住宅ローンが全額弁済されることがあります。

八大疾病(三大疾病+高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎)に関しては、「がん」の場合は診断確定で住宅ローンが免除されても、残りの7つの疾病に関しては、診断確定だけではなく就業不能状態が免除の要件になっている場合もあります。

2-1-2.民間の保険

「団信」以外にも、収入保障保険、就業不能保険、住宅ローン返済支援保険などがあります。もし病気や怪我によって減収したのなら、適用されるような任意の保険に加入していないか確認しましょう。

主な民間の保険の種類は以下の通りです。

保険の種類 内容
収入保障保険 保険者が亡くなった場合に遺族が収入保被障年金を受け取る死亡リスクに備える保険
就業不能保険 病気や怪我で収入が減少してしまうリスクに備える保険
債務返済支援保険 病気や怪我で収入が減少してしまったときの住宅ローン返済リスクに備える保険

団信では、被保険者が死亡したり高度障害になったりした際に保障されますが、病気や怪我による減収は保障の対象となりません。

住宅ローンが払えなくなるリスクに備えて民間の保険に加入している場合は、保証対象になっていないか保険内容を見直してみましょう。

保障の範囲は保険により違います。保障額や保障期間もそれぞれですので、加入している保険を確認してください。

また、収入保障保険は死亡保険の一種ですが、保険商品によっては「高度障害状態」で高度障害年金を受け取れる場合もあるため、念のため加入している場合は確認してみるといいでしょう。

2-2.家計の見直し・融資・支払い猶予の検討

生活費や教育費などの出費が増えて住宅ローンの支払いが「少し厳しい」という段階であれば、家計を見直しすることで改善できる場合もあります。

毎月の出費を節約して減らす、同居家族で働ける方は全員働く、車を手放す、保険などの固定費を解約したり減額したりするなどを検討してみてはいかかでしょうか。

保険を見直す場合、途中で解約すると損になる場合がありますので注意が必要です。貯蓄タイプの保険であれば、解約せずに一時的に「契約者貸付」を利用できる商品もあります。

また、国民健康保険や国民年金保険料、税金、公共料金などの支払い猶予についても、各ホームページで調べてみるとよいでしょう。

ただし、融資や支払い猶予措置は、「給付」ではありません。返済することが前提ですので、本当にそれだけで乗り越えられるのかしっかり検討する必要があります。

借りている銀行に条件変更を相談する

返済が厳しくなったときは、住宅ローンの返済条件を変更してもらえる可能性があります。これは「リスケジュール(返済条件変更)」と呼ばれるもので、借入額自体を減らすのではなく、返済計画の見直しによって負担を軽減する方法です。

具体的には、次のような方法があります。

  • 返済期間を延長して、月々の返済額を減らす
  • ボーナス返済を取りやめ、毎月均等に返済する
  • 一時的に返済額を減額し、一定期間後に元の返済額へ戻す
  • 元金据え置き(一定期間、利息のみを返済する)を設定する

このような条件変更は、金融機関によって対応方針や審査基準が異なりますが、滞納する前に早めに相談することが最も重要です。滞納後に連絡を取るよりも、返済困難の見通しが立った時点で相談したほうが柔軟に対応してもらえる可能性が高まります。

また、住宅金融支援機構(フラット35)の利用者向けにも、公式サイトで「返済が困難なときの手続き」が案内されています。機構では、主に以下のような支援策が紹介されています。

  • 返済期間の延長(最長15年まで延長可能なケースあり)
  • 一定期間の返済額軽減(最大3年間など、条件に応じた減額)
  • ボーナス返済部分の見直し返済方法の変更
  • 災害・病気・失業など特別な事情がある場合の特例措置

住宅金融支援機構は、返済困難者に対して「返済特例制度」や「返済条件変更の相談窓口」を設けており、フラット35を利用している方も直接相談可能です。担当の金融機関(取扱金融機関)を通じて申し込む形になりますが、相談は無料で行えます。

条件変更の申請を行う際は、家計の状況や今後の収支見通しを整理し、返済再開の意欲を示すことがポイントです。書類上の数値だけでなく、どのように生活を立て直すつもりかを具体的に説明すると、審査がスムーズになります。

気まずさから相談をためらう方も多いですが、放置して滞納が進むと競売リスクが高まるため、できるだけ早く行動することが大切です。条件変更の相談と並行して、家計の見直しや保険・売却の検討も進めていきましょう。

2-4.住宅ローンを借り換える

住宅ローンを借り換えると、返済額を減らすことができる可能性があります。

ただし、最近の金利よりも高い金利で住宅ローンを組んでいる場合に限って「借り換え」は有効です。

どういった方が対象になり得るかというと、

  • 今の金利が住宅ローンを組んだ当初よりも1%以上低くなっている
  • 返済期間が10年以上残っている
  • ローン残高が1,000万円以上残っている

などの場合です。

なお、借り換えるためには費用がかかりますが、借入金額や金利差が大きければその費用分をカバーできるだけの効果が期待できます。

まずはローンの返済予定を見て、金利・ローン残高・返済期間などを総合的に判断して検討してください。高い金利で借りている場合には、金融機関のローン相談会などで借り換えメリットが出るかどうか試算してもらいましょう。

ただし、借り換えの際には返済履歴を確認されます。一般的にうっかり1回だけ返済が遅れたことがある、といった程度なら審査には影響しませんが、2か月以上滞納してしまった経歴があると借り換えは難しくなります。

2-5.通常の方法で売却する

思い切って家を手放し、生活に余裕を取り戻すのも一つの選択肢です。

ただし、住宅ローンが残ったまま家を売却することはできません

ローン中の家を売るときには、住宅ローンを全額返済し、金融機関の設定した抵当権を抹消してもらう必要があります。

住宅ローン残高よりも高く売れると理想的ですが、住宅ローンが残ってしまうときは自己資金で完済しなければなりません。

自己資金が不足するときは、買い換えローン(買い換え後の家の住宅ローンと、残ってしまった旧居のローンを合わせて借りる方法)を使う方法もあります。

ただし、買い換えローンは新居の担保価値を上回る金額を借りなければいけないので、審査が通りにくいのです。

住宅ローンの支払いが厳しくなっているときは、高く売ることも大切ですし、競売の手続きが進行して状況が不利になってしまう前に早く売却しなければなりません。

そこで、売却するなら、出来る限り高くスムーズに売ってくれる不動産会社を探すことが重要です。不動産会社には得意分野や得意エリアがあるため、不動産会社選びによって売却価格や売却期間には差が出てきます。

ベストな不動産会社を見つけるためには、複数の不動産会社の査定を受けてしっかり比較するのがポイントです。

不動産会社の比較検討には、無料サービスの「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」が役立ちます。

あなたのお家いくらで売れる?

不動産売却 HOME4U」には、実績豊富な大手から地元密着型の企業まで多くの不動産会社が登録されていて、複数の不動産会社にまとめて査定依頼ができます。

複数社の査定額をしっかり比べることで、あなたの家を最も高く売ってくれそうな不動産会社を簡単に見つけられる仕組みになっているため、できるだけ高く家を売却して速やかに生活を立て直せるよう、ぜひ早めにご利用ください。

不動産売却塾 コラム
“リースバックという方法もある!”

せっかく手に入れたマイホームを手放すことには抵抗もあると思います。その場合には、リースバックという方法があります。

リースバックは、家を第三者に売却した後に、売却先と賃貸借契約を結び、売却した家に賃料を払って住み続けられる仕組みです。

必ず買い戻せるとは限りませんが、「買戻し特約」を付けることもできます。

周囲に知られにくいですし、愛着のある家に住み続けることができるので、不動産会社に相談してみましょう。

不動産売却については、以下の記事で詳しく解説しています。

2-6.任意売却を検討する

任意売却【延滞1か月~競売完了前まで】 黒板の家の絵普通に売却しようとしたら住宅ローン残高よりも高く売れず、残った住宅ローンを自己資金で返済できない場合は、任意売却を検討してください。

任意売却は、債権者(金融機関)の同意を得た上で、家を売却する方法です。

なお、普通に売却することも「広い意味での任意売却」ですが、ここでは、債権者の同意を得て売却する「狭義の任意売却」について説明していきます。

任意売却には次のようなメリットがあるため、競売よりも有利です。

  • 任意売却なら、競売にかけられるよりも高く売れる可能性がある。
  • 銀行の同意を得れば、住宅ローンよりも高く売れなくても抵当権を抹消してもらえる。
  • 残ってしまった住宅ローンを無理のない範囲に減らした上で、分割返済することを認めてもらいやすい。
  • 売却代金から引っ越し代をもらえる可能性がある。
  • 売却の諸費用も売却代金の中から差し引くので、自己資金の持ち出しがない。

任意売却は、「期限の利益の喪失」の後でも手続きは可能ですが、競売の開札期日の前日までに任意売却を完了しなければなりません

任意売却を成功させるためには、できるだけ早めに任意売却の専門家に相談することが大切です。

任意売却は金融機関の同意を得なければならない点が通常の売却と異なります。

金融機関の立場から見ても、競売で安く売却されてしまうより、任意売却のほうが回収できる金額が多くなる可能性が高いというメリットがあるため、債務の一部を免除してもらえる可能性があります。

どのような条件を認めてもらえるかは金融機関との交渉次第なので、任意売却の知識や経験を持った不動産会社に相談するようにしてください。

なお、任意売却では悪質な業者によるトラブルもあります

競売の公告が出た後に、任意売却を勧める連絡が入るかもしれませんが、費用を先払いで請求されたら疑ってください。仲介手数料は成功報酬なので先に払うことはあり得ません。

先払いしてしまったらその後連絡が取れなくなったというケースもあるので、騙されないようにしましょう。

任意売却については、こちらの記事もご覧ください。

2-7.リバースモーゲージ

リバースモーゲージはシニア層向けのローンで、「55歳以上」等の年齢制限があるのが一般的です。

自宅を担保にして融資を受けるというところは通常の住宅ローンと似ていますが、リバースモーゲージは融資を受けた後、生存中は毎月利息の支払いだけで、亡くなった時または契約期間終了後に自宅を売却して元本を返済します。

または、亡くなった時に、自宅を売却せずに相続人が債務を一括返済することも選べます。

なお、生活費やローンの返済、リフォーム等のための商品なので、事業資金や投資には利用できません。

リバースモーゲージの契約にあたっては、相続人全員の承諾が必要となります。ただし、相続人が残債務を一括返済しない限り、家を相続財産として残せないことに注意が必要です。

リバースモーゲージの借入可能額は、担保価値を考慮して決まります。

現在の住宅ローンの残高や延滞回数によっては借り換えできない可能性があるので、リバースモーゲージを扱っている金融機関に早めに相談してみてください。

住宅ローンを払えなくなった時は、自身の状況と照らし合わせて適切な対処法を取りましょう。

病気や怪我の場合は保険が下りるかもしれません。また家計を見直したり、住宅ローンの借り換えや銀行へ条件変更、年齢によってはリバースモーゲージという手段もありますね。競売にかけられる前に通常売却や任意売却するという手も。

滞納は時間が経つほど状況が深刻になるため、早急に手を打ちましょう。

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生

3.住宅ローンが払えない場合にやってはいけないNG行動

住宅ローンが払えなくなっても、絶対にやってはいけないNG行動があります。NG行動は以下の通りです。

  • キャッシングやカードローンからお金を借りる
  • 夜逃げをする

以下で詳しく解説します。

3-1.キャッシングやカードローンからお金を借りる

住宅ローンの返済が滞っているからといって、キャッシングやカードローンの利用はNG行動です。

キャッシングやカードローンは、住宅ローンより金利が高く設定されています。特に借入額が大きくなればそれだけ利息も膨らみやすくなり、月々の返済額が増えてしまうからです。

一時的に住宅ローンの返済ができても、今度はキャッシングやカードローンの支払い額が増え、自転車操業になってもっと苦しい状況になってしまいます。

「とりあえず借りて返そう」と、消費者金融から借金をするということは絶対にやめましょう。

3-2.夜逃げをする

「全てを捨てて夜逃げをすれば楽になるかも」と考えるかもしれませんが、夜逃げはデメリットしかないNG行動です。

お金がないことを理由に夜逃げをして、新しく一からやり直そうと思っても、信用情報に傷がついた状態では新生活の資金調達が困難になります。

引っ越しにもお金がかかります。夜逃げをした後に住所が決まらなければ定職に就くことも難しいため、生活する手段がありません。

苦労して夜逃げをしても、戸籍や信用情報をリセットできるわけではないので、安易に夜逃げを選択しないでください。借金から逃げ回ることを理由に、住民票を登録しなければ保険証も使えず、日常生活にも支障が出ます。

また、住宅ローンには連帯保証人がいることを忘れないでください。自分が夜逃げをすれば、連帯保証人に残りの住宅ローンの返済がのしかかり、連帯保証人の人生にまで影響が及びます。

夜逃げをするほど追い詰められているのであれば、任意売却や自己破産を選択することもできます。ローンの返済が厳しいと感じたら、早めに金融機関に相談してください。

不動産売却塾 コラム
“持ち家があっても生活保護は受けられる?”

生活保護は国民の権利です。一生懸命住宅ローンを返済していたとしても、突然の不幸な出来事が重なり、一時的に生活が苦しくなってしまうことがないとはいえません。

住宅ローン支払い中の家を持っていても、生活が苦しくなった場合、生活保護が受けられるケースもあります。まずは、お住いの自治体の福祉事務所に相談してみてください。

持ち家があることは生活保護受給のハードルになりますが、家の条件によって相談してみる価値はあります。

生活保護を相談してみる価値があるケース(一例)

  • 家を売っても資産にならない
  • 家の売却後に住む場所を見つけられない
  • 残りの住宅ローンが少ない、など

なお、生活保護費から住宅ローンを返済することは原則できません。

住宅ローンを払えない場合、お金を借りて返済したり、夜逃げをするのはNG!

基本的にお金を借りる場合は住宅ローンより金利が高いため、自転車操業になり、さらに自分の首を絞めてしまうことになります。夜逃げしても生活環境は好転せず、連帯保証人の人生も狂わせます。これらは根本的解決に至らないため、絶対にやめましょう!

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生

まとめ

住宅ローンを払えないとどうなるのか、滞納期間ごとにお分かりいただけたのではないでしょうか。

競売には様々なデメリットがあります。住宅ローンを払えないからといってすぐに競売になってしまうわけではないので、競売を避けるためにそれぞれの段階で適切な対策を取ることが大切です。

住宅ローンを払えないときに検討する対策は以下の通りです。

  • 保険が下りるか確認する
  • 家計の見直し・融資・支払い猶予の検討
  • 住宅ローンを借り換える
  • 借りている銀行に条件変更を相談する
  • 通常の方法で売却する
  • 任意売却
  • リバースモーゲージ

今すでに返済が遅れてお困りの方も、この先住宅ローン返済ができなくなりそうで悩んでいるという方も、この記事を参考に、今できることから解決のために行動を起こしてみてください。

住宅ローン返済の負担を軽くするためには、家の売却がおすすめです。家を売りたい方は「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」をご利用ください。「不動産売却 HOME4U」なら、全国2,500社の厳選された不動産会社から無料で査定を受けられます。

住宅ローンが払えなくなっている方は、早急に対処してください。すぐに競売にかけられるわけではないですが、その状況を放置していても状況は何も改善しません。

家を上手く売却できないか、ローンの条件を変更できないかなど、出来る限りの手を打ちましょう。切羽詰まると焦ってしまいますので、事前にいろいろな手段があることを認識して、早めに手をうちましょう。

お金を借りて返済したり、夜逃げすることだけは、根本的解決にならないので絶対にNGです。

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生


この記事の監修者
秋山 芳生
家計簿アプリマネーフォワードMEの元事業責任者。
複数のベンチャー企業での上場経験を通じて資産構築をしFIREを達成。現在はFPとして講演・執筆・面談を行う傍らYouTube(チャンネル登録2万人以上)で情報発信するなどマルチに活動をしている。
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