ZEH(ゼッチ)住宅の基準とは?メリット・デメリットや補助金を紹介

ZEH住宅とは メリット・デメリット

新築住宅の建設や購入を検討する際に、ZEH(ゼッチ)住宅という用語を目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。ZEH住宅とは、エネルギーの収支をゼロにできる住宅のことを指します。

本記事では、ZEHの基礎知識を踏まえ、ZEH住宅の種類と認定基準、ZEH住宅のメリット・デメリットのほか、補助金の金額や要件について解説します。

この記事を読むと分かること
  • ZEH住宅の概要
  • ZEH住宅のメリット・デメリット
  • ZEH住宅の建設で申請できる補助金の種類
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1.ZEH(ゼッチ)とは?

省エネ等級

はじめに、ZEHの概要を踏まえ、国がZEHを推進する理由などについて解説します。

1-1.ZEHとは?

ZEH(ゼッチ)とは、「net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略称です。「エネルギーの収支をゼロにする家」という意味があり、省エネ住宅と呼ばれることもあります。

太陽光発電で作るエネルギーと消費エネルギーの収支を実質的にゼロ以下にすることを目指す住宅で、高断熱化などにより、冷暖房などの省エネを実現します。

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参考:“ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)”. 経済産業省 資源エネルギー庁. (参照2024-03-29)をもとに、HOME4Uが独自に作成

ZEHの仕様を取り入れることで、エネルギーを自給自足することも不可能ではありません。

日本の電源構成は石油や石炭が主流であり、原料の約9割を輸入に頼っている状況です。エネルギーの安定共有や安全保障を考えるうえでも、エネルギーの自給率を高めることが目下の課題といえるでしょう。

1-2.国がZEHを推進する理由

ZEHが注目を集める背景には、脱炭素社会の実現に向けた政府目標が影響しています。政府は「2030年(令和12年)以降に新築される住宅において、ZEH基準の省エネ性能の確保と、新築戸建て住宅の6割に太陽光発電設備を導入すること」を目標として掲げました。

現状では、新築の戸建て住宅におけるZEHの普及率はそれほど高くはなく、2021年(令和3年)のZEHの普及率は、注文住宅で26.8%、建売住宅ではわずか2.6%にとどまっています。

ZEHの普及率

出典:“ZEHの普及促進に向けた政策動向と令和5年度の関連予算案”. 経済産業省・環境省

しかし、脱炭素社会を目指す次世代の住宅のあり方として、国はZEHの導入の拡大を図っており、ZEHの注目度は今後さらに高まっていくことでしょう。ハウスメーカーや工務店を中心に、ZEH住宅の建設を認定する「ZEHビルダー」の登録数も上昇傾向にあります。

参考:“ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)”. 経済産業省 資源エネルギー庁

1-3.ZEHの3要素

ZEHは、「省エネ」「創エネ」「高断熱」という3つの要素で構成されており、すべての要素を満たすことでZEH住宅として認定されます。

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本章では、ZEH住宅の3要素について解説します。

1-3-1.省エネ

省エネとは、エネルギーを効率良く使うことです。ZEH住宅では、高効率な給湯システム、省エネエアコン、LED照明などの設備を設置します。

また、省エネ性能を実現するには、家庭内の消費電力、太陽光発電の稼働状況などを確認できるシステムも欠かせません。そのため、ZEH住宅ではHEMS(ヘムス)という管理システムの導入が進んでいます。

HEMSとは、「Home Energy Management System(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」の略称で、家庭内の消費エネルギーの可視化に加え、無駄な電力を節約しつつ室内環境を快適に整えるための設備のことを指します。

1-3-2.創エネ

創エネとは、エネルギーの収支をゼロに近づけるために、建物自体がエネルギーを生み出すことです。住宅でエネルギーを生み出す方法として、ZEHでは太陽光発電システムの導入が必須です。

東京電力によると、太陽光パネル1kWあたりの1日あたりの発電量の目安は平均2.7kWhとされており、太陽光パネルには1枚当たりの発電量が決まっています。そのため、発電量を多くするにはパネルを増やして面積を大きくしなければなりません。しかし、パネルの枚数が多いほど初期費用が高くなるのが太陽光発電のデメリットです。

ZEHでは省エネと高断熱を併用するため、太陽光パネルの搭載量の削減が可能です。太陽光発電に加え、燃料電池や蓄電池を導入すると、災害時でもエネルギーを確保できます。

参考:“太陽光発電の1日の発電量は?季節・地域別の発電量”. 東京電力

1-3-3.高断熱

ZEHでは室内の熱を外に伝えない、高い断熱性能(外皮性能)が求められます。ZEH住宅では高断熱・高気密の窓や壁、床、屋根などを導入し、冷暖房に使用するエネルギーの効率を高めます。

断熱性能が高い住宅は、夏の暑さや冬の寒さが室内に伝わらないうえに、冷暖房の熱を外に逃がしません。冷暖房の消費エネルギーを削減できるだけでなく、室温を一定に保つため、季節を問わず快適な環境で暮らすことが可能です。

2.ZEH認定の4つの基準

新築の注文住宅、または建売住宅でZEH住宅と認められるには、以下の基準を満たす必要があります。

  1. 強化外皮性能基準が0.6~0.4以下
  2. 基準一次エネルギー消費量を20%以上削減
  3. 再生可能エネルギーの導入
  4. 1~3の取り組みにより、一次エネルギー消費量を100%削減

2-1.強化外皮基準が 0.6~0.4以下

強化外皮基準とは、屋根や壁、断熱材といった外皮の断熱性能を判断する基準です。指定された強化外皮基準を満たさなければ、原則的にZEH住宅と認められません。

強化外皮基準では、断熱性能の指標となる「UA値」が用いられます。UA値とは、外皮平均熱貫流率ともいわれる、外皮から逃げる熱量を表す数値です。

一般的な省エネ住宅のUA値が0.46~0.87のところ、ZEH住宅の場合は0.4~0.6以下とさらに厳しい基準を満たさなければなりません。なお、地域によって気候に違いがあるため、基準も地域ごとに異なります。

強化外皮基準では1~8の地域区分を設けており、地域区分における基準は1・2地域が0.4以下、3地域が0.5以下、4~7地域が0.6以下です。

地域区分

引用:“なるほど省エネ住宅”. 国土交通省. (参照2024-03-29)

地域区分の詳細に関しては、国土交通省の「地域区分新旧表」で確認できます。

参考:“地域区分新旧表”. 国土交通省

2-2.基準一次エネルギー消費量を20%以上削減

ZEH住宅と認められるには、再生可能エネルギーを除き、省エネ化によって基準一次エネルギー消費量から、一次エネルギー消費量を20%以上削減しなければなりません。

一次エネルギーとは、石油や天然ガスなど、自然界にある物質によるエネルギーのことです。電気は一次エネルギーから作り出される、二次エネルギーに該当します。

つまり、太陽光発電以外のエネルギーの消費量を、20%以上減らす必要があります。

2-3.再生可能エネルギーの導入

再生可能エネルギーとは、太陽光、水力、地熱など自然界に常に存在する枯渇しないエネルギーのことです。ZEH住宅では太陽光発電システムを導入するのが一般的です。

なお、エネルギーの生産量に関しては、ZEHの基準で問われることはありません。

2-4.1~3の取り組みにより、一次エネルギー消費量を100%削減

太陽光発電システムなどを導入してエネルギーを生産したうえで、基準一次エネルギー消費量から一次エネルギー消費量を100%以上削減することがZEH住宅の条件です。

つまり、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギーの消費量を20%以上削減し、再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量を100%以上削減する、というのがこの要件です。

3.ZEH住宅の種類

省エネ性能の違いにより、ZEH住宅は以下の5つに分類されます。

  • ZEH(ゼッチ)
  • ZEH+(ゼッチ・プラス)
  • Nearly ZEH (ニアリー・ゼッチ)
  • Nearly ZEH+(ニアリー・ゼッチ・プラス)
  • ZEH Oriented(ゼッチ・オリエンティッド)
種類 一次エネルギー消費量の削減 その他の条件
ZEH 再生可能エネルギーを除き20%以上
再生可能エネルギーを含め100%以上
ZEH+ 再生可能エネルギーを除き25%以上
再生可能エネルギーを含め100%以上
断熱性能のさらなる強化
高度エネルギーマネジメント(HEMS)の導入
電気自動車の充電施設を整備

※上記3つの要素のうち2要素以上を採用

Nearly ZEH 再生可能エネルギーを除き20%以上
Nearly ZEH+ 再生可能エネルギーを除き25%以上
再生可能エネルギーを含め75%以上
断熱性能のさらなる強化
高度エネルギーマネジメント(HEMS)の導入
電気自動車充電施設を整備

※上記3つの要素のうち2要素以上を採用

ZEH Oriented 再生可能エネルギーを除き20%以上 再生可能エネルギーシステムの導入は不要

ZEHとNearly ZEHに関しては、一次エネルギー消費量の削減以外の条件は同じです。「プラス」が付くZEH住宅はより高性能であるため、一次エネルギー消費量の条件がさらに厳しくなっている点に注意しましょう。

Nearly ZEHとNearly ZEH+に関しては、寒冷地や多雪地域、住宅スペースが限られる都市部など、太陽光発電が機能しにくい地域が対象となります。

再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量は、「75%以上 100%未満の削減」と条件が緩和されているのが特徴です。

なお、ZEH Orientedは、土地が狭い都市部の二階建て以上の住宅のほか、多雪地域など太陽光による発電が見込めない地域が対象です。

4.ZEH住宅のメリット

光熱費の節約

新築住宅を建てる際に、ZEH住宅にすることで以下のようなメリットが得られます。

  1. 光熱費を削減できる
  2. 1年を通して快適に過ごせる
  3. 災害時でも電力を確保できる
  4. 建物の資産価値が高まる

4-1.光熱費を削減できる

ZEH住宅は、高い省エネ性能と断熱性能により、冷暖房に使用する光熱費を大幅に削減できるのがメリットの一つです。

外気温の影響を受けにくく、高効率の空調や給湯システムを導入することで冷暖房の効率が格段にアップします。

太陽光発電システムによる自家発電を利用すれば、一次エネルギーの消費量を減らすことが可能です。また、自家発電で余った電力を電力会社に売れることも、ZEH住宅の魅力でしょう。

4-2.1年を通して快適に過ごせる

ZEH住宅は断熱性と気密性に優れており、室温を一定に保つ効果があるため、冬は暖かく、夏は涼しく、1年を通して快適に過ごすことが可能です。

さらに、部屋間の温度差が少なくなるため、高齢者にとって大敵となる、ヒートショックを軽減できるのもZEH住宅のメリットです。

ヒートショックとは、急激な気温の変化で血圧が乱高下する症状で、心筋梗塞や脳梗塞の発症を誘発するリスクがあります。

4-3.災害時でも電力を確保できる

太陽光発電システムに蓄電池をプラスすると、生産した電力を蓄えることが可能です。災害時に停電が起きた場合でも、自家発電の電力を使用できます。

また、冷暖房が使えない状況であっても、高い断熱性と気密性で室内の温度を一定に保てることもZEH住宅の魅力でしょう。

4-4.建物の資産価値が高まる

ZEH住宅は、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)で高い評価を得られるため、高値で売却できる可能性があります。

BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)とは、省エネの取り組みを評価する指標で、BELSに認定された住宅は、資産価値が高くなります。

将来、家を売却する可能性がある方にとっては、資産価値が高いZEH住宅を検討するメリットは大きいといえます。

5.ZEH住宅のデメリット

ソーラーパネルを点検する作業員

ZEH住宅の導入を検討する際には、以下のデメリットも把握しておきましょう。

  1. 建設コストが高い
  2. 設備のメンテナンスが必要
  3. 天候により太陽光発電の発電量が変動する
  4. 建物の外観や間取りが制限される

5-1.建設コストが高い

ZEH住宅は一般の住宅と異なり、省エネ性能や断熱性能を高めるための設備投資が必要です。太陽光発電システムや省エネタイプの設備、高性能な断熱材、HEMSなど導入すべきものが数多くあります。

光熱費の削減効果と住宅の資産価値を含め、コストを回収できるか検討することが大切です。

5-2.設備のメンテナンスが必要

ZEH住宅に導入する設備には、定期的なメンテナンスが必要です。省エネ設備を長く使うためには、メンテナンスのコストも考慮しなければなりません。

特に、太陽光パネルは日々のメンテナンスに加え、定期点検を実施する必要があります。メーカーによっては無料点検保証が付いていますが、有料の場合は1回で10万円以上の費用がかかることも少なくありません。

また、太陽光パネルには耐用年数があるうえに、電力を変換するパワーコンディショナーや売電メーターなどは消耗品に該当します。年数が経過するほど故障のリスクが高くなり、出費が増える可能性があることを知っておきましょう。

5-3.天候により太陽光発電の発電量が変動する

太陽光発電の発電量は、天候や日照時間によって大きく変動します。

曇り空や雨では発電量が減ってしまうので、生み出せる電力が安定しないのは、太陽光発電のデメリットといえるでしょう。

また、住宅の周辺に高い建物や木があり日陰ができてしまうと、日中でも発電量が低下します。

5-4.建物の外観や間取りが制限される

ZEH住宅は、太陽光パネルをはじめさまざまな設備を設置するため、設計やデザインに制限がかかることがあります。

開放感のある大きな窓や高い天井、吹き抜けの廊下などを、ZEH住宅に取り入れるのは困難です。窓が大きいと外気温の影響を受けやすく、高い天井や吹き抜けは暖かい空気が上にいくことで室温を保てないためです。

ZEH住宅では断熱性能を高めるため、窓を減らす、壁を増やす、ドアの形状を変えるなどの対策をしなければなりません。思い通りの間取りやデザインにならない可能性があるのも、ZEH住宅のデメリットといえます。

また、太陽光パネルを載せるために屋根の角度が制限されたり、屋根の重量が重くなったりすることがあります。耐震性能が低下しないよう、重い屋根を支えられる基礎や柱などを設置しなければなりません。

6.ZEH住宅の建設に使える補助金とは?

貯金箱とお金

ZEH住宅は建設コストが高い反面、国の補助金事業を利用することが可能です。ここでは、新築のZEH住宅が対象になる補助金の種類や支給額、要件について解説します。

6-1.ZEH支援事業

ZEH支援事業とは、下表のZEH住宅を対象に補助金を支給する制度です。

種類 補助金額
ZEH 1戸につき55万円
Nearly ZEH
ZEH Oriented
ZEH+ 1戸につき100万円
Nearly ZEH+

なお、Nearly ZEHは寒冷地や多雪地域、低日射地域に該当する住宅が対象となり、ZEH Orientedは多雪地域や都市部の狭小地の2階以上に該当する住宅が対象となります。

ZEH支援事業の補助金を受けるには、以下の要件を満たさなければなりません。

種類 要件
ZEHの交付要件 戸建て住宅における「ZEH」の定義を満たしていること
SIIに登録されているZEHビルダー・プランナーが関与(建築、設計または販売)する住宅であること
ZEH+の交付要件 戸建て住宅の「ZEH」の定義と、以下の条件を満たすこと

(1)省エネ基準から25%以上の一次エネルギー消費量削減
(2)以下の再生可能エネルギーの自家消費拡大措置のうち2つ以上を導入すること

 1.外皮性能のさらなる強化
 2.高度エネルギーマネジメント
 3.電気自動車(PHV車を含む)を活用した自家消費の拡大措置のための充電設備または充放電設備

SIIに登録されているZEHビルダー・プランナーが関与(建築、設計または販売)する住宅であること

出典:“2023年の経済産業省と環境省のZEH補助金について”. 一般社団法人 環境共創イニシアチブ. (参照2024-03-29)

なお、以下の設備を導入すると、追加の補助金が支給されます。

設備 追加補助額
蓄電システム(定置型) 以下のいずれか低い金額
(1)2万円/kWh
(2)補助対象経費の1/3
(3)20万円
PVTシステム(液体式) 1戸あたり65万円もしくは80万円
PVTシステム(空気式) 1戸あたり90万円
直交集成板(CLT) 1戸あたり90万円
地中熱ヒートポンプ・システム 1戸あたり90万円
液体集熱式太陽熱利用システム 1戸あたり12万円、もしくは15万円

出典:“2023年の経済産業省と環境省のZEH補助金について”. 一般社団法人 環境共創イニシアチブ. (参照2024-03-29)

なお、ZEHビルダーはハウスメーカーや工務店、ZEHプランナーは設計事務所を指します。SIIとは、一般社団法人環境共創イニシアチブの略称で、ZEH公共事業を実施する団体のことです。

ZEH支援事業への申請は先着方式であるため、検討中の方は早めに決断し手続きを進めるようにしましょう。

6-2.次世代ZEH+実証事業

次世代ZEH+実証事業は、ZEH+、およびNearly ZEH+を対象にした補助金制度です。ただし、Nearly ZEH+は、寒冷地、低日射地域、多雪地域に限られます。

次世代ZEH+実証事業の要件は次のとおりです。

「ZEH+の要件」を満たし、かつ、以下のいずれか1つ以上を導入すること

(1)蓄電システム
(2)V2H充電設備(充放電設備)
(3)燃料電池
(4)太陽熱利用温水システム
(5)太陽光発電システム10kW以上

出典:“2023年の経済産業省と環境省のZEH補助金について”. 一般社団法人 環境共創イニシアチブ. (参照2024-03-29)

次世代ZEH+実証事業の補助金は、1戸につき100万円です。また、以下の設備を導入すると追加の補助金が支給されます。

設備 追加補助額
蓄電システム(定置型) 以下のいずれか低い金額
(1)2万円/kWh
(2)補助対象経費の1/3
(3)20万円
V2H充電設備(充放電設備) 以下のいずれか低い金額
(1)補助対象経費の1/2
(2)75万円
燃料電池 2万円/台
太陽熱利用温水システム(液体式) 1戸あたり17万円
太陽熱利用温水システム(空気式) 1戸あたり60万円

出典:“2023年の経済産業省と環境省のZEH補助金について”. 一般社団法人 環境共創イニシアチブ. (参照2024-03-29)

V2H充電設備とは、電気自動車の充電だけでなく、電気自動車の電気を住宅で利用できるシステムです。高性能な設備を導入するなら、次世代ZEH+実証事業を上手に活用することをおすすめします。

なお、ZEH公共事業と同様に先着方式のため、早めの申請が必要です。

6-3.次世代HEMS実証事業

次世代HEMS実証事業は、ZEH+、寒冷地や低日射地域、多雪地域のNearly ZEH+が対象の補助金制度です。ZEH+の住宅にHEMSを導入することで、1戸につき112万円の補助金が支給されます。

次世代HEMS実証事業の要件は、次のとおりです。

  1. 「ZEH+の要件」を満たしたうえで、高度エネルギーマネジメントを選択し、かつ、蓄電システムまたはV2H充電設備(充放電設備)を導入すること
  2. さらに、燃料電池、太陽熱利用温水システムの設備を導入することも可
  3. 太陽光発電システムによる創エネルギーを最大活用し、自家消費量をさらに拡大することを目的に、AI・IoT技術等による最適制御を行なう仕組みを備えていること

出典:“2023年の経済産業省と環境省のZEH補助金について”. 一般社団法人 環境共創イニシアチブ. (参照2024-03-29)

なお、前述の「次世代ZEH+実証事業」と同じ条件で、設備の導入による追加の補助金を受けられます。

ただし、次世代HEMS実証事業の申請は「事前割当方式」のため、住宅の建設に関与したZEHビルダーまたはZEHプランナーが事前に提案応募をする必要があります。

まとめ

ZEHは太陽光発電でエネルギーを作り出し、高い省エネ性と断熱性能を組み合わせることでエネルギーの収支ゼロを目指します。ZEH住宅では太陽光発電システムや省エネタイプの設備、HEMSなどの導入が必要です。

ZEH住宅は光熱費の大幅な削減、快適な室内環境、災害時の電力確保などのメリットがある反面、高額な初期費用や耐震面の懸念などのデメリットも存在します。初期費用を抑えるためにも、補助金が支給される支援事業を有効に活用しましょう。

BELSに認定されたZEH住宅は資産価値が高くなるため、より高額で売れる可能性があります。ZEH住宅の売却を検討している方や、旧居を売却してZEH住宅への住み替えを検討している方は、NTTデータグループが運営する不動産一括査定サイト「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」をぜひご利用ください。全国約2,300社の優良不動産会社のなかから、最大6社の査定価格をまとめて取り寄せできます。

不動産の査定価格には、数百万円以上の差が出ることも珍しくないため、複数社の査定を慎重に検討することをおすすめします。