リースバックの仕組みとは?「騙された!」の声や利用後に後悔したケースを紹介

リースバックとは? 利用条件や注意点を解説

リースバックとは、所有する不動産を売却し、毎月賃料を支払うことで賃貸として住み続けられるサービスのことです。

この記事では、リースバックの仕組みや注意点、利用して後悔した事例を解説します。リースバックより安全な資金調達方法もご紹介します ので、ぜひ参考になさってください。

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1.リースバックの仕組みとは?

リースバックの仕組みとは?

リースバックとは、所有する不動産を売却し、毎月賃料を支払うことで賃貸として住み続けられるサービスです。
具体的には、以下の流れで手続きをします。

リースバックを利用する際の流れ

リースバックは、主に不動産会社や金融機関が取り扱っています。

リースバックの大手6社
会社名 概要
セゾンファンデックス クレディセゾンの子会社が運営。
シニアや事業者を対象とした商品を取り扱っている。
一建設 飯田グループホールディングスが運営。
2プラン3タイプの「リースバックプラス」を提供している。
ハウスドゥ 60歳以上の個人や事業主を対象にしたサービスを提供。
SBIスマイル 東証プライム上場のSBIグループが運営。
リースバック「ずっと住まいる」を提供している。
スター・マイカ 2018年にサービスを提供。
60~70代だけでなく40~50代にも利用者が多い。
あなぶき興産 あなぶき興産グループが運営するマンション専門のリースバック。

リースバックは、老後資金を確保したい方や、医療費などでまとまった資金が必要になった方が利用を検討されます。

資金を調達しながら現在の住まいに住み続けられる点がメリットとして強調されがちですが、実際はそれほどお得なサービスではありません。

利用して失敗しないよう、この記事ではリースバックの注意点を詳細に解説します。

2.利用はやめた方がいい?リースバックのメリット・デメリットを徹底比較!

利用はやめた方がいい?リースバックのメリット・デメリットを徹底比較!

ここでは、リースバックのメリット・デメリットを比較検証します。

リースバックのメリット・デメリット

  • 【メリット】売却後も自宅に住み続けられる
  • 【メリット】住宅の維持管理にかかる費用が減る
  • 【メリット】短期間でまとまった資金を用意できる
  • 【デメリット】売却価格が市場価格の60%~80%ほどになる
  • 【デメリット】高額な家賃で家計が圧迫されるおそれがある
  • 【デメリット】契約の更新が保証されていない
  • 【デメリット】買い戻し価格が売却価格より1.1倍以上も高くなる
  • 【デメリット】退去を要求されるリスクがある

比較結果から、リースバックはメリットが少なく、デメリットが多い とわかりました。

いくつかメリットがあるものの、それを上回る重大なデメリットがある点に注意が必要です。
詳しく見ていきましょう。

【メリット】売却後も自宅に住み続けられる

戸建て・マンションに関わらず、自宅を売却して現金化しても、住み慣れた家にそのまま住み続けられる点はリースバックのメリットです。

自宅を売却したことが近所に知られることもなく、今までと変わらず生活できるため、近所との交流関係や生活環境を変えずに済みます。

【メリット】住宅の維持管理にかかる費用が減る

リースバックを利用すると不動産の所有者ではなくなるため、住宅の維持費を負担する必要がなくなります。

住宅の維持費は、毎年の固定資産税や都市計画税、火災保険料、地震保険料など。マンションでは修繕積立金や管理費、駐車場代などが加わるため、戸建てよりも維持費が高くなる傾向にあります。

住宅の維持管理にかかる年間費用は、物件により大きく異なりますが、おおよその目安は以下のとおりです。

  • 戸建て:年間20万円~30万円
  • マンション:年間40万円~50万円

【メリット】短期間でまとまった資金を用意できる

リースバックでは半月~1ヵ月ほどで自宅を売却でき、売却代金を一括で受け取れます。

不動産会社が自宅を買い取るため、不動産を現金化するまでに時間がかかりません。できるだけ早く資金が必要な場面で利用を検討されるサービスです。

【デメリット】売却価格が市場価格の60%~80%ほどになる

リースバックでの売却価格は、一般的な不動産売却相場の60%~80%に設定されます。

リースバック時の売却代金が市場価格より低く設定されるのは、不動産会社が最終的に物件を売却する際の利回りが考慮されるからです。

売却価格が低ければ低いほど利回りが高くなります。
利回りによって得られる収益の割合を高くするために、リースバック会社は買取価格を抑えようとするのです。

本来3,000万円で売れる見込みのある不動産が、リースバックでは1,800万円程度で買い取られるおそれがある のです。

【デメリット】高額な家賃で家計が圧迫されるおそれがある

リースバックでは賃貸借契約を結ぶため、毎月の賃料が発生します。リースバックの賃料は、周辺エリアの家賃相場よりも高く設定されるのが一般的です。

一般的には、リースバックの家賃相場は買取価格の6~10%程度とされています。
たとえば、買取価格が3,000万円だった場合は、10%で家賃を算出すると年間300万円。月々の家賃は25万円です。

さらにリースバック利用時は、売却による利益にかかる税金や、保証会社を利用する際の保証料などが発生する場合があります。

高額な家賃で家計が圧迫されるおそれがある点が、リースバックの大きなデメリットといえるでしょう。

【デメリット】契約の更新が保証されていない

リースバックを利用すると、今の住まいに賃貸としてずっと住み続けられると思われがちです。
実はそこに落とし穴があります。

リースバックは、賃貸借契約の更新が保証されているわけではありません。

リースバックの契約形態は「普通借家契約」と「定期借家契約」の2つに分かれます。

普通借家契約では更新が可能ですが、定期借家契約の場合、貸主と借主双方の合意がなければ契約の更新ができません。
そのため、定期借家契約では契約期間終了後に退去を求められることがあるのです。
定期借家契約の契約は2、3年が多いため、数年住んだだけで退去になるおそれがあります。

【デメリット】買い戻し価格が売却価格より1.1倍以上も高くなる

リースバックした自宅を財産として残すには、賃貸契約終了後に買い戻す必要があります。

買い戻し価格は、リースバックでの売却価格×1.1~1.3が相場です。

例:市場価格3,000万円の不動産をリースバックし、将来買い戻す場合

リースバックの売却代金(市場価格の70%~90%)
=2,100万円~2,700万円

賃貸終了後の買い戻し価格(リースバックでの売却価格の110%~130%)
=2,310万円~3,510万円

売却で一時的に資金を得たとしても、買い戻すためにもっと多額の資金が必要になる点が、リースバックの大きなデメリットです。

【デメリット】退去を要求されるリスクがある

契約書に「会社側で第三者への売却を自由に行なえる」といった記載があると、途中で貸主が変わり、意図しないタイミングで退去を命じられるおそれがあります。

このような契約内容で売却されると、新しい貸主はもとの契約内容を引き継ぐことが一般的です。しかし、貸主の意向で契約条件が変更される可能性があります。

また、リースバック会社が倒産するケースでも退去のリスクが高まります。

所有権の引き継ぎがあると、急に退去を要請されることがある点がリースバックの重大なデメリットです。

3.リースバックを利用して後悔したケース

リースバックを利用して後悔したケース

リースバックの実態を把握するべく、利用してから後悔したケースをご紹介します。

リースバックを利用して後悔したケース

  • ケース1. 家賃が高すぎて払えない状況に陥った
  • ケース2. 契約を更新できず、退去することになった
  • ケース3. 契約書に買い戻し特約がなく、買い戻せなかった
  • ケース4. リースバック会社が倒産し契約条件が変更された
  • ケース5. 契約解除の申し出で高額な違約金を請求された

ケース1. 家賃が高すぎて払えない状況に陥った

リースバックの家賃は買取価格の6~10%程度となるため、エリアの家賃相場より割高です。

また、物価の上昇などの影響で家賃相場が高騰すると、貸主が家賃引き上げを判断するケースもあります。

契約内容によっては契約更新と同時に賃料が値上げされるため、注意が必要です。

老後の生活資金を確保するために、自宅をリースバックしました。
リースバックを選んだ理由は、まとまった資金を手に入れながら、住み慣れた家に住み続けられるという点に魅力を感じたからです。

最初のうちは、リースバックで得た資金で生活費を賄い、安心して暮らしていました。
しかし、昨年、契約更新の際に家賃が引き上げられることになりました。
家賃の増額は予想外で、家計が一気にひっ迫しました。

食費や日用品の購入を控えめにし、生活費を切り詰める苦労が絶えません。

今では、リースバックを選んだことに後悔しています。

ケース2. 契約を更新できず、退去することになった

定期借家契約は原則、契約更新できないため、契約期間を超えて居住することはできません。

定期借家契約の契約は1年間以上とされていますが、一般的には2、3年と定められるケースが多くなっています。その場合は、2、3年で退去することになります。

もともと住んでいた家に老後も住むつもりでリースバック契約をしました。
このまま長く住み続けられると思っていましたが、契約更新の時期が来た際、「更新できない」と告げられました。

退去を余儀なくされ、新しい住まいを探すことになりましたが、年齢や経済状況を考えると容易ではありませんでした。
引っ越しの費用や新居の契約料も発生し、「こんなはずではなかった!騙された!」という心境です。

何よりも長く住み続けたいという望みが崩れたことが、非常につらい経験でした。

ケース3. 契約書に買い戻し特約がなく、買い戻せなかった

契約内容に「買い戻し特約」が含まれていないと、買い戻しはできません。

買い戻しに関する条件は「再売買の予約契約書」に記載されます。
契約書に「買い戻し不可」と記載されていた場合、契約期間が満了した時点で別の住居に引っ越さないといけません。

また、買い戻し契約が無効になることもあります。
買い戻せると契約書に明記されていても、オーナーが変更され、新しいオーナーが買い戻し条件を受け入れないケースもあるのです。

2年でリースバック契約が終了したため、家族とも相談し、買い戻しを決意しました。

ところが、リースバック業者に問い合わせたところ、貸主が変わっていることが判明しました。
新しい貸主は、買い戻しの特約を認めておらず、自宅を買い戻すことができなくなってしまいました。

リースバック契約を結ぶ際に、貸主が変わる可能性について十分に理解し、契約内容や将来的なリスクを確認しなかったことを深く後悔しています。

ケース4. リースバック会社が倒産し契約条件が変更された

リースバック会社が倒産すると、意図しないタイミングで自宅が第三者へ売却され、契約条件が変更されることがあります。

次の所有者へ賃貸借契約が引き継がれる場合は、元の契約内容のまま自宅に住み続けられますが、新しい貸主によって契約条件が見直されると、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。

  • 契約更新できない
  • 退去を求められる

リースバック会社が突然倒産し、リースバックの契約内容が変更されました。
新しい管理会社が引き継いだものの、家賃が大幅に引き上げられ、契約期間も短縮されました。
年金生活をしているため、毎日の暮らしが苦しくなっています。

まさかこんな状況になるとは思ってもいませんでした。安易にリースバックを選んでしまったと反省しています。

ケース5. 契約解除の申し出で高額な違約金を請求された

マンションリースバックの契約解除を申し出たら、高額な違約金を請求されるケースもあります。
国土交通省の「住宅のリースバックに関するガイドブック」にも、リースバック会社から強引に契約をすすめられ、トラブルに発展したとの報告が上がっています。

電話で、リースバックの契約をしないかと勧誘され、いろいろとメリットがあると言われて、つい契約してしまいました。
冷静になって契約内容をじっくり読み返し、家賃の高さや更新が保証されない点などリスクが大きいことに気づきました。
解約を申し出たところ、リースバック会社から高額な違約金を請求されました。

このように後悔の声が多いため、リースバックを検討しているのであれば、ぜひ慎重にご判断ください。

4.リースバックよりも安全に資金を調達する2つの方法

不動産を現金化する方法は複数あります。リースバック以外で所有する不動産を安全に現金化する方法としては、以下の2つがおすすめです。

4-1. 一般売却

「市場価値の高い不動産を所有している」「できるだけ損をせずに自宅を現金化したい」という場合には、一般売却がおすすめです。

リースバックでは買取価格が市場価格の60%~80%ほどになりますが、一般売却では市場価格で売却できます。
売却によって得た資金は自由に使用できるため、生活費や老後資金にあてることも可能です。

得られる資金の面でリースバックを大きく上回るメリットがあるといえるでしょう。

「一般売却」のメリット

  • リースバックよりも高値で売却できる可能性がある
  • 家賃が発生しないため、生活費を抑えられる
  • 新しい住居に住み替えることで、生活の質を向上させられる

ただし、売却までに6か月以上かかることもあるため、今すぐに現金が必要な場合には不向きです。

一般売却でマンションを着実に高く売りたい場合は、複数の査定価格を比較する必要があります。
不動産会社によって査定価格が異なるため、ときには数百万円以上の差がつく可能性があるからです。

複数社に査定を依頼する際に便利なのが、NTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」です。

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不動産売却 HOME4Uはカンタンな情報を入力するだけで、全国の優良な不動産会社2,500社のなかから、6社を選んでまとめて査定依頼ができます。

マンションをより高く売りたいなら、ぜひ不動産売却 HOME4Uをご活用ください。

4-2. 不動産買取

早急に資金が必要な場合は、不動産会社による買取をおすすめします。

「買取」は、売却したい不動産を不動産会社に直接購入してもらう方法です。
一般売却に比べて売却価格は7~8割になる傾向にありますが、売れ残る心配はありません。

また、「買取」では売却活動もなくすぐに売却が可能です。そのため、周りに知られずに引き渡しまで完了できます。

「買取」のメリット

  • 短期間で現金化できる
  • 売却活動の手間がかからない
  • 周りに知られずに売却できる

買取でのマンション売却については、以下の記事で詳しく解説しています。

このように、不動産を現金化する方法は複数あります。自身の状況・ニーズに合わせて、最適な方法を選択しましょう。

まとめ

リースバックとは、所有する不動産を売却し、毎月賃料を支払うことで賃貸として住み続けられるサービスのことです。

資金を調達しながら現在の住まいに住み続けられる点がメリットとして強調されがちですが、契約の裏に落とし穴が隠されているのが実情です。

「大切な不動産を最大限高く売りたい」「売却価格で損をしたくない」とお考えの場合には、不動産売却も視野に入れましょう。

まずは、NTTデータグループが運営する不動産一括査定サービス「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」を利用し、自宅の相場価格をご確認ください。