土地売却の解体費用はいくら?相場や損をしない注意点を解説

土地売却 解体費用

古家が建っている土地を更地にして売却する場合、気になるのが「解体費用」ですよね。
解体費用は、現場の施工条件によってかなり異なってくるため、最終的には見積もりをしっかり取ることが必要となります。

ただし、一定の目安はありますので、予めいくらくらいになるのか、ざっくりと知ることは可能です。
また、物件によっては必ずしも取り壊しが必要ではないので、解体しなくて済むケースもあります。

そこでこの記事では、土地を売却するにあたり、建物の解体を検討している方に向けて、解体費用の相場や解体するか否かの判断方法などについて解説していきます。

ぜひ最後までお読みいただき、スムーズで損をしない土地売却の実現を目指してください。

土地売却を基礎から詳しく知りたい方は『土地売却の成功術!』や『土地売却の流れを7ステップで解説』もご覧ください。

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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.解体費用の相場

まず最初に、解体費用の相場について解説します。

1-1.建物解体工事

建物の解体工事費用は、主に構造によって決まります。
構造別の建物解体費用の相場は以下の通りです。

構造 物量 解体費用 坪単価
木造(W) 30坪~35坪 120万円~175万円程度 4~5万円程度
鉄骨造(S) 30坪~35坪 180万円~245万円程度 6~7万円程度
鉄筋コンクリート造(RC) 30坪~35坪 210万円~280万円程度 7~8万円程度

 

木造の戸建て住宅は延床面積が30坪~35坪程度が一般的なので、取壊し費用の総額は150万円前後となることが一般的です。

ただし、解体現場が以下のような条件を抱えていると解体工事費用が高くなります。

  • 敷地内に重機が入らずほとんどが手で壊す作業となる。
  • 前面道路が狭く搬出用のトラックが現場に横付けできない。
  • 隣接住戸と近接していて騒音防止の観点から手壊しの作業が多くなる。
  • 近くにスクールゾーンがありガードマンを多く配置しなければならない。
  • 道路と敷地との高低差が大きい。

解体費用は、周囲に何もなく前面道路にもある程度の幅があるケースが安くなる傾向です。
一方、敷地や前面道路が狭く、隣接住戸とも近接しているような施工条件が悪い物件を壊すケースでは、解体費用は高くなります。

最終的には現地を見ないと分からないため、見積もりを取る際には、解体工事会社に必ず現地を見てもらうようにしてください。

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1-2.残置物撤去費用

解体する家に家具や家庭ゴミ等の残置物がある場合は、残置物撤去費用がかかります。
残置物撤去費用は、物量によってかなり金額が異なりますが、15万円~25万円程度となるケースが多いです。

地下埋設物の種類 物量 撤去費用 平均単価
残置物撤去費用 4t~20t 15万円~25万円程度 3万円/t前後

 

家具や家庭ゴミ等の残置物は、解体で生じる産業廃棄物ではなく一般廃棄物に該当します。
多くの解体工事会社は、一般廃棄物収集運搬業の免許を保有していないため、残置物が残っていると解体を引き受けてくれないことも多いです。

したがって、残置物については解体工事前に自分で捨てることが原則となります。

1-3.樹木伐採処分費用

庭の樹木を撤去する場合、樹木伐採処分費用もかかります。
樹木は4トントラック2台分(計8トン)程度で処分できるケースが一般的です。
金額としては15万円~20万円程度となります。

地下埋設物の種類 物量 撤去費用 平均単価
樹木伐採処分費用 8t前後 15万円~20万円程度 2万円/t前後

1-4.地下埋設物撤去費用

建物の解体では、見積もり時には発見できなかった地下埋設物が発見された場合、地下埋設物撤去の追加工事費用が生じることがあります。

一般的な戸建ての広さの土地において、地下埋設物がある場合の追加工事費用の相場は以下のような金額感です。

地下埋設物の種類 物量 撤去費用 平均単価
コンクリートガラ 10t~20t 20万円~30万円程度 2万円/t前後
浄化槽※ 4t~8t 10万円~20万円程度 3万円/t前後
過去の建物の基礎 12t~32t 20万円~30万円程度 2万円/t前後

浄化槽:公共下水道が整備される前に建物が建っていたケースでは、地下に浄化槽が残っていることがあります。

上記の地下埋設物撤去費用はあくまでも目安です。
例えば浄化槽だけでなく、深い部分からコンクリートガラやレンガが発見されると100万円くらいかかることもあります。

想定外の地下埋設物が生じた場合、そのまま工事を続行して完了させることが安く抑えるコツです。

一旦工事を終了させてしまうと、再度、地下埋設物を撤去するのに重機を再び搬入しなければならず、コストアップの原因となります。

そのため、工事を止めずに地下埋設物を取りつくすまで撤去工事を続行してもらった方が、追加費用は安く済みます。

解体には数百万円単位の大きな費用がかかるため、慎重に検討しましょう。
解体前の家の価値を素人判断で決めつけず、まずは不動産会社の査定を受けておくと安心です。

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2.「解体すべきか否か」を判断する方法

古家は必ずしも取り壊さないと売れないとは限らないため、解体すべきかどうかは査定を依頼してから判断することをおススメします。

不動産会社に現地を見てもらい、プロの意見を踏まえて判断すれば、無駄に解体を行う必要がありません。

ただし、複数の不動産会社の査定を受けるようにし、1社だけの意見で判断する事は控えてください。
不動産会社にとっては更地の方が売りやすいのですが、1社だけにしか聞かないと、その会社が「取り壊した方が良いですよ」と言ってきた場合、その意見を鵜呑みにしてしまう恐れがあるからです。

客観的に判断するためには、できるだけ多くの不動産会社の意見を聞くことをおススメします。

とはいえ、複数の会社に一社ずつ連絡をとって査定依頼をするのは、手間も時間もかかってしまいます。
そんな時に便利なのが、「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」の無料一括査定サービスです。

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古家付き物件は、不動産会社の意見を聞いた上で、できるだけ解体せずにそのまま売ることが一番の費用の節約方法です。

解体費用を節約したい場合には、まずは「不動産売却 HOME4U」で不動産会社の意見をしっかりと聞いてから、解体すべきかどうかを判断するようにしてください。

3.解体する場合としない場合の売却価格の違い

建物には、「価値もないし利用もできないケース」と「価値はないけど利用はできるケース」があります。

取り壊して売る場合は、「価値もないし利用もできないケース」が該当します。
「価値もないし利用もできないケース」では、古家付きのまま売ると買主側で取り壊さねばならない分、価格も下がる傾向です。
したがって、「価値もないし利用もできないケース」では、取り壊して更地の状態で売ると最も高く売れます。

【価値もないし利用もできないケース】

(解体して売る場合)
売却価格 = 更地価格

(解体せずに売る場合)
売却価格 = 更地価格 - 取り壊し費用

価値もないし利用もできないケースでは、売主側で取り壊しを行うのが適切です。
解体せずに売る場合の価格は、理論上は更地価格から取り壊し費用を控除した価格となりますが、自ら取り壊し費用を負担して購入するような個人の買主は多くいません。

解体せずに売ると、多くの場合、買主は転売を目的とした不動産会社になります。
転売目的の不動産会社は、転売益を見込むため、さらに安く買い叩こうとします。

結果的には更地価格から取り壊し費用を控除した価格よりもさらに安くなってしまうため、少しでも高く売るには売主側で取り壊した方が良いのです。

一方で、「価値はないけど利用はできるケース」では、古家付きのまま売っても買主は建物を利用するため、買主側で建物が取り壊されることはありません。

そのため、「価値はないけど利用はできるケース」では古家付きのまま売っても更地価格で売ることができます。
しかも、転売目的の不動産会社ではなく、個人の買主に買ってもらうことも可能です。

【価値はないけど利用はできるケース】

(解体して売る場合)
売却価格 = 更地価格

(解体せずに売る場合)
売却価格 = 更地価格

「価値はないけど利用はできるケース」では、解体せずに売却しても更地価格で売れますので、事前に必ず不動産会社に解体すべきかどうかの意見を聞くようにしましょう。

不動産売却塾 コラム
“解体費用は節税効果がある”

解体費用には、売却時の節税効果があるというメリットがります。

土地の売却では、譲渡所得が発生すると税金が生じます。
譲渡所得とは、以下の式で計算されるものです。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

譲渡価額とは売却価額です。
取得費とは、土地の購入額になります。

ここで、譲渡費用には、仲介手数料や印紙税、測量費などの他、建物の解体費用も含むことが可能です。

解体費用によって譲渡費用が大きくなれば譲渡所得が小さく計算され、売却時の税金を節税することができます。

4.解体して売る際の注意点

この章では解体して売る際の注意点について解説します。

4-1.マイホームなら3,000万円特別控除の適用期限に注意する

解体して売却する予定の建物が「マイホーム」の場合、3,000万円特別控除という節税特例を利用することが可能です。
マイホームは、税法上、居住用財産と呼ばれます。

居住用財産の3,000万円特別控除を適用した場合の譲渡所得の計算式は以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

譲渡所得の計算式から3,000万円も引かれるため、3,000万円特別控除を利用するとほとんどのケースで譲渡所得がゼロ(マイナスの場合もゼロ)となります。

取り壊して3,000万円特別控除を利用するには、売却のタイミングに以下のような制限があります。

【取り壊し後に居住用財産の3,000万円特別控除が適用できるケース】

転居後に家屋を取り壊した場合には、転居してから3年後の12月31日までか、取り壊し後1年以内か、いずれか早い日までに譲渡する場合(取り壊し後にその敷地を貸し付けたり、事業の用に供したりすると適用外となる)

3,000万円特別控除を適用するには、まず転居してから3年後の12月31日までという最終デッドラインがあります。

転居後の3年後の12月31日までの間に、建物を取り壊したらその1年以内に売却すれば3,000万円特別控除を適用できます。

もし、取り壊しから1年経たないうちに転居後の3年後の12月31日のデッドラインが来てしまったら、そのデッドラインまでに売れば3,000万円特別控除を適用できることになります。

また、取り壊し後はその更地を、例えば駐車場のような貸し付けや事業の用に供してはいけないことがポイントです。

取り壊して何もせずに、すぐに売れば3,000万円特別控除を適用できることになります。

3,000万円特別控除の詳細な要件については、国税庁HPをご参考ください。

参考:国税庁HP「No.3302 マイホームを売ったときの特例

4-2.固定資産税と取り壊しのタイミングを意識する

取り壊す建物が住宅の場合、固定資産税と取り壊しのタイミングを意識することが必要です。

土地の上に住宅が建っている場合、土地には「住宅用地の特例」というものが適用されており、土地の固定資産税が安くなっています。

そのため、住宅を取り壊すと、建物の固定資産税はなくなりますが、土地の固定資産税が上がるという関係になります

住宅を取り壊すと、200平米以内の土地であれば、固定資産税は4倍強上がります。
200㎡を超えるような土地の場合、固定資産税は3~4倍程度上がります。
(よくインターネット上で住宅を取り壊すと固定資産税が6倍になるという間違った内容を見かけることがありますが、6倍にはなりません。)

古家の場合、建物の固定資産税が非常に安く、建物の固定資産税がなくなるよりも土地の固定資産税が上がる影響の方が大きいため、建物を取り壊すとトータルとして固定資産税が上がってしまうケースが多くあります。

ただし、固定資産税は毎年1月1日の状態で判断されますので、1月1日を過ぎたタイミングで取り壊して、1年以内に売却すれば、固定資産税が安いまま売却することができます。

1月1日より前に壊した場合、翌年の固定資産税は上がってしまいます。
住宅を取り壊して売却する場合は、1月1日を過ぎたタイミングで取り壊して売る方がお得です。

5.古家でも解体しなくて良い建物

5.古家でも解体しなくて良い建物 古民家この章では、「古家でも解体しなくて良い建物」について解説します。

5-1.古民家としての価値がある場合

古家でも、古民家としての価値がある場合は取り壊す必要がありません。
古民家というと、築100年以上の建物を想像する人も多いですが、必ずしも極めて古い建物しか古民家にならないというわけではありません。

古民家専門サイトでは、築30年くらいでも古民家として売り出している物件もあります。
昨今は古民家ブームですが、古くても風合いのある建物であれば、古民家としての価値が見いだされ、古家付きで売却できている事例も増えています。

建物だけでなく、庭が広かったり、周辺にのどかな風景があったりすると古民家としての価値が見いだされ、取り壊さなくても売却できています。

古民家としての価値が見いだせるかは、不動産会社に査定をしてもらう際に、プロの意見を聞いて判断するようにしましょう。

5-2.買取を選択する場合

買取を選択する場合は、取り壊すことは不要です
買取とは、転売を目的とした不動産会社への売却のことを指します。

不動産会社は下取り価格として購入するため、価格としては非常に安くなります。
しかしながら、買取では「取り壊さなくても売れる」、「すぐに売れる」等のメリットもあります。

買取の不動産会社は、相場よりも2割程度安く仕入れますので、建物を取り壊す前提の買取価格の相場は、以下のようになります。

買取による売却価格 = (更地価格 × 0.8) - 取り壊し費用

古くて売却しにくい物件は、買取という選択肢もありますので、解体費用を負担したくない方は買取を検討してみると良いかもしれません。

まとめ

いかがでしたか。

建物の解体費用は、木造戸建て住宅だと150万円程度になります。
解体して売るときは、「マイホームなら3,000万円特別控除の適用期限に注意する」ことと「固定資産税と取り壊しのタイミングを意識する」ことが注意点となりますので、しっかり理解しておくことをおススメします。

古家付き物件でも「古民家としての価値がある場合」や「買取を選択する場合」は、取り壊しは不要です。

古家付きの土地を売却するにあたり、建物の解体は必ずしも必要ではありません。
解体すべきかどうか迷っている方は、取り壊す前に「不動産売却 HOME4U」を使って不動産会社の査定を受け、不動産のプロの意見を参考にするようにしてください。

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この記事のポイント まとめ

建物の解体費用の相場はいくらする?

建物の解体費用は、次の要素で構成されます。

  1. 構造別の解体費用
  2. 残置物撤去費用
  3. 樹木伐採処分費用

詳しくは 1章「解体費用の相場」で詳しく解説しています。

建物を解体する、しないを判断する方法は?

建物を解体するかどうかは、査定を依頼してから判断することをおススメします。

詳しくは 2章「「解体すべきか否か」を判断する方法」で詳しく解説しています。

建物を解体して土地を売却する際の注意点は?

解体して売る際の注意点は、以下のようなものが挙げられます。

  1. マイホームなら3,000万円特別控除の適用期限に注意する
  2. 固定資産税と取り壊しのタイミングを意識する

詳しくは4章「解体して売る際の注意点」で詳しく解説しています。