土地の値段を調べる方法を解説!価格を決める5つの要因とは

土地の値段 調べ方

土地の値段を調べたいときに、「どのように調べればよいか」疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。土地の価格は定価がなく、需要供給のバランスによっても変動するため価格を求めるのは難しいです。しかし、基準となる価格と値段の要因が分かるとある程度の値段を算出できます。

この記事では、土地の値段を決める際に基準となる4つの指標と調べ方、土地の値段を決める際に影響する5つの要因について紹介します。

土地の売却について基礎から詳しく知りたい方は『土地売却の流れを7ステップで解説』をご覧ください。

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1.土地の価格の決め方

土地の価格の決め方

土地の値段を知りたい場合は、目的別に根拠となる4つの価格表を参考値にできます。本章では土地の値段算出の元となる4つの指標について、詳細と価格の決まり方について解説します。

1‐1.公示地価

土地を売りたい場合に基準となる価格が公示地価です。

公示地価は、土地の売買を目的とする際に適正な土地価格を知るために役立つ指標です。公示地価は、地価公示法に基づき国土交通省の「土地鑑定委員会」が、全国に定めた調査地点(標準地)を対象に調査、それぞれの調査地点にある1平米あたりの土地価格を定めています。

1地点につき、2人以上の不動産鑑定士が土地の鑑定を行い、評価額を出します。公示地価は毎年1月1日時点の鑑定結果が反映され、その年の3月中旬頃に公表されます。
公示地価は公共事業用地の取得価格算定の基準となり、「一般の土地取引価格に対する指標となること」などを目的としており、土地がもつ「価値の最大値」を算出するように鑑定が行われます。

そのため、公示価格をもとに、売却時に売り手に高い値段を提示できる可能性があります。また、公示地価は国土交通省が土地の基準値として毎年鑑定しています。国が指定した鑑定士により評価額が算出されているため、信用性が高い数値といえます。公示地価は土地の売買以外でも、幅広い取引で参考となるデータです。

1‐2.実勢価格

実勢価格とは、実際に土地が売買された際に取引された価格のことです。その土地が売れた際の金額であるため、決まった金額はなく、売り手と買い手の話し合いの結果で価格は変動します。

実勢価格も公示地価と同様、土地の売買をする際に基準となる価格です。売りたい土地と、似ている条件を持つ土地に関して、過去の実勢価格を調べると売値の参考値を知ることができます。

実勢価格と公示地価の違いとしては、国土交通省「土地鑑定委員会」のような公的機関が定めた価格ではなく、あくまで売り手と買い手の需要と供給で価格が決まっている点です。そのため決まった価格はなく、売買する当事者の間で自由に価格が決まります。

売りたい土地に買い手がつかなかったり、当事者同士の事情で売値を下げたりした場合、実勢価格は評価額よりも下がりますし、逆に買い手からの需要があれば実勢価格は上がります。

不動産の売買について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

1‐3.固定資産税評価額

固定資産税評価額とは、市区町村が固定資産税を算出するために、不動産を評価した際の価格のことです。土地や家を所有すると発生する固定資産税の金額を決めるために用いられるのが「固定資産税評価額」です。そのため所有する不動産に対しての税金を計算したい場合は、この基準が使えます。

固定資産税評価額は、土地や家屋などそれぞれの資産価値の評価軸を定めた「固定資産評価基準」に基づき算出されます。
例えば、土地であれば土地の時価の約70%が固定資産税評価額の目安です。土地が市街地なのか村落地域なのか、面積や形状、道路の接し方などによって、評価額が異なってきます。

固定資産税評価額は3年に1回見直されることも特徴です。
最新の固定資産税評価税は、各市区町村で固定資産課税台帳を閲覧するか固定資産評価証明書を発行してもらうことで確認することができます。

固定資産税についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

1‐4.路線価

路線価とは、国税庁が毎年発表する土地の価格のことで、相続税や贈与税を計算する際の基準です。路線価は、路線(道路)に面している宅地1平方メートル当たりの価額をもとに算出されます。

相続税に関する路線価は毎年更新されるものです。宅地1平方メートル当たりの価額は、売買の実勢価格や公示地価、不動産鑑定士による鑑定評価額などを元に、毎年7月にその年の1月1日時点の価格が発表されます。

路線価は、相続税を知るための路線価と、固定資産税を知るための路線価と2種類あります。固定資産税を調べる路線価は市町村の管轄で、相続の路線価とは異なりますので注意してください。

相続税の路線価
国税庁が毎年7月ごろ発表
固定資産税の路線価
各市町村の管轄で3年に一回、4月に更新
※東京23区は東京都の管轄

路線価の調査対象は「主要な道路に面した土地」です。調査対象ではない土地については、路線価は発表されません。

2.土地の価格を調べる方法

土地の価格を調べる方法

土地の値段を決めるために参考となる4つの価格について、それぞれの調べ方を紹介します。どの価格もネットで調べたり、自治体の役所に確認したりするとかんたんに知ることができます。

2‐1.公示地価の調べ方

公示地価は国土交通省が運営する「土地総合情報システム」内の「不動産取引価格情報検索」で調べることができます。

土地総合情報システム

公示地価を調べたい場合は、まず「土地総合情報システム」と検索し画像のページへアクセスします。該当ページがヒットしましたら下記手順に従って操作を進めましょう。

  1. トップページ上の「地価公示 都道府県地価調査」をクリック
  2. 検索地域を選択(表示された地図にて都道府県、市町村の順に選択)
  3. 調査対象、調査したい年、土地の用途区分など検索条件を指定
  4. 検索結果が多い場合は、検索結果画面の「所在及び地番」項目「 地図で確認する」をクリック。地図のカーソルを動かして、調査したいエリアを選ぶ

土地総合情報システム」は国土交通省が運用するシステムです。公示地価は、国土交通省の土地鑑定委員会の審議を経て決定されているため、システムに掲載されている公示地価は信用できる情報といえます。

2‐2.実勢価格の調べ方

土地の売買を目的として、土地の値段を調べたい際は実勢価格を参考にできます。実勢価格は国土交通省が運営する土地総合情報システムを使って調べることができます。

土地総合情報システム」を利用しての実勢価格の調べ方を、詳しく記載します。

  1. トップページ左上の「不動産取引価格 情報検索」をクリック(オレンジ色のバナー)
  2. 画面左上の「時期を選ぶ」を確認(最新の取引情報を調べたければ時期は変えずそのまま。過去の取引情報を知りたい場合は、該当の時期をプルダウンで選ぶ)
  3. 「種類を選ぶ」にて不動産の種類を選択
  4. 「地域を選ぶ」にて不動産の住所を選択(調べ方は3つある。住所選択、最寄りの路線・駅名選択、もしくは地図から都道府県を選択)

注意点として「不動産取引価格」は、実際に売買された値段をもとに作成されているため、同じエリア内の土地でも条件によって値段が異なるケースがあります。売買された土地の形状や方位も載っていますので、どの取引価格を参考にすべきか迷った際は、所有している不動産と似ている条件の取引例か確認をしましょう。

2‐3.固定資産税評価額の調べ方

固定資産税の算出根拠として土地の値段を知りたい際は、固定資産税評価額が参考値になります。固定資産税評価額を調べる方法は以下の通りです。

  • 固定資産税納税通知書を確認する
  • 固定資産評価証明書を取得する
  • 固定資産課税台帳を閲覧する

2‐3-1.固定資産税納税通知書を確認する

固定資産税評価額の最もかんたんな調べ方は、固定資産税納税通知書を確認する方法です。固定資産税納税通知書は、家や土地に対してかかる固定資産税に対して納税を依頼する通知で、毎年春先に納税対象となる資産が所在している市町村から通知書が送られてきます。

「固定資産税評価額」は、通知書に添付されている課税明細書で確認してください。

評価額の確認方法は以下の通りです。

  • 固定資産税納税通知書に添付されている固定資産税・都市計画税 課税明細書を見る
  • 明細書内に「評価額」もしくは「価格」と記載された欄を探す
    (評価額は市町村の明細書フォーマットによって、記載欄が異なる)

固定資産税・都市計画税 課税明細書の例を記載します。

固定資産税・都市計画税課税明細書

出典:“固定資産税証明書”. 大阪府豊中市. (参照2024-04-09)

固定資産税は、評価額をもとに納付金が算出されるため、通知書が手元にきたら評価額(価格)部分は必ず確認しましょう。

2‐3-2.固定資産評価証明書を取得する

次に、固定資産評価証明書の取得方法を紹介します。

毎年春先に納付先の市町村から送られてくる固定資産税納税通知書ですが、引っ越し等により送付先が変更された場合、新しい住所へ通知書が届かないケースがあります。
固定資産税納税通知書が手元に届かない場合は、固定資産評価証明書を取り寄せて評価額を調べてください。

固定資産評価証明書を取り寄せるには、固定資産の所在している市町村の役所へ出向き、申請書、運転免許証・パスポートなどの本人確認書類、申請手数料を出します。
資産評価証明書の発行申請は郵送でも可能です。

2‐3-3.固定資産課税台帳を閲覧する

固定資産税評価額は、固定資産課税台帳の閲覧によって調べることもできます。

固定資産課税台帳とは、各市町村長が管轄しており、評価額の根拠として使われる「固定資産評価基準」をもとに算出された固定資産をすべて登録したものです。

台帳には固定資産の所有者・所在・価格が記載されているため、価格欄で評価額を知ることができます。

固定資産課税台帳は、各市町村の役所に出向き、担当の課で申請すると閲覧ができます。
申請書類や手数料などの詳細は、各市町村のホームページで確認することができます。

固定資産税評価額の調べ方と、書類入手方法についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

2‐4.相続税の計算に使える路線価の調べ方

相続税や贈与税の元となる土地の値段を知りたい場合は、路線価が役立ちます。路線価は国税庁が管轄する路線価図・評価倍率表で調べることができます。
路線価図・評価倍率表

「路線価図・評価倍率表」を利用した、路線価の調べ方は以下の通りです。

  1. 財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」トップページから、都道府県を選択する
  2. 「路線価図」を選択する
  3. 市区町村を選択する
  4. 地名から探す場合は、調べたい地名を探し該当の路線価図ページ番号を選択する
    地図から探したい場合は、ページ上部の「この市町村の索引図ページへ」を選択、地図上から該当エリアを選択する
  5. 表示された路線価図から、路線価を確認する
    ※路線価の調査対象は「主要な道路に面した土地」のため、調査対象ではない土地には路線価は記載されていない。

「路線価図・評価倍率表」地図上に100E、70Eなどの数字が記載されています。この数字を1000倍した数値が路線価です。
仮に、地図上で100Eと書いてある道路があるとすると、その道路沿いの土地には10万円の路線価が設定されており、100Eの道路に面している土地には1平米あたり10万円の価値があると算出できます。

3.土地の価格を決める5つの要因

土地の価格を決める5つの要因

土地の価格は一定ではなく、周辺の環境や土地の特性によって変動します。定価がない土地の価格ですが、値段はどのように決められるのでしょうか。土地の価格決めの際にポイントとなる5つの要因を紹介します。

3-1.土地の利便性

土地の利便性は、価格を決める際に大変大きな要素となります。物の価値は需要と供給で成り立っていますが、土地に関しては利便性が高ければ高いほど需要が増すからです。

利便性は立地や周辺環境、地域の発展度合いなど、生活するうえで便利であるかなどが関わってきます。
どのような土地に利便性を感じるかは人によって様々ですが、通勤や通学に便利な駅が近い、人気の学区、ショッピングセンターがあるなど、多くの人が便利と感じる立地や環境であるほど需要が高まるため土地の値段は上がります。

3‐2.土地の広さ

土地の広さも価格を決める際の重要な要因となります。土地の価格は1平米あたり、もしくは1坪(1坪は畳2枚分程の広さ、1畳は1.62平米以上と定義付けられているため1坪は約3.24平米)あたりいくらといった形で提示されているケースが多いです。

土地の価格 = 坪単価 × 面積

3‐3.土地の形

土地の価値を決める際に土地の形も判断材料となります。その土地をどのような用途で使用するかにもよりますが、仮に住宅を立てるために土地を利用する場合、住宅を立てるに見合った土地の形、形状かは価格決めに関わってきます。

土地の形が四角、もしくは長方形など「整形地」といわれる土地であれば一般的な住宅の形に沿っているため問題ありません。
しかし、形が円形で合ったり、「旗竿地」とよばれるような一部分が突出していたりといった「不整形地」ですと、広さによっては住宅の建設ができず、土地の価格が下がる要因になります。

整形地の方が利用しやすく需要も高いですが、設計次第では不整形地を活かすこともできます。不正形地の売却をする場合は、仲介に入る不動産会社に「土地の形を活かした建築プランを立てられるか」聞いてみてください。

3‐4.土地の方角

土地の方角も価格決めの要因となります。日本では、住宅の日当たりや東西南北どの方角を向いているか等を気にする人が多いため、方角が土地購入の決め手になるからです。
日当たりや風水等の方角を考慮すると、冬でも洗濯物が乾きやすい南側や東側に開けている土地の需要が高いため、南東西北の順で価格が高くなる傾向があります。

土地の方角は、その土地を何に活用するのかが重要です。日当たりの良い家を建てたい、庭で家庭菜園を行いたい場合は、南側の日当たりがいい土地が好まれるでしょう。
土地の売却をするときは「その土地で何ができるのか」、不動産会社と戦略を立てて売却することが大切です。

3-5.景気

土地の価格は景気によって大きく左右されます。土地の所在地によっては好景気、不景気の波と連動して不動産価格が大きく変動することがありますので注意が必要です。例えば、景気の好調により基準地価が上昇すると、土地の価格は上がります。

例外として、景気が良くなかったとしても、金融緩和によるマイナス金利政策の影響によって、金利の低い状態で住宅ローンを組める人が増えると、住宅の購入者が増加し、結果土地の価格が上昇することもあります。

なお、2024年にマイナス金利政策は17年ぶりに解除されました。

景気の変動を予測することは難しいですが、土地の価格への影響は大きいです。土地売却を検討している方は「どのタイミングで売るべきか」経済動向も考慮する必要があるでしょう。

まとめ

土地の価格が決まる4つの指標と調べ方、土地の価格に影響する5つの要因を紹介しました。
土地の価格は定価がなく、需要供給のバランスによっても変動するため、正確な価格を求めるのは難しいです。
しかし、公的地価や実勢価格をはじめとした国が出している鑑定結果を参考にすると、ある程度の価格を算出することができます。本記事で紹介した方法であれば、無料もしくは数百円で土地の価格を算出できます。ぜひ活用してみてください。

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この記事のポイント

土地の価格はどのように求められる?

土地の価格は基準となる以下の4つの指標を使って求められます。

  • 公示地価
  • 実勢価格
  • 固定資産税評価額
  • 相続税路線価

詳細は「1.土地の価格の決め方」をご覧ください。

土地の価格を調べる方法は?

土地の価格を調べる方法は以下の通りです。

  • 公示地価と実勢価格は土地総合情報システム内の「不動産取引価格情報検索」で調べる
  • 固定資産税評価額は毎春市町村から送られてくる「固定資産税納税通知書」から確認する
  • 相続税路線価は国税庁ホームページ内の「路線価図・評価倍率表」で調べる

詳細は「2.土地の価格を調べる方法」をご覧ください。

土地の価格の決め手となる要因は?

土地の価格は下記5つの要因によって決まります。

  • 土地の利便性
  • 土地の広さ
  • 土地の形
  • 土地の方角
  • 景気

詳細は「3.土地の価格を決める5つの要因」をご覧ください。