更新日:2025.01.15 不動産売却の基礎講座, 土地売却ガイド 赤地(あかち)とは?国有地の種類、土地の取得における払い下げについて 赤地(あかち)とは、国有地の一種で、公図にある赤い部分の土地のことを指します。かつては道路として使われていた土地ですが、現在では住宅が建つことも少なくありません。赤地を含む土地は、払い下げを受ける必要があります。 本記事では、赤地の概要や、国有地の種類、払い下げが必要な理由、払い下げの手順などについて解説します。 この記事を読むと分かること 赤地、青地、白地の違い 赤地を含む土地で払い下げが必要な理由 赤地を払い下げる手順 「土地を売りたい」と悩んでいる方へ 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格(※)”を見つけましょう※依頼する6社の中での最高価格 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート Contents1.赤地(あかち)とは?2.赤地を含む土地や中古住宅は払い下げが必要3.赤地の払い下げを受ける手順4.赤地の払い下げにかかる費用の目安まとめ 1.赤地(あかち)とは? はじめに、赤地の概要や、国有地の種類について解説します。 1-1.赤地とは? 赤地とは、登記所にある公図の赤く塗られた部分の土地のことです。赤道(あかみち)、里道(りどう)とも呼ばれています。 赤地はもともと、道路として使用されていた国有地(国が所有する土地)であり、一般的な宅地とは異なります。しかし、年月の経過とともに、本来は道路であった赤地を含む土地に、住宅が建てられることが増えています。 中古住宅を購入するにあたって、国有地である赤地が敷地に含まれる場合は、赤地部分を国から払い下げてもらう手続きを踏む必要があります。 参考:“旧法定外公共物(旧里道・旧水路)”. 財務省財務局 1-2.赤地と青地、白地の違い 赤地と同じ国有地である、青地と白地との違いについて解説します。 1-2-1.青地(あおち)とは? 青地とは、公図で青く塗られた部分で、国有地である河川や水路、河川敷があった土地です。青道(あおみち)、青線(あおせん)と呼ぶこともあります。 青地も赤地と同様に国有地であるため、宅地には該当しません。しかし、水路が事実上廃止となった後の青地に建物が建つこともあります。 青地とは?白地との違いや農振除外の要件、不要な青地を手放す方法を全解説 「青地」とは、特定のエリアに属する農地を指します。所有する農地が青地に 1-2-2.白地(しろち)とは? 白地とは、公図上の番地がない国有地で、「脱落地」と呼ばれることもあります。 一般的ですが、宅地・農地・山林・原野に白地が含まれることもあります。自治体が国有地と把握しておらず、土手や資材置き場などの民有地に取り込まれるケースも少なくありません。 なお、水路のために土砂を貯留する、いわゆる「ドロ揚地(どろあげち)」も白地の一つです。 2.赤地を含む土地や中古住宅は払い下げが必要 国有地である赤地を含む土地を取得するときは、赤地部分の土地の払い下げ手続きをとる必要があります。払い下げとは、国有財産を民間に売却することです。 払い下げの申請をしないと、国有地を不法に占有することになります。また、一筆の土地が赤地によって分断されている場合、土地をそれぞれ評価することになるので、不動産の評価額が下落してしまうリスクがあります。 そこで、赤地を払い下げてもらい自分の土地にすれば、不動産の評価額が下がる心配がなく、売却するときもスムーズな取引が可能です。なお、購入した中古住宅の土地に赤地が含まれるケースに加えて「相続した土地」に赤地が含まれるときも、払い下げの手続きが必要です。 【無料】一括査定依頼スタート 3.赤地の払い下げを受ける手順 赤地に該当する土地の払い下げを受けるには、以下の手順で手続きをする必要があります。 公図を入手し、赤地かどうかを確認する 赤地に道路としての機能があるか確認する 赤地の境界を確定する 自治体に赤地の払い下げを申請する 土地を登記する 各手順の内容を詳しく説明します。 3-1.公図で赤地かどうかを確認する 払い下げの申請をする前に、敷地内に赤地が存在するかどうかを確認しましょう。公図で赤く塗られた部分が赤地です。公図は法務局に出向くほか、インターネットや郵送でも入手できます。 なお、公図とは「14条地図」と「14条地図に準ずる図面」のことです。14条地図とは、登記所に備え付けられている地図で、不動産登記法第14条の規定に基づいて作成されます。 14条地図は、市町村が主体となり、区画ごとの所有者・地番・地目などを調査し、境界の位置と面積を正確に測量する「地籍調査」を経て作成されます。精度が高い地図であり、境界が不明になったときでも、地図をもとに境界の復元が可能です。 一方で「14条地図に準ずる図面」は、租税徴収を目的として明治時代に作成された図面です。正確な測量が実施されていないため、14条地図と比べて精度が低いものです。 2022年(令和4年度)末時点で、地籍調査の進捗状況は52%にとどまっています。14条地図が整備されていない地域では、14条地図に準ずる図面を活用するケースがあります。 参考: “不動産登記法 第十四条(地図等)”. e-Gov法令検索 “公図って何?~地図と公図の違い~”. 法務局 “全国の地籍調査の実施状況”. 国土交通省 地積測量図とは?取得方法や内容、見方についてわかりやすく解説 土地を売買したり、相続したりする際に必要になる地積測量図は、土地面積の 3-2.赤地に道路の機能があるか確認する 赤地に道路としての機能があるかどうかを確認するには、土地を管轄する自治体、もしくは財務局・財務事務所に問い合わせます。道路や水路として機能するものは市町村、機能しないものは財務局の管轄です。 道路としての機能が失われていた場合、市町村の役所で「用途廃止(公用廃止)」の手続きを行ない、赤地を普通財産にする必要があります。 用途廃止とは、法定外公共物の公共性がなくなっている場合に、道路や水路などの本来の目的をなくす手続きです。用途廃止の手続きを経て、ようやく赤地の払い下げを受けられます。 ただし、道路の機能が残っているときは、基本的に払い下げを申請できないため注意が必要です。 参考:“公用廃止について”. 東大阪市 3-3.土地の測量で境界を決定する 土地の境界が定まっていない場合、測量を依頼して境界を確定する必要があります。測量では、境界の点や線の位置に目印として「境界標」の杭を残します。杭の素材には、金属やコンクリート、プラスチックなどさまざまあります。 境界確定の測量は、基本的に土地家屋調査士に依頼します。また、払い下げの申請手続きを、土地家屋調査士に代行してもらうことも可能です。 なお、境界確定の測量を実施する前に、赤地や青地を管轄している自治体や財務局などに問い合わせを行ないましょう。 土地の境界を決める確定測量の概要については「「確定測量」とは?費用と流れ、失敗しないための注意点を紹介」で詳しく解説しています。 3-4.赤地の払い下げを申請する 払い下げの申請から、売買契約が締結するまでの流れは、以下のとおりです。 売払申請書、所定の必要書類を、役所または財務局に提出する 取引事例価格・相続税評価額を考慮し、役所や財務局が売却価格を算定する 売買価格の決定後、契約書、土地代金の納付書、必要書類に関する通知書などが送付される 契約書に署名・捺印し、土地代金を納付する なお、管轄する役所や財務局によっては、手順が異なる場合があるため忘れずに確認しましょう。 3-5.土地の登記を実施する 払い下げをしてもらった赤地を自分の土地と主張するには、登記の手続きが必要です。そもそも赤地を含む国有地のほとんどは、登記されていない土地であるためです。 赤地の払い下げを受けたときは、土地表題登記と所有権保存登記を申請します。 土地表題登記とは、新たな土地を取得した際、土地の所在や地番などを登記するものです。一方、所有権保存登記では、表題登記をした土地の所有者を登記します。 土地表題登記は、土地の取得後1ヵ月以内に申請しなければなりません。ただし、払い下げた土地の登記に関して、自治体側が「嘱託登記」をするケースもあります。 嘱託登記とは、国や地方公共団体などの官公庁が当事者となり、土地の所在地にある法務局に申請する登記のことです。 参考:“不動産登記法第三十六条”. e-Gov法令検索 不動産売却の登記費用の相場は?土地・物件の登記ルールを解説! 不動産を売買する時には、仲介手数料や印紙税など、さまざまな費用がかかり 所有権移転登記とは?どのタイミングで実施する?手続きと必要書類も解説 不動産の売却や相続で所有者が変わる場合、所有権移転登記が必要です。所有 【無料】一括査定依頼スタート 4.赤地の払い下げにかかる費用の目安 赤地の払い下げを測量事務所に依頼した場合には、40万円前後の費用がかかります。 ただし、依頼内容や土地の面積、隣接する土地所有者の人数、基準点(地図作成や各種測量の基準となる点)の有無などによっても、費用は異なるため、事前に見積もりをとっておくことをおすすめします。 まとめ 国有地である赤地が含まれる土地を取得する場合、自治体や財務局に払い下げの申請をする必要があります。赤地を含んだままの土地を所有すると、国有地を不法に占有することになり、評価額が下がり、売却もしにくくなります。 赤地を払い下げ後、不動産の売却を検討している方は、NTTデータグループが運営する不動産一括査定サイト「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」をご活用ください。 「不動産売却 HOME4U」は、23年の実績を誇る老舗の不動産査定サイトで、全国約2,500社の優良不動産会社のなかから、最大6社の査定価格をまとめて取り寄せできます。土地の査定価格は、不動産会社によって数百万円もの差が生じることもあるため、複数社を比較検討し、最適なパートナー会社を見つけましょう。